2018/09/24 - 2018/09/24
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ソウルの旅人さん
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9月24日の中秋の名月に行われた大神神社の観月祭を観に行き、何十年ぶりかにお月見をした。特に珍しい行事でもないが、心が洗われる思いを経験した。同行者が俳句を作るので、その時に作った俳句を添付している。
タイトル写真は神楽「磯城ノ舞」の奉納。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- 同行者
- カップル・夫婦(シニア)
- 一人あたり費用
- 1万円未満
- 交通手段
- 自家用車
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-
三輪山到着。
自宅のある西宮から阪神高速・阪和自動車道・南阪奈道路を走ると1時間で到着する。竹ノ内街道を走って行った頃は3時間かかった。 -
纏向
十分に時間があったので、周辺を廻った。
以前は山辺の道を歩いたが、今はすべて車で行く。
懐かしい景色である。 -
纏向
ここが大和盆地で最初に拓けた場所である。 -
説明板
正確とは言いがたい。 -
4世紀に大和盆地の東南部に一つの権力が誕生した。その跡地である。
山辺の道と曼珠沙華はセットか!
【俳句 1】
そこここに眠る魂曼殊沙華 -
9月の大和の景観。
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少し上って行くと相撲神社がある。ブルーシートが掛かっているのは土俵。
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これが相撲神社。
神社というよりは、祠である。周辺は森閑としている。誰もいない。
【俳句 2】
露けしや小さき祠の神の杜 -
日本書紀に記載されている内容を都合良く抜粋している。
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相撲神社よりほんの少し歩くと兵主神社に着く。
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兵主神社の参道。
荒れている。 -
これが兵主神社に見えるが、そうではない。
本体を隠している前宮というべき建物か。
【俳句 3】
昼の虫人の稀なる古社 -
石灯篭には穴師社と彫ってある。この穴師がキーポイント。
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神社の説明板。
手書きで、ビニール貼りが嬉しい。
内容は物凄い。 -
前宮の屋根の後ろに全く異なる別の建造物がみえる。
これが説明されている神様の本体である。 -
横からほんの少し見ることが出来る。由緒ある神社の雰囲気がある。
しかし、これ以上近づくことが出来ない。
何故か分らないが、一般者の来訪を拒否している。神主に依頼すれば中に入れるそうであるが、横にあった神主の住居は破損して人間が住める家ではなくなっていた。 -
右: 若御魂神社
中: 兵主神社
左: 大兵主神社 -
望遠で撮ってみた。
兵主神社は全国にあるが、いずれも由緒が不分明である。
但し、ここは「穴師坐兵主神社」(あなしにますひょうずじんじゃ)となっており、銅か鉄の鉱山に関係あることは間違いない。 -
三輪山を中心に,この辺りは銅・鉄の産地であった。これが大和盆地で最初に拓けた理由であろう。この神社はその頃の面影を僅かに残している。
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穴師坐兵主神社の鳥居からみた大和盆地。
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大神神社に着き、駐車場も確保でき、これからは徒歩で周辺を歩く。神社から南方向に向かう路地に入る。
昭和の匂いが濃い。 -
この辺りは金屋と呼ばれている。金屋とは鉱山のあった場所に付けられる地名である。その遺跡もみつかっている。しかし、現在はその片鱗も残っていない。
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海柘榴市のあった辺り。
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細い通りが続く。
取り残された場所にみえるが、4~5世紀には銀座だった。 -
取り壊された跡地の隙間から三輪山が見えた。4~5世紀はこのように神の山がどこからでも見えたのであろう。
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大神神社
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参道
中央に点灯用ローソクが並んでいる。
いつもながら心が引き締まる。 -
拝殿
この後ろに三ツ鳥居がある。それを見た経緯は三輪山登拝記に書いてある。 -
会場の祈祷殿前斎庭
ここが会場。 -
祈祷殿と準備されている舞台。
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祈祷殿前にて野点があった。
私は参加しなかったが、同行者はお茶とお菓子をよばれていた。無料。
【俳句 4】
秋蝶の人恋ひ来たる野点席 -
まだ少し時間が余ったので、若宮社によった。
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大神神社の敷地内で、名称が「若宮社」なら神社のはずであるが、これは神社ではない。どう見ても寺院である。
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説明板
有名な日本書紀の太田田根子伝説・日本最高の国宝「十一面観音立像」の消息などこの説明は大変面白く、かつ驚かされる。日本史の重要事項がさりげなく記載されているところがこの神社らしい。 -
幣帛があり、鏡があってもこの造りはお寺である。
どうして太田田根子がここに祀られていたのでしょう?もっと中心に存在しておかしくないが・・・。 -
江戸時代までの神仏習合の今に残る遺物。
-
5時40分頃会場に戻ってきた。
まだ座席は大部分が空いており、希望する席が確保できた。 -
巫女さんが打ち合わせをしていた。
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調弦をされていた。
演奏を聴くのが楽しみ。 -
お供えと点灯
手前の月見団子は終了後に参加者全員に配られた。
膨大な数のロウソクにチャッカマンで点灯されていた。
多数の方の準備作業にて成立している。感謝。 -
直前の会場の模様
-
6時過ぎに参道も点灯された。
席を離れて幻想的風景を写しに行く。 -
点灯された拝殿の様子
-
6時30分に観月祭開始
奏楽の中、神官の入場。
観月祭の式次第はパンフレットが配布されていた。
月見の宴ではなく、大神神社の「神事」であった。
敬意を表してパンフレットに記載されている次第を転記しておく。
一、参 進・・・・平調 五常楽
【俳句 5】
神官の沓音のみや月を待つ -
一、修 祓
神官の神への挨拶と思うが、意味は知らない。
【俳句 6】
虫の音や闇を揺らして宴待つ -
一、宮司一拝
神主の最上位者の拝礼か?
厳粛な雰囲気。
静寂が支配しているが、秋の虫がすざくように聞こえてくる。それがうるさい のではなく、一層静寂を強める。
【俳句 7】
虫時雨静寂の底を深めをり -
一、祝詞奏上
同じく厳粛な雰囲気のなか、次第が進行する。残念ながら祝詞の内容は聞き取れ ない。
自然に囲まれた秋の野外の夜はこんなに清々しい。
【俳句 8】
森閑と宣ふ祝詞月を待つ -
俳句披露のあと神楽
一、神 楽・・・・・磯城ノ舞
巫女の入場。
華やかではあるが、厳粛さは失われない。 -
神楽
写真撮影する素人カメラマンが列をなして、雰囲気を壊すことも無し。 -
神楽
徹底的に動きがゆっくりであり、一つ一つの挙措が優雅。
次第には磯城ノ舞(しきのまい)の詳細な説明がなされている。素人の私では理 解不能。 -
神楽
「美しきものを見た」
-
神楽
時間はどれくらいであったろうか。
月並みであるが、幻想を見ているような時間であった。 -
神楽
磯城ノ舞の終了 -
神楽が終了したと同時に祈祷殿屋根の上方が明るくなった。
月が出た。出席者から「ワォー」の歓声があがる。
最善のタイミングで月があがった。今年は曇り空のため、月を観るのは無理かと思っていた。感激。
しかし、すぐに雲間に隠れてしまった。僅か30秒程度だった。
【俳句 9】
明り洩る雲にざはめく月の客 -
一、神楽・・・・・奇魂ノ舞
神楽の2曲目。次第には詳細説明あり。
鈴をもって踊るのが興味深かかった。 -
神楽
鈴は頻繁に鳴らされるのではなく、踊りの節目節目に印象的に鳴らされる。鮮明 に聞こえた。 -
神楽
神々しい。 -
神楽
奇魂ノ舞の終了
神楽がこれ程荘厳で美麗な踊りと初めて知った。
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一、舞 楽・・・・・蘭陵王
同じく次第に詳細説明あるも、理解不十分。
男性一人でご覧のような豪華な衣装で舞う。 -
舞楽
神楽の巫女舞と異なり、激しい律動の踊りである。服装・仮面より中国的
な踊りであることはわかる。 -
舞楽
雅楽の伝統が継承されている。 -
一、玉串拝礼
大神神社の神事に則って進行する。
進行役の司会者はいるが、よけいなことは一切云わず、式次第だけを述べる。月 が出ても一言も言及しない。好感。 -
一、宮司一拝
宮司の挨拶があった。
【俳句 10】
八重雲を祓ひと祝詞無月かな -
一、退 化・・・・・平調 陪臚
これで観月祭は終了。
素晴らしい一夜を贈ってくれた大神神社に感謝。 -
終了と同時に雲間に隠れた満月が再び姿を現した。
【俳句 11】
薄らぎし雲の一点月今宵 -
お月見
雲に隠れ、また出る。
【俳句 12】
雲間より幽かな明り月を待つ -
お月見
都会の家々の隙間から観る月とは違う。
この神社に来ないと観られない月である。
【俳句13】
切れそうで切れぬ八重雲無月かな -
巫女さんの退下
座って見送る。 -
お月見
-
お月見
-
演奏はその間もずっと続けられた。
雅楽の生演奏を身近に聴く機会はなかった。
じっくり聴けて良かった。 -
お月見
-
終了
並んで、御神酒を頂き、お供えの月見団子を貰った。念の為、全て無料であったことを付記します。
大神神社がこれだけの行事を、一般者は無償で参加出来る様に計画実行することに感激した。
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この旅行記へのコメント (2)
-
- 熟年ドラゴンさん 2018/10/12 07:55:24
- 奥様の俳句が最高!
- 全くの素人ですが「プレパト」の夏井先生の解説を聞いているので多少は理解できます。
奥様の俳句は光の情景描写と音の表現に優れていると思います。芭蕉の「蛙飛びこむ」に通ずるような句ですね。
先日の「プレパト」で「無月」とは雲に隠れて見えない満月の事だと知りました。早速実例にお目に掛かれて良かったです。
大神と書いてオオミワと読むんですよね? 三輪山から読みはこじつけたのですかね?
- ソウルの旅人さん からの返信 2018/10/12 19:58:35
- Re: 大神神社の読み
- 以前にも話題になりましたが、漢字の「読み」はありません。どのように読んでも正解です。こじつけであろうが、駄洒落であろうが意味が通じればよいのです。音訓など無視です。これが日本語です。
ドラゴンさんのフィリピン旅行へのコメント送信が出来ません。「ログインして」と書いてありますが、何故か出来ないのです。ここにそのコメントを付けておきます。『フィリピンに行ってる頃とは思ってましたが、関空閉鎖にもめげず、エアーを変えてすぐに飛んで行くのはご立派です。それでこそフィリピンの友でしょう。しかし、前回の北海道に続きトラブルが多いようです。お祓いに行ったらどうですか!』
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