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ローマの教会で見ることのできる、カラヴァッジョ作品についてご紹介します。

ローマで見るべき感動芸術~教会で光るカラヴァッジョ~

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2019/04/28 - 2019/05/14

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ちゃこさん

ローマの教会で見ることのできる、カラヴァッジョ作品についてご紹介します。

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  • ミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジョ。<br />あのレンブラントを始め、様々な芸術家に影響を与えた光と影の魔術師。私の好きな画家の一人です。<br /><br />死刑判決となり逃亡の末、最期はのたれ死んだ波乱万丈な彼の人生は賛否両論ですが、彼の残した画の数々は人々の心をぐっと強く惹きつけます。<br /><br />彼の作品を鑑賞するのに重要なのは、もちろん闇に射し込む光。今回は、ローマの教会で観ることのできるカラヴァッジョの感動的な作品についてご紹介します。<br />

    ミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジョ。
    あのレンブラントを始め、様々な芸術家に影響を与えた光と影の魔術師。私の好きな画家の一人です。

    死刑判決となり逃亡の末、最期はのたれ死んだ波乱万丈な彼の人生は賛否両論ですが、彼の残した画の数々は人々の心をぐっと強く惹きつけます。

    彼の作品を鑑賞するのに重要なのは、もちろん闇に射し込む光。今回は、ローマの教会で観ることのできるカラヴァッジョの感動的な作品についてご紹介します。

  • まずは、ナヴォーナエリアの<br />サン・ルイジ・デイ・フランチェージ教会。

    まずは、ナヴォーナエリアの
    サン・ルイジ・デイ・フランチェージ教会。

  • 素朴な外観とは打って変わり、中は金装飾で華やかです。<br /><br />ここにはカラヴァッジョの残した、マタイ3部作があります。

    素朴な外観とは打って変わり、中は金装飾で華やかです。

    ここにはカラヴァッジョの残した、マタイ3部作があります。

  • カラヴァッジョある場所に人混みあり。

    カラヴァッジョある場所に人混みあり。

  • 3部作を左側から順に。<br />「聖マタイの召命 (1599-1600)」<br /><br />酒場にやって来たイエスキリストが、徴税人レヴィ (後の聖マタイ) を召命するという劇的なシーンを描いたものです。

    3部作を左側から順に。
    「聖マタイの召命 (1599-1600)」

    酒場にやって来たイエスキリストが、徴税人レヴィ (後の聖マタイ) を召命するという劇的なシーンを描いたものです。

  • 見所①イエスの顔が描かれている!<br />カラヴァッジョの宗教画作品の多くは、イエスキリストや神の存在を光として間接的に描いています。このような直接的な表現をしているのは大変珍しいです。

    見所①イエスの顔が描かれている!
    カラヴァッジョの宗教画作品の多くは、イエスキリストや神の存在を光として間接的に描いています。このような直接的な表現をしているのは大変珍しいです。

  • 見所②マタイは誰?!<br />長らく、イエスが指し示すマタイは、画中の誰なのかという論争があります。<br />指を奥に向けて指している中年男性がマタイだという見方、小銭を数えている若者がマタイだという見方があります。(現在は後者が有力のようです。)<br /><br />ちなみに私は、

    見所②マタイは誰?!
    長らく、イエスが指し示すマタイは、画中の誰なのかという論争があります。
    指を奥に向けて指している中年男性がマタイだという見方、小銭を数えている若者がマタイだという見方があります。(現在は後者が有力のようです。)

    ちなみに私は、

  • カラヴァッジョの与えた光と、教会に射し込んだ光との交点が、若者を指していたので、この若者で間違いないと、勝手に考察しています(笑)。

    カラヴァッジョの与えた光と、教会に射し込んだ光との交点が、若者を指していたので、この若者で間違いないと、勝手に考察しています(笑)。

  • 続いて、<br />「聖マタイと天使 (1602)」<br /><br />突然出現した天使に驚愕する聖マタイ。天使から哲学を教授される場面です。<br />

    続いて、
    「聖マタイと天使 (1602)」

    突然出現した天使に驚愕する聖マタイ。天使から哲学を教授される場面です。

  • 見所①3D効果<br />たかが足。されど足。光と影の効果で、マタイの足がこちらに突き出しているように見えます。平面なのにまるで3Dのような迫力がある、それがカラヴァッジョの光と影の特徴だと思います。

    見所①3D効果
    たかが足。されど足。光と影の効果で、マタイの足がこちらに突き出しているように見えます。平面なのにまるで3Dのような迫力がある、それがカラヴァッジョの光と影の特徴だと思います。

  • 見所②光の差し込む向き<br />カラヴァッジョ作品では、主人公の顔にパッと光が射すのが特徴。この画では、マタイの身体は光に向いているものの、顔は闇の方を向いています。また天使は、闇から現れ、その顔が光に照らされています。こうした構図をとることで、天使の出現がよりドラマチックなものになっていると思います。

    見所②光の差し込む向き
    カラヴァッジョ作品では、主人公の顔にパッと光が射すのが特徴。この画では、マタイの身体は光に向いているものの、顔は闇の方を向いています。また天使は、闇から現れ、その顔が光に照らされています。こうした構図をとることで、天使の出現がよりドラマチックなものになっていると思います。

  • そして右側<br />「聖マタイの殉教 (1599-1600)」<br /><br />エチオピア王の結婚を禁じたマタイが襲われるシーンを描いたもの。

    そして右側
    「聖マタイの殉教 (1599-1600)」

    エチオピア王の結婚を禁じたマタイが襲われるシーンを描いたもの。

  • 見所① 膨張した影<br />マタイに振りかざされることになる剣。その陰が右側太ももに映っていますが、異常に大きく感じます。これには、この剣の脅威を増長させる効果を持たせているのではないかと思います。

    見所① 膨張した影
    マタイに振りかざされることになる剣。その陰が右側太ももに映っていますが、異常に大きく感じます。これには、この剣の脅威を増長させる効果を持たせているのではないかと思います。

  • 見所② カラヴァッジョ現る!<br />絵画にはしばしば見られる、画家本人の登場。心配そうにマタイに起こる出来事を静観しています。

    見所② カラヴァッジョ現る!
    絵画にはしばしば見られる、画家本人の登場。心配そうにマタイに起こる出来事を静観しています。

  • 続いて、サンタマリア・デル・ポポロ教会でカラヴァッジョを観ましょう。

    続いて、サンタマリア・デル・ポポロ教会でカラヴァッジョを観ましょう。

  • 教会内には大胆な太い光が射し込んでいます。

    教会内には大胆な太い光が射し込んでいます。

  • 「聖パウロの回心 (1600)」<br /><br />キリスト教を弾圧していたパウロが、落馬して失明する中で、キリストの声を聞き回心する瞬間(若干話を端折っています)を描いたもの。<br /><br />この作品では、キリストの声が光として表現されており、その光をパウロが正面で受け止めています。

    「聖パウロの回心 (1600)」

    キリスト教を弾圧していたパウロが、落馬して失明する中で、キリストの声を聞き回心する瞬間(若干話を端折っています)を描いたもの。

    この作品では、キリストの声が光として表現されており、その光をパウロが正面で受け止めています。

  • 「聖ペテロの磔刑 (1600-1601)」<br /><br />キリストとは違い、逆さ磔にかけられることを望んだペテロ。処刑人が背を向けるなか、僅かに起こしたペテロの身体には光が当てられています。最期のとき、ペテロが何かを伝えようとしているのではないかという気がしてならない画です。

    「聖ペテロの磔刑 (1600-1601)」

    キリストとは違い、逆さ磔にかけられることを望んだペテロ。処刑人が背を向けるなか、僅かに起こしたペテロの身体には光が当てられています。最期のとき、ペテロが何かを伝えようとしているのではないかという気がしてならない画です。

  • ぼやけてますが、足の裏まで素晴らしいです。

    ぼやけてますが、足の裏まで素晴らしいです。

  • カラヴァッジョは、画家人生としては恵まれたことに生前に評価を得られていたそうです。<br />しかし、私生活が影響してか、その画法も段々と闇深くなっていきました。<br /><br />あくまで個人的な意見ですが、<br />よく芸術に使われる「美しくも儚い」と言う表現よりも、<br />「脆くも美しい」と言う表現が、カラヴァッジョの芸術には似合う気がします。<br /><br />ローマを訪れる方には、是非カラヴァッジョを観ていただきたいと思います。

    カラヴァッジョは、画家人生としては恵まれたことに生前に評価を得られていたそうです。
    しかし、私生活が影響してか、その画法も段々と闇深くなっていきました。

    あくまで個人的な意見ですが、
    よく芸術に使われる「美しくも儚い」と言う表現よりも、
    「脆くも美しい」と言う表現が、カラヴァッジョの芸術には似合う気がします。

    ローマを訪れる方には、是非カラヴァッジョを観ていただきたいと思います。

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