
2018/04/28 - 2018/04/29
1位(同エリア436件中)
morisukeさん
- morisukeさんTOP
- 旅行記159冊
- クチコミ2件
- Q&A回答0件
- 799,921アクセス
- フォロワー430人
オッサンネコです。
唐突ですが、世界三大仏教遺跡というものをご存知でしょうか?
”世界三大”は日本人の感覚で与えられた冠ですが、
世界三大仏教遺跡とは即ち、アンコールワット、バガン、ボロブドゥールのこと。
これらはどれも一見の価値がある素晴らしい遺跡だったし、
名実ともに三大仏教遺跡なんて言われるのも分かる…。
でも… タイのスコータイ遺跡を忘れちゃいませんかい?
13世紀前半に興隆したタイ初めての独立王国スコータイ。
王の善政や仏教信仰によって花開いた独自のアイデンティティは、
王朝が滅びてもタイ人の心に引き継がれて行き、今に脈々と息づいているのです。
その功績を称えて、世界三大仏教遺跡にスコータイを加えて、
”世界四大仏教遺跡”に改名して欲しいところですが、
果たしてそれは私の妄信でしょうか ( ゚Д゚)
今回はそんなスコータイの良さや歴史ロマンを改めて魂で感じるべく、
雄大な遺跡へと身を投じるのでありました…。
その時の記録です。
- 旅行の満足度
- 4.5
- 観光
- 4.5
- ホテル
- 4.0
- グルメ
- 4.5
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 1万円 - 3万円
- 交通手段
- 高速・路線バス 自転車 バイク 飛行機
- 旅行の手配内容
- 個別手配
-
どうもどうも、オッサンネコことモリネコちゃんです。
今回は少し遠出をして、悠久の古都スコータイまで旅をします。
バンコクからスコータイまでの直行フライトはないので、
まずはその隣県であるピサヌロークまでひとっ飛びします。
夜も明けぬ内に飛行機に乗り込もうとすると…
あら…プロペラ機。
離陸したらすぐに着陸態勢に入るという忙しないフライトでした。 -
夜が明けると同時にピッサヌローク空港に到着。
飛行機を降りたら歩いてターミナルに向かうところも、
タイの地方空港ではもはやお馴染みの光景 ( ゚Д゚) -
空港を出たらスコータイ行きのバンに乗り換えます。
ピッサヌロークからスコータイの旧市街までは凡そ1時間程度。
一番手っ取り早いのは、LCCの「Fly & Ride」というチケット。
航空券と陸路移動のセットで、目的地まで最速で行く事が出来ます。
今回「Fly & Ride」を利用したのは私一人だけ。
広いバンを優雅に独り占めできたのでした ヾ(´∀`*)ゝフヒョヒョヒョ♪ -
今回のお宿は Thai Thai Sukhothai Guesthouse。
コテージ形式のホテルで、一泊約5,000円程度。
従業員の皆様は英語が堪能なので、情報収集も非常に楽チン。
そしてゲストには自転車を無料で貸してくれるサービス付き。
スコータイの遺跡は狭い範囲内に密集しているので、
手早く回るには自転車くらいがちょうど良いのです Ψ(`▽´)Ψ -
歴史公園のゲートで遺跡の入場料110バーツ(≒400円)をお支払い。
ちゃりーん。
ちなみに半端な10THBは、公園内に自転車を乗り入れる料金です。
公園内には大小様々の池があり、蓮の花が色鮮やかに浮かんでます。
でも前回来た時よりも蓮の数が減っているなぁ… (*´з`) -
まずはスコータイ歴史公園の王道から。
ワット・マハタート(Wat Mahathat)
スコータイ遺跡の中で最も規模が大きい王室寺院になります。 -
まずはスコータイ朝から簡単にご説明。
スコータイは、サンスクリット語で”幸福の夜明け”という意味であり、
13世紀後半~15世紀にタイ北部の都市スコータイを中心に繁栄した
タイ人(シャム人)が興隆した最初の統一国家なのです。
タイ人は元々中国南部の雲南地方に居住していた民族なのですが、
モンゴル帝国の侵攻に圧される形でインドシナ半島へと南下し、
最終的にチャオプラヤ川流域に定着したと言われています。
当時その地域はインドシナの覇者クメール朝の統治下にありましたが、
クメール朝が衰退していくのを見切り、1238年に覇権を掠取します。
建国当時はまだまだ地方の小王国だったスコータイ朝ですが、
ラームカムヘーン大王の治世時(1279-1299)に黄金期を迎えます。
この頃既にスコータイ朝は近隣諸国を圧倒する国力を保有してましたが、
王は武力を行使せず、同盟を締結する戦略で臣従国を増やしていきます。
王の外交能力は遺憾なく発揮され、北はラオス北部から、
南はマレー半島中部まで、一気に領土を拡大して行くのです。
また、スリランカから伝来してきた仏教を手厚く保護し、
その信仰心で次々と寺院を建立して行きます。
スコータイで始まった仏教思想は、後の王たちにも脈々と受け継がれて行き、
現在のタイ人の仏教信仰へと確かに繋がっていくのです (ノ´▽`)ノ -
ワット・マハタート(Wat Mahathat)
スコータイ歴史公園の中央に位置する王室寺院。
起源は13世紀とも言われてますが、何度も改築を繰り返した模様で
その数、なんと…仏塔185基、礼拝堂18棟、聖池5個!!
どんだけ… ( ゚Д゚)
見所はこちら、中央の大仏塔でございます。
一番高く聳え立つ仏塔は、スコータイで独自に生まれた蓮蕾型。
頂華が蓮の蕾みたいにふっくらした優しい形になってます (*゚∀゚)b
そしてその周りを取り囲むのは8基の仏塔。
東西南北に置かれている4基の仏塔はクメール様式、
斜め角に位置する4基の仏塔は希少なモン・ハリプンチャイ様式。
この仏塔の配置は、各々に信仰された仏の曼荼羅であり、
スコータイ朝の祭儀や祭礼の中心であったと考えられています。 -
仏塔の基壇の下には巡業中のお弟子さん達を表した漆喰彫刻。
その数、なんと…168体。
どんだけ …( ゚Д゚)
ウォーキング・お弟子さん達の上には、様々なスタイルの仏像があり、
仏教の世界観がうまく表現されているのです。 -
基壇仏塔の壁龕(へきがん)には、スコータイ様式の仏像が見られます。
スコ―タイ様式の仏像と言えば、ずばり曲線美が艶かしい遊行仏。
スコータイ朝ではクメール朝から独立したという矜持があり、
オリジナルの建築様式を生み出そうとする気概が高まっていくのです。
そしてクメール様式とスリランカ様式が混ざり合って生まれたのが、
この遊行仏になるのです (゚Д゚)≡゚д゚)
通常の仏像が直線的に構成されるのに対して、
遊行仏は曲線を描くように滑らかに描かれているのが特徴です。
薄衣を纏ったお姿は中性的で、不思議と妙な色気があるのでして…
タイのおねえの原点もこちら… なのでしょうか ( ̄▽ ̄;)ポッ -
そして仏塔には破損を免れた彫刻を所々に見ることが出来ます。
これは完全にクメール様式の影響ですな。 -
大仏塔の左右には、高さ12m程度の大きな仏立像があります。
前で記念撮影している人で大きさは推し測ってね。
この仏立像、プラ・アッタロートと言いまして、
スコータイ時代にはこの仏立像の建築が非常に流行ったとされてます。
ちなみにスコータイ様式とは何ぞや?
ってなわけで、その代表的なものを幾つかご紹介します (*゚▽゚ノノ゙☆
1 遊行仏(Walking Budda)
2 大きな仏立像(Phra Attharot)
3 蓮蕾型の仏塔
4 象に囲まれた仏塔
5 四方に異なるスタイルの仏像を描いたモンドップ
これを知っておくだけでも、旅が少し楽しくなる、かも…。 -
そしてもう一つ。
スコータイにある仏像はある共通点があるのです。
正解は…
スコータイの仏像はすべて、悟りを開いた後の姿を描写していること。
その表情には全てを包み込むような優しい微笑みがあり、
これこそがタイ・スマイルの源流だとも言われています (*゚∀゚)b -
聖池越しに見る遺跡。
ここから見る仏像が一番好きなスポット。 -
イチオシ
一心に祈りを捧げるカップル。
その姿、あまりにも美しすぎてため息が出てしまう (o´Д`)=з -
池に映った逆さ仏塔…とでも言いましょうか…。
蓮のピンクとのコントラストがフォトジェニックじゃね。
ちなみに、蓮の花は仏教を象徴するものとされています。
私たちが生きている世の中は、欲望や苦難に満ち溢れた泥の様に濁った世界。
蓮はそんな泥の中で育つわけですが、大きな花を咲かせるのは泥の上。
仏の教えに従い、 -
遺跡のすぐ側には枝を大きく広げた大樹があったり。
ってこの木… もはや神木レベルじゃね ( ゚Д゚)
この木は此処でずっと遺跡を見て来たのでしょうか。
王朝の栄華から荒廃、そして遺跡が密林に埋もれていくまで。
そんな悠久の時をこの木に想うだけでも、
なんか無常のロマンをぼんやりと感じちゃうのです ( ゚д゚)ハッ! -
歴史公園の内部はよく整備されており、
こんな小気味良い雑木林の中をチャリンコで颯爽と抜けていきます。
所々に点在する遺跡を横目で眺めながらチャリを漕ぐのも乙なもの。 -
続いてワット・シーサワイ(Wat Sri Sawai)
入口の門の向こうにご立派な仏塔がチラチラ見えていますよ~。 -
ワット・シーサワイ(Wat Sri Sawai)
3連のクメール形式の仏塔(プラーン)が特徴的。
元々はクメール朝時代に未完成のままで放置されたヒンドゥー寺院だったのですが、
それに有効利用して仏教寺院に改装した寺院となります。
スコータイ遺跡の中でも、クメール様式がここまで残っているのは
この寺院だけになります ( *゚∀゚)=3 ムッハー! -
この遺構の興味深いところ、
それは当時のスコータイ朝の仏教への感覚。
通常一つの宗教を信仰する場合、元からある宗教は排他されがちなもの。
でもスコータイ朝ではヒンドゥー教の神様もそのまま許容しており、
仏教と共存していたことが読み取れます。 -
イチオシ
ワット・シーサワイの礼拝堂外で見つけた大樹。
根っこのわさわさ感が、お空に飛んで行ったラピュタみたい。 -
続いて城壁の北側に当たるエリアから。
北側はまた城壁内とは別に、入場料100THBが掛かります ( ゚Д゚)
それでも尚、一見の価値があるのがワット・シーチュム。
細い隙間から大仏が垣間見れる光景は、スコータイならではの絶景。 -
イチオシ
この迫力!
絶景キタ━━━d(゚∀゚)b━━ッッッ!! -
ワット・シーチュム(Wat Si Chum)
こちらの仏像はプラ・アチャナ(アチャナ仏)と言いまして、
”恐れないもの”という意味を持ちます。
あやかりたいぞ… ( ゚Д゚)
高さは14.7mでスコータイ遺跡最大の座仏像で・す・が、
中で仰ぎ見る人と目線が合うように造られているのです (゚Д゚)≡゚д゚) -
中に入ると、プラ・アチャナと目が合いました。
自分のやましいことをすべて見透かされている様な視線…
いやいやいや、私やましい事は何もございませぬ (°д°lll) -
アチャナ仏のスラっと滑らかな指先。
信者はこの指に金箔を貼り、願い事をするわけですねー。
個人的にはこの滑らかで少し妖艶な指先も、
スコータイ様式の特徴じゃないかと思っております。
こんな指になりたい… ( ゚д゚) -
続いて北側のもう一つのハイライト。
ワット・プラ・パイ・ルアン(Wat Phra Phai Luang)
スコータイがまだクメール朝の前哨地だった頃に建てられた寺院で、
当時の町の中心だったと言われています。
恐らくスコータイで一番大きい手付かずの廃墟って印象で、
廃墟マニアにはマックス・ハイテンションな遺跡になりまっす。 -
モンドップ跡には、遊行仏の痕跡がしっかり残っています。
仏像ってこうやって造るんだ…と一人納得 ( ゚д゚)ハッ!
こちら先ほど紹介したスコータイ様式のモンドップ(お堂)で、
元々はモンドップの4面全てに仏像が描かれていたとされています。
4面仏のモンドップがここまでキレイに残っているのは、
この遺跡と城壁南側のワット・チェーチュポンのみとなります。 -
敷地内は荒れ放題。
まだ修復の手もそんなに入っていない模様。
だが、それがいい ( -`ω-)キリッ -
仏像もこの通り。
ココは正に”諸行無常の響きあり”を実感できる場所なのだよ。 -
ちなみに中央の仏塔跡は、モン・ハリプンチャイ様式のピラミッド型。
その形状から、ランプーンのワット・チャーマテーウィーにある
スワンチャンコート仏塔のコピーである可能性が高いとされています。
いつかはこの寺院もアユタヤの様に観光地化が進み、
遺跡は修繕され、元の形が再現される時が来るでしょう。
遺跡は遺跡のまま、その姿を残していくことも大切だと思うのですが、
さてさてどちらが未来志向に合っているのでしょうか? -
続いて城壁西側エリアから。
ワット・サパーンヒン(Wat Spharn Hin)
サパーンヒンとは石の橋という意味で、
丘の上まで続く石のフットステップがその名前の語源。
元々はラームカムヘン大王がスリランカからの高僧を招いた際に、
高僧が居住するために寄進された精舎の跡地なのです。 -
丘の上までは少し汗をかく必要がありますが、
到着するとスコータイの雄大な景色を見ることが出来ます!
ってそんな大したことないけどね。
西側エリアはこのワット・サパーンヒンしか見所がなく、
圧倒的に観光客が少ないのが難点となります。
2007年には一人で訪れた日本人女性がここで刺殺された事件もあり、
単独行ではあまりお勧めされていないエリアでもあります。
個人的に、そこまでの危険は全く感じなかったのですが、
周囲は森に囲まれた見通しの悪い道が続くので、
出かけるなら明るい内(午前中)が望ましいと思います。 -
丘の上にある立仏像プラ・アッタロート。
立仏像がっ示す右手の掌を開いた形は施無畏印と言いまして、
人々の畏れを取り除く印相になります。
恐らくは、精舎が密林に埋もれていく過程で仏像も倒壊し、
500年以上もの長い間、ずっと放置されていたのだと思われますが、
今は昔の様に丘の上に立ち、スコータイを見守ってくれています。
なんかちょっと悠久ロマンを感じませんか? (*゚∀゚)=з -
足元にも小さな仏像。
右手をだらんと垂らして、中指を地に着けるのは降魔印と言いまして、
悟りを得た釈迦が悪魔マーラを退けた姿を表しています。
基本的にスコータイで見られる仏像は、
この降魔印と施無畏印の2パターンに限定されます。 -
もう一つ、西側エリアからスコータイ様式を汲んだ遺跡をご紹介。
ワット・チャ―ン・ロープ(Wat Chang Rob)
直訳すると、象を周りに装飾した寺院?かな。
この仏像の基壇をゾウの彫刻でぐるっと囲むのは
他所ではあまり見かけないスコータイで独特の様式となります。 -
本来であれば24基のゾウを基壇にした荘厳な仏塔…のはずですが、
残念ながら周りのゾウさん達は跡形もなく木っ端になってます…。
いい人に治してもらえよ ( ゚Д゚) -
遺跡巡りにも疲れて来たので、一度ホテルへチェックインすることに。
で。案内された部屋がこれよ。
( ゚д゚)...。
ここにアラフォーのオッサン一人で泊まれと…。 -
( ゚Д゚)…。
これ要らんやろ…。 -
後は飯食って夕暮れ時を待つのみ。
近くの食堂で頼んだタイの代表飯がこいつ。
パッカナームークロープ(カリカリ豚とカイラン菜炒め)
これにナムプリックをかけて食べると、もう最高!な一品です。
お値段は80THB(300円位) うーん安いぞ! (ノ*゚▽゚)ノ -
黄昏時、モリネコさんは再び行動開始。
まるでコウモリだな ( ゚Д゚) -
イチオシ
聖池越しに見るワット・マハタート。
うーん、きれいだなぁ~ (o´Д`)ノ" -
水面に映る夕陽と仏塔。
-
ワット・マハタート 夕暮れVersion。
-
仏陀は静かに微笑みたり。
ゆっくりとした時間が、ただ静かに遺跡に流れ込んでいるみたい。 -
ワット・マハタートの仏塔も夕陽を浴びて真っ赤に染まってきました。
-
刻一刻と変わりゆく夕暮れの風景。
夕焼けの粒子に包まれて、ふわっとした光の中を颯爽と歩く。
長い人生から見たら、瞬きほどの一寸の時間だけれども、
この瞬間のためにおいらは旅をしているのだよ。 -
イチオシ
きりっと整えられた指先についうっとり w(゚ー゚;)w
-
本日のハイライト。
素晴らしい夕暮れの絶景。
夕陽ハンターの冥利に尽きる思いですぞ (ノ≧∀≦)ノ -
イチオシ
もういっちょ。
精巧につくられた影絵の世界を見ている様。 -
恐らくは同業者ぢゃないかと(夕陽ハンター)
このどっしりとした黄昏っぷり、只者ではない… ( +゚言゚) -
陽が落ちて、最後の幻想的な時間に突入です。
フィナーレまで見つめていたいけど、蚊が多くて…。
血を抜かれるだけならまだしも、耳元で羽音を鳴らすのは止めておくれ。 -
池越しに見たライトアップされた仏塔。
-
一日目の行程を終えて、さっきの食堂でホッと一息。
タイで一番有名なビールは、ライオンロゴのシンハービールですが、
個人的にはゾウさん一択… ラブ・ビア・チャーンなのだ。
そのお味は、日本のヱビスビールに近い印象。
コクと風味は独特ですが、これがまたタイの飯に合うんだな…。
かくして小さな幸せに包まれた夜は、ゆっくりと更けて行くのでした。
翌日のシーサッチャナラーイ編に続きます。
それではまた~。
利用規約に違反している投稿は、報告する事ができます。
コメントを投稿する前に
十分に確認の上、ご投稿ください。 コメントの内容は攻撃的ではなく、相手の気持ちに寄り添ったものになっていますか?
サイト共通ガイドライン(利用上のお願い)報道機関・マスメディアの方へ 画像提供などに関するお問い合わせは、専用のお問い合わせフォームからお願いいたします。
morisukeさんの関連旅行記
スコータイ(タイ) の旅行記
旅の計画・記録
マイルに交換できるフォートラベルポイントが貯まる
フォートラベルポイントって?
14
55