2017/11/18 - 2017/11/30
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HOUKOUさん
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三星堆遺跡の第2展示館である青銅館に入る。
巨大で奇怪な仮面群に圧倒される。
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続いて2号館(青銅館)へ入る。
玄関に入るといきなり大仮面が出迎えた。
これは意図的な演出であろう。
度肝を抜かれる巨大さである。
巨大さというものは現代においても権威づけの手段として,力の誇示として(特に中国において)用いられるものであるが,それは古代においても同じだったであろう。
あんな小さな家に住んでいた古代蜀人であれば,この巨大面にひれ伏していただろうことは想像に難くない。 -
「青銅獣面」
先ほどの威圧的な仮面に比べれば,こちらの方が「人間味」を感じるが,これは獣を象ったものだという。
そういえば中原の青銅器の表面を覆い尽くす「饕餮(とうてつ=全てをむさぼり食い尽くす怪獣)」に似ていなくもない。 -
そしてついに現れた「青銅縦目面具」。
誰だって最初この面を見て,冗談のように飛び出した目に驚き,そして考えるであろう。
「このカニのように飛び出した目は何を意味しているのだろうか?」
一般的な説明は,この仮面は古蜀の初代統治者「蚕叢(さんそう)」を表現したものというものだ。 -
「華陽国志」という4世紀中ごろに記された蜀の史書に次のような記載がある。
「有蜀侯蚕叢其目縦始稱王」(蜀の侯に蚕叢という人がいる。彼の目は縦で、初めに王を称した。)
そして「目は縦」という言葉を具象化したのがこの仮面の飛び出した目というものだ。
しかし物理的・生物的にこのような目を持つ人間というのは考えられず,「目は縦」というのは別義あるいは比喩と考えられる。
このカニ目仮面でなくても,三星堆から出土している仮面は共通の特色がある。
どの仮面も生身の人間と較べれば不自然なほど目が大きく,しかも真ん中が山形に盛り上がっている。
大きくて前に突き出した目というのは,つまり世の中のことあるいは未来のことを見通す能力を持っているということの比喩なのであろう。
蝶のような形の巨大な耳も同じような意味で,世の中のことはすべて聞こえているということを表したかったのだろう。
ただ唇が3枚ある意味は全く想像もつかない。
ただデザインなのか,それとも深い意味が込められているのか。 -
こちらは「縦目」に加えて,額に派手な装飾を付けたもの。
これにも込められた何らかの意味があるのだろうか。
一説には,このような装飾がついていない仮面でも額の四角い穴は何らかの装飾が取り付けられていた跡だとする。 -
三星堆出土品が特に印象的なのは,我々の美的感覚では捉えきれないもの,あるいはそれからはみ出したものを見るからではなかろうか。
同じ古代文明でもエジプトの壁画,シュメール,インダス文明の人物像,黄河文明の陶器類など,少なくともしばらく眺めていれば,我々はその美学を言葉として説明することができるかもしれない。 -
しかるに,この奇想天外な恰好をした人物像が持つ「美」や意味をどのように説明したらよいのだろうか。
仮に誰かが偶然これを掘り出して骨董品として売り出しても,誰も買わなかったのではなかろうか。
また仮にこの男のコスプレを現代でやれば速攻で救急車が呼ばれるであろう。
頭に突き出した電気のソケットみたいなもの(笑)には何かの別な部品が装着されていたようだが。 -
この有名な古代中国最大級の人物像にしても,ちょっとずつ我々の美的感覚とはずれている感じがする。
一番特徴的なのは異常に拡大され変形されたクルクル丸まった手である。
何かを(たとえば旗などを)差し込むものであれば,まだ理解できるが必ずしもそうではないらしい。
二つの手が作る丸い輪っかは角度がかなり異なり合理的説明がつかない。
それに先ほどの「ソケットマン(笑)」や,金沙遺跡で見た太陽の帽子をかぶったミニチュアサイズの人物像も同じ手の形のポーズをとっている。
どうやらこれは宗教的呪術性を持つポーズではないかと言われている。
しかし居丈高な表情や,かなりデフォルメした身体にしても,現代人からみたら作者の意図とは裏腹に多少漫画チックに見える。
しかしそこが更に神秘的だと感じる。 -
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このひざまずく男の小さな像も印象的だ。
波のようなヘアデザインも独特だ。
歯をむき出しにした表情といい,どこかで見たような・・ドナルド・トランプ!? -
古代三星堆人はよほど人の目に呪術性を感じていたのか,目だけをデザインした装飾品も出土している。
2分割あるいは4分割されているものもある。 -
横幅が広い巨大仮面は(宗教的・階級的に)特別なものらしく,圧倒的に多いのがこのような縦型の仮面である。
アーモンド形の大きな目や横に張り出した耳などの共通点はあるが,それぞれが幾分かの個性を出している。 -
中には金箔が施されたものもある。
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後ろから見ると満州人の辮髪そっくりの髪形である。
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他の像と較べ柔らかな線で形作られたこの像は,もしかしたら女性かもしれないと考えられている。
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動物を象った像もかなりの数展示されていたが,断然多かったのが鳥である。
類型的なものとして目立ったのは,「神樹」でも見たこの鋭く曲がったクチバシを持つ鳥の頭部である。
ワシやタカなどの大型猛禽類は古代エジプトなど古来より現代にいたるまで権力の象徴として用いられてきたが,これもそういう意味があったのかも知れない。 -
一方では愛らしく美しい鳥もある。
これなどはそれらの内で最も優れた造形美と私が感じたものである。
実際にはこのような飾りを持つ鳥などいないのだろうが,四角くまとめられた美しい頭飾り,羽根や羽毛の巧妙な表現など見事なものである。 -
そうした幻想的な造形が多い中,このニワトリなどは写実的と言ってよいものだ。
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この漫画のヤギみたいな生き物は龍だそうである。
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これら出土品のほとんどは祭祀坑と呼ばれる二つの穴から発掘されたものだ。
「祭祀坑」という言葉は,埋められた青銅器が神への供物として埋めたという意味合いが込められているが,これに異を唱えるものもいる。
古代においては青銅器は貴重な資源だったはずである。
それを惜しげもなく埋めてしまうとは合理的理由に欠けるというものである。
「それでは何故埋められたか」という問いに対しては,王朝が交代したという説がある。
征服王朝が前王朝の祭器などを,祟りを恐れてか再利用することなく埋設したというものである。
そうした謎に包まれた「祭祀坑」なども見たかったのだが,発掘エリアの入り口は鍵で閉ざされていた。
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