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今回の旅行は台風に当たってしまい、いくつかの想定外のことがあった。でもそういう想定外のことが起きることも含めて、結果的には面白い旅だったかもしれない。<br /><br />これまでに旅したところは、北陸地方は能登から金沢まで。一方、近畿中国地方は下関から京都まで。さらに名古屋からは岐阜と関ヶ原までしか行っていない。その3方に囲まれた琵琶湖周辺は一度も行ったことがなかったので、飛行機で小松へ行き、福井県で東尋坊や松島海岸を見て三方五湖で泊り、そこから琵琶湖を周回する形で、長浜、佐和山、安土と信長・秀吉時代の城址を巡り雄琴温泉泊。そこから比叡山に登って延暦寺を参拝、最後は京都駅から新幹線で帰ってくる、という計画を立てた。11月になれば比叡山の紅葉が綺麗なのは分かっていたが、それだけ混雑もするので、10月末に行くことにした。<br />ところが、その選択が良かったのか悪かったのか、丁度台風21号の上陸と重なってしまったのだ。<br /><br />出発前の10月19日頃から台風21号が発生し、本土上陸のコースを取っていた。この時期に台風が本土上陸となれば40数年ぶりとなります、みたいなことを天気予報では言っていた。<br />旅行直前の22日の日曜日は衆議院選挙だったが、投票に行くときは台風の影響で風雨が結構強かった。結局台風は旅行日程そのものには当たらずに、22日の深夜から23日に掛けて本土を縦断していった。23日の朝、ANAのインターネットを見ると23日の飛行機はほとんど欠航しているが、24日は通常運航の見込み、となっている。これで予定通りに行けるナ、と一安心。ところがその直後、三方五湖で宿泊を予定していた「岡三屋 彩かさね」という宿から電話があって、周辺道路が水に浸かり宿まで到着できない、とのこと。宿泊はもう1日先だが、復旧はできないと思うので他の宿を探してください、とのことだった。それから急いで他のホテルを探すことにする。三方五湖から近くに余呉湖があり、それを過ぎたあたりに奥琵琶湖温泉というのがある。ジャランでそこを開いて、1軒目から電話で確認すると、2件目に尾上温泉「紅鮎」という宿を確保することができた。最初に電話したのは想古亭げんない、というところだったが、ここが取れずに紅鮎が取れた。あとで調べてみると、げんないの方は値段は安いがクチコミ評価は3.7だったのに対し、紅鮎はクチコミ評価が4.7もあった。たしかに接客も良かったし部屋も洒落ていた。やっぱり折角の旅行なのだから、多少金額が高くてもサービスが良くて個室露天が付いた方が良い。偶然だったが、こういう良い宿が取れて良かった。<br /><br />23日は羽田に前泊。今回もエクセルホテル東急が取れた。夕食は横浜高島屋のローズダイニングで済ませて行った。高島屋の催し物場では北海道展をやっていて買いたいものもあったがさすがに旅行初日では無理。羽田に到着後は寝るだけだが、飛行場の滑走路が良く見える部屋だったので少し飛行機を眺めていた。<br />24日は8時35分発のANA751便小松行きなので、ホテルで朝食を取ってから搭乗手続き。それでも出発ロビーで時間があるのでANAのプレミアムラウンジでお茶を飲んで過ごす。朝1番の小松行きは満席だった。やはり昨日の欠航が影響しているのだろう。それでも小松へは上昇したらすぐ下降する感じで1時間も掛からない。空港でトヨタレンタを借りて出発。まずは越前海岸と東尋坊へ。今はどこも高速道路が通じているから北陸道経由。目的地に近い加賀インターはすぐ先だった。ここからは一般道を行く。北潟湖を左に見てあわら市へ入って行く。あわら市というのは芦原温泉や三国温泉がある湯の街だ。東尋坊は昔、会社に慰安旅行というのがあった頃、永平寺と合わせて来たことがあったと思うが、あまり覚えていない。その東尋坊には11時に到着。駐車場はどこもお店の駐車場のようになっていた。お店を抜けて海岸へ。全景を見回したあと岩場の海岸へ。2時間ドラマのクライマックスに使われるような岩場の先端へ行って写真を撮った。駐車場に戻ればちょうどお昼どき。しかもお店で貝などを焼いていれば良いにおいがするので食べたくなる。ここで軽い食事を済ませておく。東尋坊から越前松島に戻るがちょっと立ち寄っただけで先を急ぐ。最初に計画した三方五湖なら時間の計画も立てていたが、急遽変更となった奥琵琶湖温泉まで、どのくらいの時間で行けるのか見当が付かないからだ。カーナビには到着予定時間が出ているのだが、三方五湖も行けるところまで行ってみたいと思っていたので、少し先を急いだ。<br />北陸道に戻って福井も武生も素通り。敦賀のジャンクションで若狭道の方へ入る。ここからは片側1車線しかない。トンネルがいくつか続くが、そう時間が掛からずに若狭三方というインターに着く。ここから三方五湖レインボーラインに向かう。レインボーラインの入り口には料金所があるので、そこのオジサンに聞くと展望台までは行かれるそうだ。でも、その先は冠水していて通行止めになっている、とのこと。レインボーラインには景色の良いところもあったが展望台まで登る。展望台の頂上にはバス1台と何台かの車が止まっていた。ここにはリフトがあって頂上まで行くことができる。駐車場がそんな状態だからリフトも混むこともなくすぐに頂上へ。天気は台風一過の晴天、というほどではないが、一応対岸まで見える。集落がいくつか見えるが、そこの周囲の道路は水に沈んでいるように見える。今晩、予約しておいた宿も、あの中のどこかなのだろう。そういう状況なので風景を見ること以外は何もできず、早々に車に戻る。それでも海に囲まれた三方五湖というのを初めて訪問して満足した。<br />それにしても自宅近くで直接の被害がないと忘れてしまいがちだが、台風21号の雨が、このあたりに大きな被害を与えているなんて知らなかった。<br />ここから再び若狭自動車道を戻る。敦賀から北陸自動車道に合流し、カーナビは木之本インターで降りるように指示している。<br />木之本というところは賤ヶ岳の合戦(羽柴秀吉と柴田勝家の戦い)の舞台になったところなので地名だけは知っている。ここで降りるともう宿まで近いことも分かった。余呉湖というのも来たことがないのでちょっと寄り道。余呉湖のすぐ脇を北陸本線が通っているが、その線路の近くに賤ヶ岳の合戦の大きな案内図があった。余呉湖の周辺は芝生だが、ここもかなり水に浸かっていた。<br />ここから琵琶湖の湖畔に出て、湖畔沿いの道を走ると右側に「紅鮎」という宿が出てくる。部屋数は12室で3階建ての宿だが周辺には何もないので大きく感じる。部屋は1階だったが、広い和室と次の間が付いて個室露天風呂もある。露天風呂からは琵琶湖が正面に見えるが1階の部屋は下の遊歩道から見えてしまうかもしれないのでブラインドも付いている。でも実際には1泊2日の間に遊歩道を歩いている人はほとんどいなかった。大浴場もあり、男は2階、女性用は3階だった。大浴場にも行ってみたがガラ空きでここにも露天風呂があった。冷蔵庫にはいろいろ入っていて、中の物は飲み放題ということだったが、そうそう飲めるものでもない。でも、湯上りのビールは美味しかった。<br />夕食は食事どころへ行く。この宿の食事どころは個室タイプなので誰にも気兼ねなくゆっくりと食べることができた。その食事がまた、小さな器に細かな料理が丁寧に作られていて、食べるのが勿体ないほどだった。<br />マツタケの土瓶蒸しはフタを取ると良い香りがして、マツタケが安物でないことが分かる。近江牛も量は多くなかったが柔らかくてとても美味しかった。鰤味噌も美味しかったし、添えられた稲穂まで食べられるように作られていた。ご飯に添えられた香の物も美味しかったし、デザートで出た紫芋のムースは竹の器に入っていた。これらを配膳してくれる人が一品一品説明してくれるし、運んできてくれるタイミングも絶妙なので、京都の高級割烹で食べているような感じになる。でも旅館の中では浴衣でも作務衣でも何でも良いので京都の料亭よりはとっても気楽だった。<br /><br />次の日は琵琶湖周遊。宿を出てから湖畔沿いを走って長浜へ。ここは秀吉が城を築いた城下町だ。再建された長浜城へ最初に行く。城の中は大したものはなかった。折角の由緒ある町なのだから、もっと秀吉関連のものを集めれば良いのに。この城は湖畔に面していて湖まで行くことができる。湖面も台風の大雨の影響で結構増水していて、井戸の跡や史跡は半分水の中だった。竹生島へ行きたいという話もあったが、舟で行ったら上陸観光を含めて90分も掛かる。ほかにも行きたいところがたくさんあるので船への乗船はやめた。その代わりに長浜の市内にある黒壁スクエアへ行く。近くの駐車場に止めて歩くと、昔ながらの商店が昔ながらの外観を保ちながら商売をしている。函館の金森倉庫や高山の三之町みたいな感じ。ガラス工房なんかがあるから余計、函館を連想させた。ここをぶらついているうちに11時を過ぎたのでお蕎麦屋さんで早めの昼食。入口は黒壁スクエアに面していて狭かったけど、中は広くてきれいに改装されていた。<br />長浜から今度は彦根城に行く。本当は佐和山城へ行きたかったのだが、佐和山城は破棄されて彦根城ができたので仕方がない。秀吉が長浜城にいた頃は佐和山城に丹羽長秀がいたのだ。そして安土城に織田信長。琵琶湖へ来たらこういった城は全部回ってみたかった。彦根は戦国時代にはなかった城だが、大河ドラマで有名になってしまったので観光客も多い。僕たちも行ってみたが坂や階段が多くて大変だった。城の中の階段が急すぎて手摺りがなかったら危険なほどだった。それでも彦根城の方が長浜よりも見るものが多い。まるで京都の豊国神社みたいに、徳川幕府(彦根城)に虐げられた豊富政権(長浜城)を見ているみたいだった。彦根城の庭園にはゆるキャラの「ひこニャン」が展示されている。午後2時とか決まった時間にはひこニャンの着ぐるみも出てくるそうだ。<br />彦根から安土を目指す。安土は城もなく土塁しか残っていないが、一応、織田信長の本拠だった場所がどんなところか見てみたかったのだ。観音寺山の山続きで安土山があり、その麓に城址がある。もっと湖畔にあるかと思っていたが、意外と内陸だった。それでもすぐそばに西の湖というのがあり、昔はこの湖も琵琶湖の一部だったらしいので、安土城は湖畔に建つ城だったのかもしれない。土塁は階段でずっと上まで続いている。<br />ここからは今日の宿に向かう。時間がまだ早いか、と思ったが、琵琶湖大橋を渡ってから雄琴温泉までの短い距離が、ものすごく混んでいたので結果的にちょうど良かった。<br />雄琴温泉の宿は「びわこ緑水亭」。ここは道路沿いにある大きな温泉宿だった。ここの泊りは「万葉」という露天風呂つきのタイプ。2階の部屋だが、琵琶湖を見ながらお風呂に入れる。「万葉」というタイプの部屋は食事が部屋出しということになっているので調理場から近い1階と2階にしかない。大浴場もあるが、別棟なので少し歩く。大きな旅館なので、さすがに大浴場は貸し切り状態にはならなかった。チェックインから夕食まで同じ仲居さんなので気を使わずに済んだ。ここの夕食は取り立てて書くほどのものはない。マツタケの土瓶蒸しも近江牛も出たが、昨日の紅鮎の方がつくりが丁寧。やはり部屋数が多いとそこまでの細かい配慮はできないのだろう。<br /><br />翌日は比叡山へ登る。雄琴温泉から大津バイパスを通って比叡山ドライブウエイへ。ここは観光地らしく、カーナビがなくても道路標識が整備されている。ドライブウエイは混んではいないが、観光バスの後ろに付いて登っていった。途中、琵琶湖の景色が良いところもあったが山頂まで行く。この日は東塔の第一駐車場もガラ空きだった。広い境内を歩くが、国宝殿、大講堂、鐘楼と回って根本中堂へ。でも根本中堂は修理中で外観は工事の柵がしてあった。それでも中は修行の場になっていて読経もしていた。その後ろの通路から、観光客も内部見学はできる。大講堂にはウチの宗派、曹洞宗を開山した道元禅師の画像も飾ってあって、さすがに宗派を超えた総本山ということを実感した。東塔では根本中堂のところの紅葉がちょっと色づいていたが、さすがに紅葉はまだ早かった。それでも西塔の近くで綺麗な紅葉があったので写真に撮った。仏教のどこかの宗派に熱心な人であれば、いろいろと感激して見て回ることも多いのだろうけど、僕のように不勉強な人間には観光ルートでしかない。苔寺で写経をした時の方が、まだ静謐な気持ちになっていたと思う。<br />比叡山からは大原の三千院を目指す。琵琶湖側から見れば大原は比叡山のすぐ裏なので、もっと近道があるかと思ったが、結局比叡山ドライブウエイを降りて琵琶湖大橋から続いている477号線に出て、「途中越」という変わった地名のところを抜けて大原へ行く。道路は空いていたので快適なドライブだったが途中には何もない田舎道だった。三千院には大阪万博の時に来ただけなので50年近く昔のことだ。駐車場は参道の入り口なので、そこから川沿いに参道を登る。小さな商店が漬物やアクセサリーなどいろんなものを売っていた。吉野山の桜を見に行った時もこんな感じだった。駐車場はガラ空きだったのに、この参道はかなりの人が歩いている。三千院門前のお蕎麦屋さんなんかも結構人が入っていた。三千院の境内は広くて通路に迷うほどだったが、途中では無料のお茶をご馳走になった。境内が広いだけに、苔寺のような場所もあれば東寺のような明るい場所もあって、キチンと見て回ればかなりの時間がかかる。三千院を出たところのお蕎麦屋さんが空いていたので昼食にした。せっかく大原へ来たので寂光院へも行きたかったが歳をとったせいか、そこまでガツガツと回りたくなかったし、早く休めるところに行きたい、というのもあって京都に戻ることにする。それでも時間があるので銀閣寺や平安神宮などを車で回って京都駅へ向かう。銀閣寺や平安神宮などは徒歩で何回か歩いているので、車でもある程度の道の目安がついた。京都駅のトヨタレンタに車を返却したのは午後2時半だった。<br />京都駅ではお土産に阿闍梨餅を購入。それから近鉄側の地下街へ行って、甘味処でようやく一息。ここの甘味処は、以前来た時は喫茶店だった。少し残った時間で売店などを覗いていたら、結局今日の夕食を駅弁にすることにして買ってしまった。新幹線は京都発16時33分発のひかり528号。帰宅は夜19時過ぎだった。<br /><br />

琵琶湖周遊の旅

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2017/10/24 - 2017/10/26

7532位(同エリア9854件中)

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19

秘湯マニア

秘湯マニアさん

今回の旅行は台風に当たってしまい、いくつかの想定外のことがあった。でもそういう想定外のことが起きることも含めて、結果的には面白い旅だったかもしれない。

これまでに旅したところは、北陸地方は能登から金沢まで。一方、近畿中国地方は下関から京都まで。さらに名古屋からは岐阜と関ヶ原までしか行っていない。その3方に囲まれた琵琶湖周辺は一度も行ったことがなかったので、飛行機で小松へ行き、福井県で東尋坊や松島海岸を見て三方五湖で泊り、そこから琵琶湖を周回する形で、長浜、佐和山、安土と信長・秀吉時代の城址を巡り雄琴温泉泊。そこから比叡山に登って延暦寺を参拝、最後は京都駅から新幹線で帰ってくる、という計画を立てた。11月になれば比叡山の紅葉が綺麗なのは分かっていたが、それだけ混雑もするので、10月末に行くことにした。
ところが、その選択が良かったのか悪かったのか、丁度台風21号の上陸と重なってしまったのだ。

出発前の10月19日頃から台風21号が発生し、本土上陸のコースを取っていた。この時期に台風が本土上陸となれば40数年ぶりとなります、みたいなことを天気予報では言っていた。
旅行直前の22日の日曜日は衆議院選挙だったが、投票に行くときは台風の影響で風雨が結構強かった。結局台風は旅行日程そのものには当たらずに、22日の深夜から23日に掛けて本土を縦断していった。23日の朝、ANAのインターネットを見ると23日の飛行機はほとんど欠航しているが、24日は通常運航の見込み、となっている。これで予定通りに行けるナ、と一安心。ところがその直後、三方五湖で宿泊を予定していた「岡三屋 彩かさね」という宿から電話があって、周辺道路が水に浸かり宿まで到着できない、とのこと。宿泊はもう1日先だが、復旧はできないと思うので他の宿を探してください、とのことだった。それから急いで他のホテルを探すことにする。三方五湖から近くに余呉湖があり、それを過ぎたあたりに奥琵琶湖温泉というのがある。ジャランでそこを開いて、1軒目から電話で確認すると、2件目に尾上温泉「紅鮎」という宿を確保することができた。最初に電話したのは想古亭げんない、というところだったが、ここが取れずに紅鮎が取れた。あとで調べてみると、げんないの方は値段は安いがクチコミ評価は3.7だったのに対し、紅鮎はクチコミ評価が4.7もあった。たしかに接客も良かったし部屋も洒落ていた。やっぱり折角の旅行なのだから、多少金額が高くてもサービスが良くて個室露天が付いた方が良い。偶然だったが、こういう良い宿が取れて良かった。

23日は羽田に前泊。今回もエクセルホテル東急が取れた。夕食は横浜高島屋のローズダイニングで済ませて行った。高島屋の催し物場では北海道展をやっていて買いたいものもあったがさすがに旅行初日では無理。羽田に到着後は寝るだけだが、飛行場の滑走路が良く見える部屋だったので少し飛行機を眺めていた。
24日は8時35分発のANA751便小松行きなので、ホテルで朝食を取ってから搭乗手続き。それでも出発ロビーで時間があるのでANAのプレミアムラウンジでお茶を飲んで過ごす。朝1番の小松行きは満席だった。やはり昨日の欠航が影響しているのだろう。それでも小松へは上昇したらすぐ下降する感じで1時間も掛からない。空港でトヨタレンタを借りて出発。まずは越前海岸と東尋坊へ。今はどこも高速道路が通じているから北陸道経由。目的地に近い加賀インターはすぐ先だった。ここからは一般道を行く。北潟湖を左に見てあわら市へ入って行く。あわら市というのは芦原温泉や三国温泉がある湯の街だ。東尋坊は昔、会社に慰安旅行というのがあった頃、永平寺と合わせて来たことがあったと思うが、あまり覚えていない。その東尋坊には11時に到着。駐車場はどこもお店の駐車場のようになっていた。お店を抜けて海岸へ。全景を見回したあと岩場の海岸へ。2時間ドラマのクライマックスに使われるような岩場の先端へ行って写真を撮った。駐車場に戻ればちょうどお昼どき。しかもお店で貝などを焼いていれば良いにおいがするので食べたくなる。ここで軽い食事を済ませておく。東尋坊から越前松島に戻るがちょっと立ち寄っただけで先を急ぐ。最初に計画した三方五湖なら時間の計画も立てていたが、急遽変更となった奥琵琶湖温泉まで、どのくらいの時間で行けるのか見当が付かないからだ。カーナビには到着予定時間が出ているのだが、三方五湖も行けるところまで行ってみたいと思っていたので、少し先を急いだ。
北陸道に戻って福井も武生も素通り。敦賀のジャンクションで若狭道の方へ入る。ここからは片側1車線しかない。トンネルがいくつか続くが、そう時間が掛からずに若狭三方というインターに着く。ここから三方五湖レインボーラインに向かう。レインボーラインの入り口には料金所があるので、そこのオジサンに聞くと展望台までは行かれるそうだ。でも、その先は冠水していて通行止めになっている、とのこと。レインボーラインには景色の良いところもあったが展望台まで登る。展望台の頂上にはバス1台と何台かの車が止まっていた。ここにはリフトがあって頂上まで行くことができる。駐車場がそんな状態だからリフトも混むこともなくすぐに頂上へ。天気は台風一過の晴天、というほどではないが、一応対岸まで見える。集落がいくつか見えるが、そこの周囲の道路は水に沈んでいるように見える。今晩、予約しておいた宿も、あの中のどこかなのだろう。そういう状況なので風景を見ること以外は何もできず、早々に車に戻る。それでも海に囲まれた三方五湖というのを初めて訪問して満足した。
それにしても自宅近くで直接の被害がないと忘れてしまいがちだが、台風21号の雨が、このあたりに大きな被害を与えているなんて知らなかった。
ここから再び若狭自動車道を戻る。敦賀から北陸自動車道に合流し、カーナビは木之本インターで降りるように指示している。
木之本というところは賤ヶ岳の合戦(羽柴秀吉と柴田勝家の戦い)の舞台になったところなので地名だけは知っている。ここで降りるともう宿まで近いことも分かった。余呉湖というのも来たことがないのでちょっと寄り道。余呉湖のすぐ脇を北陸本線が通っているが、その線路の近くに賤ヶ岳の合戦の大きな案内図があった。余呉湖の周辺は芝生だが、ここもかなり水に浸かっていた。
ここから琵琶湖の湖畔に出て、湖畔沿いの道を走ると右側に「紅鮎」という宿が出てくる。部屋数は12室で3階建ての宿だが周辺には何もないので大きく感じる。部屋は1階だったが、広い和室と次の間が付いて個室露天風呂もある。露天風呂からは琵琶湖が正面に見えるが1階の部屋は下の遊歩道から見えてしまうかもしれないのでブラインドも付いている。でも実際には1泊2日の間に遊歩道を歩いている人はほとんどいなかった。大浴場もあり、男は2階、女性用は3階だった。大浴場にも行ってみたがガラ空きでここにも露天風呂があった。冷蔵庫にはいろいろ入っていて、中の物は飲み放題ということだったが、そうそう飲めるものでもない。でも、湯上りのビールは美味しかった。
夕食は食事どころへ行く。この宿の食事どころは個室タイプなので誰にも気兼ねなくゆっくりと食べることができた。その食事がまた、小さな器に細かな料理が丁寧に作られていて、食べるのが勿体ないほどだった。
マツタケの土瓶蒸しはフタを取ると良い香りがして、マツタケが安物でないことが分かる。近江牛も量は多くなかったが柔らかくてとても美味しかった。鰤味噌も美味しかったし、添えられた稲穂まで食べられるように作られていた。ご飯に添えられた香の物も美味しかったし、デザートで出た紫芋のムースは竹の器に入っていた。これらを配膳してくれる人が一品一品説明してくれるし、運んできてくれるタイミングも絶妙なので、京都の高級割烹で食べているような感じになる。でも旅館の中では浴衣でも作務衣でも何でも良いので京都の料亭よりはとっても気楽だった。

次の日は琵琶湖周遊。宿を出てから湖畔沿いを走って長浜へ。ここは秀吉が城を築いた城下町だ。再建された長浜城へ最初に行く。城の中は大したものはなかった。折角の由緒ある町なのだから、もっと秀吉関連のものを集めれば良いのに。この城は湖畔に面していて湖まで行くことができる。湖面も台風の大雨の影響で結構増水していて、井戸の跡や史跡は半分水の中だった。竹生島へ行きたいという話もあったが、舟で行ったら上陸観光を含めて90分も掛かる。ほかにも行きたいところがたくさんあるので船への乗船はやめた。その代わりに長浜の市内にある黒壁スクエアへ行く。近くの駐車場に止めて歩くと、昔ながらの商店が昔ながらの外観を保ちながら商売をしている。函館の金森倉庫や高山の三之町みたいな感じ。ガラス工房なんかがあるから余計、函館を連想させた。ここをぶらついているうちに11時を過ぎたのでお蕎麦屋さんで早めの昼食。入口は黒壁スクエアに面していて狭かったけど、中は広くてきれいに改装されていた。
長浜から今度は彦根城に行く。本当は佐和山城へ行きたかったのだが、佐和山城は破棄されて彦根城ができたので仕方がない。秀吉が長浜城にいた頃は佐和山城に丹羽長秀がいたのだ。そして安土城に織田信長。琵琶湖へ来たらこういった城は全部回ってみたかった。彦根は戦国時代にはなかった城だが、大河ドラマで有名になってしまったので観光客も多い。僕たちも行ってみたが坂や階段が多くて大変だった。城の中の階段が急すぎて手摺りがなかったら危険なほどだった。それでも彦根城の方が長浜よりも見るものが多い。まるで京都の豊国神社みたいに、徳川幕府(彦根城)に虐げられた豊富政権(長浜城)を見ているみたいだった。彦根城の庭園にはゆるキャラの「ひこニャン」が展示されている。午後2時とか決まった時間にはひこニャンの着ぐるみも出てくるそうだ。
彦根から安土を目指す。安土は城もなく土塁しか残っていないが、一応、織田信長の本拠だった場所がどんなところか見てみたかったのだ。観音寺山の山続きで安土山があり、その麓に城址がある。もっと湖畔にあるかと思っていたが、意外と内陸だった。それでもすぐそばに西の湖というのがあり、昔はこの湖も琵琶湖の一部だったらしいので、安土城は湖畔に建つ城だったのかもしれない。土塁は階段でずっと上まで続いている。
ここからは今日の宿に向かう。時間がまだ早いか、と思ったが、琵琶湖大橋を渡ってから雄琴温泉までの短い距離が、ものすごく混んでいたので結果的にちょうど良かった。
雄琴温泉の宿は「びわこ緑水亭」。ここは道路沿いにある大きな温泉宿だった。ここの泊りは「万葉」という露天風呂つきのタイプ。2階の部屋だが、琵琶湖を見ながらお風呂に入れる。「万葉」というタイプの部屋は食事が部屋出しということになっているので調理場から近い1階と2階にしかない。大浴場もあるが、別棟なので少し歩く。大きな旅館なので、さすがに大浴場は貸し切り状態にはならなかった。チェックインから夕食まで同じ仲居さんなので気を使わずに済んだ。ここの夕食は取り立てて書くほどのものはない。マツタケの土瓶蒸しも近江牛も出たが、昨日の紅鮎の方がつくりが丁寧。やはり部屋数が多いとそこまでの細かい配慮はできないのだろう。

翌日は比叡山へ登る。雄琴温泉から大津バイパスを通って比叡山ドライブウエイへ。ここは観光地らしく、カーナビがなくても道路標識が整備されている。ドライブウエイは混んではいないが、観光バスの後ろに付いて登っていった。途中、琵琶湖の景色が良いところもあったが山頂まで行く。この日は東塔の第一駐車場もガラ空きだった。広い境内を歩くが、国宝殿、大講堂、鐘楼と回って根本中堂へ。でも根本中堂は修理中で外観は工事の柵がしてあった。それでも中は修行の場になっていて読経もしていた。その後ろの通路から、観光客も内部見学はできる。大講堂にはウチの宗派、曹洞宗を開山した道元禅師の画像も飾ってあって、さすがに宗派を超えた総本山ということを実感した。東塔では根本中堂のところの紅葉がちょっと色づいていたが、さすがに紅葉はまだ早かった。それでも西塔の近くで綺麗な紅葉があったので写真に撮った。仏教のどこかの宗派に熱心な人であれば、いろいろと感激して見て回ることも多いのだろうけど、僕のように不勉強な人間には観光ルートでしかない。苔寺で写経をした時の方が、まだ静謐な気持ちになっていたと思う。
比叡山からは大原の三千院を目指す。琵琶湖側から見れば大原は比叡山のすぐ裏なので、もっと近道があるかと思ったが、結局比叡山ドライブウエイを降りて琵琶湖大橋から続いている477号線に出て、「途中越」という変わった地名のところを抜けて大原へ行く。道路は空いていたので快適なドライブだったが途中には何もない田舎道だった。三千院には大阪万博の時に来ただけなので50年近く昔のことだ。駐車場は参道の入り口なので、そこから川沿いに参道を登る。小さな商店が漬物やアクセサリーなどいろんなものを売っていた。吉野山の桜を見に行った時もこんな感じだった。駐車場はガラ空きだったのに、この参道はかなりの人が歩いている。三千院門前のお蕎麦屋さんなんかも結構人が入っていた。三千院の境内は広くて通路に迷うほどだったが、途中では無料のお茶をご馳走になった。境内が広いだけに、苔寺のような場所もあれば東寺のような明るい場所もあって、キチンと見て回ればかなりの時間がかかる。三千院を出たところのお蕎麦屋さんが空いていたので昼食にした。せっかく大原へ来たので寂光院へも行きたかったが歳をとったせいか、そこまでガツガツと回りたくなかったし、早く休めるところに行きたい、というのもあって京都に戻ることにする。それでも時間があるので銀閣寺や平安神宮などを車で回って京都駅へ向かう。銀閣寺や平安神宮などは徒歩で何回か歩いているので、車でもある程度の道の目安がついた。京都駅のトヨタレンタに車を返却したのは午後2時半だった。
京都駅ではお土産に阿闍梨餅を購入。それから近鉄側の地下街へ行って、甘味処でようやく一息。ここの甘味処は、以前来た時は喫茶店だった。少し残った時間で売店などを覗いていたら、結局今日の夕食を駅弁にすることにして買ってしまった。新幹線は京都発16時33分発のひかり528号。帰宅は夜19時過ぎだった。

旅行の満足度
4.5
観光
4.0
ホテル
4.5
グルメ
3.5
同行者
カップル・夫婦
一人あたり費用
5万円 - 10万円
交通手段
レンタカー ANAグループ 新幹線
旅行の手配内容
個別手配
利用旅行会社
じゃらん

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