キューバ(1)パパとアメ車で昼ビール／ハバナ

2017/11/23 - 2017/11/30

どうしてもキューバ！という訳ではなかったんです。でも先の大統領が折角歩み寄ったのに、今のエキセントリックなおじさんが頓珍漢ないちゃもんスタート。米国に振り回されるカリブの真珠が色々変わってしまうために今こそ、と。

一昨年フィジーで泊めてくれたキューバ人の友達が里帰りしてて「来い来い！こっちは暑くてビールが最高に旨いぜ」的な魅惑の誘い文句、よし決まりだ、行こう行こう！

あるべき物があれこれ無いけどへっちゃら、朝から晩まで音楽とビール時々モヒートの繰り返し、何と幸せな一週間！まずトロントから実質の初日まで、主にパパ・ヘミングウェイ。

エリア ハバナ(キューバ)

• 旅行の満足度: 5.0
• 観光: 5.0
• ホテル: 4.0
• グルメ: 4.5
• 交通: 4.5

• 同行者: 一人旅
• 交通手段: タクシー 徒歩
• 航空会社: エアカナダ
• 旅行の手配内容: 個別手配

KIX-ICN-YYZはUAの特典C（関空～トロント往復で発券）でしたが最後のYYZ-HAVは別切りです。

早めに購入したのでリーズナブルなビジネス！と言ってもエアカナダのLCC＝エアカナダルージュなので座席はこんな具合。

3時間半のフライトにシンプルな献立表（カナダはやっぱり表は英語で裏は仏語）、下敷きみたいな赤いのはC席用のタブレットです。個人用モニターが無い代わりに機内無料Wi－Fiで自分の端末（スマホやPC）でも映画鑑賞可。

ＣＡさんは「ハーイ！赤？それとも白？イェーイ！」みたいな超フレンドリーガール。そもそも飲み物のメニューはないので、銘柄どころか赤とか白がワインなのか味噌なのかも分からない。

配給のタブレットと機内食でテーブル上は少々均衡危うし。

遂にハヴァナのホセ・マルティ空港に到着。ボーディングブリッジを降りると…暗い。いいぞ、キューバ。

キューバ旅行前に必ず直面する謎の「ツーリストカード」問題。噂通りエアカナダ（含・ルージュ）機内で全搭乗者に無料で配られます。堅実な日本人旅行者は予め駐日キューバ大使館の領事部に所定のお金を支払って、カードを入手してから旅立つはずですが（自分は出向く時間がなく郵送で一か月かかりました）AC配布のカードに手書きでも無問題の様子。入国審査が超適当だったので。でもそんな所で冒険する必要もないので準備して行きましょう。

すんなり入国しちゃって肩透かし、と思いきや預け荷物が一向に出て来ず嬉しくなる。キューバはこうでなくっちゃ！しかし軽く半時間経過、しかも結露なのか全員スーツケースびしょ濡れ。

キューバでの次なる懸案事項は両替。諸説ありますが今は空港1FのATMが絶賛稼働中です。２台あるのに交互に一組ずつ操作させるため少々待ち時間が。よく聞く「キューバのATMはクレジットカードを食べちゃう（飲み込んで返さない）」説も、ここでは係員が立ち会っているので、万が一の場合も安心かと。

到着階のタクシー乗り場は行列開始。並ぼうとしたら調子の良い男子が「俺の友達が運転手やっててすぐ乗れるよ」。胡散臭い気もしたけど、どこかのホテルの名札も付けてるし、と従い2F出発階に。

暗がりで待つこと数十秒、彼に呼ばれたドライバー到着。想定していた25CUCで乗車（キューバの友達に聞いても夜更けのその値段は妥当と）。

車内で殆ど英語は通じません。一昨年フィジーで仲良くなったロドリゲス、通称レイの親友が営むCASA（政府公認のキューバ版ゲストハウス）の住所をドライバーに手渡し、真っ暗なハイウェイをひた走ること30分で新市街に。

午前0時着にも関わらずレイと家主のエドゥワルドが出迎えてくれました。

一般的なCASAは民家の空き部屋に泊まる事が多いそうですが、エドゥワルドは近所に住んでいて、寝室とリビングと台所と浴室は完全に独り占めのパターンで一泊３０CUC（食事なし）。

二人と別れてすぐ寝たものの、時差ボケというよりご近所いっぱいの生活音で午前6時起床。確か深夜も周囲の複数の家からサルサやTVの音が聞こえていたはずなのに、未明から音楽と談笑するお年寄りの声、そして7時ジャストに一斉にワンコがシャウト。いいぞいいぞ、悪くない。ハヴァナの街の中で目覚めたという喜びが。

新市街には今一つ目ぼしいランドマークはありませんが、全ての通りにナンバリングまたは名前があって、慣れれば京都のように分かりやすい。

隣の隣の建物に下宿中のレイはレイジー、午前10時まで寝ているというので一人で近所の探検開始。

早速そこら中に路駐されてるアメ車たち。観光用かと思いきや、どれもこれも普段使い用。来た来た、キューバ！

早朝からパン屋さんは大行列、これぞ社会主義（と勝手な思い込み）。観光客向けでない食品や生活雑貨のお店はたいてい人民ペソCUPで支払います。

キューバ初日はさすがに通貨の使い分けにもドキドキで、お店の前を興味津々行ったり来たり様子見してたら、陽気な店員さんから「hola!!」。この国では目が合えばだれかれ構わず概ね挨拶、やたらめったら愛想良しです。

ハヴァナ観光の目玉はもちろん旧市街、でも日常生活の垣間見える新市街から始まるキューバも良い良い。体育の授業中キッズも漏れなくフレンドリー。

政府公認のCASAには統一マークの錨印が。

スマホ全盛期に公衆電話だってバリバリ現役、そして絵になる。

ワンコ率、かなり高い。よほど凶暴そうな大型犬以外は放牧率も高く、でもほぼほぼお利口さん。

ようやく起き出したレイと合流し、近所のカフェで朝ごはん。旧市街以外で気軽に頼めるのはハンバーガーやピザ中心で、残念ながら超絶品！なものは少な目です。

いざ旧市街へ。通りを行き交うおんぼろクラシックカーが住民向けの乗り合いタクシーで、空席がある車を見つけてドライバーと行先交渉です。基本的にキューバ人用。観光客が乗れないわけではないですが、料金は異なります。

なので、巨漢のレイの後ろからくっついてって（「ドライバーが見つけると別料金ふっかけてくるぜ」とレイ。ホンマかいな）。ちなみに乗り心地は最高に悪くて、扉も取れそうでとっても愉快！

この日は地元っ子レイもテンション上がる程の快晴！ハヴァナ大で英語を学んだレイは流暢に数か国語操ります。しかしこの国では勿論スペイン語中心、英語はNGという場面だらけ。

旧市街のランドマーク、旧国会議事堂（カピトリオ）はいつまで経っても修復中。

工事前は中に入れたそうで、大理石造りの豪華な内装について誇らしげに語るレイ。

旧市街観光のスタート地点でもあるこの界わい、色とりどりのクラシックカー祭りです。

ピッカピカに磨き上げられたこの子たちは観光客向け。市民の普段使いクラシックカーの３倍ほどの値段とか。

一緒に並ぶ卵みたいな小ぶりでラブリーなココタクシーは値段交渉制。小回りも効く（但し速度はマイペース）ので近場であれば、風を切って楽しく。

カピトリオの程近くに壮麗なアリシアアロンソ・ハバナ大劇場。

青空を背に映える。

旧市街観光に便利なバスは後ほど。

レイが迷わず最初に連れてってくれたのは、フロリディータ！

正午前にしてバーはバンドの生演奏と凄まじい数の観光客で大賑わいでした。

ほぼ全員オーダーするのが、文豪ヘミングウェイが愛したダイキリ、灼熱のキューバでフローズンダイキリは格別。スイスイいけますが、ちゃんとお酒なので気をつけて。

有難みが薄れる勢いで量産されるフローズンダイキリ…と、カウンターの端でフローズンなオジサンが。

この店のダイキリをこよなく愛したパパ・ヘミングウェイの等身大銅像、観光客から大人気です。お店に入ってすぐ左手に鎮座。

旧市街一賑わうオビスポ通りに面したホテル・アンボスムンドスもパパ御用達。いつも泊まってた部屋を観光できますが「ただの部屋だよ」とレイ素通り。

すごい人出で歩くのも厄介なオビスポ通り、数歩歩けばバンドの生演奏です。

土産物店が軒を連ねる中、縫製工場も稼働中。日常と非日常がごちゃ混ぜ旧市街、上を見上げれば重厚な歴史的建造物にカラフルな洗濯物が干してあったり。

オビスポ通りを突っ切って海まで。水辺にはたいていアンニュイな太公望たちが。

レイのお目当ては海に面したビール醸造所！

どでかい工場のような建物にもやっぱりバンドの生演奏です。

旧市街に数軒あるクラフトビールのお店の中でも一番大規模なんだとか。

ハバナで３軒たずねた地ビールレストラン、いずれも人数が集まればこの手のタワー型がリーズナブル。

スペイン語と英語と、ごくまれに日本語（大学で少し学んで諦めたと）を巧みに話す頼れるレイ。サルサと潮風に吹かれて機嫌よくレイのペースで飲むと危ない危ない。

ボーカルのお姉さんはワイヤレスマイクでテラス席まで出張。ハバナに限らず、バンドの生演奏が終わればオリジナルCDの手売り営業開始。買わなくても演奏を気に入ればチップ１CUCが目安です。

時間が溶けてくような気分。まだお昼過ぎだというのにキューバの陽射しとご機嫌サルサとダイキリ＆ビールで早くもアイラブキューバ、午後はハバナバスで新市街を含め周遊です。