2019/07/28 - 2019/07/29
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ブリッヂ・トレック(橋梁旅行)さん
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京阪京津線と京都市営地下鉄東西線沿線の橋梁や琵琶湖疏水等を観てきました。
京津線は軌道法の路線、いわゆる路面電車で、京阪本線の三条と浜大津との間を結んでいましたが、1997年に京都市営地下鉄東西線に片乗り入れで直通運転開始に伴い、三条~御陵間は廃止され同区間は地下鉄として開業。同時に600Vから1500Vへ昇圧しています。
最急勾配はなんと61‰!、これを上回るのはアプト式の大井川鉄道(90‰)を除くと箱根登山鉄道(80‰)しかありません。
京阪電鉄 京津線
1912年三条大橋~札ノ辻間開業(京津電氣軌道㈱)
1919年三条~三条大橋間開業
1925年京阪電気鉄道㈱が吸収合併
1925年札ノ辻~浜大津間開業
1997年三条~御陵間廃止、同区間を地下化し京都市営地下鉄東西線の延伸として開業
- 旅行の満足度
- 4.5
- 観光
- 4.5
- グルメ
- 4.5
- 交通
- 4.0
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 1万円未満
- 交通手段
- 私鉄 徒歩
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-
京都・びわ湖チケット
京都市営地下鉄全線と京阪京津線・石山坂本線が1日乗り放題で1300円です。
「響け!ユーフォニアム」コラボチケットは、とうの昔に売り切れています。 -
上栄町駅で下車します。
上栄町駅 駅
-
【消音スプリンクラー】
急曲線部にフランジ音軽減のためのスプリンクラーが設置されていました。東急世田谷線や京急空港線でも実施しているそうですが、初めて観ました。どうせなら散水している所を撮るべきでした。最小曲線半径は40mです。 -
イチオシ
【京阪 蝉丸跨線橋】(JR 上関寺跨線橋)大津方坑門
1921年竣工、2径間煉瓦拱渠。
坑門・側壁:レンガイギリス積み、アーチ:レンガ長手積み。
要石と帯石・笠石に石材を配し、それ以外は概ねレンガで構成されています。 -
山科方坑門
断面が小さい為、JRの曲線引き金具は外に設置しています。
左手前の構造物は何でしょう。上り新逢坂山隧道建設の際の遺構でしょうか。
※横浜臨海公園様より、遺構についてご教授戴きました。
新逢坂山隧道のSL利用者に煤煙被害が多発した事から、強力ファンによる排煙装置を設置した跡だそうです。ご教授ありがとうございます。m(_ _)m -
【関蝉丸神社 下社】
822年創祀。
参道を京阪京津線が横断しています。 -
イチオシ
【JR東海道本線下り 新逢坂山隧道】東口坑門
1921年竣工。延長:2,325m、坑門:レンガイギリス積み隅部切石積、側壁:レンガイギリス積み、アーチ:レンガ長手積み。
扁額廻り等かなり凝った意匠で、この前観てきた福知山線旧線の素っ気無い隧道とは対照的です。勾配緩和・曲線改良により、輸送力向上に貢献しました。
※福知山線旧線配線跡巡りの旅はこちら→https://4travel.jp/travelogue/11508707
【土木学会選奨土木遺産】
2キロ以上に及ぶトンネルをSLが走ったら、そりゃ煙が滞留しますよね。 -
【東海道本線旧線 上関寺町橋梁跡】
1912年頃竣工、上路プレートガーダー。
レンガ造り(隅部切石積)の橋台が残存していました。この橋が京津線の開業に間に合わず、京津線は4ヶ月間はこの前後で徒歩連絡をしていました。
この少し大津寄りに、音羽台1号橋(東川拱渠/吾妻川橋梁)というねじりまんぽ(左螺子)の暗渠が旧線にあるので、そちらもお薦めです。
※twitterにて橋名が判明しました。河陽鉄道探見様いつもありがとうございます。 -
◆Map
東海道本線旧線のルートをGooglemapに点線で落としてみました。
※Mapの権利帰属は、画像©Google、地図データ©Google です。 -
【東海道本線旧線 旧逢坂山隧道】東口坑門
1880年下り線(左)竣工、1898年上り線(右)竣工、1921年廃止。
延長:664.8m、坑門:整層切石積み、側壁:レンガイギリス積み、アーチ:レンガ長手積み。
日本人技術者が外国人の助けを借りずに設計施工した我が国最初の山岳トンネルです。25‰の急勾配が仇となり、40年程でその役目を終えてしまいました。
【鉄道記念物】 -
案内看板も設置されています。
40年程で役目を終えた と書きましたが、戦時中は軍需工場に転用、現在は京都大学理学部地球物理学教室の実験施設として活用されています。 -
新・旧逢坂山隧道東口坑門の扁額です。
左上:新逢坂山隧道下り外線:『中正以通』鉄道院総裁 添田壽一
右上:新逢坂山隧道下り内線:『一串無碍』鉄道院総裁 添田壽一
下 :旧逢坂山隧道下り線 :『樂成頼功』明治庚辰七月 三條實美
あてにしないで下さいね。達筆すぎて読めません。 -
【名神高速道路 蝉丸橋】
1963年竣工、1989年下り線改修、1990年上り線改修、上路2ヒンジスパンドレルブレーストアーチ橋。
竣工時は2ヒンジアーチ橋でしたが、垂直補剛材とアーチリブの接合部に亀裂が発生したため、斜材・対傾構を追加するなどしてスパンドレルブレーストアーチ橋へ改修されました。
〔土木学会田中賞受賞〕
※この付近の勾配は最急勾配の61‰です。 -
どうりで不自然に賑やかな構造になっている訳です。
※参考文献:第19回鋼構造と橋に関するシンポジウム『鋼橋の大規模な構造改良事例』 -
京阪山科駅で下車。
通過してしまいましたが、レンガ積みの京阪逢坂山隧道やその直後の急曲線もお薦めです。京阪山科駅 駅
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【東海道本線 安祥寺川橋梁】
1880年下り線(手前)竣工、1944年上り線(奥)竣工。
坑門・側壁:レンガイギリス積み、アーチ:レンガ長手積み。 -
京津線の車窓から眺めていて、たまたま見つけました。
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【琵琶湖疏水(第一疎水) 第ニ隧道西口坑門】
1890年竣工。
御陵駅で下車。ナウシカに出てくる巨神兵のような顔立ちです。
扁額は『隨山到水源』、揮毫:西郷従道(第2代 内務大臣)
「山に沿って行くと、水源にたどり着く」という意味だそうです。 -
【日ノ岡第11号橋】
1903年竣工。日本初の鉄筋コンクリート橋との事ですが、当時鉄筋はなかったため、疏水建設資材運搬用の軌道で使われたレールを代用して、試造したそうです。
なので、鹿乗橋と同様にメラン式RC橋と言ったほうが良いかもしれません。
なお、「琵琶湖疏水の100年叙述編」には『明治37年(1904年)に作られた黒岩橋(第10号橋/山ノ谷橋)こそ日本最初の本格的な鉄筋コンクリート橋なのである』と記されていますが、あまりの暑さにそちらは観ていません。 -
なお、メラン式は現在では鉄骨構造(SRC)に分類されるので、純粋なRC橋としては、この表が正しく網羅しているとすれば、【島田川暗渠】かもしれません。
出典:わが国におけるコンクリートアーチ橋の発展 -
【琵琶湖疏水(第一疎水) 第三隧道東口坑門】
1890年竣工。
扁額は『過雨看松色』、揮毫:松方正義(第3代 大蔵大臣)
「時雨を過ぎると、一段と鮮やかな松の緑をみることができる」という意味。姓の一文字と韻を踏んでいます。それにしても錚々たる面々です。 -
案内看板がありました。
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蹴上駅で下車。
【琵琶湖疏水(第一疎水) 第三隧道西口坑門】【旧九条山浄水場原水ポンプ室】
第三隧道1890年竣工、ポンプ室1912年竣工。
ポンプ室は京都御所に防火用水を送る目的で建てられた建物。もうちょっと近くから観たかったです。 -
木に隠れて見えませんが、この坑門にも扁額があります。
『美哉山河』、揮毫:三條實美(初代 内大臣)
この他、第一隧道東口坑門には伊藤博文貴族院議員揮毫の物が設置される等、各隧道に立派な扁額があり、散策路も整備されているので、端から全部観るのも面白そうです。
※各構造物建造時の役職を記載しています。 -
【琵琶湖疏水(第ニ疎水) 西口坑門】
1912年竣工。
電力需要・飲料水等の増大に対応する為建設されました。第一と違い、全線トンネルとして水道水源の汚染を防いでいます。
ここで第一と第二疎水が合流します。 -
【水圧鉄管】
発電所へ水を送っています。 -
【第二期蹴上発電所】
1912年竣工、4800KW。
毎週金曜日に見学できるようです。(要予約)
【土木学会選奨土木遺産】(琵琶湖疏水の発電施設群)第二期蹴上発電所 名所・史跡
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西側入口上部に大型の扁額がありました。
『亮天功』、揮毫:久邇宮邦彦王(久邇宮朝彦親王の第三王子)
畏れ多いです。この扁額のお陰で、1936年の第三期発電所完成により用済みとなった後も取り壊されなかったとの説もあります。 -
【蹴上浄水場】
1912年竣工。日本で初めて急速ろ過方式を採用しました。
こちらのもっと高い所にも第一高区配水池流入弁室等の素晴らしいレンガ造りの建物があり、見学もできるようです。蹴上浄水場 名所・史跡
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疎水はこの先南禅寺方面へ分線が続いており、側道を歩けるのですが、私が行った際は調査中で通行不可になっていました。
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【三十石船と蹴上インクライン】(復元)
軌間2,540mm(100in)、全長582m。
世界最長の傾斜鉄道跡。 -
今まで観てきた第一疎水は船で通行できましたが、蹴上付近は高低差が大きく(約36m)、傾斜鉄道(インクライン)の台車に船ごと載せて荷物(米、薪炭、醤油、酒等)を運搬していました。
中央下には架線柱の基礎が残存しています。 -
勾配は1/15、軌間中央にあったケーブル等は撤去されています。
インクライン脇は桜並木になっているので、春に来ることをお勧めします。暑くないし・・・インクライン 名所・史跡
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【粟田口隧道】南口坑門
1890年頃竣工、煉瓦拱渠。
坑門・側壁:レンガイギリス積み、アーチ:レンガ長手積み(約19度右螺子)
道路(歩道)をインクラインが跨いでいます。琵琶湖疏水ねじりまんぼ 公園・植物園
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イチオシ
音羽台1号橋は左螺子でしたが、こちらは右螺子です。このように斜角付き立体交差部でアーチ部のレンガをねじったトンネルや橋を一般に『ねじりまんぽ』(斜架拱/Helicoidal Arch)と言います。
側壁の欠円アーチや、側壁/アーチ間への帯石配置等、かなり凝った造りです。 -
北口も扁額がありました。揮毫:北垣国道(第3代 京都府知事)
南口:『雄歡奇想』、「見事な眺めと優れた考え」
北口:『陽氣發處』、「精神を集中して物事を行えば、どんな困難にも打ち勝つ事ができる」
すっかり扁額を辿る旅になってしまいました。
この道を北へ行くと、南禅寺へ行けます。 -
イチオシ
【琵琶湖疏水分線 水路閣】
1888年竣工、14径間煉瓦拱渠。
南禅寺の境内奥に突如として姿を現します。南禅寺 寺・神社・教会
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水路部のパラペットにアーチ状の意匠が施してありますが、ローマの水道橋、ガール橋を模して設計したそうです。すばらっ!疎水の隧道坑門も統一感のない設計でしたが、それぞれモチーフにした欧米の建築物があるのかもしれません。設計は田邉朔郎氏。
琵琶湖疏水は、工部大学校(現東京大学工学部)を卒業したばかりの田邉朔郎氏を主任技師に採用し、4年8ヶ月で完成させました。 -
案内看板に側面図がありました。
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いつまでも大切に保存して貰いたいです。
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【琵琶湖疏水分線 第五隧道南口坑門】
この先も第六隧道を抜け哲学の道へと続いています。 -
疎水分線は沿線への水力利用や灌漑用水・防火用水の供給が主たる目的として建設されました。哲学の道が有名ですが、それ以外にも東山にはレンガ積みの支線にその名残が残っています。
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イチオシ
【献上鮎寿司】
近鉄大和西大寺駅、駅ナカの「平宗 西大寺店」で売っていた季節限定商品です♪ 帰りの近鉄特急車内で美味しく戴きました。平宗 西大寺店 グルメ・レストラン
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今回の旅はこれで終了です。
レンガ造りの橋やトンネルが多く、立派な扁額も多数観られて大満足の旅でした。ただ暑すぎてお得な切符を使い切れなかったので、気候の良い春か秋にまた来たいと思います。#PrayForKyoani
トータル 橋7、トンネル7、扁額9、他6 を巡る旅でした。 -
おまけ
東海道本線新旧(下り線)逢坂山隧道東口坑門の一般図を描いてみました。
旧隧道の煙の逃げ場のない小ささが分かるかと思います。
※参考文献:「わが国における鉄道トンネルの沿革と現状(第3報)
-旧・官設鉄道長浜~神戸間をめぐって-」(土木学会)
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