東海道にお茶とみかんの静岡市周辺旅(一・二日目)~静岡市内の静岡浅間神社・駿府城・登呂遺跡から由比・興津宿に日本平と三保の松原。静岡市周辺の目ぼしい見どころを巡って、石橋うなぎ店に日本平ホテルもイメージ以上に上質です~
2017/11/30 - 2017/12/01
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今回は静岡市で所用がありまして、それに引っかけてのついで旅。
一・二日目は、静岡市街と近郊の定番スポットなので、半分はおさらいのようなつもりでしたが、しかし、実際のところは、弥生時代の代表遺跡である登呂遺跡やとろとろの石橋うなぎ店に、清水湾から富士山を望む驚愕の絶景、日本平ホテルとか。結局は静岡の基本的なことをあれこれ知らなかった自分に気が付かされることになったような。まだまだ、静岡が分かったつもりは早い。静岡へのリスペクトが足りなかったことを深く反省した次第です。
なお、宿場町の方を少しまとめておくと以下の通り。東海道の匂いが濃いエリアです。
由比宿は、東海道五十三次の16番目の宿場。本陣跡が由比本陣公園となっていて、公園内の静岡市東海道広重美術館が一番の見どころ。隣りの興津宿までは、有名なさった峠を越えて行くのも定番のコースです。
ちなみに、さくらえびが名物。グルメでは、それをお勧めします。
そして、興津宿は、東海道五十三次のうち17番目の宿場。明治に入ってからは、西園寺公望が政界を引退して住んだという坐漁荘があることでも知られます。ただ、なんで西園寺公望がここまで気にいったのかというと、その頃、この辺りは海水浴のメッカ。大勢の海水浴客が訪れる賑やかな土地だったのだそうです。今は海水浴場がなくなってしまって、賑やかな頃の興津の様子は分からなくなりましたが、いろんな時代を経た街だということは承知しておいていいかなと思います。そうした歴史を学びたい人は、一碧楼 水口屋ギャラリーがお勧めです。
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朝一番で東京から静岡駅に到着。ここで朝飯を食べるんですが、調べておいたのは、このおにぎりのまるしま。静岡駅の南側です。
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朝早くからやっていて、朝から静岡おでんが食べられるんです。
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おにぎりと目の前にある鍋から適当におでんをチョイス。おでんの優しい味わいに気分はほっこり。おにぎりをテイクアウトするお客さんもいて、なかなかの人気です。
今回の静岡の旅は四日間。幸先よく始まった感じです。 -
静岡駅の周辺ではいくつかのホテルでレンタサイクルをやっているので、それを借りて午前中は静岡市内をざっくり回ります。
ところで、静岡市の地形は平たんなので、自転車が乗りやすい。通勤に使っている人もとっても多くて、これも静岡市の特徴の一つなんですね。 -
静岡駅から北に向かって。
静岡市役所本館は、昭和9年に建築された鉄筋コンクリート造4階建て。上部に2層の塔屋を重ねた望楼。塔頂にドームをのせているのが大きな特徴です。前庭に大きな木があって、正面から見ないとこのドームは見えない。最初は斜めから見て気が付きませんでした。ご注意を! -
静岡市役所の向かい側が静岡県庁本庁舎。こちらはお堀の内側です。
ちょうど工事中で見えるのは玄関部分だけ。全体はよく分かりませんでしたが、玄関の屋根部分は赤いレンガのような意匠がちらり。完成したのは昭和12年ですから、市役所が出来た3年後のこと。戦争の時代です。 -
少し移動して。
静岡浅間通り商店街は、静岡浅間神社の門前。入口に赤い大鳥居が建っていて、そこから浅間神社までの間、数百メートル。全面がアーケードではありませんが、歩道には屋根も付いているので雨の日も安心です。お店の開くのは少し遅くて、朝8時だとパン屋さんくらいしか開いていませんでした。 -
そのパン屋さんがボンヌール。静岡浅間神社の門前商店街の中ほど。この商店街ではこの店が一番早く開店していますね。
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いただいたのは、紫芋を練り込んだソフト系のパン。この紫色の鮮やかな色合いとちょっと餡子みたいな甘さが混じって、味わいには変化もある。やっぱりこうした工夫があると楽しいです。
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静岡浅間神社の方に入って。
ここは賎機山の麓。そして、この賤機山は、静岡の地名の元になったと言うのですが、この賤機山の山頂に観音像があるというので、以前登ったことがあります。
ただ、これがものすごく遠い。かなり本格的な山登りになりました。太平洋戦争で亡くなった方への慰霊の意味のもののようですが、いずれにしても、かなりの覚悟を持って登らないといけません。
なお、この神社の立派な構えは、朝廷をはじめ、鎌倉将軍家、今川、武田、織田、豊臣、徳川など有力者の崇拝を受けてきた証。家康も14歳の時、ここで元服式を行っています。 -
ところで、静岡浅間神社は、神部神社、浅間神社、大歳御祖神社の三社からなっている神社。商店街からの正面に構えるこの建物は、大歳御祖神社です。
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赤い大きな神門と拝殿が目を引きますが、残念ながらこれは鉄筋コンクリート造り。戦後に再建されたものです。
お祭りしているのは、神大市比売(かむおおいちひめ)。スサノオノミコトの妻ともなった女神です。 -
ここから境内社をチェックしましょう。
八千戈神社は、徳川家康公の念持仏たる摩利支天を祀る神社で、入母屋造の銅瓦葺。まるで東照宮のコテコテデザインを想起させる豪華な意匠です。ここには立川流の彫刻というのがあるはずなんですが、それは塀に囲まれていてよく見えませんでした。 -
麓山神社は、八千戈神社の脇のこの急な石段を上って行った先。
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主神は、大山祇命。古来より、賤機山上に鎮座して、山宮と称せられた神社。彫刻、漆塗り極彩色もありますが、 八千戈神社を見てからだとむしろ地味に見えてしまうかもしれません。
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八千戈神社から麓山神社に向かう途中に、賤機山古墳というのもあります。ただ、途中から見える古墳は裏側なので、改めて、表の方にも回ってみました。石段を上った先にはまあるい円墳。入口が手前にぽっかり空いていて、紛れもない古墳の姿。傍らに内部の構造を示す模型もありました。
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戻って、改めて、中心部に進みます。
静岡浅間神社の見どころは、何んといっても、この楼門と大拝殿でしょう。
文化13年に竣工。二層の巨大な建物ですが、なんと総漆塗。また、水呑の龍、虎の子渡しなどの彫刻もありますが、境内を外の世界と隔離するかのような壮麗な構えがまずは独特の持ち味かなと思います。 -
楼門の外側にひそりとあるのは、叶馬。神社には神馬舎というのがあったりしますが、それに相当するものでしょう。中を覗くと、実物大の白馬の像。ギロリとした目でこちらを見ていました。この馬に祈れば願い事が叶うということのようです。
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楼門を入ると大拝殿。境内全体を睥睨するように建つ馬鹿でかい建物。江戸時代、文化11年(1818年)の竣工。
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浅間造という楼閣造の一種ですが、これに類する建物はほとんど記憶になくて、あまりにも個性的ですよね。高さ25mの大きさもすごいし、上部にこれだけ大きな構造をもう一段乗せるというのは、あえて言えば、名古屋市内に多くある帝冠様式の江戸時代版ということかもしれません。
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少彦名神社は、現在工事中でしたが、逆にそのため、後で資料館の方で蟇股に彫られた立川流干支彫刻を拝見することができました。
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玉鉾神社は、静岡浅間神社の境内社の中では一番簡素かも。大拝殿の裏側に祠のような建物があるだけで、至って地味な存在です。
羽倉東麿、岡部真渕、本居宣長、平田篤胤という国学の四大人を祀っていると聞いても、余計地味だなあというイメージが深まりました。 -
最後は、静岡市文化財資料館へ。先ほど触れた少彦名神社改修記念「かえるまた よみがえる」の企画展をやっていました。
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鮮やかな干支の彫刻は、写実的なようでいて、
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それでいて、神様にお仕えする敬虔な雰囲気も漂わせている。
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安土桃山の豪華な香りと似ていなくもないですが、もう少し落ち着いた印象なので、
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心静かに楽しめます。
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江戸時代の彫刻技術も安土桃山から静かな進化を遂げていたことを実感するような出来栄えでした。
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イチオシ
静岡にもいいものが残っているなと感じました。
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商店街の方に戻って。
山田長政屋敷跡は、商店街の中ほどにあるのですが、結局、ここというのは特定されていないよう。そういう意味では適当な場所に山田長政の胸像があって、それが屋敷跡を偲ぶ唯一のものとなっています。首からかかっている飾り物はタイ、アユタヤのものでしょうか。
それにしても、ここに山田長政が住んでいたというのは感慨深い。家康は鎖国の考えを持っていたわけではなく、むしろ、後朱印船貿易とかには積極的だったのが事実。それが今ではほとんど忘れられてしまっているのはちょっと残念なこと。鎖国は島原の乱に驚いた江戸幕府が過剰に反応しただけに過ぎません。 -
駿府城の方に戻って。
この駿府城公園の坤櫓は、駿府城の建物を復元したもの。お堀の角に建つ整った姿の櫓です。坤は、「ひつじさる」。方角を表していて、南西の方角。武器庫や物見として使用されたものです。駿府城の遺構はほとんどないので、かつての駿府城の威容を偲ぶためには貴重な建物となっています。 -
駿府城公園の東御門には高麗門と櫓門の二つの門があります。
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橋を渡ってすぐの門が高麗門なのですが、裏から見ると形式的には確かに高麗門の形式です。
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そして、これが奥の方の櫓門です。
高麗門と櫓門は、セットで城の防備である枡形を形成する役割を担っているもの。櫓門の方が圧倒的に頑丈ですが、こうして枡形になっていないと反撃はできない。二つ合わせてみるべき門だと思います。 -
城内に入って。
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徳川家康公之像は、駿府城公園の中央辺り。公園には徳川家康公之像の場所を示す標識があちこちにあるので、駿府城公園の重要な見どころの一つであることが分かります。像は鷹狩をする姿。ちょっと太り気味ですが、すっくと立って、まだまだ元気。若々しい匂いもあると思います。
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駿府城公園の家康公像の脇にあるのが家康公お手植えのミカンの木。金網で囲われていて大事にされているのですが、家康が植えたことでなにがすごいかというのは正直よくわからない。静岡でみかんを奨励したとかいうような小さな人物でもないし、ちょっと評価は不能です。
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駿府城からまた少し移動して。静岡市街の北東部へ。
清水山公園は、児童公園といった公園ですが、明治42年に開設されたというなかなかの歴史。平坦な市街地から歩くと、清水山を背景とした地形はここだけなので、それなりに注目されるエリアだったのかもしれません。 -
中腹に清水寺はありますが、奥に人工の滝もあったりして抹香臭い感じがないのもいいかなと思います。
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ところで、清水寺は、守護大名、今川氏9代氏輝の創建。徳川家康の庇護も受けていまして、駿府を領有して以降は度々ここを参拝し、自らの念持仏千手観音を奉納しているのだとか。
境内には「駿河路や はなたちばなも 茶のにおい」の芭蕉句碑。芭蕉は、東海道を旅する間にいくつかの俳句を詠んでいますが、この句は一番お茶の産地静岡の地ならでは。分かりやすい句だと思います。ただ、実際に読まれたのは島田宿。島田宿で足止めを4日もくってしまい、その間に詠まれたのではないかということです。 -
続いては、八幡山公園。
ここも平野部にポツンとある標高63mの丘陵地。神社の裏から細い道があって、そこから入ります。 -
山の上に向かって石段が続いて、登りはじめるとどんどん視界が開けてくる。といっても市街地が見えるだけなので、そこはそれなりです。
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ここから、今日の大きなお楽しみ。石橋うなぎ店へ。
こちらは、メニューが昼も夜も一つしかない。3900円のうなぎ定食です。 -
待つことしばし。
ほー。まるまると太ったうなぎは、すごい迫力ですねえ。それを一本。皿からはみ出しているのも全然構わず、ドーンと出してきて。ちょっとびっくりしてしまいました。 -
イチオシ
しっかり焼いてありますが、これだけ太いうなぎなので、脂の乗りは半端ではない。香ばしいけどむっちりした味わいに仕上がっています。頭も焼いてあるのが付いていて、その頭にも脂が乗っていてこれも意外にトロトロ。頭がこんなにうまいことは初めて知りました。
これまでの私の経験では、うなぎ屋さんというのは焼き方やタレの合わせ方など調理の仕方で個性が出るように思ってきましたが、ここは、むしろ、この素材であるうなぎ自体の良さで勝負するような感じ。聞けば元は大井川のほとり吉田でうなぎの養殖をしていたのだとか。うなぎそのものに、より目が向いているのは当然なのかもしれません。店内のレトロな渋さもなかなかいいし、確かに静岡市を代表する名店だと思います。 -
元気が出たところで、これは長年の課題。あの有名な登呂遺跡に向かいます。
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遺跡は、弥生時代の集落。こうした遺跡は全国にいくつかあるのですが、ここは教科書にも紹介されているし、知名度としてはやっぱり抜群でしょう。
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ただ、広さは意外にもほどほど。竪穴式住居が少し建っていて、広場では子供たちが楽しく遊べそうな雰囲気。この日も見学に来ていた子供たちが広場の方でお弁当を食べていました。
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こちらは、登呂遺跡に隣接して建つ静岡市立登呂博物館です。
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豊富な出土品を美しく展示しているのもいいですが、
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私が驚いたのはその解説の内容。
一つは、日本の稲作は九州から広がったルートと九州から青森に伝播してそこから南に向けて広がったコースの二つがあり、静岡の辺りは最後に伝播した地域であること。 -
もう一つは、稲作は総合的な文化。稲作の道具は木製の道具が多いですが、その木製の道具は鉄器で作られた。したがって、鉄器を作る技術も備わった総合的な文化が稲作文化だということ。
これは、いろんな意味で、これまでのイメージを覆されたような感じ。素晴らしいですねえ。解説の深い意味をよく味わってほしいと思います。 -
静満は、静岡駅に帰る途中。大通り沿いの小さな和菓子屋さんです。
老舗のようなそうでもないような、ごく普通のお店。どらやきをいただきまして、これも悪くはないんですが、やっぱり可もなく不可もなくの味わい。まあ、普通のお店です。 -
自転車を返して、静岡駅の周辺をもう少しうろうろ。
静岡駅の南側に建つサウスポット静岡です。 -
上階に静岡ホビースクエアというのがありまして。
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これも静岡の自慢の一つなんだそう。
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木材加工が盛んだった静岡の伝統を引き継ぎ、戦前の木製模型時代から始まって、いわゆる現代のプラモデルまで。静岡の模型は半世紀以上の歴史があるのだそうです。
なお、木材加工はさらに遡れば、浅間神社の造営で全国から腕のいい職人が集められたこと。意外に知られていないことだとは思います。 -
今夜の宿は、中島屋グランドホテル。駅からも近いし、繁華街にも近い。とにかく便利な場所です。
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ロビーや部屋などは当然申し分ないのですが、ビュッフェ形式の朝食もとってもおいしい。自慢の四川料理のお粥とかお代わりしたくなる。もうちょっと時間に余裕を持って朝食を楽しむべきだったかなと少し後悔しました。
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さて、翌日二日目も早朝の市街散策からです。
江戸城の無血開城をした西郷隆盛ですが、勝海舟との交渉の前には、さらにいくつかの交渉があって、その一つがここ。勝海舟の名代、山岡鉄舟との会見です。伝馬町通りの途中に、二人の顔のレリーフをはめ込んだ碑が建っています。静岡市指定史跡ともありました。 -
静岡駅の北側広場にある竹千代君像。徳川家康が今川氏の人質となっていた時代を偲ぶ像です。家康は岡崎を離れてこの地にやってくるのですが、実はその前には、今川への護送役だった田原城主、戸田宗光にさらわれて、敵方だった織田信秀に売り飛ばされる。その後、人質交換によって今川氏のもとにやってくる。しかし、織田方にさらわれたことで信長と面識ができるという数奇なおまけまで付いたりと、
苦労を重ねた幼少期を過ごした家康。
天下人になるのはまだまだ遙か先のことですが、それでも、表情は意志の強さを表しているような。静岡市民にとっても誇りとなる像の一つでしょう。 -
徳川家康の像は駿府城公園にもありますが、これは静岡駅の北口広場にある像。少し年齢を重ねた風の家康が采配を振るっている姿。この年で采配を振るった戦いだと関ヶ原の戦いではなくて、大阪の陣でしょうか。よく分かりませんが、対信玄は別として、野戦にはめっぽう強かった家康の気概が現れているように感じます。
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その背後に建つのは葵タワー。高くて目立つので静岡市のランドマークの一つでしょう。静岡駅から市街中心部に向かう地下道でも、葵タワーの標識があるし、場所を確認する時にはここを知っていると安心です。
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小梳神社は、家康が人質として今川義元に対面する前にこの神社に立ち寄り、武運長久を祈願したとされる神社。「オグシジンジャ」。ちょっと読めませんね。
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神社は静岡市街の一番賑やかな場所に突然現れるという感じなのですが、境内は十分な広さもあるし、外とは切り離された清々しい雰囲気がある。朝とか通りかかった人が参拝に寄ったりしていて、地元ではしっかり根付いた神社だということがよく分かりました。
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青葉シンボルロードは、呉服町通りから常盤公園に向かって、まっすぐに伸びる道。街のメインストリートというわけではありませんが、しっかり道幅もあって、シンボルロードという名前はその通りです。観光的には昼間よりも夜でしょうか。冬のイルミネーションとかが美しいです。青葉シンボルロードの青葉緑地を早朝歩いてみました。繁華街の真ん中を通る通りは夜とか多くの人で賑わっていたはずなんですが、ゴミとかほとんどなくて、清潔さがちゃんと保たれています。イルミネーションの装飾でごちゃごちゃした感じがないこともないですが、この清潔感は静岡市のイメージを高めているように感じました。
以上で、早朝の散策はおしまい。 -
イチオシ
ここから、静岡市の近郊を回ります。
まずやってきたのは、由比本陣公園。
ちなみに、由比宿は、東海道では日本橋、品川と数えて十六番目の宿場。由比では、本陣一軒と脇本陣一軒、旅篭屋が三十二軒あったと伝えられます。 -
由比本陣公園は、その本陣屋敷を整備して公園にしたもので、園内にある東海道広重美術館が目玉。
私は、ここは二回目ですが、改めて広重の東海道五十三次の浮世絵を拝見。いつ見ても旅心をくすぐられる作品。当時の人にとっても衝撃的なインパクトがあったことは容易に想像できることですね。
コレクションは、ほか江戸の名所絵図も秀逸。江戸が清潔で美しい街であったことを伝える意味もあるかと思います。 -
なお、静岡市東海道広重美術館の隣に、美術館の付属建物のように御幸亭という日本家屋がありまして。
ここで明治天皇が三度もご小休されたということ。それを記念館として復元、保存しているようです。戊辰戦争では、徳川は朝敵となったのですが、その悔しい思いを少しは癒してくれればということかもしれません。座敷の前の庭園がこじんまりしていますが見事です。 -
で、これは向かいにある江戸時代から18代も続く、今も現役の染め物屋。由比正雪の生家です。
不定休ですが、開いていれば、季節を題材にした手拭やハンカチ、手作りのバッグなどが求められます。 -
店頭の脇には、染料の藍を蓄える大きな釜のような穴がいくつもあって、これも見どころ。
ちなみに、由比正雪は、「由比正雪の乱」の首謀者。近くのおもしろ宿場館で詳しい解説があり、家光の時代までの強力な武断政治は容赦のない改易を行うことで、浪人が大量に発生する。その浪人の不満が爆発したものですが、この結果、文治政治に転換するきっかけともなったという事件です。しかし、形的には反逆者でもあり、地元の人にとっては英雄とも言い切れない。微妙な存在ではあると思います。 -
清水銀行由比支店本町特別出張所は、本陣公園から歩いてすぐ。元々は大正14年に建てられた庚子銀行の本店社屋。ちなみに、庚子銀行は合併によって清水銀行となりました。
建物は、前面に4本のイオニア式の柱を持つ意匠ですが、印象としては平面的だし豪華という感じはしないでしょう。なんとか洋風の基本を押さえようとしたという程度かなと思います。 -
松風堂は、由比本陣公園の並びにあるお菓子屋さん。由比正雪に因んだ正雪最中をいただきました。
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すっきりしたストレートな甘さの餡子が小気味いい味わい。菊の形は尊王を表しているんでしょうか。
一方で。由比正雪に話を向けると。。女将さんは正雪がどういう歴史的な意味がある人物なのかはよくわからないのだとか。「しかし、地元で有名なのはやっぱり正雪でしょう」とおっしゃっていたのが、先ほど触れた微妙なところをついていて、ちょっと面白いと思いました。 -
由比本陣公園からエスパルスドリームプラザへ移動して。
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ちびまる子ちゃんランドを覗いてみます。
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イチオシ
ちびまる子ちゃんの地元は清水だけに、清水では自分と同じアイデンティティを感じるファンが多いのは当然として、
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これだけ全国区になると私も含めて、ちびまる子に登場する様々なキャラクターはたぶんそれぞれが自分の家族や人生とも重ね合わせて思いを馳せられる存在になっているのでしょう。
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人形とか絵とかとりわけすごいというほどの展示物ではありませんが、その力を余分に込めていないほのぼの感がまたいいのかもしれません。
悪くない施設です。 -
裏手に出ると、正面にはヨットハーバー。遠くには巨大な豪華客船も停泊しているのですが、わかりますか?
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イチオシ
で、こちらは清水港テルファー。
テルファーというのは荷物を吊り上げて水平レールに沿って移動させるクレーンの一種。このテルファーは昭和3年に完成したもので、日本では唯一現存するものだとか。そう言う意味では歴史遺産なのですが、まるで公園のためにデザインされたモニュメントのよう。力強さと美しさがあると思います。 -
エスパルスドリームプラザから、三保の松原へ。
駐車場から海岸へは少し距離があって、羽衣の松に向かうこの神の道を通って行くことになります。
松の並木の中央に整備された木製の遊歩道は松の根を傷めないようにという配慮だと思いますが、気持ちよく歩けるし、それがいい感じの景色になっています。
松は樹齢200~400年ということですが、ただ、そこまで大きいという感じはないように思います。 -
神の道を抜けて、この丘を越えれば美保の松原です。
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有名なのは羽衣の松なんですが、それ以上に見ごたえがあるのは、一帯の松林。
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イチオシ
強い海からの風を受けて、倒れそうになりながらもしっかりと身を伏せ、いっぱいに枝を伸ばして成長した松の大木。すばらしい生命力を感じる光景です。
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で、これが羽衣の松。その枝に天女が羽衣をかけたという羽衣伝説の松で、当然、三保の松原では一番有名だと思いますが、この松だけではなくて、エリア全体として味わうのが正しいと思います。
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羽衣の松のすぐそばにある小さな神社が羽車神社。砂浜の中に建っているので、何かあったら埋もれてしまうのではないかと心配になるような場所です。
御穂神社と同様に羽衣伝説に因んだ神社だと思いますが、地味だし、気が付かない人もけっこう多いかもしれません。 -
イチオシ
三保松原は、平安時代から親しまれている三保半島の南側に広がる景勝地。羽衣の末から海側に進むと、そこが三保松原の定番ポイントです。
砂浜は総延長7キロメートル。日本新三景や日本三大松原、日本の白砂青松100選にも指定されているらしいのですが、羽衣伝説の舞台でもあったり、ここの位置づけはやはり別格だと思います。 -
神の道の方に戻って。みほナビは、バラック建ての観光案内所。清水灯台までの道をここで聞いて清水灯台に向かいました。
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海沿いの道をひたすら清水灯台へ。
みほナビでは貸自転車もやっているようでしたが、貸自転車だとどの辺りまで行けるのかも聞いておけばよかったかなと思いました。 -
イチオシ
距離はありましたが、途中にはこんな絶景も。羽衣の松からの眺めより、視界が広い分、こっちの方が感動がありますね。
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しかし、それにしても清水灯台遠いですね。
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やっとのことで、清水灯台に到着。三保の松原から20分はかかったと思います。真っ白な灯台はちょっと小さめですが、これは日本初の鉄筋コンクリート造りの灯台という歴史的なもの。平成24年に100周年を迎えたようです。なお、富士山とのコラボの写真が撮りたかったのですが、そのような立地ではありません。
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三保の松原から、今度は日本平ホテルへ。ここでランチをいただきます。
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ホテルに入った途端、正面にはこんな絶景。
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な、な、な。なんですかあ。
まだこんな絶景が待っていたとは。。 -
つまり、このホテルは清水港から富士山を一望できる芝生の庭が一番の見どころ。華麗なる一族のロケでも使われ、神戸港を見下ろす華麗なる一族のお屋敷の庭として使われたのだそうです。さっそく庭の方に出て、その素晴らしさを改めて確認です。
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イチオシ
いずれにしても、日本平に来てこの眺めを見ないでは話にならない。
初めて聞きましたが、清水港は日本三大美港の一つだそう。清水湾と富士山を組み合わせた景色はこれ以上のものはないくらい。富士のすそ野の稜線が緩やかに湾の方に下っていく。湾の青さも深いし、富士山は山梨か静岡かという論争がありますが、この景色を見ると静岡に軍配を上げざるを得ないというのが実感です。 -
日本平ホテルのカフェ兼レストランがザ・テラス。ここでランチをいただきます。
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そして、ここは先ほどの全面ガラスのスペースですよ~
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さて、肉か魚のメインディッシュを選ぶと、あとはバイキング。
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鶏を選んで、
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当然、デザートも充実していて、さすが一流ホテルのスイーツ。どれも洗練された味わいです。ロケーションも最高だし、すべてが揃ったレストランでした。
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ここで、ホテル周辺も少しチェック。
ホテルからは少し離れた場所になりますが、日本平デジタルタワーは、日本平の山頂に建つテレビ塔。日本平は標高307m。けっして高い山ではありませんが、清水の辺りではここがポツンと高い山なので、どこからでもよく確認できる。テレビ塔の設置場所としては最適でしょう。逆に、遠くから見た時に塔が建っているのは、あれが日本平だなと確認できる目印にもなっていると思います。 -
そして、日本平の山頂にはいくつか見どころはあるのでしょうが、見落としがちなのがこの日本武尊の銅像でしょう。ちょっと寂しい場所にありますが、日本平の名前はこの日本武尊ですから、ここにこの像が立っているのはもっともなこと。しかし、日本平の名前が当たり前になりすぎていて、その由来がイマイチ浸透していないことが残念に思います。
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帰り道は日本平パークウェイ。清水側から上る道とその反対側と二つのルートがあります。
ところで、この辺りは地元の人が霜も見たことがないという温暖な気候。なので、途中の紅葉がどうかということなんですが、まあまあ。これが紅葉の一番盛りだという時期でしたが、黄色に色づいて。さすがに鮮やかさではイマイチですが、これはこれで見れなくはない色合いかなと思いました。 -
バスは静岡駅で下車。ここから、列車で興津に移動します。
御菓子司 名物屋は、興津駅前すぐ。自分で名物っていうかなあとか思いつつ、店内へ。いろんなお菓子が並んでいますが、どれがお勧めなんだかもよく分からない。適当に栗饅頭をいただきましたが、この白餡のすっきりした仕上がり。なかなかいいじゃないですか。始めは捉えどころのない店だと思いましたが、基本はしっかりしています。悪くないです。 -
ついでにもう少しスイーツチェック。宿場町には旅人を癒す隠れたスイーツがあるものなんですよね。
松栄堂菓子店も興津駅前すぐ。 -
鮎最中というのが看板商品です。なんで鮎かというと、興津川は鮎の解禁が県内では一番早いのだとか。海に近くても山の幸のあるよということのようです。最中は鮎の形。それはいいんですが、餡子の味わいは今の基準で言えば、ちょっとぼんやりしているような。昔からの味を守り続けているのかもしれません。
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ふなじ うしほ屋菓子店は、興津駅から清見寺の反対の方向の住宅地の中なので、観光客にはちょっと縁遠いエリアかも。ただ、構えはそこそこ老舗の雰囲気がありますね。ちいちい餅をいただきたかったのですが、これはあいにく売り切れ。ふと目に止まった葛湯をいただきました。素直で事前な味わい。子供の頃、病気の時に食べた片栗粉を思い出しました。
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荻野商店は、興津駅からすぐ。
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基本はお茶屋さんだと思いますが、抹茶のソフトクリームが有名です。ただ、この日はソフトクリームはやっていなくて、アイスの方をいただきました。抹茶の香りはするのですが、それ以上にジャリジャリとした食感。聞くとお茶の粉末をいれているそう。ほー、そこまでやっちゃいましたか。静岡ならではの強烈な抹茶アイスだと思います。
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ここからは、興津のマイナースポットです。
龍興寺は、曹洞宗の寺。百地蔵の第八三番延命地蔵尊ということですが、百地蔵というのはよく分かりません。
旧東海道から入り口があって、入ると小さな境内ですが、ぶっとい松の大木。建物に覆いかぶさるように生えていて、それくらいが見どころかなと思います。 -
理源寺もその並びで日蓮宗の寺。旧東海道からちょっとした参道があって、正面に山門。
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境内には日蓮上人の銅像が建っていますが、その辺りがイチョウなどの紅葉スポット。夕日に照らされて、いい眺めになっていました。穏やかな雰囲気のあるお寺です。
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そして、今回、意外な掘り出し物がこちら。
一碧楼 水口屋ギャラリーは、かつて名旅館だったという一碧楼の華やかなりし頃の遺品を展示するギャラリー。 -
西園寺公望が坐漁荘を建てたのも、ここに宿泊して興津のよさに感銘したたため。西園寺公望が興津に住み始めると西園寺公望に会うための客がここで待機したということです。
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ということで、興津坐漁荘もいいですが、より生々しいのはこちらの展示でしょう。
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ほか、天皇がご使用になったという食器なども宮内省からの注文で抑えたデザインにしたというもの。じっくり見るといろんなものが味わい深いです。
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女性の方が少し説明を加えてくれるのも、ありがたいでしょう。
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さて、茶楽は旧東海道沿いの甘味処。抹茶しるこという看板が気になって入ってみました。
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イチオシ
店内はこじんまりはしていますが、ほどよい広さの落ち着いた空間。そこに落ち着いて。さて、抹茶しるこの方は、なるほど、これはあり。抹茶の味わいもおしるこの味わいも両方成り立っていて、不思議なおいしさ。
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ご主人から静岡のお茶のあれこれも伺って、楽しい時間を過ごしました。アットホームなところもあるし、なかなかいいお店です。
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これは清見寺。興津では一番メジャーな観光スポットと言ってもいいでしょう。
奈良時代を創建とする古刹。その後、足利尊氏や今川義元の帰依を受けて繁栄します。その頃に、徳川家康が今川氏に人質となっていまして、本堂の裏手には、家康が住職に師事し勉強していた手習いの部屋が残されていました。江戸時代には朝鮮通信使や琉球使の接待が行われた場所でもあり、海を見下ろす眺めの良いことでも知られていました。現在でも眺めの良い部屋があって、見学コースになっています。
なお、五百羅漢も有名。島崎藤村の自伝小説「桜の実の熟する時」にはこの羅漢を見て思うシーンがあるようです。 -
瑞雲院は、清見寺の隣りにあるお寺。白い漆喰の塀に囲まれた寺です。
境内奥に仏堂があって、花頭窓の迫力ある造り。お昼であれば、内部の仏様も拝見することができたのではないかと思います。 -
一方で、日暮れから見える市街の夜景が素晴らしい。清見寺と並んでいるので当然ですが、眺めのよさも見どころです。
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大正天皇在東宮海水浴御成道碑は、清見寺から清水清見潟公園に向かう途中。
まだ皇太子だった時の大正天皇が海水浴に来られたことを記念するもの。皇室から海水浴に来られるほどの海水浴のメッカだった興津。今では想像がつかない時代です。 -
清水清見潟公園は、かつては干潟の海岸だった場所を埋め立てた公園なのですが、海側には高速道路が走っていて海は見えないし、普通の都市公園みたいな感じ。興津が海水浴客で賑わっていた遠い時代の記憶を微かにとどめる公園です。
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耀海寺は、興津の市街。線路を越えた北側で踏切を越えたすぐのところが入口です。
日蓮宗の寺で室町時代の創建。その後の歴史もこまごまと説明板には書かれていましたが、本堂は鉄筋コンクリート造りの都会的なデザインだし、風情という意味では今一つかなと思います。 -
日が暮れたところで静岡市に戻って来まして。
海ぼうず本店は、静岡おでんの人気店。訪ねるとテイクアウトもやっていて、それを利用しました。 -
出汁もけっこうたっぷり入れてくれて、なかなか親切。宿に帰っていただきましたが、ただ、ちょっと味付けは濃いめかも。基本は居酒屋なので、そこは致し方ないのかなと思います。
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今夜の宿は三喜旅館。静岡駅の南側で、周辺にはいくつかホテルもあるし、静かなエリアです。昔ながらの旅館といった感じ。御主人が一生懸命やっているといった感じも伝わってくるような。風呂とか慣れないとちょっと面倒くさく感じる人もいるかもしれませんが、ビジネスホテルの湯舟と違って大きいし、こっちの方が体は十分に暖まると思います。
さっきのおでんを食べて、明日に備えました。明日は御前崎の予定です。
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この旅行記へのコメント (2)
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- Antonioさん 2023/06/04 21:32:54
- 石橋うなぎ店
- こんばんは。日帰りで静岡まで行ってきましたが、石橋うなぎ店で夕食を食べました。うな丼ではなく、定食スタイルでユニークでしたが、うなぎの脂身を残して焼いているので好みで分れるだろうと思いました。東京の鰻重は大抵鰻の脂を完全に落とすまで蒸していることが多く、こちらを好む人にはこのお店は合わないかもしれませんが、私はおいしくいただくことが出来ました。再訪したい味ですね。
- たびたびさん からの返信 2023/06/06 09:56:45
- RE: 石橋うなぎ店
- うなぎは全国でたぶん50軒くらいかな。あちこちで食べましたが、静岡もいい店が多いですね。ただ、そうはいっても結局は蓬莱軒を筆頭に名古屋の方がレベルは高いような気がします。やっぱり競争が違いますからね。ちなみに、私は関東の蒸しがきついのはあんまり好きじゃないので、九州も外せない。ということで、私のナンバーワンは、佐賀の峰松うなぎ屋。これはダントツです。
まあ、そんなこんなで、一時はうまいうなぎ屋を探していた時期があるんですが、ある時、庄川の鮎に出会ってまさに衝撃を受けまして。それまでうなぎに夢中になっていたのが馬鹿みたいに思いました。うなぎのことでそんなことを思い出した次第です。
たびたび
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