2019/05/01 - 2019/05/05
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mistralさん
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旅程が確定するまではドタバタした今回の旅だったが
旅の最終日、ジェットフォイルに乗船する前のひと時、
ホテルから歩いてすぐにある福江城城址に行ってみた。
思いがけず、五島家第30代盛成公が建築された隠殿を見学。
風流を好まれたという、盛成公が建築された端正な和の建築物であり、
地元の方による丁寧なご説明に引き込まれ、しばし時を忘れた。
潜伏キリシタンを訪ねた今回の旅、おまけの旅行記ですが、
どうぞお付き合いください。
(写真は隠殿内「心字が池庭園」に聳える樹齢840年の楠の木)
- 旅行の満足度
- 4.5
- 観光
- 4.5
- ホテル
- 4.5
-
5月4日、夕刻
久賀島、奈留島ツアーから戻り
港からホテルに向かう際には
常灯鼻(じょうとうばな)という施設が
見えてきた。 -
福江城を築く際
城の北東から吹き寄せる大波を防ぐ防波堤の役割と
灯台の役割を担う為、城と同じ工法の
「野面積」で造られたそうだ。
(1846年完成) -
江戸時代に全国を測量して回った伊能忠敬は
1813年、ここ浜町でも天測を行ったことを
示す碑がホテルまでの道すがら建っていた。 -
伊能忠敬天測の地という立て看板。
五島列島まで測量に訪れていたことに驚く。
当時の測量技術の精度の高さを示している。
伊能忠敬の測量 現在
北緯 32"41"5 32"41"38
東経 123"51" 123"50"55 -
当日の宿泊はコンネホテル。
ツアーに参加する前に荷物を預けておいた。
新しく綺麗なホテルで
室内もゆったりとした設えで、快適だった。 -
5月5日
朝食はすぐ近くにある会場でとるということだ。
ホテルの会場ではないので提携しているお店?
五菜健美 「心誠」というのがお店の名前。 -
バイキング形式で
地元の食材がずらりと並ぶ。 -
ん!美味しい、と思ったのが、このご飯だった。
お釜から各自でよそっていただくが、
支配人さんに伺うと幾久山米という
福江島にある、人口が100人にも満たない山間の
集落産のお米を使っているそうだ。
寒暖差のある気候と、生活排水の混ざらない
清らかで豊富な水を利用して作られたお米。 -
入口近くにはそのお米が販売されていた。
収穫量は多くはなさそうで
多分、他所では入手できそうもない。
しばらく迷ったが、購入はあきらめた。 -
出るとすぐそばにあるのがホテル。
-
当日は福江港発 11:40 のジェットフォイル
を予約してあった。
ホテルをチェックアウト後、キャリーを転がして
やってきたのは
幕末期、日本で最後の1863年に築城された
「福江城(石田城)」城址。 -
幕末になり外国船の来航があいつぎ
五島家 第22代 盛利が最初に幕府に築城を願いでて
1849年 第30代 盛成の時に幕府から許可を得た。
完成は14年後の1863年。第31代盛徳の時。
江戸時代最後に完成した城郭になる。
最西端の守りの要として築城された。
しかし1871年(明治4年)廃藩のため陸軍省の所轄に、
さらに翌年には門の一部を残して解体された。 -
今ではお城の跡地には
五島高校が建っている。 -
福江城は、石田の浜にちなみ石田城との通称がある。
築城当時は三方を海で囲まれた海城だったそうだ。
かつては城の石垣は外海に面し、波が打ち寄せて
いたようだ。 -
五島氏は江戸時代初期(1614年)に火災でお城を焼失。
以来、石田城の前身である石田陣屋で本丸、天守閣など
ないまま過ごしていたそうだ、との説明があった。
異国警備にあたる藩としては、外国船が来航するように
なると大した備えのない陣屋では心もとなかったようだ。 -
ジェットフォイル乗船まで時間があったので、
「五島氏庭園・陰殿屋敷」を見学することにした。
五島家第30代盛茂公の隠居所として2年の歳月を
かけて造られたお屋敷。
福江城の工事が八分どおり完成した1858年
息子の盛徳に家督を譲っての邸宅建築だった。
以前は非公開だったそうだが
現在では内部が見学できるようになっている。
入口付近から亜熱帯ムード漂う植栽。 -
入場料をお支払いすると、最初に庭園を見学
するようにと案内される。
キャリーは預かってくださった。
京都の僧「全生」作の回遊式庭園。
作庭時期が明確で、建物と一体になっての保存がされていて
城郭内の庭園としては保存例が少ないそうだ。
庭園の文化史上、価値が高いものとされて
平成3年に国の名勝に指定された。 -
池の名前は「心字が池」と言い
心の文字がかたどられている。
庭石と築山に用いられているのは
五島のシンボル、「鬼岳」の溶岩。 -
盛成公はことのほか亀がお好きだったそうだ。
庭園の池のいたるところに亀に似た石が
配されているとのことだが、
なかなか探し出すのは難しかった。 -
池のそばに聳える
楠の木がひときわ目を惹く。 -
樹齢840年といわれる大楠は、作庭前からこの
池にあったものだそうだ。 -
大樹が持っていそうな得も言われぬパワーを
感じさせる楠の木。
五島家のご神木として大切にされたことが良く
わかる。 -
池の対岸からお屋敷を見る。
木立に囲まれた静謐な空間。
見学者は他にはいないようだ。 -
石垣の石は
野面積みが美しい。
力自慢の若者が
浜辺から一気に運んだものだそうだ。 -
-
五重の塔(石灯篭)
-
文禄の役(1594年)での功績を記した
石塔だそうだ。
もとは本丸にあったものを作庭時に
ここへ移したものとのこと。 -
オオタニワタリが
反日蔭の庭に繁っている。 -
日本南部から台湾の森林内で、樹木や岩などに
着生して育つ植物だそうだが、
新芽は食べられるそうだ。
亜熱帯植物は男女群島から移植したそうだ。 -
僧「全正」によって作られたこの庭園は
金閣寺の丸池を模したものとのこと。
全正さんはこの平らな石に座って、工事を
監督されたらしい。 -
大楠を池の反対側から眺める。
840年も生き続けている大樹だそうだが
エネルギー溢れた感じがして
このあたり一帯はパワースポットかも? -
お屋敷の裏手側に
まわってきた。 -
写真上のように
下を通り抜けられるようになっていたり
くり抜かれていたり?面白い工夫が
ありそう。 -
-
金明竹。
中国原産の黄金色に輝く竹。
又の名前を縞竹というそうだ。 -
縁起が良いとされている。
-
非常時に城外に抜けられるように
造られた抜け穴もあった。
城外のお堀には小舟が浮かべられていたそうだ。 -
-
隠殿屋敷は、文久元年(1861年)の落成以来
150年以上経過しているそうだが
存続が危ぶまれてきたため
2010年より2016年まで修復工事が行われた。 -
お屋敷玄関口に到着したので
言われていたように右手にある木槌で板を叩いたら
障子が左右に開いて驚いた。
庭を廻ってくる様子がきっと中からわかるのだろう。
お二人が中で待機されていて、障子を開けて下さった。 -
説明を受ける時間があるか聞かれ、
ジェットフォイル乗船まではたっぷりの時間が
あったので、お屋敷内を案内していただいた。
玄関の間に飾られた屏風には
心字が池庭園を設計した「全正」辞世の句が
書かれていた。
書は江頭直善氏。 -
中庭の様子が障子越しに見える。
-
亀の間
客間として使われた15畳の座敷。
可動間仕切りがあるので、10畳と5畳の次の間に
分けることが出来るそうだ。
釘隠しは亀。
風月を好んだという盛成公が特に好んだのが
亀だったことによる。 -
壁の唐紙模様は
「氷割雪華」という柄模様。 -
-
-
障子の桟の数は
右から「七・五・三」
古来より縁起の良い数字の並びだそう。 -
水盤が置かれた中庭。
灯篭の灯りが映るのを楽しんだそうだ。
石灯籠には「堪忍」という文字が刻まれているが
盛成公の筆とされている。 -
心字が池も眺められる。
-
主人の居間として造られた
「梅の間」 -
唐紙模様、釘隠し、欄間彫刻など
全て「ねぢ梅」紋を使用。 -
-
隅に開いているのは
換気口だそうだ。 -
夫人のお嫁入道具だった?
-
ガイドの女性の方曰く
ここからの眺めが一番お好きだとか。
薦められるままに撮影。
おっしゃるとおり、カッコいい佇まい。 -
ここの釘隠しはうさぎ。
-
お仏壇と神棚が並んでいる。
-
扉を開けると抜け穴が。
-
裏紙もこだわりあり、
花菱の文様は家紋だそうだ。 -
桟にこんな複雑な模様を
あしらうなんて。 -
ガラスも今となっては珍しい
ゆがみのあるガラス。 -
-
町の中心部にあって落ち着いた空間を、
地元の方によるご案内でゆったりと堪能した。
キリシタン関連の施設、歴史をたどってきて
和の空間に触れ、現実世界に引き戻された感覚。 -
ジェットフォイルは
福江港発 11:40 長崎港着 13:05
長崎港からは、バス停の大波止からリムジンバスにて
長崎空港まで乗車し
長崎発 15:25 SNA040 羽田着 17:10
で帰宅した。
まだこころに残っているのは
かくれキリシタンの方々がいまだにおられると
いうこと。
時間を見つけて、もっと本など読んでみたいと
思っている。
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旅行記グループ
長崎から五島へ
この旅行記へのコメント (4)
-
- cokemomoさん 2019/06/20 10:52:47
- なんて美しいんでしょう!
- mistralさん、こんにちは。
昨日はお疲れさまでした。
そして、なんの脈絡もなくいきなり「あの桟すごいですよね」なんて口走ってしまい驚かれたことでしょう。すみませんでした。
隠殿屋敷の美しさにすっかりやられてしまい、mistralさんにお会いしたら言わなきゃ言わなきゃと頭がいっぱいだったのです。
野面積みの石垣にもうっとりしたのですが、やっぱりあの障子の桟の美しさ!
竹籠を編んだような複雑な桟、三五七のリズム、互い違いの桟に丸窓、長方形で織ったようなもの、見入ってしまいました。
日本人で嬉しいなとすら思いましたよ。
そしてあの障子の張り替えは、きっと熟練の技を要しますね。
我が家のごく普通の障子の張り替え、二人掛かりでも緩んだり剥げたり満足にできない身としては想像するだに恐ろしい~。
ここまでの数々の教会といい、このお屋敷といい、存在することも知らなかった美しいものを見ることができて本当に嬉しいです。
ありがとうございます♪
- mistralさん からの返信 2019/06/20 14:53:09
- RE: なんて美しいんでしょう!
- cokemomoさん
こんにちは。
昨日は、お疲れさまでした。
私の頭の中は飽和状態!でした。
いつもながら内容も濃くて、更に延々と続くQ&A
ぐったりとして帰宅しました。
cokemomoさんはお若いから、それほどの事はなかったでしょうね。
> そして、なんの脈絡もなくいきなり「あの桟すごいですよね」なんて口走ってしまい驚かれたことでしょう。すみませんでした。
朦朧としていない頭だったら、もう少し素早いリアクションができたかもしれません。
(単なる言い訳かも?)
> 隠殿屋敷の美しさにすっかりやられてしまい、mistralさんにお会いしたら言わなきゃ言わなきゃと頭がいっぱいだったのです。
> 野面積みの石垣にもうっとりしたのですが、やっぱりあの障子の桟の美しさ!
> 竹籠を編んだような複雑な桟、三五七のリズム、互い違いの桟に丸窓、長方形で織ったようなもの、見入ってしまいました。
> 日本人で嬉しいなとすら思いましたよ。
> そしてあの障子の張り替えは、きっと熟練の技を要しますね。
> 我が家のごく普通の障子の張り替え、二人掛かりでも緩んだり剥げたり満足にできない身としては想像するだに恐ろしい?。
多分京都や奈良、金沢あたりで、あのようなお屋敷に出会ったらそんな感動はなかった
ように思いました。
長崎から遠く離れた離島での格式高いお屋敷に、私もやられました。
シニアの旅人さんのページでコメントにも書かせていただいたのですが
どうやら、感性がcokemomoさんと似ているようですね。
あんまり、この障子の桟、すごいでしょ!といった個人的感想、押し付け?
は出さないようにしたのですが、cokemomoさんには
伝わってしまったようですね。
> ここまでの数々の教会といい、このお屋敷といい、存在することも知らなかった美しいものを見ることができて本当に嬉しいです。
4トラを通して、未知だった事を知り、いつか行ってみたいと思うこと、それは
私にとってもなんだか不思議な感覚です。
それもただ美しいと思うのでなく、自分の感性に訴えるものがあり、つい反応してしまう、
そんな出会いが時としてありますね。
私もcokemomoさんから、いつもたくさんの刺激を頂いています。
mistral
-
- frau.himmelさん 2019/06/12 12:22:51
- いつもながら素晴らしいです
- mistralさんのご旅行記、いつもながら奥が深いですね。
今回の隠れキリシタンの旅も、とても良く調べられた旅行記なので、大変よみごたえがありました。
と言いつつ、お釜のご飯、おいしそう~。
オオタニワタリの新芽、食べられる!?
そういえばコゴミに似ていますね。さっとゆでてサラダや胡麻和え、ちょうど昼時なので、お腹すきました。やはり食べることが先に目がいきます。
五島家のお屋敷、情緒があって素敵です。
開けゴマの打出の小槌をたたくと扉が開き、障子がすっと開く。現代風の自動扉より便利。
中を案内してくださる方も、mistralさんご夫妻のように熱心な方ですと、きっと説明にも力が入るでしょうね。
実は私も徳島に行って昨夜遅く帰ってまいりました。
旅行記はどんな切り口で書こうかしらと、mistralさんのご旅行記を参考にさせていただきたいと思い、訪れましたが、私にはとっても、格調高いmistralさんの真似はできません。
スゴスゴ・・・。
またお邪魔させてください。
himmel
- mistralさん からの返信 2019/06/12 21:55:47
- RE: いつもながら素晴らしいです
- himmelさん
こんばんは。
いつもありがとうございます。
> 今回の隠れキリシタンの旅も、とても良く調べられた旅行記なので、大変よみごたえがありました。
ありがとうございます。
帰ってきてから調べたことなどあって、充分噛み砕けないままの旅行記アップでして
舌足らず感は否めません。
以前の旅行記は、サラッと書き上げていたのに、いつからこうなった?と思いますと
多分、ポーランドやベルリンあたりからではないかと思いました。
かの地の歴史に想いをはせると、軽い観光気分では終われない感がありました。
そこには、himmelさんが丁寧に調べ上げられた旅行記をお作りになっておられる
そんなお姿 (見てないですけど、想像です。) による影響があったように思います。
そうは言っても、興味を抱いた事には、曖昧なままでは気持ち悪いから、調べるという
私自身の性格もあるのでしょうね。
記憶の保存、老化防止、そうですね!himmelさんがおっしゃっておられるように
私自身もそんな感じがしています。
> と言いつつ、お釜のご飯、おいしそう?。
> オオタニワタリの新芽、食べられる!?
> そういえばコゴミに似ていますね。さっとゆでてサラダや胡麻和え、ちょうど昼時なので、お腹すきました。やはり食べることが先に目がいきます。
はい (笑) 同感です。
思いがけないところで出会った美味しいものには、ことさら惹かれますね。
お釜のご飯、一粒一粒が存在感があって、甘味もあって、美味しかったんですよ。
> 五島家のお屋敷、情緒があって素敵です。
> 開けゴマの打出の小槌をたたくと扉が開き、障子がすっと開く。現代風の自動扉より便利。
まさにそんな感じ!
思わず、うわぁ〜と声を上げてしまいました。
> 中を案内してくださる方も、mistralさんご夫妻のように熱心な方ですと、きっと説明にも力が入るでしょうね。
ご説明をされる方も、こんなにすごいんですよ、というお気持ちがあると思いましたが
お話に力が入っているんです。(そう言えば久賀島へ行った折のガイドさんも、そうでした)
ついつい、こちらも引き込まれていました。
> 実は私も徳島に行って昨夜遅く帰ってまいりました。
> 旅行記はどんな切り口で書こうかしらと、mistralさんのご旅行記を参考にさせていただきたいと思い、訪れましたが
まあ!お疲れのところメッセージまでありがとうございました。
徳島でしたか。
どのような旅行記がアップされるのか、楽しみにお待ちしています。
mistral
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