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 江島神社辺津宮境内にある奉安殿は八角のお堂で、中には八臂弁財天(はっぴべんざいてん)像(神奈川県指定重要文化財)と、日本三大弁財天のひとつとして有名な妙音弁財天(裸弁財天)像が安置されている。弁財天像が八臂と二臂と異なるのは作像の時代が違うからであろうか?また、弁財天が三女神であるのに対し、弁財天社には一躯(いっく)の弁財天像が祀られているのが一般的であろうか。ここ江島神社奉安殿には、この八臂弁財天像と妙音弁財天(裸弁財天)像の二躯の弁財天が祀られている。おそらくは、辺津宮や中津宮、奥津宮には弁財天像は祀られてないないのだろう。<br /> 奉安殿の前には黄金浄水があり、鎌倉・銭洗弁天のように(心と)お金を洗い清めましょうとある。また、むすび絵馬があり、それをむすび樹の辺りの絵馬掛けに奉納することも行われている。観光客や若いカップルを引き寄せる仕組みができている。<br /> また、江島神社辺津宮拝殿前の黄金浄水が注ぐ池の畔には龍神像がある。この池を銭洗白龍王という(。看板には白龍池、白龍王は白龍(白蛇)の神で、近年まで江の島岩屋洞窟に祀られていた江の島弁才天のことをいうように読める)。<br /> 「江嶋縁起」では、天女の天下りとともに出現した島が現在の江の島であり、天女は江島神社に奉られている弁財天である。また、対岸にいた五つの頭を持つ五頭龍が、今は龍口明神社(鎌倉市腰越・津)(https://4travel.jp/travelogue/10498935、https://4travel.jp/travelogue/10563385)に祀られている。この2つの姉妹神社の祭神が、ここ江の島にある江島神社に祀られるようになってきている。平成6年(1993年)に龍宮((わだつみのみや))大神(https://4travel.jp/travelogue/11420560)が岩屋洞窟の真上に鎮座するようになり、第二岩屋にも龍の像(https://4travel.jp/travelogue/11420374)が安置されている。そればかりではなく、こうして弁天堂である奉安殿の黄金浄水が流れ込む池の畔にも龍神像がある。今では、弁財天と龍神像が江の島で見られ、ここ奉安殿がある地が一番近い場所にある。<br />( 表紙写真は奉安殿)

江島神社奉安殿-2018年秋

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2018/10/29 - 2018/10/29

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ドクターキムル

ドクターキムルさん

 江島神社辺津宮境内にある奉安殿は八角のお堂で、中には八臂弁財天(はっぴべんざいてん)像(神奈川県指定重要文化財)と、日本三大弁財天のひとつとして有名な妙音弁財天(裸弁財天)像が安置されている。弁財天像が八臂と二臂と異なるのは作像の時代が違うからであろうか?また、弁財天が三女神であるのに対し、弁財天社には一躯(いっく)の弁財天像が祀られているのが一般的であろうか。ここ江島神社奉安殿には、この八臂弁財天像と妙音弁財天(裸弁財天)像の二躯の弁財天が祀られている。おそらくは、辺津宮や中津宮、奥津宮には弁財天像は祀られてないないのだろう。
 奉安殿の前には黄金浄水があり、鎌倉・銭洗弁天のように(心と)お金を洗い清めましょうとある。また、むすび絵馬があり、それをむすび樹の辺りの絵馬掛けに奉納することも行われている。観光客や若いカップルを引き寄せる仕組みができている。
 また、江島神社辺津宮拝殿前の黄金浄水が注ぐ池の畔には龍神像がある。この池を銭洗白龍王という(。看板には白龍池、白龍王は白龍(白蛇)の神で、近年まで江の島岩屋洞窟に祀られていた江の島弁才天のことをいうように読める)。
 「江嶋縁起」では、天女の天下りとともに出現した島が現在の江の島であり、天女は江島神社に奉られている弁財天である。また、対岸にいた五つの頭を持つ五頭龍が、今は龍口明神社(鎌倉市腰越・津)(https://4travel.jp/travelogue/10498935https://4travel.jp/travelogue/10563385)に祀られている。この2つの姉妹神社の祭神が、ここ江の島にある江島神社に祀られるようになってきている。平成6年(1993年)に龍宮((わだつみのみや))大神(https://4travel.jp/travelogue/11420560)が岩屋洞窟の真上に鎮座するようになり、第二岩屋にも龍の像(https://4travel.jp/travelogue/11420374)が安置されている。そればかりではなく、こうして弁天堂である奉安殿の黄金浄水が流れ込む池の畔にも龍神像がある。今では、弁財天と龍神像が江の島で見られ、ここ奉安殿がある地が一番近い場所にある。
( 表紙写真は奉安殿)

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  • 授札所。

    授札所。

  • 打ち出の小槌。<br /><br />「打ち出の小槌<br />昔から打ち出の小槌はどんな願い事も叶えてくれると云われています。<br />この小槌を三回撫でながら「心願成就」「気運向上」をご祈念下さい」。

    打ち出の小槌。

    「打ち出の小槌
    昔から打ち出の小槌はどんな願い事も叶えてくれると云われています。
    この小槌を三回撫でながら「心願成就」「気運向上」をご祈念下さい」。

  • 奉安殿(昭和45年(1970年)再建)。八角のお堂には八臂弁財天(はっぴべんざいてん)(神奈川県指定重要文化財)と、日本三大弁財天のひとつとして有名な妙音弁財天(裸弁財天)が安置されている。明治初年の神仏分離で江島神社となると、それまでの信仰主対象であった妙音弁財天座像は宝庫に収蔵され、八臂弁財天座像をはじめ散逸を免れた仏教関係資料とその他伝来の社宝合計約40点は江島神社中津宮境内に設けた宝物拝観所(明治6年(1873年)に設立)で公開された。<br /> 昭和46年(1971年)に、風化による落石事故が起こり、江の島岩屋洞窟が閉鎖され、岩屋に祀られていた裸弁財天は江島神社辺津宮の奉安殿へ移されている。江の島岩屋洞窟が再開するのは平成5年(1993年)になってからである。 <br />現在の法案殿は昭和45年(1970年)に、鉄筋コンクリート造りの弁天堂として建てられたもので、妙音弁財天像・八臂弁財天像などが安置されている。このお堂は奈良・法隆寺夢殿を模したものである。

    奉安殿(昭和45年(1970年)再建)。八角のお堂には八臂弁財天(はっぴべんざいてん)(神奈川県指定重要文化財)と、日本三大弁財天のひとつとして有名な妙音弁財天(裸弁財天)が安置されている。明治初年の神仏分離で江島神社となると、それまでの信仰主対象であった妙音弁財天座像は宝庫に収蔵され、八臂弁財天座像をはじめ散逸を免れた仏教関係資料とその他伝来の社宝合計約40点は江島神社中津宮境内に設けた宝物拝観所(明治6年(1873年)に設立)で公開された。
    昭和46年(1971年)に、風化による落石事故が起こり、江の島岩屋洞窟が閉鎖され、岩屋に祀られていた裸弁財天は江島神社辺津宮の奉安殿へ移されている。江の島岩屋洞窟が再開するのは平成5年(1993年)になってからである。
    現在の法案殿は昭和45年(1970年)に、鉄筋コンクリート造りの弁天堂として建てられたもので、妙音弁財天像・八臂弁財天像などが安置されている。このお堂は奈良・法隆寺夢殿を模したものである。

  • 「奉祀 日本三大弁財天」。八臂弁財天と妙音弁財天(裸弁財天)が載った料金表だ。

    「奉祀 日本三大弁財天」。八臂弁財天と妙音弁財天(裸弁財天)が載った料金表だ。

  • 「江島弁財天」と「秘寶御鎮座 八臂弁財天 妙音弁財天」。

    「江島弁財天」と「秘寶御鎮座 八臂弁財天 妙音弁財天」。

  • 手水鉢。

    手水鉢。

  • 龍神と銭洗い池(銭洗白龍王)。 

    龍神と銭洗い池(銭洗白龍王)。 

  • 「龍神と銭洗い」。

    「龍神と銭洗い」。

  • 龍神像。

    龍神像。

  • 龍神像。

    龍神像。

  • 「弁財天黄金浄水」。

    「弁財天黄金浄水」。

  • 銭洗い池。「この黄金浄水で心とお金を洗い清めお詣りいたしましょう。」とある。

    銭洗い池。「この黄金浄水で心とお金を洗い清めお詣りいたしましょう。」とある。

  • 「八坂神社」。

    「八坂神社」。

  • 八坂神社社殿。

    八坂神社社殿。

  • 授札所。

    授札所。

  • 「むすび絵馬」のテント。江島神社といい、龍恋の鐘(江の島龍野ヶ岡自然の森)といい、江の島には縁結び・恋愛成就を祈念する施設が多い。

    「むすび絵馬」のテント。江島神社といい、龍恋の鐘(江の島龍野ヶ岡自然の森)といい、江の島には縁結び・恋愛成就を祈念する施設が多い。

  • 絵馬掛け。ピンクの絵馬が奉納されている。

    絵馬掛け。ピンクの絵馬が奉納されている。

  • むすびの樹と絵馬掛け。

    むすびの樹と絵馬掛け。

  • 宋国伝来の古碑(石祠)と石碑。

    宋国伝来の古碑(石祠)と石碑。

  • 「宋国伝来の古碑」。

    「宋国伝来の古碑」。

  • 沼田頼輔の歌碑。「さなからに生けるが如く見まつりぬ御神なからも肌ゆたかなり」と刻まれている。妙音弁財天を讃えた歌である。<br />沼田頼輔(慶応3年(1867年)~所和9年(1934年))は、「日本紋章学」 を著し日本学士院賞を受賞した愛甲郡宮ヶ瀬生まれの紋章学者である。歴史学・考古学の分野でも活躍した。昭和36年(1961年)沼田の二十八回忌に江島神社宮司相原直八郎、考古学者の石野瑛(武相学園)、郷土史家の内田輝彦・鶴田栄太郎らが建てたものである。

    沼田頼輔の歌碑。「さなからに生けるが如く見まつりぬ御神なからも肌ゆたかなり」と刻まれている。妙音弁財天を讃えた歌である。
    沼田頼輔(慶応3年(1867年)~所和9年(1934年))は、「日本紋章学」 を著し日本学士院賞を受賞した愛甲郡宮ヶ瀬生まれの紋章学者である。歴史学・考古学の分野でも活躍した。昭和36年(1961年)沼田の二十八回忌に江島神社宮司相原直八郎、考古学者の石野瑛(武相学園)、郷土史家の内田輝彦・鶴田栄太郎らが建てたものである。

  • 「是より左り 御岩屋道」道標。

    「是より左り 御岩屋道」道標。

  • 「江島神社御鎮座千四百年祭」(昭和28年(1953年)銘)。

    「江島神社御鎮座千四百年祭」(昭和28年(1953年)銘)。

  • 「感載碑 明神降臨衆生福智」。

    「感載碑 明神降臨衆生福智」。

  • 神輿倉。

    神輿倉。

  • 手水鉢と石碑。

    手水鉢と石碑。

  • 江島神社辺津宮裏参道の鳥居。

    江島神社辺津宮裏参道の鳥居。

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