2017/12/01 - 2017/12/01
539位(同エリア1440件中)
ちゃんさん
久留米から阿蘇、大分、下関を巡り、久留米へとぐるり一周して帰って来る旅に出てみました。
1日目は豊肥本線で肥後大津まで出て、「南阿蘇ゆるっとバス」で南阿蘇村を巡ります。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- グルメ
- 5.0
- 交通
- 5.0
- 同行者
- カップル・夫婦
- 一人あたり費用
- 3万円 - 5万円
- 交通手段
- 新幹線 JRローカル 私鉄
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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久留米からは、朝7時40分の「さくら」で熊本へ。新幹線開業から6年半が過ぎましたが、ノンストップ20分は今もって驚異の早さです。
久留米駅 駅
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しかもネット早得で席を抑えておいたので、熊本までわずか2,570円。在来線時代の特急回数券と大差ない金額で乗れて、ありがたや。
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熊本から肥後大津までは、JR豊肥本線の電車でGO。熊本駅朝8時11分発といえば逆方向のように感じるけど、官庁街の水前寺や、東海学園高校への流れがあり、ぎゅう詰めの都会のラッシュです。2両と短いせいでもあるけれど。
東海学園を出れば、全員座れる程度の乗り具合になりました。JR豊肥本線 (阿蘇高原線) 乗り物
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肥後大津駅にはいつの間にか、阿蘇くまもと空港駅なる副駅名が。空港まではえらい離れているのに、ずいぶん上げ底な愛称だなと思ったら、駅前に「空港ライナー」がやって来ました。
30分ごとに走るジャンボタクシーで、空港まではわずか15分。しかも運賃無料!満席になれば、続行便を仕立てるんだそうです。市内からのバスは渋滞に巻き込まれることもあるし、熊本空港を使う機会があれば試してみよう。肥後大津駅 駅
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「JR肥後大津駅」より「阿蘇くまもと空港駅」の看板の方がでかい!駅前に待つのが、これから乗る「南阿蘇ゆるっとバス」高森行きです。
発車直前、阿蘇・大分方面の特急バスと間違えた外人さんが乗ってきましたが、バスの運転士さん、慣れた感じで案内されていました。さすが、地震後も阿蘇は国際的観光地です。 -
熊本地震では、交通網も大きな被害を受けました。南阿蘇ゆるっとバスの白水ルートは、1日6往復(他に快速2往復)。豊肥本線と南阿蘇鉄道が不通の今、南阿蘇への頼れる足です。
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阿蘇方面へ行くのは、昨年(2016年)9月の南阿蘇鉄道の土砂出しボランティア以来。当時は阿蘇大橋も長陽大橋も不通で、ミルクロードから赤水方面へ大きく迂回して、南阿蘇を目指しました。
3ヶ月前に長陽大橋が復旧したので、ミルクロードに曲がらず、国道57号線直進します。阿蘇・大分方面は引き続き不通なので、交通量は激減。地震前、行楽シーズンには4車線でも渋滞していたのを思い出します。 -
大規模ながけ崩れが起きた立野地区は、1ヶ月前に長期避難が解除されたばかり。帰還した住民は、まだわずかと聞きます。
本格的な土砂崩れの復旧は2020年までかかる見通しとのこと。土砂に埋まった豊肥本線も見え、素人目にも復旧までの道のりはまだまだ遠いように感じられます。 -
バスは立野病院まで乗り入れ、折り返し。立野地区への唯一の公共交通機関ですが、他の乗客はありません。ダイヤには相当余裕があるようで、時間調整でしばし停車しました。
熊本地場のお弁当チェーン「ヒライ」は、1月12日に営業再開とのこと。少しずつ、一歩一歩。おべんとうのヒライ 立野店 グルメ・レストラン
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仮復旧が完了した長陽大橋を渡り、阿蘇の谷を越えます。深い渓谷をのぞき込めば、足もすくむような高さ。今は不通の、南阿蘇鉄道の車窓を思い出しました。
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南阿蘇村を横断し、中松駅前で下車。部分運行している、南阿蘇鉄道の仮の終点です。
寒っ!この冬一番の寒さとなった朝、まして標高の高い内陸部の阿蘇とあって、0度近い冷え込みです。中松駅 駅
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駅のトイレの注意書き(笑)。
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列車の時間まで30分以上あったので、駅から歩いて5分の、池の川水源を訪ねました。
南阿蘇村には有名な白川水源の他にも、至る所に水源が点在。生活に密着して使われています。水の生まれる里は、ダテじゃないっす。 -
こんこんと湧き出る水は、当たり前のように透明。ペットボトルに詰めれば、阿蘇の恵みを携帯できます。
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中松駅に戻ってきました。
阿蘇の外輪山を望むホームは、のどかな風景。5年前、職場の同期達とワイワイ訪れた時と、何も変わらないように見えます。 -
しかし立野方面の線路は赤錆び、列車が走ることはありません。
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高森方面からの列車が、無人でやって来ました。駅で7分停車し、折り返し10時20分発の高森行きになります。
12月1日以降の冬季は、平日、土休日関わらず、高森~中松間を3往復するのみの超閑散ダイヤです。春が来れば、休日はきっとトロッコ列車を交えた4往復運転に戻ってくれるものと思われます。 -
運行車両は、1998年製のMT3010形。宝くじの助成を受けた、レトロ仕様の車両です。
高森行きの乗客になったのは、僕ら2人だけでした。 -
カルデラの平野を走るディーゼルカーの走りは、ゆったり、のんびり。名所では最徐行になり、運転士さんがガイドしてくれます。
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渓谷を渡る立野~長陽間こそ南阿蘇鉄道のハイライトだと思っていたけど、阿蘇山を眺めながらゆったりと走る現営業区間の車窓も、なかなかいいものです。
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吉田城御献上汲場。その昔、あまりに美味なため、お殿様しか飲めない水だったとか。
焼酎党の運転士さん、ここの水で割った水割りを晩酌にするのが楽しみなんだそうです(笑)。 -
明神池名水公園。カッパの像が立ちます。
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今は不通の白川橋梁以外で、唯一白川を渡るポイント。源流からほとんど距離がないのに、すでに立派な川なのは、豊富な湧水量ゆえです。
通常の列車よりもずっと丁寧な解説で、徐行も徹底。3往復の列車は、ほとんど観光列車としての使命を帯びているのが分かります。短い営業区間ですが、ぜひ乗って、支援してほしい路線です。 -
わずか16分で、正真正銘の終点、高森着。南阿蘇鉄道では、始発駅と謳っています。
高森駅 駅
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1日3往復のみの部分運行ながら、いやだからこそか、グッズ販売には力が入っていました。僕も、普段使いできそうなハンドタオルを買って支援です。
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駅舎の壁には、見慣れた西鉄のロゴが。筑紫と貝塚の社員さんからの応援寄せ書きでした。
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著名な漫画家たちからの…
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応援メッセージも!
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阿蘇山を背景に立つ高森駅の姿は、震災前と変わらぬ姿。立野行きの列車に乗れそうな錯覚を覚えます。
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「ゆるっとバス」や「快速たかもり号」を組み合わせ、白川水源や道の駅を巡る計画でしたが、湧水トンネル公園のクリスマスイルミネーションが今日から開始と聞き、予定変更。駅から徒歩で約10分の公園を目指しました。
池の水は、そこにないかの如き透明感。鯉が浮かんでいるみたいです。 -
高森から高千穂を目指し、着工されたトンネル跡。大規模な湧水と、国鉄改革の方針に阻まれ途絶えた、夢の跡です。
分断された線路も、高千穂側は2008年の水害で全線廃止、高森側は地震災害で不通。厳しい現実です。入場料は300円。高森湧水トンネル公園 公園・植物園
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トンネル内の温度は一定。夏場は涼しい観光地も、今日は避寒になります。
暗いトンネルは、真昼のイルミネーションにぴったり。冬期運休中のトロッコ列車も輝いています。 -
高森町内の団体さんが競って、クリスマスツリーを演出。手作り感あふれるものあり、気合いが入っているものあり。まさに個性が輝いていました。
今日はまだ初日。名札だけが下がり、間に合っていないツリーもたくさんありました。まだ年末には遠い12月1日、間に合わせられない気持ちは分かります(笑)。 -
ちょっと季節違いの飾りつけもそのままでした(笑)。
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末端部分には、常設のアトラクションが待っています。その一つが、プロジェクションマッピング「ミライズン」。
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鏡とプロジェクターで、トンネルの天井を彩ります。実物より、写真映えがするアトラクションです。
5年前に来た時にはなかったもので、いろいろ新しい試みにチャレンジされているんですね。 -
ウォーターパールは必見。水玉が空中で止まったり、ゆっくりと上がっていたりする不思議な現象が目の前で起きます。目の錯覚を利用した、科学的アトラクションです。
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トンネル終端。実際の工事中断点は、もう少し奥になります。
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公園前に、なにやらおしゃれな建物が。
地産地消レストランカフェ「ウォータフォレスト」。時間もちょうど12時前。入らないという選択はありません。ウォーター・フォレスト グルメ・レストラン
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あえて窓の大きさを絞った、おしゃれな内装。ソファ席はこの後、ママ友の語らいの場になっていました。
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店の裏は線路。貴重な1日6本の列車が通過していきました。
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前菜、サラダ、スープ、メインにドリンクがセットになった、森ランチ(1,580円)をいただきまーす!
地の野菜、阿蘇の恵み。 -
メインは2種類頼んで、二人で分け合いました。おいしい時間でした~
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次のバスまで時間があったので、南阿蘇鉄道の隣の駅、見晴台駅まで歩いてみることに。ウォーターフォレストから、10分の道のりでした。
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三角屋根の小さな駅舎は震災後、清涼飲料水のCMで使われていて、ちょっとした観光地になっています。
イルミネーションの飾りつけもされていて、回りが真っ暗な分、夜もきれいでしょうね。今のダイヤだと夜の列車が走っていない南阿蘇鉄道、運転士さんもまだ見たことがないそうですが(笑)。見晴台駅 駅
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見晴台駅から高森駅方面へ伸びる線路。これもポスターに使えそうな風景です。
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見晴台駅バス停から「ゆるっとバス久木野ルート」に乗り込みます。南阿蘇鉄道の南側の旧久木野村(くぎのむら)を横断し、北に進路を変え、赤水方面へと抜けていく路線です。1日わずか2往復!
乗って来た乗客は、買い物袋を携えたおじいさん一人でした。 -
レトロ調のバスの最後尾は、サロンバスのよう。天窓も付いていて、明るい車内です。地元のコミュニティバス的な役割に加え、観光利用も想定された路線なのでしょうね。
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南阿蘇鉄道や、ゆるっとバスの白水ルートより少し高台を走るので、阿蘇の山々の見え方も違います。
沿道には温泉旅館あり、カフェや道の駅ありと、いい感じの観光地。ゆるっとバスだけでの観光は厳しいけど、快速バス「たかもり号」を組み合わせれば、路線バスでの観光もできなくはありません。 -
久木野の中心部から、八里木の集落までは、同じ道を15分かけて往復する寄り道ルート。唯一の地元客だったおじいさんは八里木で降りて行ったので、意味ある寄り道です。実態は高森~八里木、八里木~役場、役場~赤水方面の3系統のバスをひとまとめにした路線ですね。
寄り道ルート上の温泉センター「木の香湯」は、地震の被害を受け休業中。同じ南阿蘇村でも、震源地までの距離で爪痕は違います。阿蘇久木野温泉 木の香の湯 温泉
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進路を北に変え、役場から県道149号線に折れれば、道路の災害復旧工事の真っ最中。
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あちこちで重機が活動し、ライフラインの復旧にあたっていました。お疲れ様です!
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阿蘇ファームランドや猿まわし劇場など、阿蘇の名だたる観光地を巡りますが、乗客はゼロ。観光の復興はまだまだなのか、もともとコミュニティバスが頼られていないのか、どっちにしてもちょっと寂しいです。
観光施設はどこも営業中で、震災前と同じように、また遊びに来たいな。 -
仮設住宅団地へ「寄り道」して、国道57線沿いの終点・アーデンホテル阿蘇に到着。見晴台駅からの運賃はわずか400円で、乗りごたえ&乗りドク感のある路線でした。
交通系ICカードも使えます。アーデンホテル阿蘇 宿・ホテル
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乗り継ぎのバスまでは時間もあったので、ホテル内を散策。山奥の紅葉は散ったというニュースを聞くけど、標高低めの場所はまだまだ楽しめました。
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うさぎ、かわいい。
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ホテルの東側を走る運休中の豊肥本線の線路は、赤錆びていました。
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列車はないので、阿蘇方面へは特急バス「やまびこ号」で抜けます。バスが大分方面からやって来たので意表をつかれましたが、そうか、ミルクロードから阿蘇へ行く途上、アーデンホテルに寄り道するコースなのですね。
快適なリクライニングシートに座り10分少々、阿蘇駅へ到着しました。 -
阿蘇観光の玄関口、阿蘇駅です。熊本方面は肥後大津駅まで不通で、代行バスも地元通学客優先。ダイヤも限られた範囲でしか公表されていません。
事実上のどん詰りとあって寂しい姿を想像していましたが、インバウンド含め観光客の姿が多く、ちょっと安心しました。阿蘇駅 駅
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クルーズトレイン「ななつ星」向けのホーム上のレストラン「火星」も、来春の阿蘇乗り入れ再開のため、整備されていました。
時間はまだ3時半だけど、ぼちぼち今宵の宿に入っちゃいましょう。続く⇒https://4travel.jp/travelogue/11310032
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阿蘇・大分・下関の旅
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