Lunga vacanza（シチリア・カラブリア・カンパーニア）ロッサーノ、チヴィタ、モラーノ・カラブロ[７]魅惑のカラブリア

2019/03/12 - 2019/03/28

私にとって初めての「長い休暇」いろいろな方たちと触れ合いながら、早春の南イタリアを駆け抜けた。
3/12　成田発イスタンブール経由
3/13　ラグーザ
3/14　シラク―サ
3/15　カターニア
3/16　トロペア
3/17　ロッサーノ
3/18　モラーノ・カラブロ
3/19～20　チェントラ（パリヌロ）
3/21　カステッラバーテ
3/22～24　サレルノ
3/25　イゾラ・ディ・プロチダ
3/26　ナポリ
3/27　ナポリ発イスタンブール経由
3/28　成田着

エリア イタリア

朝のお散歩、庭が広いの。

館をこの角度から見ると大きさがわかる。

まわりは見渡す限りオリーブ畑。

朝食はこんな感じ、シーズンオフのせいか他のゲストは見かけなかった。
そして9:00出発。

山道を30分くらい行くと…
わぁ着いた！サンタ・マリア・デル・パルティーレ修道院聖堂。（12C）

ずっと来たかったんです。こちらもかつての建物の一部でしょうか。

後陣。

修復されているのでしょうが、よい保存状態ですね。

ぐるっと回ってみる。正面入口の扉は閉じられていた。

後陣付近にいたおじ様が、この側面入口の扉の鍵をあけてくれた。

ここは、シチリア王ルッジェーロ２世やその母、重臣たちの寄進によって建てられ、後にカラブリア生まれのバルトロメウスを修道院長に迎えたそう。

でもバルトロメウスはコンスタンティノープルへ買い付けに行くという名目でシチリア王から大金を預かったものの親族にあげてしまった疑惑をうけ、死刑宣告を受けた。処刑直前、最後のミサをあげている時、火柱が立ち上り、ルッジェーロ２世は無実を悟り、新たにメッシーナに大きな修道院を建ててあげたそう。

このモザイクに逢いたかった！
ちなみにルッジェーロ２世の父、ルッジェーロ１世はプーリャ公ロベール・ギスカールを異母兄に持ち、金髪碧眼でハンサムだったとか。

ラッパを吹くケンタウロス。

拡大して。
何だかおどけた表情。

おしりの模様が可愛い一角獣。
動きがあって踊っているみたい。

拡大して。
たてがみのデザインがお洒落ね。

一角獣の上には、ライオン。

拡大して。
人間みたいに「イッヒッヒ」って笑ってる。

羽のデザインが斬新なグリュフォン。

拡大して。
チワワみたいな顔してる。

一角には別の弓矢を持つケンタウロスもあった。

弓矢の形がハート。

鹿でしょうか。

ほっこりするお顔。

他の場所にこんなモザイクも。

そして車で１時間ほどアルバニア起源の村サン・デメトリオ・コローネ着。

サンタンドリアーノ聖堂（11C末～12C初）
初めギリシャ人隠修士が庵を結び、その後カラブリア伯の寄進によりベネディクト会の修道院が建てられたそう。

でもね、開いてないの！

ぐるっと回っても近くに鍵番の建物らしきものもなく…
予め村に連絡すべきだったかも。下調べ不足でした。残念！

こんな壁画や＊大理石装飾の蛇やライオンが見れたはずなのに…（自宅の本から）

＊オプス・セクティーレという技法でモザイクよりも高価で技術も高度なのだそう。

閉まっていた土産物屋に貼ってあったポスター。
見たかったなぁ。まあ、また来いってことよね！

そして再び車で１時間ほどチヴィタへ。

1014年にサラセン人たちに焼き滅ぼされた居住地に、1467年オスマントルコの侵攻から逃げてきたアルバニア人の一族によって造られた村。

赤い車が可愛いね。

サンタ・マリア・アッスンタ教会に入ってみよう。

1600年代初頭に建てられたそう。

グレコ・ビザンチン様式の教会。
彫像が無く、宗教画（イコン）が壁面を飾っている。

正教会では、イエス・キリストを中世ギリシャ語由来の読み方でハリストスというらしいが…

扉のイコンにあった聖人図。

正面上部には、天使に囲まれた聖母子。

振り返ってみると・・・

正面扉上の絵。

聖母子と聖大ワシリイ（バシレイオス）でしょうか？

広場にはおじいさんたちが、たむろっていた。

ちょっと立派な建物ね。

いい感じ。

旧市街をそぞろ歩き。

険しい山が見えた。
村はボッリーニ国立公園に含まれているそう。

地層がすごい。タモリが好きそう。

周辺の山から切り出した石で造った家々。

祭りの写真パネルがあった。
現代イタリア語ではアルバネーゼと呼ばれるが、彼らはアルブレーシュと呼ばれ独特の文化、風習を伝えているそう。

こんな風合いの建物が多い。

桃のような花が咲いていた。

ドライバーのヴィットーリオさん。
３日間お世話になりました。

車中から美しい山々が見えた。

どこの村なのでしょう？

そして車で30分ほどモラーノ・カラブロに到着。

今日のお宿Villa San Domenico

リストランテでもあるので、まずは昼食。
アンティパストと豆のスープパスタ。

あらかじめチェックしておいた宿から徒歩８分ほどのビューポイントへ。

モラーノ・カラブロは、私のイタリアの最も美しき村44番目の訪問の村となった。

アマルフィ海岸のポジターノや南仏のゴルドとかこういう街並みに魅かれるわ♪

山の形が実に美しい円錐形をしている。

ボッリーノ国立公園内に位置している。

Chiesa San Bernardino（15C後期ゴシック様式）
多翼祭壇画が素晴らしいらしいのだが、残念ながら、閉まっていた。

モラーノ・カラブロの「カラブロ」は、カラブリアの形容詞の古い語(現伊語はカラブレーゼ)。この周辺では、「モラーノ」だけで通用していたそう。

さあ村の頂上まで登ってみよう。

11Cにやってきたアラブの軍勢は撃退したものの、12Cにノルマン人に支配された。その後、スペインのアラゴン家の支配に入り、19世紀までそれが続く。
イタリア統一後の19C後半には、アメリカへの移民が増大して、一時は人口が激減したものの、いまではほぼ回復したとのこと。
ただ山に住んでいるのは年寄りばかりになり、若い人は、みんなふもとに降りてしまったそう。

Buongiorno　ニャンコ。

迷路のような路地をテキトウに上がっていく。

結構、坂道なのよね。

Santa Maria Maddalena教会のマヨルカ焼の屋根が美しい。

まだまだ坂は続く。

周辺の石なのでしょうか、この色の建物が多かった。

窓辺のニャンコ、可愛いね。
素敵なベランダの装飾。

もう人は住んでないかな？

門のところに紋章。

あぁやっと頂上に登ってきた。

城塞をそのまま家にしたような建物。

村で一番古いサンテッシマ・ピエトロ・エ・パオロ教会。
入れなかった。

家々に煙突があり、薪をもやした香りが漂っていた。

ニャンコが美しい景色を眺めながら？日向ぼっこ。

ノルマン・ホーエンシュタウフェン城。

だんだん降りて来たのだが、往きと違う道を下がってきてしまった。

ボロいけど雰囲気があるね。

ちょっと迷ってやっとホテルに戻ってきた。

今晩のお部屋。

ベランダからは、Collegiata di Santa Maria Maddalenaが見える。

そしてビューポイントへ。

マジックアワーだもん。

少し寒いけど定点観測したよ。

夕食もリストランテを兼ねているホテルで。

ベランダから眺めを楽しみつつ、カラブリアの想い出に浸った。
チレントへ続きます。

この旅行記へのコメント （6）

• めておら☆さん 2020/06/02 20:17:30

  笑えるモザイク♪

  マリアンヌさん、またまたヒョッコリお邪魔しま～す！
  
  サンタ・マリア・デル・パルティーレ修道院聖堂、12世紀のものなのにびっくりするほど保存状態いいね！外観が超好みなんだけど、ファサードより後陣がステキって思うのも珍しい。
  中も面白いよね～。床モザイク、私好みだわ♪マンガチックで、カワイくて笑えるよね。『むむっ、人面ライオンか？！』と思ったら、その下の拡大写真のマリアンヌさんのコメントも、『人間みたいに「イッヒッヒ」って笑ってる。』って書いてたから、余計笑った♪
  弓矢を持つケンタウロスなんか、もう私のハートにドストライクだったよ(笑)
  
  サンタンドリアーノ聖堂は中に入れなくて残念だったね。私も中見たかった～！
  あの"オプス・セクティーレ"っていう技法、モザイクよりも高価で技術も高度、なんて言われると、ますます見たいな。私もカラブリア行ったら立ち寄ります！
  
  モラーノ・カラブロは、"町"じゃなくてホントに"村"っていう雰囲気が出てていいね。ちょっと寂れた感じもまた味があって。でも、山に住んでいるのはお年寄りばかりになっちゃってるなんて、本当に寂れてしまわないといいなって切に願うね。あんなステキな村、ずーっと残ってて欲しい。
  そして夕景から夜景の写真もとてもキレイだったよ☆寒いとこがんばって待ったかいがあったね♪
  
  さて、次はどんな町が見られるのか、また楽しみにお邪魔しますね～
  
  めておら☆

  マリアンヌさん からの返信 2020/06/03 10:17:51

  Re: 笑えるモザイク♪

  めておらさん　いつもありがとう。
  
  サンタ・マリア・デル・パルティーレ修道院聖堂、修復はされていると思うけどよく残ってるよね。後陣いい感じよね～
  何より愉快な仲間たち的なモザイクに会いたくて行ったの。
  やっぱ人面ライオン、最高だよね♪ケンタウロスも可愛いし。
  後で考えると行き当たりばったりで、後陣のあたりでお喋りしてたおじさんに言って開けてもらえたのは、かなりラッキーだった気がする。
  すごく山の中ににポツンと一軒屋じゃなく一教会だから。
  
  サンタンドリアーノ聖堂は残念だった（涙）
  そもそもカラブリア３日間はコーディネーターに車を手配してもらい、ルートは私が提示してこれで行けますか？ってやったんだけど、ＯＫ出た時に教会の開き状況もみてくれていると勘違いしてたのがいけなかった。下調べは重要だね。
  
  モラーノ・カラブロのたたずまいも好きで。斜面に家が張り付いた感じって絵になるよね～。お年寄りが多い村なんだけど二人に声かけられたよ、さすがイタリア(^_-)-☆　夜景を待つ間、山奥だけに寒かった～。
  
  アンギアーリ楽しみにしてます(^^♪
  
  マリアンヌ

• ももんがあまんさん 2019/05/14 13:39:49

  スペクタクル

  　お久しぶり、マリアンヌさん・・まあ、いつも拝見してますけど。
  
  　またまた壮観(スペクタクル)な村「モラーノ・カラブロ」、南フランスや地中海に特有の村ですね、なかなか他では見られない・・前の旅行記の「スティッロ」ヤ「ジェラーチェ」も、良い村でした・・いずれも「イタリアの美しい村」の会員ですね・・「トロペア」は違うけど、期待通りの良い村でした・・ワタクシも１か行ってみたいと思い、チェックはしていたのですけど、マリアンヌさんに、全部、制覇されそう・・ww・・ワタクシもいつか、行けるかなあ、状況が変わったし・・？
  
  　　　　　　　　　　　　　　　　　　by ももんがあまん

  マリアンヌさん からの返信 2019/05/15 20:49:12

  RE: スペクタクル

  ももんがあまんさん、おひさしぶりです。
  
  いつもイイねをありがとうございます。
  
  またまた壮観(スペクタクル)な村「モラーノ・カラブロ」、南フランスや地中海に特有の村ですね、なかなか他では見られない・・前の旅行記の「スティッロ」ヤ「ジェラーチェ」も、良い村でした・・いずれも「イタリアの美しい村」の会員ですね・・
  
  →モラーノ・カラブロは南仏のゴルドを思わせる円錐形でなかなか良かったです。
  カラブリアは、まだまだ訪れる人も少なく交通の便も悪いです。
  でも、ももんがあまんさんは自転車だから大丈夫ですね♪
  
  「トロペア」は違うけど、期待通りの良い村でした・・ワタクシも１か行ってみたいと思い、チェックはしていたのですけど、
  
  →トロペアは真夏は華やかな賑わいなんでしょうが、まだ人も少なく旧市街はたたずまいが良かったです。
  フランスの美しき村を制覇したあまんさん、イタリアも狙ってるんですか？
  私はバスですから制覇は無理、できるだけ行きたいと思ってます。
  
  猫ちゃんたちはお元気かな。
  親御さんの介護とかでしたでしょうか…
  実は先週末、母が倒れ、父も自立できないので実家に戻ってます。
  やっと会社卒業したのですが、介護生活になりそうです。
  お互い旅行に復活できるといいですね。
  
  マリアンヌ
  
  マリアンヌ

• PuellaApuliaeさん 2019/05/10 22:40:17

  チヴィタ、いいですねー

  こちらにもお邪魔します。
  日本でチヴィタというとバーニョレージョだけが超有名になってしまいましたが、私はカラブリアのチヴィタに惹かれます。昨夏は行程の都合上、泣く泣く飛ばさざるを得なかったのですが、やはり行くべきでした－。次回はロッカ・インペリアーレやアルトモンテなどと合わせて行くことにします。モラーノも良さそうですね。
  サン・デメトリオ・コローネの大聖堂、閉まっていましたか。私が行った時もそうだったので、運転手さんが回りの人に色々聞いてくれていると、管理人のお兄さんが現れて開けてくれました。タイミングによるんですよね・・。
  ところで聖ワシーリーって聖バシレイオスのことだったのですか。一つ賢くなりました（笑）。
  

  マリアンヌさん からの返信 2019/05/12 08:40:19

  Re: チヴィタ、いいですねー

  コメントありがとうございます。
  山奥のチヴィタ、期待どうりのたたずまいで良かったです。
  バーニョレージョも2回行き好きですが、最近メジャーになりすぎですよね。チヴィタは、リストランテもあるのかな？位の村でしたが、正教会は、興味深いですよね。聖バシレイオス、聖人に弱い私、検索しただけなので？です(笑)
  ロッカ・インペリアーレ、アルトモンテいいですね！
  サン・デメトリオ・コローネのリベンジとともに行きたいな。
  マリアンヌ