冬の富士五湖で車中泊を楽しみながら東京へ（5/8）新倉浅間神社の五重塔から甲斐の猿橋へ

2019/12/07 - 2019/12/07

　河口湖より３km。
　富士吉田の街の北はずれに新倉山があり、そこに浅間神社が建っているという。
　本殿はコンパクトで目を引くものはないが、背後の山に忠霊塔と呼ばれる紅の五重塔がそびえていて、そこからの景色が絶景だと、多くの写真が投稿されている。
　その評判に誘われて、道草ながら新倉山に登ってみる。

エリア 大月(山梨)

• 同行者: カップル・夫婦（シニア）
• 交通手段: 自家用車

　河口湖からそんなに遠くはない。

　駐車場までの道は狭かった。
　駐車スペースは少ないと聞いていたが、車は停めることができ（無料）、

　塔のある山をめざすと、

　いきなり長い石段だ。

　その石段の途中に浅間神社の本殿があったが、
　本殿とは知らずに通り過ぎる。

新倉浅間神社 寺・神社・教会

　めざす五重塔はまだまだ上で、溜息の出るような石段がずっと伸びている。

　聞こえてくるのは忍野八海と同じで、外国語ばかりだ。
　それらの海外からやって来た人たちに混じって、富士を振り返りながら、休み休み登って行く。

　タイ語が聞こえてきた。
　話しかけるとタイの家族だった。
　タイ旅行中には、親切で寛容なタイの人たちのお世話になることが多く、
　こんな場所で出会ったことが嬉しくて、ちょっとお喋り。
　しかし急なことで、スムースにタイ語が口から出てこない。

　遠回りとなるが、急勾配な石段と交差する坂道もあって、
　その坂道を歩いてみるが、

　でも景色は石段の方が圧倒的に良く、登るならやはり石段だ。

　「もう少し」
　「もう少し」
　と声をかけ、

　やっと塔の見える場所までたどりついた。

　艶やかな朱色に輝き、綺麗過ぎる。
　もしかしたら観光用として造られたばかりかな？
　きれい過ぎると威厳がないと感じるのは日本人で、外国人は豪華絢爛としたものを好むから、これで良いのか・・
　利休と秀吉との趣向の差に似ている。

　それは置いておき、やはりここからの富士は素晴らしく、
　３次元の大地のダイナミックさは、写真ではとても表現できない。
　ここまで来た価値は充分あるのだ。

　富士のふもとに茶色の部分が広がっている。
　「あれは何？」
　と昨日から気になっていたが、聞けば自衛隊の演習場だそうだ。
　ああ、あれがそうなのか・・と、これも初めて知る。

　今一度、忠霊塔と富士を楽しんで、

　山を降りる。
　下は動画です。
https://youtu.be/xkLmeq7E4y4

　東に向かって走り、都留の街に入ると、
　「ツルってこんな漢字だったのか・・」
　「都留文科大のある街だよね・・」
　大月市に入ると、
　「大月って、ここだったのか！」
　「東京から来ると、ここが吉田方面と甲府方面との分岐点なんだね・・」
　と感激することばかり。
　リニア新幹線の実験場もあって、これにも興奮し、ノロノロ旅の楽しさを満喫する。
　詳しくは動画で紹介します。
https://youtu.be/9QMglqhLAPo

　甲斐の猿橋に到着。

猿橋 名所・史跡

　数台しか止められない狭い駐車場に、運良く１台分の駐車スペースがあって、
　車を潜り込ませて、

　ちょっと歩けば、もう猿橋のたもとだった。
　ここから見れば、ただの木の橋だが、

　橋の下に降りて行くと、

　橋を支える独特の構造が見える。
　広重の「甲陽猿橋之図」や十返舎一九の「諸国道中金之草鞋」にも、この珍しい構造が描かれているという、めったなことではお目にかかれない橋だ。
　沢山の猿がつながりあって対岸へと渡っていく姿から、ヒントを得た造りだとも言う。

　猿橋は歩行者専用の観光橋だが、その隣に実用の橋があり、　
　

　こちらはがっりした鉄骨アーチで支えられている。

　猿橋を渡ってみる。

　すると真下は渓谷で、

　南側には国道20号線の赤い橋。
　その手前の橋は不明だが、素晴らしい眺めではないか。
　

　北側には先ほどの県道505の橋。
　

　その県道の橋から猿橋を眺めると、猿橋を支える構造が良く見える。
　

　欄干には猿をもじった図柄がはめられていて、

　すぐ下流はここの数倍もある川幅となっていた。
　この川は猿橋付近だけが異様なほど狭くなり、渓谷となっているのだ。
　ということは、ここだけ固い岩盤が横たわっているわけで、
　『ブラタモリ』で取り上げて欲しい、興味深い場所だ。

　女房は地質よりも紅葉が好きで、その写真を撮りまくっている。

　帰り際、意味不明だった橋を覗くと、水が流れていた。
　水道橋だ。
　古代アテネの水道が、ふと頭に浮かんだ。
　

この旅行記へのコメント （2）

• *ちょこ*さん 2020/02/04 15:57:07

  こんにちは

  やっぱりシタミチのノロノロ旅は楽しいですよね～。
  車中泊旅の旅行記、毎回ワクワクしながら読ませてもらってます。
  
  富士吉田の浅間神社、私も前から行きたくて行きたくて。
  春を狙って行きたいなと思うけど、駐車場少ないんですね(^^;
  なかなか厳しそうですね。。。
  
  猿橋は初めて知りました。
  渓谷もとってもいい風景ですね。
  
  *ちょこ*

  motogenさん からの返信 2020/02/05 16:49:55

  Re: こんにちは

  ありがとうございます。
  非力な軽では、怖くて高速道路を走れないのですが、一般道路を走っていると思わぬ楽しさがあるものですね。
  後日、その日のことを思い出すと、「行ったぞ！」という気持にもなります。
  お金はないけど暇と時間はたっぷりある、私たち夫婦の特権かな。
  
  浅間神社の駐車場は、思ったよりも広くて、大丈夫ですよ。
  もしそこがだめでも、周囲に停められそうな場所はあります。田舎ですから。
  
  新型肺炎の流行で、しばらくは富士山周辺も静かになっていそうです。
  観光業者やそれに付随する人たちは大変でしょうが、今が旅行のチャンスなのかもしれませんね。