2018/11/23 - 2018/11/24
514位(同エリア1137件中)
ニッキーさん
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今回の旅行で特に楽しみにしていたのは、高野山でお寺が運営する宿坊に泊まることでした。
高野山では現在52の塔頭寺院が宿坊として訪問者に宿を提供しています。由緒あるお寺に泊まるという経験は特別です。朝のおつとめに参加させてもらえたり、朝夕に提供される精進料理も魅力です。
私たちが泊まったのは宝城院という870年の歴史を持つお寺です。トイレ・洗面所が共同であるなど多少不便な点はありましたが、お風呂は気持ちよく精進料理は美味しい。何よりお坊さん方の温かいおもてなしの心が伝わって来て、とても良い体験ができました。
宝城院は壇上伽藍のすぐ近くに位置するため、夕食後ライトアップされた壇上伽藍を見に行きました。後で聞くと、この夜は氷点下まで気温が下がったとか。キーンとした寒さの中、ひと気の無い境内を歩き、ライトに浮かび上がった建物を見て回ったことは高野山での忘れられない思い出です。
前日、渋滞により到着が遅れて壇上伽藍の日中の見学ができなかったので、翌日の朝、出発を30分遅らせて見学時間を取ってもらえることになりました。ここでもまたひと気のない壇上伽藍を満喫。朝一番で根本大塔と金堂の内拝もでき、満足度の高い高野山滞在になりました。
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<旅行スケジュール>
★印が本旅行記で取り上げた場所
11月23日(祝) 東京発(06:56)こだま633号で三河安城へ
ツアーバスに乗り換え、高野山へ
高野山 奥の院
★ 夜の壇上伽藍
★<高野山宿泊>宿坊「宝城院」
11月24日(土) ★朝の壇上伽藍
談山神社
長谷寺
室生寺
バスで三河安城へ
三河安城発(20:16)こだま682号で東京へ
- 旅行の満足度
- 5.0
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バス2台、2グループに分かれた私たちのツアー。
私たち1号車グループは壇上伽藍のすぐ裏手にある宝城院というお寺に泊まります。
(2号車グループは少し離れた蓮華定院に宿泊でした)宝城院:壇上伽藍のすぐ側で立地抜群 870年の歴史を持つお寺です。 by ニッキーさん宝城院 宿・ホテル
-
大勢が一度に靴を脱げる玄関を上がると、左右に長い廊下が伸び、正面にはついたてや屏風などが並ぶ板の間がありました。
由緒あるお寺のようです。 -
一旦部屋に荷物を置き、午後6時、まずは夕食です。
私たちは団体なので、広間にお膳が用意されていました。
ここで出されるのは肉魚を使わない精進料理です。
ちょっと意外ですが、ビールやお酒を頼むこともできます。 -
部屋の隅に几帳が立てられ、その陰からビールやお酒、ご飯、お吸い物のつゆ、お茶などが運ばれて来ます。
お料理は専門の調理師さんが作っているのでしょうが、給仕するのはすべてお坊さんです。 -
見た目も美しい精進料理の夕食。
ふかふかのご飯はお代わり自由です。
お盆を持ったお坊さんが時々席の間を歩いて、ご飯のお代わりはいかがですか?お茶は足りてますか?と常に気を配ってくださいます。
ご住職自らおひつの側に座り、ご飯のお代わりをよそってくださいました。 -
インゲン、ゴボウ、サツマイモの天ぷらにジャガイモのいがぐり揚げ。
緑色の塩でいただきます。
インゲンの天ぷらが美味しくて感心しました。
外はさくっとしているのに中はぷりっとしていて、一本のインゲンの天ぷらを食べて感動したのは初めてでした。
中に一つ、不思議な食感の天ぷらがありました。
なんとコンニャクの天ぷらでした。
あらかじめ煮て味をつけてあるのでとても美味しく、エビ・イカの入らない天ぷらにボリュームを持たせていました。 -
これは何でしょう?
歯ごたえも味もまるで鶏のつくねです。
でも、あれ?精進料理は肉魚を使わないはずでは?
後でご住職に伺ってみたら、なんと大豆を肉のような食感に加工したものなのだそうです。
美味しくてボリュームがあるので、あっさりとした精進料理に満足感を出すのに一役買っていました。 -
カボチャ、カブ、シイタケ、ニンジン、高野豆腐の煮物。
薄味ですが、一つ一つていねいに煮ふくめられています。 -
わさびとたれで食べる高野山名物、ごま豆腐。
これは高野山では外せませんね。
一つ一つ味わって食べた精進料理。
とても美味しかったです。 -
夕食後は自由時間なので、私たちはライトアップされた壇上伽藍を見に行きました。
宝城院が壇上伽藍のすぐ裏手にあるから、こんなことができたのです。
離れた宿坊に泊まった2号車の人たちはバスかタクシーを利用するしかなく、夜の見学を諦めた人が多かったかもしれません。 -
階段を上ると、すぐに根本大塔が見えました。
壇上伽藍は弘法大師が高野山で最初に開いた地です。
伽藍にはたくさんの建物がありますが、一番有名なのがこの根本大塔です。壇上伽藍 寺・神社・教会
-
高さは50メートル近くもあるそうです。
現在の建物は昭和12年に再建されたもの。
根本大塔に限らず、壇上伽藍の建物は何度も焼失と再建を繰り返しています。
ガイドさんによると、焼失のほとんどの原因は落雷だったそうです。
昔は避雷針などついていなかったからだとか。 -
後で聞くと、この夜は氷点下まで気温が下がったそうです。
私は秋コートの下にライトダウンを着込みました。
マフラー、手袋、ニット帽。
夜なので、カッコ悪いも何もないと思い、裏起毛のレッグウォーマーを履いて来ました。これがとても暖かかったです。 -
昼間は大勢の人で賑わったであろう壇上伽藍。
今はほとんど人がいません。
ライトアップされたひと気のない壇上伽藍。
闇に浮かび上がる建物。
強烈なライトは容赦なく私たちの目をも射抜きます。
スポットライトに照らされた舞台を歩いているような不思議な気分になりました。 -
イチオシ
折りしも満月に近い月が出ていました。
根本大塔と灯籠と月を一枚の写真に収めました。
高野山へ来て、こんな特別なシチュエーション。
気持ちが高揚しました。 -
このすてきな建物は御影堂(みえどう)です。
吊り灯籠が美しい。 -
こちらは金堂です。
明日の朝、中へ入ってみるつもりです。 -
大塔の鐘。
白い鐘楼が闇に浮かび上がっていました。
一日5回鳴らされるそうです。 -
中門(ちゅうもん)。
1843年に焼失して以来、礎石を残すのみでしたが、2015年、高野山開創1200年を記念して再建されたばかりなのだそうです。
この時期に来て良かった! -
中門には四天王が安置されて結界を守っています。
これは南西側に建つ持国天。 -
南東の多聞天。
この2体は1843年の焼失を免れ、根本大塔に保存されていたのを、中門再建に当たってここに戻されたということです。 -
一方、北側の2体は中門再建にあたり京都の仏師が新たに作成したもの。
北東の広目天。
すごい迫力です。
胸にセミがとまっているのがユーモラス。 -
そして北西の増長天。
胸にはトンボが。 -
蛇腹路(じゃばらみち)と呼ばれる通りを5分ほど歩いて金剛峰寺(こんごうぶじ)へも行ってみました。
ここもライトアップされています。
高野山真言宗3600寺の総本山である金剛峰寺。
高野山全体が金剛峰寺の境内とされていて、中には金剛峰寺と塔頭寺院を合わせて117のお寺があるそうです。 -
夜間なので中へ入ることはできませんが、これが金剛峰寺の正門です。
昼間は内部が公開されていて、建物、お庭など見どころも多いそうです。 -
夜の高野山を4~50分散策し、宝城院へ戻って来ました。
神秘的な夜の高野山を散策できて良かったです。 -
長い廊下。
歩くとギシギシいうけれど、床板が厚く、しっかりしています。
玄関が開けっ放しになっているので、廊下、結構冷えます~。 -
私たちの部屋は2階です。
廊下は寒かったけれど、部屋に入ってガスヒーターを点けたら、みるみる部屋が温まりました。
ガスヒーターって暖かい! -
トイレ、洗面所は共用です。
共用の洗面所は使い勝手があまりよくありませんでしたが、トイレはドアを開けると自動でライトがつく最新式。
寒い高野山ではウォシュレットの暖房便座が本当にありがたかったです。
お風呂は午後9時まで。
長い廊下を歩いてお風呂へ行きました。
女性用のお風呂は広い湯船に新しいお湯がどんどん流れ込んでいて、旅館のお風呂のよう。とても気持ち良かったです。
夫によると、男性用はもう少し狭かったそうです。
お布団で朝までぐっすり寝ました。 -
翌朝、2階の窓から見た宝城院。
立派な屋根がすばらしい。
こんな場所に泊まっていたのかと思うと、感激です。 -
前庭と本堂。
午前6時半からお坊さんの朝のおつとめに参加させてもらいました。
お経を聞いてご本尊の大日如来にお焼香をし、15分ほど。
この朝のおつとめでは、お坊さんは私たちの旅の安全を祈願してくださいました。
個人としてご祈祷をお願いした人もいました。
お堂には暖房が入っていないので足元から深々と冷えましたが、ぴりりとした厳粛な空気に気持ちが引き締まりました。 -
宝城院は昔、閑院宮(かんいんのみや)家の菩提所であったため、ゆかりの品が残っているとのことで、おつとめの後、見学させてもらえました。
-
松の木と梅の木が描かれた襖絵と籠。
やっぱり由緒あるお寺なんですね。 -
朝食です。
切り干し大根がしゃきしゃき。
ひろうず(がんもどき)がおいしい。
よく枝豆が入っていたりするけれど、ここのは中に大豆が入っていました。
焼き鮭も卵もない精進料理ですが、ひろうずが食事にボリュームを与え、食べごたえ感を出していました。
ご飯はお代わりできるので、多くの人がお代わりをしていました。
私も。
どのお椀、どの小鉢も一口一口味わって食べました。 -
こちらは昨夜お願いしておいた宝城院のご朱印です。
朝食後、受け取りました。
朝食を終えて部屋へ戻ると、お布団が片づけてありました。 -
朝の出発を30分遅らせてもらえることになったので、出発の用意をすっかり終えてから個々に壇上伽藍を見に行きます。
砂利にきれいに筋がつけられた宝城院の前庭。 -
お坊さんから聞いたのですが、宝城院の山門は赤穂城の裏門を移築して来たものなのだそうです。
そう思って見ると、確かに立派な門です。
これは内側から撮った写真。 -
そして外側から撮った写真がこちらです。
門の脇に立つのは高野山開創1200年記念のマスコットキャラクター、こうやくんです。 -
山門からのぞき込んだ宝城院の玄関。
-
まずは駐車場のバスに荷物を預けて身軽になり、徒歩1~2分、壇上伽藍へやって来ました。
根本大塔がどーん。
昨夜見たライトアップに浮かび上がる姿とはまた雰囲気が違って見えます。
2号車グループは宿坊が壇上伽藍から離れていたため、全員集合してからバスで来ていました。 -
午前8時過ぎ。
まだひと気の無い壇上伽藍。
がらんとした壇上伽藍を歩けるなんて嬉しい。
高野山に宿泊した甲斐がありました。 -
堂々とした金堂。
高野山全体の総本堂で、重要な年中行事の大半がここで行われるそうです。 -
こちらは御影堂。
昨夜見た、燈明に縁取られた幻想的な雰囲気とまた違います。 -
赤い手すりの柵に囲まれたこの木は「三鈷(さんこ)の松」と呼ばれています。
弘法大師が日本で密教を広める聖地を占って、留学中の唐の国から法具の三鈷杵(さんこしょ)を投げ、帰国したらこの松の枝に引っ掛かっていたという伝説の木です。
伝説はともかくとして、ここの松は珍しい三本葉。
三本葉の松葉を見つけると吉と聞いていたので、探してみました。 -
見つけました。
というか、いっぱい落ちています。
枯れ葉が多い中、緑の三本葉を見つけました。
私がどうやって葉っぱの写真を撮ろうかと試行錯誤していたら、たまたま居合わせた女性が、写真を撮るなら背景が薄い色の方がいいでしょ、と自分の袖に葉っぱを当てて写真を撮らせてくれました。)^o^( -
2015年に再建されたばかりの中門。
本来はここから壇上伽藍へ入ります。
昨夜もそうでしたが、私たちは裏から壇上伽藍へ入ったので、門を見るのはいつも後回しになるのです。 -
中門の脇には池がありました。
蓮池というそうです。
いい感じ。 -
午前8時半、金堂の内拝ができる時間になりました。
落ち着いた外観の金堂ですが、中は見どころいっぱい。
(撮影禁止です)
入口に置いてある塗香(ずこう)を両手にすり込んで清めてから入ります。
祭壇中央にご本尊の薬師如来が収められた厨子。
その両脇に6体の明王像や菩薩像が並び、左右に平清盛が奉納した両界曼荼羅のレプリカが掛けられています。
ガイドブックで予習して行ったので、見逃さず、ちゃんと見て来ました。
お節介にも他の人にも教えてあげました。
おばさん丸出しです(笑)。 -
根本大塔も中へ入ってお参りすることができます。
-
中は金堂よりもさらにすごい。
極彩色の立体曼荼羅の世界です。
弘法大師が伝えた真言密教の世界観に浸ることができます。 -
内部ではまず拝観料を払い、手に塗香をすり込んで清めてから黄金に輝く大日如来にお参り。
その後、内陣の周囲をぐるりと回りながら大日如来を囲む4仏と、16本の柱に描かれた16大菩薩を見て回り、立体曼荼羅の迫力を感じて来ました。
本来、私たちのツアーでは壇上伽藍の内拝は行程に含まれていませんでした。
2日めの出発を遅らせてもらったおかげで内部も見学できたので、逆に良かったです。 -
壇上伽藍には他にもたくさんの建物が建っています。
もうバスに荷物も預けて出て来ているので、出発時刻ぎりぎりまで、さらに見て回ることにしました。 -
こちらは御社(みやしろ)。
もともと弘法大師が高野山の守護神として丹生大明神と高野明神を祭ったのが始まりとのこと。 -
中へは入れませんが、奥にある社殿3棟は1594年再建の重要文化材です。
-
六角経蔵(ろっかくきょうぞう)。
お経を収める蔵ですが、この建物おもしろいんです。
今ちょうど男性がやっているように、基壇の取っ手を持って押すとその部分が回るんです。
一周するとお経を読んだと同じ功徳が得られるというもの。
もしかしてこの男性、回す向きが逆さかな?
向きについては何も書いてなかったから、特にきまりはないのかな? -
西塔(さいとう)。
木組みが美しい堂々とした立派な多宝塔です。
反対側に東塔というのもありました。 -
ここにも木が倒れています。
台風21号の被害なのでしょう。
建物に倒れかからなかったことがせめてもの救いです。 -
この切り株は・・・
樹齢374年のヒノキの切り株です。
今回の中門再建にあたって、この木を伐採して使用したのだそうです。
壇上伽藍に育ったヒノキ。
中門を支える柱に姿を変えて生き続けるということで、お賽銭がお供えされていました。 -
別の場所にも巨大な切り株がありました。
折れたのか枯れたのか、何かに使われたのかわかりませんが、さっき見た中門に使用されたヒノキの切り株の直径2倍以上もあるような巨大な切り株でした。 -
さ、出発の時間です。
バスへ戻ります。
昨日は道路が混んでいて延着。
一時はどうなることかと気をもみましたが、宿坊体験もおもしろかったし、夜と朝両方の壇上伽藍を見学できて、高野山には良い思い出ができました。
1号車、2号車そろって出発。
この後は奈良の談山神社、長谷寺、室生寺へ行きます。
紅葉しているかどうか、ちょっと気がかりです。
その様子は次の旅行記へ。
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旅行記グループ 高野山と紅葉の奈良3社寺へ
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