2018/01/04 - 2018/01/10
348位(同エリア1603件中)
ひよどりさん
2018年1月4日から10日まで、滋賀・京都・三重を周遊。初日は、青春18切符で一日かけて東京から石山まで来ました。
北海道東日本パスの場合は、毎日JR東日本を使うプランを立てますが、青春18の場合は基本的に、夫婦で1枚を購入、私鉄に繫がる駅までの往復に使い、現地では、私鉄を中心に動き廻るプランを立てます。今回の旅行2日目は京阪電車で移動します。
宿泊先のゲストハウスの最寄り駅中ノ庄から6駅目、浜大津駅に到着。駅間は短く乗車時間は約10分程でした。
2日目のコース:浜大津駅→古い町屋の残る大津の街並みを抜け→旧東海道、北國街道を通って→三井寺→琵琶湖疏水を眺めながら側道を湖畔近くまで歩き→旧江若鉄道の線路跡を利用した遊歩道「大津絵のみち」を経由→浜大津駅に戻ります。
今回の旅行記では、その内の三井寺参詣を報告します。三井寺への往復路の様子は、次回以後にしたいと思います。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- 交通
- 5.0
- 同行者
- カップル・夫婦(シニア)
- 交通手段
- 私鉄 徒歩
-
総門 1
三井寺に参詣するのは初めてです。何処から入れば良いのかわからず、正門では無いと思いながらも、この総門から入山しました。
拝観料を支払い、頂いたパンフレットを開くと、この門が参拝順路の最終地点に近い場所となっていました。
長等山園城寺が正式名称ですが、旅行記では、三井寺に表記を統一します。
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総門 2
新年を迎える柱の松飾り。
神道と繋がりの深い歴史が伝わってきます。 -
水観寺
西国薬師霊場の札所の一つ。
パンフレットの順路では見所に①~⑬までの番号が振られています。仁王門→総門→門外の⑬護法善神社のコースです。
水観寺は⑫、順路逆行で進みます。 -
水観寺の後は、展望を兼ねて、西国観音霊場の札所でもある観音堂を目指して、昇ります。写真の先にも石段は続きます。
延暦寺は比叡山の山中というイメージを前もって描いて訪れるのでしょうが、地理感なく訪れた三井寺で、思いもよらぬ、きつい石段を上がることになりました。これは、順路を逆に回った結果でもありますね。 -
観月舞台(奥)と百体堂(手前)
この石段を上がる手前の左手、浄妙坊(宇治川の合戦で活躍した三井寺の僧兵)坊跡の横で、琵琶湖疏水が一直線に見えます。
またここは、行き先が二手に分かれる場所で、石段を昇れば観音堂に、右に曲がれば、金堂に至ります。 -
琵琶湖疏水
木々の間から琵琶湖疏水が見えます。疏水全景が眺められるポイントです。 -
浄妙坊坊跡
源平の争い中、源氏方の拠点となった三井寺。橋合戦で浄妙坊は、大活躍をするものの、一来法師に頭の上を跳び越され、先陣を取れませんでした。 -
観月舞台
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観音堂 (順路⑪)
西国十四番札所。新年を迎える注連縄が飾られています。神仏の垣根の低くかった江戸時代までの感性がそのまま残っているように思えました。 -
すくすく人形
観音堂内。江戸時代から続く三井寺で作られた土人形。子供の健やかな成長を祈願。童子が手にしている桃、犬、亀等に意味があり、饅頭を持っている童子像を部屋に飾ると、子供の頭が良くなるそうです。(左3体) -
琵琶湖展望
観音堂から更に上の展望スペースに行きました。絶景とは言い難いけれど、琵琶湖が見えました。
このスペースには、記念碑が幾つかあり、また、榎の木の根元には大きキノコが群生、東京上野公園の雰囲気に似た空間です。庶民に身近なお寺なんですね。 -
大津そろばんの碑
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近江茶業の発展に尽くした三谷重孝の碑
左側の榎の木の根元に大きなキノコが生えていました。
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キノコの名前はわかりません。大きなもので笠が5㎝を超えるものもあります。ヒラタケ?
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十八神明社(ねずみの宮)
三井寺境内には、伽藍を守護する神々が祀られています。
江戸時代に再建されたこの建物は、延暦寺の方向を向いています。 -
十八明神社説明板
ねずみの宮と呼ばれるようになった興味深い謂われが記されています。
三井寺の頼豪阿闍梨は、戒壇道場の設立の勅許を延暦寺の強訴で取り消され、その怒りで、21日間護摩を焚き、壇上の煙と果てました。その強念が8万4千匹のねずみと化し、延暦寺に押しかけ、堂塔、経典を食い荒らしたそうです。
この話は、『平家物語』『太平記』葛飾北斎挿絵で滝沢馬琴が読本に著している他、鉄鼠、頼豪鼠等妖怪として現代でも、文学や造形のモチーフとして使われているようです。 -
毘沙門堂 (順路⑩)
三井寺五別所の一つ尾蔵寺にあった御堂。昭和31年にこの地に移築されました。
微妙寺(順路⑨)に立ち寄るのは忘れてしまいました。
三井寺南側の札所を中心とした庶民的な江戸時代の社寺詣・琵琶湖展望エリアから、創建より約1300年の歴史を持ち、皇族、貴族、武家等の権門の加護や対立の舞台となった北側のエリアに向かいます。 -
勧学院
勧学院客殿には狩野派の手による障壁画があり、桃山時代の書院造建築の代表となる建物です。
現在は非公開。 -
唐院へ
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唐院 (順路⑧) 灌頂堂と大師堂
宗祖円珍の廟所、密教の儀式灌頂の道場。 -
唐院 三重塔
室町初期の建物。徳川家康が寄進。 -
一切経蔵 (順路⑦) 1
室町初期の建物。毛利元就が寄進。 -
一切経蔵 2
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一切経蔵 3
中に入ると吹き抜け様に天井は高く、中央に高麗版一切経を納める回転式の八角輪蔵がそびえ立っています。 -
一切経蔵 4
八角輪蔵。迫力あります。迫ってきます。 -
熊野権現社、説明板
境内には、園城寺と署名のある説明板が立てられています。幾つか読むうちに、手書きの良さが伝わってきました。書かれた方は、写経のような心構えで臨んだのでしょうね。 -
熊野権現社
金堂の裏手にあります。
開祖円珍は修験道を顕教、密教と合わせ信仰の柱としていました。 -
霊鐘堂 (順路⑥)
弁慶の引き摺り鐘、弁慶の大鍋が置かれています。 -
弁慶の引きずり鐘
奈良時代に作られた鐘。
弁慶が奪い、比叡山に引きずり上げ、撞いてみると「イノー、イノー(関西弁で帰りたい)」と響くので、鐘を谷底に投げ捨てた話が伝わっています。 -
弁慶の汁鍋
江戸時代の観光ガイドブック『近江名所図会』でも紹介されています。 -
三井の晩鐘 (順路④)
近江八景の一つ。
天下の三銘鐘の一つ。姿の宇治平等院、由緒の高雄神護寺、音色の三井寺。
冥加代、御一人様一回300円で撞けます。
弁慶鐘とこの晩鐘の他に、三井寺には観音堂の近くにも江戸時代の鐘がありましたが、太平洋戦争時に軍事供出したそうです。 -
金堂 (順路③)
やっと到着しました。総門から随分歩きました。目的地に着いた達成感もあります。
三井寺は、豊臣秀吉の怒りに触れ、寺領を没収、金堂も取り壊されました。その旧金堂は延暦寺に現存しています。目前にあるこの金堂、取り壊しを命じた秀吉が死の直前、三井寺の祟りを恐れたのか再興を許可、秀吉の北政所が再建したものです。 -
金堂案内板
靴を脱ぎ、金堂内に入ります。金堂内礼拝空間の板の間は広く、座してお詣りができます。
御本尊の脇も背後も回廊のような空間になっており、御本尊を背に、平安時代以降の仏像が40体位?並んでいます(案内板左側の写真)。至近距離でこれだけ沢山の立派な仏像を御堂の中で拝観できることに感激しました。「さすが三井寺」と思いながら、二巡しました。
金堂内は撮影禁止です。 -
釈迦堂 (順路②)
室町初期の建物。16世紀初め、御所清涼殿を移築したものと言われています。 -
三井寺 小景 1
三井寺境内には、○○院と呼ばれる小院が幾つもあります。非公開や案内図に載っていない場合もあります。敷地内に入ることはできなくとも、門構えや風情のある佇まいに、つい足を止めてしまいます。 -
三井寺 小景 2
妙厳院。やや荒っぽい石垣と閉ざされた門。 -
三井寺 小景 3
国宝、重文に指定される立派な伽藍や仏像だけではなく、小さな仏も大切にされています。花立の一つ一つに枝が生けられています。 -
三井寺 小景 4
三井寺への信仰は、今も続いています。裏面に平成二十六年十月吉日と刻まれています。 -
三井寺 小景 5
孔雀を飼っています。
寒さで、丸くなっています。
世の中の諸毒を除くことを本願とする孔雀明王。その如来孔雀咒経の威力により、「生身孔雀の不可思議の効力によって、人類すべての諸毒を除かれんこと祈る」・・・説明板を適宜抜粋 -
仁王門 (順路①)
室町時代の建物、徳川家康が寄進。
境内ぼぼ見終わり、仁王門を振り返り、逆廻りは正解だったと思いました。寒風の中、金堂を目指して歩きました。順路通りだと、寒さに負けて観音堂に行く前に挫折していたかもしれませんでした。
さあ、次に!と動き出した時、案内板を見ていた夫が、「閼伽井屋見てない」私「え~っ、どこにあった?」・・・入場券を受付に見せて再入場です。 -
閼伽井屋 (順路⑤) 1 金堂裏手から撮影
閼伽井屋は、金堂の左脇にありました。屋根の一部分は金堂の庇の下に潜り、金堂の一部分に見え、熊野権現社の後、すぐ傍を通りながらも見過ごし、金堂を出ると、右手の釈迦堂に向かってしまったようです。
天智、持統、天武天皇の産湯に使われた泉。三井寺の名前の由来ともなった大事な井戸を見ないて帰ってしまうところでした。 -
閼伽井屋 2
目をこらすと、泉の湧く姿が見られます。 -
閼伽井屋 3
伝左甚五郎作の龍の彫刻が施されています。この龍が琵琶湖に出て暴れた為、甚五郎が龍の目に五寸釘を打ち込んだという伝承があります。
折角再入場したので、仁王門には戻らず、案内図を眺め、歩いてない道を探して、護法善神堂に向かいました。 -
護法社唐門
この門の先に子供の守り神鬼子母神を祀る護法善神堂 (順路⑬)があります。
三井寺内の神社ですが、拝観料のかかるエリアからは外れています。仁王門を出て右、観音堂側の入口(総門)との中間にあります。 -
日没まではまだ間があります。
琵琶湖疏水→大津絵のみち→浜大津駅と歩き、帰路に着きたいと思います。
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