2018/05/10 - 2018/05/11
710位(同エリア2168件中)
ポポポさん
この旅行記のスケジュール
2018/05/10
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足立美術館
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三次ワイナリー
この旅行記スケジュールを元に
足立美術館では日本庭園の観光を終え、本館2階にある日本画を鑑賞しました。横山大観の絵画は特別展示室が設けられており、そちらに展示されていました。
横山大観は今年が生誕150年にあたり、足立美術館では特別展が開催されていました。館内に所蔵する大観の絵は約120点、これを四季毎に開催する特別展で展示し、1年で全作品を公開するようです。
春の特別展では幻と言われた北沢コレクションから買い取った大観の作品のうち何点かが展示されていました。
それでは足立美術館の後編とその後の観光地出雲大社等をご覧ください。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- ホテル
- 4.0
- グルメ
- 3.5
- 同行者
- 家族旅行
- 交通手段
- 観光バス 新幹線 徒歩
- 旅行の手配内容
- ツアー(添乗員同行あり)
- 利用旅行会社
- 阪急交通社
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日本庭園では最後の庭園となる「白砂清松庭」。横山大観の「白砂清松」をモチーフとして足立全康氏が作庭した庭園です。
池の右には男松(黒松)を配して力強さを強調し、左には女松(赤松)を使用して優しい雰囲気に仕立ててあります。足立美術館 美術館・博物館
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白砂清松庭の説明板。
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中央にある池周辺のアップ。
足立美術館 美術館・博物館
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こちらは男松の庭。
足立美術館 美術館・博物館
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こちらは女松の庭です。
池の前の白砂やサツキ、飛び石などが日陰になってしまい、白砂の印象が弱められていたのは残念でした。
日陰部分の白砂に注目してください。箒の刷毛目がしっかり付いていることが分かります。
これらは開館前に庭師の方が掃き清めておられるからです。足立美術館 美術館・博物館
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白砂清松庭は正面からの景色も素敵ですが、私はこの角度からの景色が気に入りました。
さて、白砂清松庭で日本庭園の観光は終了し、これより2階に移動して足立全康氏が収集された美術品(日本画)を鑑賞します。
館内の日本画は竹内栖鳳、川合玉堂、上村松園、橋本関雪、榊原紫峰、菱田春草、安田靫彦、伊藤深水などの近代日本画壇の巨匠たちの作品1500点を所蔵しています。
また横山大観のコレクションは120点を数え、常時20点が展示してあるそうです。
2階は大・小の展示室と横山大観特別展示室に分かれていました。
他に北大路魯山人と河井寛次郎の陶器が展示してある陶芸館がありますが、館内の美術品は写真撮影禁止なので写真はありません。 -
当日鑑賞した絵画のいくつかはHPに掲載されていたので借用させていただきました。
この絵は上村松園の「待月(たいげつ)」です。松園の絵はもう1点「牡丹雪」がありました。見たかったのは「娘深雪」でしたが、これは冬期特別展(2018年12月1日~2019年2月28日)に展示されるそうです。
いずれにしても松園の気品に満ちた美しさは素晴らしいとしか言いようがありませんでした。足立美術館 美術館・博物館
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同じく美人画で定評のある伊東深水の「夢多き頃」。後ろ向きのおさげ髪の少女に視線が集中していますが、この少女は伊東深水の娘である朝丘雪路だと言われています。
この他に「ささやき」という美人画がありましたが、これは秀逸でした。 -
榊原紫峰の「梅花群雀」。
その他多数の絵画がありましたが、HPに掲載されていないので写真はありません。
あと印象に残っているのが安田靫彦の「王昭君」、何で見たのか記憶にありませんが絵そのものははっきり記憶が残っていて、本物はここにあったのかと密かな感動に包まれました。足立美術館 美術館・博物館
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横山大観特別展示室に展示されていた大観の絵画。これ以降は大観の作品です。
今年は横山大観生誕150年を記念し一年を通じて横山大観の絵が展示されています。年4回の特別展が開催され各季節にあった展示がされるそうですが、一年で収蔵されている全ての大観の作品が鑑賞できるそうです。
この絵は足立全康氏が手に入れたいと思い毎日通い詰めて眺めていた「蓬莱山」です。足立美術館 美術館・博物館
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若き日の代表作「無我」。同一のテーマで彩色された絵画が東京国立博物館にあります。
足立美術館 美術館・博物館
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「神国日本」。
足立美術館 美術館・博物館
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「乾坤輝く」。
足立美術館 美術館・博物館
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門外不出のコレクションといわれた北沢コレクションから買い受けた「雨はる」。
足立全康氏は画集から切り抜いて額に入れ毎日飽きもせず眺め続け、夢にまで見た作品です。
当時管財人の手元にあった北沢コレクションを2年がかりで話を詰め、最後は泣き落とすようにして足立美術館に決めてもらったという逸話に出てくる絵画です。
以上で本館の観光は終了しました。
本館の次は陶芸館、新館があるのですが、見学の自由時間は1時間30分なので他を見る余裕はありませんでした。
そのため止む無く美術館を後にしました。ゆっくり時間をかけて見過ぎたにかもしれません。
ガイドさんの話では通常ツアーの観光時間は1時間なので1時間半なら長い方だと言われていましたが、1時間半でも足りません。
標準的な観光時間は2時間だそうです。
美術館を後にして松江市玉造温泉にある「いずもまがたまの里伝承館」に向かいました。ここで昼食とお買い物。
伝承館では勾玉の製造工程を見学できますが、昼休みの時間帯で研磨作業などは見れませんでした。
勾玉づくりの体験コーナーやストラップ、ブレスレット、ペンダントを販売しているショップがありました。足立美術館 美術館・博物館
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昼食後松江市から出雲市まではノンストップ。松の参道から宇迦橋の大鳥居を潜って駐車場に到着しました。平日のためか駐車場に駐車中の車は少なかったです。
平成の大遷宮で御本殿の遷宮が完了した年の翌年平成26年に妻と参拝した時は国道から参道に入った所から車が大渋滞。
遅々として進まないため、旧大社駅付近の駐車場に車を止めて、かなりの距離を歩いて参拝しました。遷宮から4年も経つと参拝者は少なくなるものですね。
出雲大社の参拝は専門ガイドの方が案内してくださいました。
まず祓社に参拝して穢れを払った後手水舎で身を清め、最初に訪れたのがムスビの御神像です。
この像は大国主大神が海の神から「幸魂奇魂(さきみたまくしみたま)」をいただいている場面です。
大国主大神は、この幸魂奇魂の「おかげ」をいただいたことで神性を養われ「ムスビの大神」となられました。すなわち、生きとし生けるものすべてが幸福になるための「縁」を結ぶ「縁結びの神」になられたのでした。
人であるということは、幸魂奇魂というムスビの「みたま」をわが身にいただいて人として生かされているのであり、大国主大神からいただいた命に感謝して大切に正しくこれを生かし切りましょう。と説明文には書かれていました。
ここで重要なのは、我々は生きているのではなく「生かされている」ということです。このことが理解でき腑に落ちれば、自然に感謝の気持ちが湧いてきます。
若い方にはまだ「生かされている」ということは理解できないと思いますが、ある程度年を重ねると分かって来るのではないでしょうか。その時、人それぞれに新しい世界が広がるかもしれませんね。
次は銅鳥居を通り抜け、拝殿には寄らずに御本殿に向かいました。出雲大社 寺・神社・教会
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正面が出雲大社の御本殿。平成の大遷宮で平成25年に改修が完了しました。
御本殿前にあるのが八足門。通常ここで参拝します。出雲大社 寺・神社・教会
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御本殿のアップの写真。
我々も順番に八足門の前で参拝しました。 -
八足門の前には大きな円が描かれていましたが、これは2000年に地下祭礼準備室の建設に伴う事前調査の時に発見された巨大な宇豆柱(うづばしら)(直径1.4mの柱を3本束ねた柱)の跡です。現在発掘された柱の現物は大社の隣にある古代出雲歴史博物館に展示されています。
調査の結果この柱は1248年(鎌倉時代)のものであることが分かっています。現在の御本殿の高さは8丈(約24m)ですが、社伝によれば上古の御本殿は32丈(96m)中古では18丈(48m)だったと伝えられています。48mは15階建てのビルに相当する高さですからそれが事実だとすればすごいことですね。
では何故出雲大社の御本殿は高かったのでしょうか?それは古事記や日本書紀に国譲りとして記されている部分に書かれています。
大国主大神が国づくりによって築かれた国は「豊蘆原の瑞穂国」(蘆原中国とも呼ばれている。)と呼ばれ、全てのものが豊かな国でした。
ある時高天原の天照大御神から出雲の国(蘆原中国(あしはらのなかつくに)を譲れと命じられ、使者が使わされました。
しかし天照大御神が遣わした使者は大国主大神の配下や身内として取り込まれてしまい、容易に蘆原中国を治めることができませんでした。
そこで天照大御神は高天原一の力持ちである建御雷神と天鳥船を天界から送って交渉させました。
そしてこの交渉により国譲りが成立します。この国譲りに際し大国主大神はある要望を出されました。
それは「国は譲りますが、その代わりに高天原の大御神様の御殿のような立派な神殿を建てて頂きたい。」ということでした。
それを聞いた天照大御神は国造りの大業をお喜びになり、大国主大神に「これからはこの世の目に見える世界(昼間)の政治は私の子孫があたることとし、あなたは目に見えない世界(夜)を司り、そこに働く「結び」の御霊力により人々を幸福に導いてください。あなたの住居は天日隅宮(あめのひすみのみや)と申して、私の住居と同じように柱は高く太い木を用い、板は厚く広くして築きましょう。そして私の第二子天穂日命(あめのほひのみこと)を仕えさせ、末永くお守りさせます。」と申されました。こうして天照大御神は大国主大神の要望を受け入れて大国主大神のために宇迦山の麓に壮大な宮殿が造営されました。
この「天日隅宮」が出雲大社の起源です。神代の昔から出雲大社の御本殿は高く大きな建物であったと伝えられています。
なお、天照大御神の第二子天穂日命の子孫が代々出雲国造で、現在は84代千家尊祐氏が出雲大社宮司、国造です。出雲大社 寺・神社・教会
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八足門の前に発掘された宇豆柱および九つの柱の一部が発掘された場所を示している写真です。
1248年当時の御本殿は現在のものより遥かに大きかったことが柱の発掘で分かりました。
古代より出雲大社御本殿は高層で巨大な神殿だったと伝えられてきましたが、はたして本当なのでしょうか。
出雲大社宮司「千家」家には古代から伝わる金輪御造営差図(かなわのごぞうえいさしず)と言われる出雲大社御本殿の平面設計図が残されていて、巨木3本を1本の柱として全9本尾柱が御本殿を支えた構造が記されています。
2000年発見された巨大な柱は宮司家に伝わる平面図の柱と完全に一致したため「高さ48mの巨大神殿が実在した。」との確証に行き着いたことになりますが、宮司家に伝わる平面図には残念ながら高さの記述がないため、今なお48mの高さを疑問視する意見もあります。
「はたして本当に過去の図面が示す様な巨大な神殿がつくれるのか?」この疑問を解析すべく過去にプロジェクトチームが組まれました。
1980年、株式会社大林組と寺社建築研究の第一人者故福山敏夫(京都大学名誉教授)氏を中心としたプロジェクトチームでテーマは「48mの巨大神殿を過去の技術や環境で造ることが可能か?」です。総合的な調査が行われた結果、結論は過去の時代でも建築可能ということでした。プロジェクトチームは平安時代の神殿を想定して復元に挑戦。1/10の復元模型を完成させました。
詳しくはネットに「古代・出雲大社本殿の復元ー大林組」という記事がありましたので興味のある方は閲覧してみて下さい。
さて、我々は八足門の前で参拝するのですが、実は御本殿の中の大国主大神は八足門がある南側(参拝する我々の方)を向いておられません。大国主大神が向いておられるのは西の方角です。そのため八足門から左に進み筑紫社がある西の方向から参拝すると大国主大神の真正面から拝礼することになるそうです。
という事で専門ガイドさんにその場所に連れて来てもらい、一同そこで再び参拝いたしました。
その場所から本殿の写真を撮ろうかとも思いましたが、カメラを向けるのは不敬に当たるのではないかと思い、あえて写真は撮りませんでした。
西の氏社や神在月に八百万の神々がお泊りになる西十九社、本殿の隣にある神楽殿の大しめ縄を見て出雲大社の観光は終了しました。
尊崇する出雲大社であるため、不敬にならないようにと社殿の写真はほとんど撮りませんでしたので、写真が無く分かり難い所もあったかと思いますが、何卒ご容赦下さい。出雲大社 寺・神社・教会
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出雲大社の側にある出雲国造、「千家」家の御屋敷です。
千家国造館 名所・史跡
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出雲国造、千家国造館の全景です。入口の櫓門は巨大で敷地はかなり広いようです。
この後駐車場側の土産物店でお買い物タイム。
出雲大社の観光は1時間でした。出雲大社での観光や参拝の時間が短すぎたように感じていたのですが、買い物タイムも含んで1時間の観光だったようです。
この後は広島県の三次にある三次ワイナリーです。一般道から松江道路に入り中国山地を越えて広島県に入ります。千家国造館 名所・史跡
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中国山地の山里。この辺りはたたら製鉄の里で道路沿いにその表示板がありました。
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バスはさらに山の奥深くを進みます。
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中国山地の中央部。このような景色が続きました。
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いよいよ最後の観光地三次ワイナリーへ。観光というよりはショッピングです。
ここはワインの試飲があり、試飲コーナーーでは7種類のワインが試飲できます。何種類飲んでも、何杯飲んでも無料。但し飲み過ぎには注意しましょう。広島三次ワイナリー 名所・史跡
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三次では古くからブドウを生産していました。盆地で寒暖差のある気候と、水はけのよい土地がブドウ栽培に適していたそうです。
ワイナリーが開設されたのは20年前、当時の市長が農業振興と地域活性化を目的として第三セクターで始まりました。広島県下では初めてのワイナリーです。広島三次ワイナリー 名所・史跡
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物産館の試飲コーナー。
試飲はワインの他にブドウジュースがありました。広島三次ワイナリー 名所・史跡
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こちらの試飲コーナーは赤白の「霧里ワイン」。辛口から極甘口までの5種類が試飲できます。
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リキュールの「ピオーネの雫」。
三次はピオーネの生産地として有名な所です。黒い真珠と言われた三次ピオーネを使用したリキュール酒です。
甘くて口当たりの良いお酒。これは「うまかった!」広島三次ワイナリー 名所・史跡
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ピオーネの雫は500ml、甘口ながら口当たりがいいので娘も気に入っていました。
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物産館の様子。ワインだけではなく加工食品なども沢山ありました。
広島三次ワイナリー 名所・史跡
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物産館の様子。
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こちらもワインです。ワインコンクールで金賞を受賞したワインもありました。
広島三次ワイナリー 名所・史跡
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中庭に向かう通路沿いはルピナスの花が見頃でした。
広島三次ワイナリー 名所・史跡
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ルピナスの花、固まって咲くと綺麗ですね。
こうして全日程を終えて後は帰るだけ。JR広島駅から新幹線に乗車して各々帰路につきました。
1泊2日で4県の観光地を巡る旅。バスの移動時間が長い旅ではありましたが、同行されたガイドさんが超ベテランの方だったので車中退屈することも無く、楽しい旅行になりました。
一番良かったのは足立美術館です。ツアーのため観光時間が少なかったのが残念でしたが、見る価値はありました。絵画の所蔵数が多いため、季節ごとに展示をやり替えているのでまた違う季節に訪れたいと思っています。
拙い旅行記ではありますが最後までご覧いただきありがとうございました。
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