2018/04/13 - 2018/04/14
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montsaintmichelさん
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C.T社が企画した『「諏訪湖花火」と岡谷太鼓 天下第一の「高遠桜」と上諏訪温泉「ホテル紅や」 2日間』と謳ったてんこ盛りツアーに参加してまいりました。
待望の「高遠桜」はポカポカ陽気が続いたためにタイミングを逸してしまいましたが、それ以外は充分に満喫できました。寒冷前線の通過で大荒れになるはずの天気でしたが、なんとか観光が終わるまでもちこたえてくれました。
第一弾は、飯田市三日市場にある水引の郷「山都飯田 水引博物館」をレポいたします。飯田の名物のひとつが水引工芸です。そもそも「飯田」の地名は「結いの田」が語源とされ、「水引」に代表される「結び」に縁のある土地柄です。また、和紙の産地でもあり、平安時代中期に編纂された『延喜式(えんぎしき)』に「伊奈郡より草紙献上」と記されており、往時から和紙が作られていたことが判っています。
飯田水引のルーツは、室町時代に楮(こうぞ)を用いた和紙作りが盛んだったことに由来します。良質な水と温暖な気候が幸いしました。また、水引産業のはじまりは、江戸時代に飯田藩主 堀親昌が和紙で髷(もとどり)を結うための元結づくりを奨励したのがきっかけです。元結とは、髪の髻を結び束ねる紐や糸の類を言います。古くは組紐または麻糸を用いましたが、近世では糊で固くひねったこよりをで作ったものを用います。往時は全国的に元結の需要が高く、品質の高い飯田産の元結は江戸に限らず京都や大阪など幅広い地域で人気でした。
ショップのHPです。
http://www.santo-iida.jp/
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- 同行者
- カップル・夫婦
- 交通手段
- 観光バス
- 旅行の手配内容
- ツアー(添乗員同行あり)
- 利用旅行会社
- クラブツーリズム
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大津サービスエリア(上り線)
新大阪駅を出発して最初の休憩ポイントが定番の名神高速道路「大津SA」です。
琵琶湖の水面から80m程の高台に位置しており、日本一の大きさを誇る琵琶湖と近代的な街並みの大津市街地がしっくり調和した眺望が眼下に望めます。また、沿岸に聳える比叡山や比良山、近江富士も見渡せます。
ここに立てば、南北に長く、沿岸が見られないほど巨大な琵琶湖が実感できます。 -
大津サービスエリア(上り線)
レストラン「大津ハイウエイレストラン」は、ホテルチェーン GRANVISTA Hotel & Resortsの経営です。そのレストラン内では、高速道路初出店を果たした大阪名物「551蓬莱」の豚まんが購入できます。また、京都「小川珈琲」監修のコーヒーショップ「LAKESIDE COFFEE」もあり、本格的なエスプレッソやハートあるいはリーフ模様のラテアートで飾られたカプチーノなどが人気です。
今でこそ立派なSAになりましたが、ここは名神高速道路の部分開通(1963年7月16日)と同時に設置された日本初のサービスエリアであり、オープン当初は駐車場とトイレだけしかなかったそうです。 -
中央自動車道 恵那峡SA(上り線)
旧甲州街道と中山道に沿う形で建造された中央自動車にあるSAです。道路のほぼ正面(真東)に長野県と岐阜県の境にある恵那山(標高2191m)がその美しい山容をなびかせています。
上り線(飯田・長野・東京方面)は2012年に、次いで2014年に下り線(名古屋・大阪方面)がリニューアルされています。 -
中央自動車道 恵那峡SA(上り線)
SAの南東端からの眺望です。
御岳と恵那山の間には、遙か中央アルプスの峰々が遠望できます。雪を冠した右端の一番高い山が南駒ヶ岳(2841m)、その左が空木岳(2864m)です。木曽駒ヶ岳まではさすがに見通せませんが、これらの秀峰が見られただけでも満足です。因みに、恵那山も中央アルプスの殿(しんがり)を務めています。
残念ながら上り線のSAからは御岳は望めませんが、暫く高速道路を進むと開けた場所があり、前山の背後からつくんと聳え立つ独立峰の御岳が拝めます。 -
山都飯田
木下水引株式会社が経営する観光ドライブインのような、お食事処のような存在です。ですから、ここは昼食会場も兼ねていました。魅力は、飯田の伝統工芸「水引」を今に伝える博物館が無料で見学できることです。
宮内庁御用達の水引製造所でもあり、皇太子殿下から婚約者だった小和田雅子様への結納品は木下水引から提供されており、博物館でそれら納采の品々の再現品を観ることができます。
一見は黒、しかし目を凝らせば玉虫色の高貴な輝きを放つ「くれない水引」は、皇室と限られた寺社でのみ用いられる特別な水引です。この「くれない水引」も木下水引が納めています。
木下水引のHPです。
http://mizuhiki.co.jp/ -
山都飯田 並木通り
山都飯田のすぐ脇にある道路です。
シナノキでしょうか、なかなか雰囲気のある並木通りです。
漢字では「科木」と書き、丈夫な樹皮の繊維を利用して作った科布を生産して朝廷に献上したという記録が残されています。シナノキはこの地方に多く自生しており、枝がよくしなることから「しなる木」と呼ばれ、さらに「科野の国」が転じて「信濃の国」となったと言われています。 -
山都飯田
敷地内にある水引神社の一画から、頭だけを覗かせた南アルプス連峰とシャクナゲの共演です。
飯田市は盆地になっているため、南アルプス西側の低い山で遮られて高い山の山頂付近しか拝むことができません。
因みに、水引神社は、招福縁結びと商売繁盛にご利益があるそうです。 -
山都飯田
2階のレストランからは白根三山(北岳(3192m:日本2位)、間ノ岳(3189m:日本4位)、農鳥岳(3026m))が展望できるのですが、生憎左端の北岳が看板に隠れてしまっています。三山と言いますが、実際は3000m級の5峰が連なっています。南アルプス全体では3000m級が9峰ありますが、そのうち5峰がここに集約されています。
右側の尖がった特徴のある山が塩見岳(3047m)です。その南には、小河内岳、三伏山、烏帽子岳などが連なりますが、どれがどの山か特定できません。
山屋の習性でしょうか、信州を旅すると無意識に自分がかつて登った山を探してしまいます。 -
山都飯田 ポークしゃぶしゃぶと筍御膳
南アルプスの景色を堪能した後は、ランチに舌鼓を打ちます。
2階にあるレストランは団体客専用ですが、新鮮な地元の食材を使われているそうです。このメニューも団体専用です。
箸置きは水引で作られており、これは記念に持って帰れます。 -
山都飯田 水引博物館
ランチ後は、ダイエットウォークを兼ねて博物館を見学します。
「飯田水引」の特徴は、芯の強い直線美と結ぶ技によって創られる曲線美のコラボにあります。併設している博物館では、飯田の水引文化を垣間見ることができます。 -
山都飯田 水引博物館
ここに展示されている作品は、水引で制作されています。
水引とは冠婚葬祭でお祝儀袋に使われる紙糸で、細いこよりに水糊を引いて乾燥させたものです。水引の発祥には諸説ありますが、一説には、遣隋使 小野妹子が帰途の平穏無事を祈願し、荷物に紅白の麻布を結び付けたことに発すると伝えられています。 こうした文化は世界各地にあるそうですが、芸術の域にまで昇華している上に信仰とも結び付くのは日本固有かもしれません。 -
山都飯田 水引博物館 風神・雷神・結びのILLUSION(PHILKNOT)
入口の先は暗闇になっており、ライトアップされた作品が2点展示されています。最初のものは、『風神雷神図』を模した作品です。光ファイバーを結ぶとその結び目が光ります。それをアートに応用した作品と思います。「水引=結ぶ」と言う繋がりから、ここに展示されているのでは…。
調べてみると、PHILKNOT(フィルノット)は、光ファイバーを「マクラメ技法」や古来の「刺繍編み技法」で結び、その結び目が光ることを利用し、きらめく魔法のような光のレースを創出させたものだそうです。因みに、「マクラメ技法」とは、アラビア半島にルーツを持つ紐を結びながらレース状に編む手芸の技法を指します。
熟練した結び手によるハンドメイドの作品であり、水引の結び方という伝統工芸と光ファイバーという最先端テクノロジーをミックスさせたアプローチの斬新さに度肝を抜かれます。ビジュアル的なインパクトも高く、こうした工芸を体験させるイベントがあればインバウンドも増えるのでは…。 -
山都飯田 水引博物館 結びのILLUSION(PHILKNOT)
現代アート風のミラー効果を駆使した作品です。エレガントでクリスタルのように煌く神秘的な光がミラーによって反射され、奥行きを感じさせ、思わず身を乗り出してしまう作品です。 -
山都飯田 水引博物館
暗い通路を抜けた先に巨大な羽子板が展示されています。
1998年に開催された長野パラリンピックでは、入賞者には水引製の月桂冠、参加された選手や役員、海外報道関係者には水引工芸品が配られたそうです。 -
山都飯田 水引博物館 電動式5ツ編機
製造の歴史も伝承するため、水引を作る工程や製造に使われてきた多様な機械も展示されています。
一際、目を惹き付けるのがこのマシンです。1973(昭和48)年に創業者の木下裕一氏が、麦藁帽子の製造工場で見た機械をヒントに水引用に改良した機械です。
この機械の発明により、生産性が飛躍的に向上したそうです。 -
山都飯田 水引博物館 元結撚機
大正時代の見るからに年季の入った機械です。
原紙に半分水を浸した後、紙テープに撚りを入れるための機器です。 -
山都飯田 水引博物館 かもしか
このスペースには、通路の左右に大きな作品が所狭しと並んでいます。
かもしかの体毛の質感が「タワシ」を彷彿とさせるほどリアルで、ただ唸るしかなす術がありません。また、多彩な色の水引を用い、毛並みに微妙なグラデーションを再現してる点も魅せます。
使用水引15000本、制作期間半年です。根気のいるチャレンジだったことでしょう。
水引博物館の撮影はOKですが、お土産物屋さんの方はNGです。 -
山都飯田 水引博物館 白孔雀
羽を1本ずつ丹念に作って組み上げています。
白一色で統一し、見た目のインパクトと美しさがシナジーを発揮しています。 -
山都飯田 水引博物館 牡丹
明治4年の断髪令により元結の需要が激減し、空前の灯かと思いきや、その技術は水引飾りへ活かされ、奇跡の復活を遂げました。贈答品や結納、戦時中の出征兵士への金封などが定着したからです。高度経済成長期には引出物の飾りや結納品が人気を博し、生産量が急増。最盛期の1990年には生産額が年間80 億円を超え、空前の大ブームになりました。しかし、バブル崩壊と共に生産額は減少の一途を辿り、2014年には最盛期の半分以下に落ち込みました。現在では全国の水引製品の70%を生産し、相撲協会で使用されている力士の大銀髷も飯田元結が使用されているにも拘わらずこの惨状です。 -
山都飯田 水引博物館 鎧兜
長野県も現在の状況を看過できず、遅まきながら2014年に県知事指定伝統工芸品として復興に本腰を入れ始めました。近年では、結納品に変わるニーズを開拓するため、水引事業者でつくる「ジャパンブランド飯田水引プロジェクト」が、ポーラやデザイナー 加藤尚子さんとコラボし、「オブジェリー」(オブジェ+ジュエリー)で市場喚起しています。飯田水引に必要なのは、今時のニーズに適応する形を探すことです。しかも、その魂や精神を変えることなく…。
個人的には、こうした日本の伝統工芸を体験させる企画を上手くPRすれば、インバウンドを集められる気がします。この旅行記が誰かの目に留まり、そこから更に新しいジャンルへ発展してもらえたらと思います。 -
山都飯田 水引博物館 結納飾
豪華な水引細工と言えば結納飾りです。因みに、名古屋や九州は豪華だそうです。大別すると、関西は立体系、関東は寝させ系の飾りに分類されるそうです。ここ10年程は、水引を使ったお正月飾りが人気のだそうです。また最近では、水引とプリザーブドフラワーとの組み合わせも話題になってきています。 -
山都飯田 水引博物館 結納飾
当方と同年代であれば、「水引工芸」と聞いて思い付くのが「結納飾り」です。
懐かしさがこみ上げ、つい見入ってしまいました。 -
山都飯田 水引博物館 龍宮城
圧巻なのが、超大作絵巻「龍宮城」です。日本一の水引工芸品とされ、マネキン以外は亀も龍宮城も天女も全て水引です。龍宮城は切った水引を貼り合わせたものですが、色染めした和紙の水引を丁寧に結んで束ねた雅やかな芸術作品は、水引とは思えないほどの芸術性で迫ります。
海の中を悠々と泳ぐ浦島太郎が観ているお客さんを覗き込むなどユニークな表現は子どもたちに夢を与える発想です。マネキンの表情のユルさも独特です。
作者は、水引一筋38年の職人 杉山隆宝氏です。構想から1年以上、制作時間2千時間、使用水引3百万本、製作費3千万円をかけて作った力作というから吃驚ポンです。 -
山都飯田 水引博物館 龍宮城
浦島太郎を見上げる乙姫さまの表情のユルさに和まされます。
実にファンタジックな作品です。 -
山都飯田 水引博物館 龍宮城
乙姫さまを見下ろす浦島太郎の表情もいいですね!
この続きは、芳葩爛漫 伊那・諏訪紀行②飯田 りんご並木でお届けいたします。
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