2017/11/18 - 2017/11/30
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HOUKOUさん
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「重慶大爆撃記念遺跡」「湖広会館」「朝天門」を訪問。
まだ重慶本格観光初日であるが,重慶特有の坂道に苦しめられる。
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地下鉄で「較場口」へ向かう。
ここは地下鉄や大きな道路の接続点であり,にぎやかな繁華街であり食堂街は人であふれかえっている。
ここで食事ととることにした。
選んだのは「自選快餐 40多種菜品 任選任口乞(好きなものを好きなだけ)」という看板の15元食べ放題の店。
繁華街の一等地にしては安い。
味もまあまあ。 -
この「較場口」へ来たのは飯を食べるためではなくて「重慶大爆撃記念遺跡」を見るためだ。
例によって案内標識も見当たらず,大きな施設でもないようでなかなか見つけられない。
よりによって日本人がこの施設への道を尋ねるのも少し気が引ける。
その内,歩道をふさぐように張り出しているモニュメンタルな小さな構造物を見つけた。
碑文には「1941年6月5日,日本軍の爆撃により防空壕で2,500人が窒息・圧死した」という意味が刻まれている。 -
建物の中は意外と狭い。
おそらく血まみれになった壕の奥の方ははさすがに埋められたのだろう。
そのため施設自体には当時の惨状の痕跡は見当たらないが,例の階段で大勢の中国人が倒れている有名な写真など,日本人であればかなり居づらくなるようなパネルが多く展示されていた。
狭い比較的静かな空間なので,余計そんな気がしてくる。 -
今度は「湖広会館」を見学したいが,大体の場所しかわからなくて,どういう交通機関があるかも定かでない。
重慶半島の南岸,東門大橋のたもと付近ということはわかるが,その付近へ行くバスがあるのかないのか,皆目見当がつかない。
適当に見当を付けて坂道を南へ降りていく。 -
「人と犬とは違う」
どうやら日本と違って,犬であれば問題ないらしい。 -
ケーブルカーの廃線跡らしきものも見かけた。
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なんとか「湖広会館」にたどり着いた。
言うまでもなく中国人というのは同族・同郷意識が高く,全国各地でこのような同郷会館をしばしば見かける。 -
ここの会館が規模も大きく有名なのは,どうやら明末清初の四川で発生した人口の急減に関係があるようだ。
それは「屠蜀」と呼ばれる反乱農民の指導者・張献忠による大虐殺によってひきおこされた人口の劇的な減少である。
張献忠は,異常なまでの殺人鬼ともいうべき人物であり,その常軌を逸した殺戮により明代には300万人以上あった四川の人口が,清の時代には2万人ほどに激減したといわれる。
その人口急減を解消するために取られたのが「湖広填四川」であり,湖北・湖南・広東から数百万人が移住してきた。
この住民の入れ替わりのせいで,古代からの四川人は途絶え,固有の言語・方言が標準語に近い言葉になったといわれている。
ちょっと時代は異なるようであるが,鄧小平の祖先も江西省から四川省へ移住してきた客家人の家系と言われる。 -
土地を与えられる移住者たち。
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同郷の困窮者にはお金や米の支援が与えられるなどセーフティネット的役割も果たしたようだ。
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一群の建物の中で最も立派な「禹王宮」。
禹を祭る廟も中国全土でみられるものだ。
最も有名なものは紹興のものであろうか。(数年前訪れた)
家の前に来ても家に寄ることなく通り過ぎ,周恩来ばりに中国全土を駆け回って,その土地々で治水に活躍したという伝説があるので,どこにあってもおかしくはないだろうが,ここ重慶でも神代の時代に治水工事に活躍したのだろうか。 -
シンボルの測量器を持つ禹。
質素な衣服をまとい自分の食事は切り詰めて治水に労力をいとわなかった禹に対して,「禹は間然とすること無し(禹は文句のつけようがないほどすばらしい)」と孔子も最大の敬意を表している。 -
一番奥まった場所に建つ「広東公所」。
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「湖広会館」を出て東水門大橋の下には「東水門」の碑があった。
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さて,ここから市の中心部へ戻るにはどうしたらいいのか。
この時点で坂道の上り下りでだいぶ疲れがでてきた。
近くにバス停があったが,観光専用バスしか停まらないようだ。
楽な方=長江にそった下り坂を下りていくことにした。
問屋街みたいなところを通り,しまいには今日の観光の予定外であったが「朝天門」にたどり着いた。
重慶みたいな坂が多く道路が不規則に入り組んでいる街では,行き先が成り行き任せになってしまいがちだ。
そして疲れているときは,分かれ道に出会うと,あたかも水が低きへ流れるように,つい下り坂を選んでしまう。
そしてそれが「罠」だったかのように,とんでもないところへ入り込んだり,予期しないところへ出てしまったりする。 -
本当は「朝天門」は,早朝かナイトクルーズの時に来るつもりであった。
この季節,重慶・四川は曇天が多いとは聞いていたがまさにそのとおりで,この日も太陽を全く見ないどんよりとした天気だった。 -
このような天気では,川の風景は哀愁を帯びたものに感じる。
つい崔の「黄鶴楼」を思い浮かべる。
「日暮 郷関 何れの処か是なる
煙波 江上 人をして愁えしむ」
嘉陵江側にも長江側にも,数多くの船が停泊している。
この中には三峡下りの船もあろうし,「両江遊覧」の船もあるのだろう。 -
重慶半島の突端に当たる朝天門エリアは,どの地図を見ても「再開発中」になっている。
目下高層ビルの建設中である。
新たな地下鉄駅も含め,いかにも中国の再開発らしく付近一帯を丸ごと囲った,重慶有数の観光スポットである朝天門へのアクセス性など全く無視した工法である。 -
そのため,ここからホテルに帰るのも大いに苦労した。
やっと最寄バス停を見つけ,ホテルに戻る。
ホテル半地下のスーパーで「唐記鹵香鴨」という惣菜を買ってきて,それをつまみに白酒を飲む。 -
その後しばらく「ある場所」を探して,夜の重慶を彷徨いに彷徨ったが見つからずホテルに戻る。
今日の夕食は「肥腸小面」。
重慶観光一日目ですでにかなり体力を消耗した。
巴の道の何ぞ難き!
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