2018/01/04 - 2018/01/10
118位(同エリア298件中)
ひよどりさん
2018年1月4日から10日まで、東京との往復には青春18切符を利用し、在来線と私鉄で、滋賀・京都・三重を廻ってきました。
今回の旅行記は、5日目の報告です。
目的地は、明治30年代に建てられた、四日市市室山町にある閉鎖中の亀山製糸工場です。
工場までは、あすなろう鉄道ナローゲージのかわいい車両に乗 車。工場の周辺には、盛時の様子が窺える町並みが残っており、充実した時間を過ごせました。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- 交通
- 5.0
- 同行者
- カップル・夫婦(シニア)
- 交通手段
- JRローカル 私鉄 徒歩
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-
JR草津線車窓風景
朝から雨です。
滋賀県大津市から、三重県四日市市に向かっています。
四日市の室山と言う所に、明治30年代に建てられ、1995年まで操業していた紡績工場があります。
富岡製糸工場モデルの歴史的価値の高い建造物ですが、現状、倒壊するのも時間の問題となっています。
今後のことはわかりませんが、どうしても見ておきたいと思いました。 -
柘植→亀山 関西本線振替バス車窓風景
京阪中ノ庄→JR石山→JR草津と乗り継ぎ、柘植まで草津線に乗車。
柘植駅で、関西本線に乗り換えようとしたのですが、どうも様子がおかしいのです。駅員さんに、亀山行きのホームは?と尋ねると、「駅出て、バスにお乗り下さい」と答えが返ってきました。アナウンスを聞き逃したのか、アナウンスを理解できなかったのか、ともあれ、慌てて跨線橋を渡りました。「バスに乗られる方は、もういらっしゃいませんか?」「乗りま~す」最後の一組でバスに乗車。
去年の台風の為、関西本線柘植ー亀山間は、バスによる振替輸送が行われていました。当日は、その最終日、明日は、復旧、平常運転に戻るそうです。
バスは、かなりのスピードで鈴鹿山中を走ります。蛇行する鈴鹿川、関宿の看板等を目で追いかけている内に、亀山駅に到着。予定通りの列車に乗り継げました。
JR四日市駅からあすなろう四日市駅まで行く途中、近鉄四日市駅近くの諏訪公園に立ち寄りました。 -
諏訪公園交流センター 1
1906年、日露戦争戦勝記念として、整備された公園で、現在は四日市が運営しておりますが、当初は、隣接の諏訪神社に所属するものでした。
この公園と神社では、今でも、日露戦争以降の近代日本の断片を見ることができます。
現在、交流センターとして、使用されている建物は、1910年、図書館として、建設されました。
建物上部中央の四角形のプレートには「2588」と皇紀で建造年を刻んでいます。 -
諏訪公園交流センター 2
外壁はスクラッチタイルです。
クリスマスの名残のサンタクロース、日が落ちれば、光が灯るのでしょう。冬の夜のイルミネーションが美しい公園のようです。 -
誓之御柱 1
公園内の摩訶不思議な石碑です。
一番高い所にそびえる石柱には、五箇条之御誓文、台座にも文字が彫られています。
「何時建てられた?」「昭和9年」「昭和9年に五箇条之御誓文?」
「台座の『あな面白、あな楽し』って何?」
「五箇条之御誓文とどんな関係?」
??? -
誓之御柱 2
「誓之御柱」
円形の台座まで登れます。 -
誓之御柱 3
台座には、「昭和九年三月吉日」、装飾の施された円の中に、「あな面白」とあります。 -
誓之御柱 4
台座の各面には、天岩戸から天照大神が現れた時の神々の喜びの言葉、「天睛(あはれ)」「あな面白」「あな楽し」「あな明(さや)け、おけ」「弥栄」とあります。
五箇条之御誓文との関係が掴めません。
-
諏訪神社 1
諏訪公園から、社殿まで、道路を通らず、直接行けますが、一旦、境内を通り抜けて、改めて、鳥居をくぐり、参詣しました。 -
諏訪神社 2
新年のしめ飾り、清々しいものです。 -
諏訪神社 3
社殿。 -
諏訪神社 4
境内社の稲荷神社。
鳥居の横の石碑には、「(明治)三十七八年之役(日露戦争)之戦功」と刻まれています。
祖母が「子供の頃、日露戦争(戦勝凱旋)の時、兵隊さんに旗振った」話等を思い出しました。
これから行く亀山製糸室山工場も、日露戦争の頃、建てられました。 -
あすなろう鉄道 日永駅 1
亀山製糸室山工場に行くには、あすなろう四日市駅で、八王子線に乗り、3つ目の西日野駅で下車します。
駅に着くと、八王子線では無く、内部線が発車を待っていました。2つ目の日永駅で乗り換えれば、西日野に行けます。ナローゲージの小さい車輌に早く乗りたくて、乗り込みました。
乗り換えて正解。偶然に感謝。
下車した日永駅は、ちょっと、気持ちがはしゃいでくるような、木造の、レトロというよりは「かわいい」雰囲気の駅でした。 -
あすなろう鉄道 日永駅 2
西日野行きのホームは、線路に沿って、カーブを描いています(写真右)。ホームの屋根もそれに合わせて、弧を描いており、曲線の持つ暖かみのようなものが感じられます。 -
あすなろう鉄道 日永駅 3
擬人化したくなるような雨樋。 -
あすなろう鉄道 日永駅 4
木製の庇?破風?
かわいいフリルのようです。 -
あすなろう鉄道 日永駅 5
ホーム屋根、妻部分の照明。
やさしい光り方をしています。 -
あすなろう鉄道 日永駅 6
青い電車は、西日野行き。緑の電車は、四日市に向かいます。
わかりにくいと思いますが、緑の電車の先の方に、内部行きのホームがあります。小さい駅ですが、ホームは3つあります。そして、ホームの柱の下の部分は、ホーム毎にパステル調のブルー、グリーン、ピンクに塗られています。 -
あすなろう鉄道 車内
バスよりは、幅は広いと思いますが・・・ -
四郷(よごう)郷土資料館 1
西日野駅から、天白川沿を西に5分位歩きます。
四郷郷土資料館着。わかっていましたが、閉館日でした。開館日は、週1日、毎週土曜日の9:00~16:00。
大正10年に建てられ、「全国一の村役場」と謳われた建物が資料館となっています。
四郷とは、西日野、室山を含む、この地域(四日市市西南部)の名称です。 -
四郷(よごう)郷土資料館 2
高台の斜面に、町を見下ろすように建っています。立派な建物です。 -
四郷(よごう)郷土資料館 3
建物裏手から撮影。 -
資料館裏手の案内図
ここまで歩いて来た川沿いの道は、車の多く通る道でした。案内図を見ると、路地伝いに、次の目的地「亀山製糸室山工場」まで行けそうです。 -
四郷の町並み 1
思いがけず、いい風景に出会えました。
東京で旅行のプランを立てていた時には、想像もしていなかった景色です。ご褒美を頂いた気分になりました。 -
四郷の町並み 2
「日本一の村役場」を支えた町なんですね。
黒塀の立派な商家が目立ちます。 -
四郷の町並み 3
神樂酒造、日本酒の蔵元です。 -
四郷の町並み 4
神樂酒造の店先。
本日乗車したあすなろう鉄道八王子線は、下車した西日野が終点でしたが、かつては、先の区間がありました。豪雨被害で廃線になったようです。
この辺りに、「室山」という駅があったのでしょう。 -
四郷の町並み 5
田中酢店。
大きな看板は出ていませんでしたが、こちらでお酢を造られているようです。 -
四郷の町並み 6
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四郷の町並み 7
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四郷の町並み 8
寂れた景色もありました。 -
四郷の町並み 9
清酒「白梅」を製造していた笹野酒造は、廃業し、その大邸宅と酒蔵は、懐石料理の食事や結婚式も挙げられる「ザ・クラシックガーデン白梅」「蔵人 rin sen kyo」(次の写真2枚)になりました。
瓦葺きの風情のある塀が延々と長く続きます。 -
四郷の町並み 10
「蔵人 rin sen kyo」
「 rin sen kyo」とは、笹野酒造歴代当主の雅号「臨川居」のことだそうです。 -
四郷の町並み 9
「蔵人 rin sen kyo」 -
旧亀山製糸株式会社室山工場 1
郷土資料館から、路地を行きつ戻りつ、緩やかな坂道を上り下り、亀山製糸工場の姿が広い空き地の向こうに見えてきました。
工場の東側の道を進みます。 -
旧亀山製糸株式会社室山工場 2
敷地南東の角に、立派な門がありました。
鈴鹿市の神戸城の門を移築したとも言われています。
洋風な木造の工場に、和風の重厚な門構えがつくとは想像していませんでした。 -
旧亀山製糸株式会社室山工場 3
この工場は、富岡製糸工場をモデルに明治30年代に建てられ、1995(平成7)年まで操業していました。 -
旧亀山製糸株式会社室山工場 4
工場の蒸気を逃がす越屋根と呼ばれる小屋根が最上部に見えます。この越屋根と高い天井は、富岡製糸工場モデルにしたそうです。 -
旧亀山製糸株式会社室山工場 5
門を出て、南側の道を進みます。 -
旧亀山製糸株式会社室山工場 6
和風の塀が途切れると、板塀がつづきます。 -
旧亀山製糸株式会社室山工場 7
ところどころ、朽ち果てたのでしょうか、板が無くなっています。 -
旧亀山製糸株式会社室山工場 8
覗いてみます。
白い木造の建物です。
2階建に見えますが、天井のとても高い平屋だそうです。 -
旧亀山製糸株式会社室山工場 9
建物の東端。
ペンキは剥がれ、窓枠は歪み、窓ガラスも数ヵ所失われています。 -
旧亀山製糸株式会社室山工場 10
更に、次の隙間から。 -
旧亀山製糸株式会社室山工場 11
覗く向きを変えると、エントランスが見えました。
大正天皇が皇太子であった頃、こちらに行啓がありました。その時、新たに造られた工場の玄関のようです。 -
旧亀山製糸株式会社室山工場 12
見上げると、建物の上部が見えます。
屋根も崩れ始めてます。 -
旧亀山製糸株式会社室山工場 13
建物西端。 -
旧亀山製糸株式会社室山工場 14
少し離れると、越屋根が確認できます。(写真右上) -
旧亀山製糸株式会社室山工場 15
工場の西側の道を行きます。敷地を一周、工場全体を眺めて見ます。
亀山製糸室山工場は、明治、大正、昭和と、日本の繊維産業を牽引してきた工場の一つでありました。
鉄道が引かれ、大店が建ち並び、物も人も夥しく動き、活気に溢れていたことでしょう。
操業を停止して20数年が経ちましたが、四郷・室山には、江戸時代の町並みとも違った、近代の町の名残りがあるように思います。
冷たい雨、人影の無い広い空き地、建物の姿が美しい分、物寂しい気持ちになります。 -
もう一度、郷土資料館裏にあった、四日市教育委員会作成の案内図
平成4年に作成された案内図です。
作成当時は、まだ、亀山製糸工場は操業中でした。敷地内には、数棟の建物が描かれています。
郷土資料館の左には「トーヨーニット」とありますが、この場所には、現在、住宅が建っていました。
少し検索。
この場所には、大正から昭和にかけて建てられた、三角が幾つもつながるノコギリ屋根の大きな倉庫がありました。また、繊維メーカー「東洋紡」の前身の一つである三重紡績の創業者は室山出身の方のようです。
この案内図も、室山の歴史を知る一資料ですね。 -
西日野駅への帰り道、川沿いの道を歩くと、左側、処々の屋根の間から、旧村役場が顔を覗かせます。「来て良かったよー」って、手を振りたい気分です。
諏訪公園、郷土資料館、四郷・室山の町並み、そして亀山製糸室山工場、記憶に深く残る四日市散策でした。
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