札沼線　最期の夏　乗り歩き

2019/07/11 - 2019/07/11

来年のGWで廃線が決まった学園都市線・札沼線の北海道医療大学～新十津川区間。
１両のデイーゼルカーがゆっくり走るローカル線で、終点の新十津川駅には１日１本しか列車が来ません。
この夏は札沼線にとって最後の夏です。
７月２０日からは、青春１８きっぷのお客が殺到すると思われたので、平日に久しぶりに札沼線に乗り歩きしてきました。

札沼線　①　石狩当別～札的
https://www.youtube.com/watch?v=_gaFUamYSG0&t=15s

札沼線　②　札的～新十津川
https://www.youtube.com/watch?v=EIwoulOhY3g&t=10s

札沼線　③　新十津川で折り返し

https://www.youtube.com/watch?v=bJCa4Vkjz4s&feature=youtu.be

エリア 砂川・新十津川(北海道)

• 旅行の満足度: 5.0
• 観光: 5.0
• ホテル: 4.0
• グルメ: 4.0
• 交通: 5.0

• 同行者: 一人旅
• 一人あたり費用: 1万円未満
• 交通手段: JALグループ JRローカル 徒歩
• 旅行の手配内容: 個別手配

JALマイレージの無料航空券を使って、昨晩のうちに飛行機で札幌イン。
宿泊したのはすすきののこのカプセルホテル。
やや高めでしたが、快適なカプセルホテルでした。

ニコーカプセルホテル リフレ 宿・ホテル

朝６時２０分にホテルを出発。
札沼線の終点新十津川駅行の列車は１日１本。
札幌発６時５８分の電車に乗らないと間に合わないのです。

朝の大通公園。
この公園に来ると、札幌に来たなあ、と実感します。

大通公園 公園・植物園

日本の「がっかり観光地」の筆頭ともいえる札幌時計台。
札幌の、北海道の「顔」というほど有名な建物ですが、ビルに囲まれていて風情もぶち壊し。
建物自体はいい建物なんですが・・・

札幌市時計台 名所・史跡

実に立派な札幌駅。
経営不振に悩むJR北海道ですが、この駅は実に立派で、利用者も多く活気があります。

学園都市線・札沼線６時５８分の電車で出発です。

札幌駅 駅

札沼線は途中の北海道医療大学前駅までは利用者も多く、電車が１時間に何本もあり、活気があり、「学園都市線」の愛称があります。

北海道医療大学前駅の１つ手前の石狩当別駅で、ローカル部分に向かう１両のデイーゼルカーに乗り換えます。

JR札沼線 (学園都市線) 乗り物

乗客は意外に多く、おおむね５０％程度、３０人ほどの乗り。
ボックスシートは埋まっていたので、端っこのロングシートへ。
通学の高校生が目立ちましたが、ご老人や、意外にも自動車免許を持ってると思える若い女性も何人か乗っていました。

石狩当別駅 駅

このデイーゼルカーはキハ４０系というデイーゼルカーで旧国鉄時代の貴重なもの。
JR東日本やJR東海ではほとんど廃車になっていますが、JR北海道では健在です。
「昭和５５年製」とあるので、もう４０年近いベテランです。

この区間はレールは単線、駅はホーム１本だけ、古い貨車を使った待合室が置いてあるだけの駅が目立ちます。
途中駅では、石狩金沢駅でおじさんが１人、中小屋駅では若い女性が１人下車。
知来乙駅では、１人おばさんが降りて、おばあさんが乗ってきました。

中小屋駅で下車した若い女性はどこに向かうのでしょう。

中小屋駅 駅

途中、唯一列車交換のできる石狩月形駅。
この駅だけは駅員さんがいます。

ここで、両方向の列車から通学の高校生が１０人ずつ、ほかに数名の人が降りていきました。
この区間の大の「お得意様」です。

石狩月形駅 駅

石狩月形駅で通学高校生などが下車して、残るお客さんは２０人ほど。
ご老人の１０人ほどのグループも記念乗車のようです。

途中の札的という小さな駅で１人おばさんが降りて行きました。

札的駅 駅

浦臼という駅から終点の新十津川駅までの区間は列車が１日１本になります。
この列車が始発＆終電です。

この区間は人家はさらに減り、黄緑の田畑がとても美しく広がります。
意外なことに１日１本のこの列車から、於札内という駅でおばさんが１人降りていきました。
これで地元の方の利用者は０人になったようです。

於札内駅 駅

終点の新十津川駅に９時２８分到着。
残ったお客さんは１５人ほど。
私も含めてみなさん、「観光客」のようで、あちこちで写真を撮ったりしていました。

新十津川駅 駅

かつてはここからさらに、朝ドラ「すずらん」の舞台となった石狩沼田まで線路はつながっていましたが、昭和４７年に利用者が少ないとして廃線になりました。
札沼線というのは、「札」幌と石狩「沼」田を結んでいたための名前でした。

当時はまだこの新十津川駅までは利用者が多かったようですが、来年廃線になることが決まりました。

新十津川駅の時刻表。
１日１本、朝１０時発の列車しかありません。

「日本一早い終電」です。

新十津川駅。
小さな駅舎です。

１日１本しか列車の来ない駅ですが、意外にも駅前には大きな病院があり、また市街地もそこそこ賑わっていました。
地元の人はマイカーやバスを利用しているのでしょう。

新十津川駅 駅

駅舎の中は観光案内所になっていて、女性の方がきっぷ販売窓口に座っていました。
ただ、きっぷは購入できないそうです。

観光案内所では１人１枚、「終着駅到達証明書」を無料で配布していました。

新十津川駅のスタンプです

１日１本しかないので、折り返しの列車でUターンします。
先ほどとは逆の車窓。
名前はわかりませんが、きれいな山々が見えました。

浦臼駅 駅

途中の浦臼駅からは列車本数も１日７～８本になります。
途中の中小屋駅で途中下車してみます。

中小屋駅 駅

貨車の廃品利用した待合室。
昔は立派な駅だったようで、手前には跡が残っています。

駅前は民家が数軒。
ただ、郵便局と商店が１軒ありました。
商店の方は今は廃業しているようでした。

さきほど下車した若い女性の方は郵便局勤務の人だったかも。

隣の月ヶ岡駅まで約３キロを歩いてみます。
民家の少ないのどかな田園地帯です。

月ヶ岡駅付近には民家も増えてきて、廃校になった小学校がありました（中和小学校といったようです）。

１２時１０分発、月ヶ岡駅から再度列車に乗ります。
この列車の乗客は８人でした。

月ケ岡駅 駅

この路線の唯一の駅員のいる石狩月形駅で下車します。

私も含めてほかの８人の乗客は全員下車してしまい、２人ほど乗車していました。

石狩月形駅 駅

石狩月形駅の駅舎。

月形町は、明治時代につくられた樺戸集治監（今でいう刑務所）を中心にできた町です。

石狩月形駅 駅

駅舎の中。
待合室やきっぷ販売窓口があり、この区間で唯一駅らしい駅です。

時間があったので、駅の近くの樺戸集治館博物館に行ってみます。
樺戸集治館には、明治初めの西南戦争など士族の反乱や自由民権運動の運動家などが逮捕され、多くここに送り込まれました。
厳冬の過酷な環境下で北海道開発のための道路開発など強制労働をさせられ、多くの人が獄死したようです。
NHK大河ドラマ「獅子の時代」（主演　菅原文太さん）の舞台ともなり、囚人たちの過酷な環境も描かれていました。

旧樺戸集治監本庁舎 (月形樺戸博物館) 美術館・博物館

典獄（いわば刑務所長）の部屋。

月形町の由来は、初代典獄だった月形潔に由来します。

資料館から３キロほど、隣の知来乙駅まで歩いてみます。
数軒の民家と田畑の中のあるホーム１本の小さな駅です。

１３時５３分の列車のお客さんは地元のおばあさん１人、あと観光客のおじいさん１人、と若い男性１人の計３人。

知来乙駅 駅

ビデオのバッテリーが少なくなってきたので、再度月ヶ岡駅で下車。
この駅は無人駅ですが、国道沿いにあるからか立派なログハウス風の駅を地元が建てました。
鉄道利用者はいないようですが、随時マイカーやバイクの人がトイレ休憩に寄っていました。

月ケ岡駅 駅

この駅にはコンセントがたくさんあり、充電できるのはありがたい。
ビデオ、カメラ、パソコン、携帯の充電をすることができました。

月ケ岡駅 駅

月ケ岡駅で１時間ほど充電＆休憩して、１５時発の列車に乗車。
今度の列車のお客は３人。地元の人は１人だけのようです。

３駅目の豊ヶ岡駅で、私と２人のカップルが下車しました。

豊ヶ岡駅 駅

この駅は森の中の駅で、小さな待合室があるだけの駅です。
駅前の道路も未舗装の山道です。

おそらく地元の利用者の方は０でしょうけど、古い待合室はきれいに掃除がされていました。

駅周辺は林を抜けると牧場があるだけ。
人家はほとんど見えません。

このように「なんでこんなところに駅があるの？」という駅を秘境駅といいます。

豊ヶ岡駅で１時間ほど過ごして１６時１５分の列車で札幌へ帰ります。
乗客はとうとう私１人。
もっとも隣の石狩月形駅で下校の通学高校生などが１０人ほど乗車してきました。

電車区間の北海道医療大学前駅で札幌行の電車に乗り換え。
大学帰りの通学生などで６両編成の電車はほぼ満員。
ローカル区間との格差がすごいですね。

北海道医療大学駅 駅

電車区間は複線、電化、高架と大都市圏の鉄道になっています。
新琴似駅で降りてみました。

新琴似駅 駅

この駅と札幌地下鉄の麻生駅はすぐ。
途中、「寶龍」というお店で札幌ラーメンを食べて、地下鉄で札幌へ。

ラーメン寶龍 麻生店 グルメ・レストラン