鳥取市から入って但馬・丹波 秋の旅(三日目)~すったもんだの命名、丹波市を巡る旅。紅葉の古刹巡りの後は、織田家直系、柏原藩の歴史を持つハイカラな街へ。華麗な陣屋建物を拝見し、最後は「ル・クロ 丹波邸」の極上グルメににんまりです~
2017/11/04 - 2017/11/04
21位(同エリア296件中)
たびたびさん
- たびたびさんTOP
- 旅行記771冊
- クチコミ37094件
- Q&A回答420件
- 5,915,691アクセス
- フォロワー673人
今日は、和田山駅近くの宿を出発して、秋の丹波市を回ります。
ところで、丹波は丹波栗とか丹波の黒豆とか。丹波にはプレミアムグルメのイメージが定着しています。そして、「丹波篠山」という言葉がありますが、これはどういう意味でしょうか?丹波には丹波市と篠山市があって、「丹波篠山」というのは、丹波市と篠山市を合わせた言葉と思っている人も少なくないと思いますが、そうではなくて、「丹波の篠山」ということ。丹波の中心は篠山。丹波のブランドイメージを作ったのも篠山なので、丹波の中でも特に篠山という意味なんですね。
では、丹波市とは何か。「丹波篠山」という言い方をすれば、本来は「丹波氷上」。平成の大合併で生まれた新しい市の名前を付けるにあたって、住民投票では「氷上」が一位だったにもかかわらず、識者と言われる委員会がブランドを意識して「丹波市」としたといういわくつきの名前なんですね。今でも、地元からも、篠山や京都からも不満があるという妙なことになっています。
ただ、それはそれとして。まずは、紅葉の寺巡り。天気がイマイチなんですが、それでも紅葉の寺はそれなりに落ち着いた美しさ。丹念に回ると、隠れた名所を発掘したような楽しさがありました。
そして、その丹波市でも合併された旧柏原町はまた特別。織田家の直系、柏原藩の歴史を持つ地域なんです。ハイカラな建物やレストラン、ル・クロはたぶんグルメ通でもびっくりするほど洗練された味わいです。地元の人のちょっとした意識の違いがこうした文化を生んだのかなあととても興味深いものがありました。正直言えばあまり知られていない観光地ですが、結果として、これなら私としてはかなりポイントの高い、お勧めのコースの一つになったような。今後のいろんな旅をする際の満足度基準にもなるのではないかと思います。
-
ところで、丹波市にはもみじの寺がいくつかあって、地元では積極的に宣伝しています。で、高源寺もその最右翼といったお寺でしょう。
-
創建は、1325年。後醍醐天皇により高源寺号を賜わり、後に勅願所となった由緒ある寺。
-
苔むした石段をしばらく上って行く境内は、
-
それにふさわしいスケールをもっていて、
-
深山に分け入るような雰囲気はさすがという感じです。
いかめしい山門をくぐって、 -
この建物が本堂かなと思ったら、
-
周囲の迫力ある石組みの日本庭園跡の
-
まだまだ先に
-
参道は続きまして。
-
本堂は、この上ですね。
そして、参道の石段や脇の石垣の苔のむし方は半端ではない。苔寺も真っ青といったところでしょうか。 -
ここに来るまでも、長年風雪に耐えてきた感がありましたが、この本堂も、詫びた感じと荒れた感じの中間といったところ。
-
イチオシ
歴史ある建物と見るか。荒れた建物と見るか。目線をどこに持って見るかで印象は全く違うと思います。
-
さらに奥に三重塔もありましたが、これは少し新しいもののように思います。
-
高源寺から、青垣IC近くに戻ってきて、ロードサイドに和菓子屋さんを発見。荒木本舗です。
-
看板の出ていた草餅を一ついただきます。少し窪んだ形とゴマが添えてあるのが、ちょっと工夫した景色。店内に腰かけていただきましたが、これなら話も弾むというもの。
実はここで、御主人にくだんの丹波市の名前のすったもんだを教えてもらって、楽しく地名談義に花が咲いたというわけです。 -
そのまま道の駅 あおがきへ。
道の駅 あおがきで、朝飯代わりの太巻きを買いました。中の具が野菜の煮つけみたいなジューシーな仕上がり。田舎のおばあちゃんの手作り感がいっぱいの太巻きでした。丹波の黒豆のきな粉もお勧めですが、それだけでもないようです。 -
丹波市にあることもあって、
-
目立つ商品は、黒豆きな粉、はったい粉、そば粉とか、加工品の種類も豊富。丹波の黒豆というのはいまや大変なブランド力があるので、見ているこちらにはどれも価値ありに見えてしまう。黒屋根の重厚な建物もイメージアップに一役買っているように思いました。
-
道の駅あおがきの敷地の中には、丹波布伝承館という施設もあります。
地元で織られていた綿布のようですが、丹波布についての資料館。畑で自家栽培した綿で糸をつむぎ、染めて、手織りする。それを自分で着て愛用していたという自給自足的な生活が想像できるもの。展示は機織り機械とか、糸などです。 -
続いては、円通寺。
こちらも丹波紅葉三山(高源寺・円通寺・石龕寺)の一つで、丹波市のモミジの名所。ちょうど季節だからでしょう。駐車場とかボランティアの人がいたりして、地元でけっこう力を入れているのを感じます。 -
駐車場から本堂まで池を越えて行く参道も紅葉の並木。
-
しばらく直線の参道が続くと
-
池が現れる。
-
その池を越えるようにして
-
石段を上がって行くと、
-
イチオシ
その先に立派な本堂。ここが終点です。
-
三方を山に囲まれたような場所に建つ本堂ですが、内部は外観から想像した通りの悠々とした空間が解放されていて、とっても気持ちいいですね。
-
傍らでお茶のサービスまであって、これもボランティアの人のお世話でしょう。心が通いあうようなところも感じながら、境内全体を眺めます。
ちなみに、円通寺は、南北朝時代の永徳2年(1382年)、将軍足利義満が後円融天皇の勅命を奉じて創建した寺。室町時代から江戸末期までは、二百を超える末寺院があって、丹波から但馬、播磨、攝津まで影響力を持っていたのだそうです。 -
これは入口最初の三門。ここが正面の入口だったよう。最後に確認しました。
-
続いては、岩瀧寺。
-
イチオシ
車で寺を目指していたら、途中で呼び止められて、それが入山料の徴収でした。山門も何もないところだったので、ちょっと戸惑いましたが、
-
奥に進むと駐車場もきちんと整備されているし、管理は行き届いていて、周囲の紅葉も大木。これもけっこう見応えがあると思います。
-
駐車場からは向かいの山あいに建つ寺全体の景色が見えて、山里の寺風。
ちなみに、岩瀧寺は、弘仁年間(809~823年)、住吉明神から夢のお告げを受けた嵯峨天皇が、弘法大師をこの地に遣わし、坊舎を建立、七堂伽藍を整備したことが始まりと伝えられる古刹。 -
今では七堂伽藍といった華麗な面影はありませんが、この詫びた感じは紅葉を楽しむにはむしろ好都合でしょう。
-
本堂から見える正面の山もどこまでも高い。それも隠れ里といった雰囲気を出している理由でしょう。
-
ここで、独鈷の滝にも行ってみます。岩瀧寺から歩いてすぐ。これはセットで回る場所ですね。
入口にフェンスがあって、 -
その扉を開けて遊歩道に入る。このフェンスは獣除けのものだと思います。
-
イチオシ
滝はさほどのスケールではありませんが、岩肌に沿って流れ落ちる姿はまあまあの美しさかな。
名前は、弘法大師が独鈷を投げて、突き刺さった場所からこの滝が湧き出たという伝説からきています。 -
岩瀧寺から、今度は高山寺へ。
駐車場横に赤い楼門があって、こちらはうって変わって開けた明るい感じがある寺です。 -
まずは、楼門の天井に描かれた龍の絵もチェック。
-
そこから本堂まで紅葉の参道が続きますが、両側には石灯籠がずらりと並ぶ。
-
ここが見どころですね。
-
寺は後鳥羽天皇の勅願所となったりしたこともある名刹。
-
十一面観世音菩薩が本尊ですが、本堂の外観を拝見して、ちょっと内部も確認です。しかし、ここまで。本尊はよく分かりませんでした。
-
イチオシ
さらに寺巡りが続きます。
達身寺は、いきなりかやぶき屋根の整った本堂が現れる。 -
それがけっこうなインパクトですし、
-
境内も全体が庭園風になっていて、手入れがよく行き届いていますね。
-
ただ、それだけが見どころではない。むしろ本当のハイライトはその保有する仏像群なんですね。
案内人がいて、この辺りは仏師の里だったのではないかという説明もありまして、確かに、保存された仏像はそれぞれ傷ついているにせよ、おびただしい数。それを眺めるとなるほどそうかもしれないという感じになってきます。
そして、最後。コンクリート製の宝物殿には、どっしりと大きな仏像群。木造阿弥陀如来坐像、木造十一面観音菩薩坐像、木造薬師如来坐像などがずらり。こちらは保存状態も良くて静かな気持ちで仏たちを拝顔できました。丹波の正倉院という別名もあるそうですが、まあこれだけのものはなかなかない。分からないではないですね。 -
帰りにふと目の止まったかどのの郷。道の駅みたいな施設なので、寄ってみます。
-
卵かけご飯が名物のようで、どこかでそういえば聞いたことがあるような気もします。
売り場には卵かけご飯用の出汁醤油が大量に置いてあって、それがまた種類もあれこれある。もちろんどこがどう違うのかは分かりませんが、それでも卵かけご飯の醤油で選ぶ楽しみがあるなんて、そうはないことでしょう。いやはやすごいところです。 -
ただ、そうなってくるとここで名物の卵かけご飯350円をいただかないわけにはいかないですね。ご飯のお代わりは一回。そして、なんと卵は何と食べ放題です。
-
少しおかずの沿えて、いただきます。
-
卵かけご飯用の出汁醤油をたっぷり掛けると、これはうまーい。最後に残ったご飯にまた卵を追加して、生卵でひたひたになったのを食べるとまたまたうまーい。まったく、幸せな気持ちになる卵かけご飯ですね。京都の伊右衛門サロンなんか、ここのを食べると論外です。
-
気分がよくなったところで。。
植野記念美術館は、実業家植野藤次郎のコレクションを受けて造られた美術館。イオニア式を基本とする堂々たる建物です。 -
常設展がないのが残念ですが、それを言っても仕方がないので、原田泰治の「にっぽんの童謡・唱歌展」を拝見しました。日本の原風景を丁寧に描いた作品は意外に見応えあり。そして、何でもない筋書きのストーリーの童話でも奥深い感じになる。こうした文化を紹介できるのもやはりこの施設があればこそ。記念美術館の役割は十分果たしています。
-
再び車を走らせて。
道の駅 丹波おばあちゃんの里は、なんといっても地元の野菜などの産直コーナーが目玉でしょう。 -
シーズンだったさといもとかもいかにも新鮮。一方で村上さん家のたまごもとっても気になる。かどのの郷の喫茶軽食コーナーで卵かけご飯をたっぷりいただいた後だったので余計気になりました。
-
そして、紅葉の古刹巡りの最後は白毫寺です。駐車場から境内に入ると大きな七福神の石像。
-
そこから太鼓橋を過ぎて、
-
高台に建つ仏堂へ向かいます。
-
この仏堂の形は何だか面白いですね。とにかくいろんな要素があって、エンターテイメントにも配慮した寺のような感じ。
-
イチオシ
この眺めも、緑の大木の下に低木の紅葉。このスタイルは京都なら高山寺の境内に似ていると思います。
-
なお、本堂の一角は別途、垣根で囲まれているエリア。
-
こちらは普通のお寺です。
-
丹波市立春日歴史民俗資料館は、
-
丹波市というよりも合併前の旧春日町の施設といった方がいいでしょう。
-
本館では、春日局のルーツに絡んだ黒井城の説明。
即ち、黒井城は、奥丹波の盟主であった赤井氏の居城。織田信長から丹波攻略の命を受けた明智光秀の攻撃も二度にわたって撃退。難攻不落の山城でしたが、それも最後は落城。その後、光秀の重臣、斎藤利三が黒井城に入り、そこで利三の末娘として生まれたのが、お福。後の春日局ということです。 -
こちらの別館では、農具や生活用品などの古いものをけっこうな厚みで収集、展示しています。
-
本館を見た後、係の人が鍵を開けてくれました。
旧氷上町から旧春日町。なるほど。それぞれに歴史を持っています。 -
続いての水分れ公園は、丹波市氷上町にある本州一低い分水界に整備された公園。
-
たった95.45mの高さしかない分水界と聞くとなんか価値があるような気がしなくもないですが、これを知らないと、ため池や用水路のある風景も別に普通の眺め。何の意味かは分からないと思います。
-
その意味を教えてくれるのが、この水分れ資料館。
意外に大きな施設で、女性スタッフが本州一低い分水界の説明をしてくれました。例えば、海面が上昇するとどうなるのかというシミュレーションでは、その意味がよく分かる。そして、ここからだと日本海側へも瀬戸内海側へも川が流れて水運が整備されていたんですね。ただ、それにしては、もう少し活況を呈した時代があっていいような気もしましたが、それはそれ。丹波市のまた違う一面を理解できたかなと思います。 -
ここから近くの新井神社も訪ねます。石見神社は、新井神社の向かいにある小さな神社。
-
境内の真ん中に大きな石の碁盤が据えられています。それはこの辺りの村どおしが山争いが絶えなかったところ、その決着を囲碁でつけたということから。平和的に問題を解決したというのはこの神社のお蔭だったのかも。ちなみに、この感謝の印の碁盤は、日本一の大きさです。
-
住宅地を抜けていった寂しげな場所。こんなところに何があるんだろうという感じだったのですが、この新井神社、なかなかどうして。6世紀の創建という雰囲気のある神社でした。
-
一番の見どころはこの藁ぶきの本殿。
-
イチオシ
どっしりとした屋根の重厚さとそれを支える二重たる木の組み合わせも見事なもの。これはしばらくは見飽きない建物です。
-
さて、ここから今度は旧柏原町に移動します。
これは、市街の端っこにある柏原八幡宮。 -
柏原の市街を見下ろす山の上。鳥居の入口から上りはじめると、意外に険しい参道であることに気付きます。
-
この本殿は、安土桃山時代に再建されたもの。
-
イチオシ
拝殿と一体になった複雑な建て方で、檜皮葺の屋根が美しい。いわゆる権現造りかと思いますが、国の重要文化財にも指定されています。
-
ただ、それ以上に驚くのは、神社なのに、本殿の真裏に赤い三重塔が建っていること。この塔は江戸時代後期に建てられたもので、高さは23m。本殿と一直線で並んでいるので、明らかに神社の付属建物としての設計。塔は本来仏様の骨を納める舎利からきているものなので神社とは関係ないはずなんですが。。
まあ、日光にも塔はありますし。。それでもここまでの組み合わせは大胆ですが、まあまあ調和しているようなところもあるかなという感じです。 -
神社を降りたところに観光案内所。前をうろうろしていたら、案内所のおじさんがそれに気づいて市内の街歩き地図を持ってきてくれました。これは、御親切に。どうもありがとうございました。
-
柏原の市街観光はここから歩いて回れる範囲。車を止めたままにして歩き始めます。
まず最初の木の根橋は、柏原の観光では定番スポット。
赤い欄干の橋のたもとに立つ樹齢1000年の巨大なケヤキ。その根の一本が川をまたいで橋みたいになったことで木の根橋。ただ、私は赤い欄干の橋がてっきり木の根橋だと思っていたので、その肝心なところには気が付きませんでした。残念。。 -
木の根橋の向かいが織田神社。神社は前期柏原藩の三代織田信勝を祭神とするもの。信勝は、織田信長の弟、信包(のぶかね)の孫に当たります。ただ、継嗣がなかったため、ここでいったん織田柏原藩は絶家。この後に、信長の次男、信雄系の織田信休が大和宇陀藩から移封となり、柏原藩では改めて後期の織田家が始まります。
なお、神社は個人住宅に毛が生えたような質素な造り。こんなものかという感じは否めません。 -
少し歩いて建勲神社。御存じ、織田信長を祀る神社です。
全国に三つあって、後は京都と天童にしかありません。こちらの建勲神社は、後期織田家の初代藩主、織田信休が創建したもの。現在の建物は平成18年に再建されたものなので、白木がまだ新しい感じです。ただ、こちらも、織田神社同様、規模はささやかです。 -
広い通りに出て、こちらはたんば黎明館。建物は、明治18年に設立された氷上第一高等小学校の校舎。
-
イチオシ
その後、氷上郡立高等女学校の校舎となりますが、その優美な姿の洋館はあまりにもハイセンス。ちょっと学校のイメージではありませんね。
-
内部は、
-
レストランやライブラリーカフェなど。
-
休憩スペースもあるし自由に中を拝見できます。
-
一階にあるフランス料理のお店、ルクロ丹波が気になりましたが、どうしましょうかね。
-
同じ並びに建つ柏原藩陣屋跡の長屋門。こちらは自由に見ることができますが、
-
この奥に建つ陣屋の建物の拝観の方は、向かいの柏原歴史民俗資料館の料金に含まれます。払った時に拝観を申し込むと電気を点けてくれるんですが、その後は一人で上がって中を見て回ります。
-
式台玄関から始まる内部はよく保存されているし、陣屋としての重々しさも城にほぼ匹敵。これなら藩主の威厳は十分に保てるだろうなあと実感できる建物です。
陣屋がこうして原型をとどめているのは全国的にも珍しいということ。確かに、あちこち回っている私でもお目にかかった記憶がありません。 -
で、これが柏原歴史民俗資料館。丹波柏原藩、織田家のことを詳しく解説しています。柏原藩の織田家は、前期と後期があり、前期は、織田信長の弟、信包(のぶかね)から始まる三代、3万6千石。継嗣がなく、これはいったん絶家となります。
後期は、信長の次男、織田信雄の五男、織田高長から始まる大和宇陀藩の織田信休が移封された以降、明治維新まで。2万石です。
ゴタゴタが続いたのは事実でしょうが、やっぱり腐っても鯛。織田家との関わりは柏原の誇りとなっているように感じました。
田ステの資料室も必見です。「雪の朝 二の字二の字の 下駄の跡」。田ステの名前は知らなくても、この句を聞いたことのある人は少なくないと思います。田ステ6歳の時の句です。持って生まれた感性の鋭さが感じられます。 -
その田ステ女像は、柏原歴史民俗資料館の隣りの小さな公園のようなスペース内。像はちょっと苔が生えて古びていますが、幼い女の子の表情。こんな小さな女の子が「雪の朝 二の字二の字の 下駄の跡」ですか。大人はさぞびっくりしたことでしょう。
-
織田信包石像も、同じスペース。
何度か触れましたが、信包(のぶかね)は織田信長の弟。本能寺の変後は秀吉に従い、なんとかここ丹波水上に3万6千石を与えられ、織田家とこの地の縁が出来ました。丹波柏原藩初代藩主。評判もよかった君主。柏原がちょっとハイクラスな文化の地となったもともとの恩人だと思います。
この時期、信雄の方は、大和宇陀藩に封ぜられる。群馬の小幡の2万石と合わせて、そちらは5万石です。 -
太鼓やぐらは、柏原駅前の商店街から少し脇に入った場所。説明によれば、内部は三層で、最上部には「つつじ太鼓」と呼ばれる太鼓が吊るされている。大和松山藩から柏原に移封された時に持ってこられたということも分かるのだそうです。
高い場所に建っているので、余計高い建物のように感じます。 -
そして、ここも外せないスポット、織田家廟所です。ここまで来ると、柏原市街のかなり端っこ。住宅地の間を入って行く細い道ですが、その先に白い漆喰塀で囲まれた廟所が現れます。
-
漆喰はけっこうはがれてしまって痛々しい感じですが、大和宇陀から移封されてきた織田信休以降9代までの歴代の藩主の墓が並んでいます。
-
大名の廟所にしては規模が小さいですが、織田家は2万石。まあこんなものなのかもしれません。
-
さて、ここからはグルメのチェック。丹波のグルメはどうでしょうか。
よしだ屋は、一般住宅の庭先みたいな場所にポツンと建つ小さなお店。
-
天然酵母パンにこだわったパン屋さんで、店内には作る行程でこんなに余計な手間がかかりますといった説明書きも。
-
いただいたクルミパンも、噛めば噛むほど味わい深い。やっぱり能書きだけじゃなくてしっかり実力のあるパン屋さんだと思います。
-
ここから駅前の通りに出て。
まさゆめさかゆめは、柏原駅前商店街にある小さなバームクーヘンの専門店。バームクーヘンって別に珍しいものじゃないんですが、いただいてみると、これって弾力感がすごいですね。極端に言えば、まるで玉子焼きを食べているような感じ。専門店はやっぱり違います。 -
明正堂も、同じ柏原駅前の商店街。大きな店構えの和菓子屋さんです。
-
餅あんパイというのが一番の人気商品。
-
時間が経っても、お餅のもっちり感がちゃんとあって、甘い餡子とのコラボがとってもグッド。パイの焼き色の美しさもあるし、よくできたお菓子です。
-
もう一軒は、穂音さん。小さなパン屋さんなんですが、ここも観光案内には素材を厳選したパンですと紹介されていました。
-
いただいたミルクフランスの爽やかな小麦の香りに甘いクリームもとってもグッド。おいしいし、素材の良さを感じます。紹介文の本当にその通りのお店でした。
-
さて、ここで晩飯なんですが、たんば黎明館の一階にあるフランス料理のお店、ル・クロ 丹波邸にしてみましょう。
何でも、柏原の町興しにも協力するためここに開業したお店なんだそうです。 -
モスグリーンで統一されてシックな内装に
-
店内にはビートルズのバックグラウンドミュージックが流れます。
-
前菜からデザートまでの5000円のコース料理は、丹波の野菜を豊富に使った味わい深いもの。
-
始めのジュレも新鮮な野菜のうまさと豊かなハムの味わいが絶妙なバランス。
コース料理って、最初のインパクトがけっこう重要なんですが、この時点で、このシェフの並々ならぬ実力が現れているように思います。 -
イチオシ
これも、ソースのアクセントが効いていて、なんというか楽しい味わいです。
-
そして、蟹とか海鮮を煮込んだ濃厚スープ。ここまでの料理もかなりよかったと思うんですが、またこれはそれを突き抜けるような感じ。いろんな味わいが複雑に混じりあって、フランス料理ってこんなに素晴らしかったんですね。日本の鍋料理ではこんな味わいを出すのは到底無理。フランス料理の素晴らしさを思い知らされたような衝撃がありました。
-
-
最後はチーズとライスでおじや風。もうこれは天国ですよね。
-
そして、最後のデザート。大人しめの味わいで静かに締めるといった感じ。ただ、ここまでくるとラム酒とか使って最後までガツンと刺激的にやってしまう手もあったかも。そういったことを思わせてくれるのも、またコース料理の楽しさでしょう。
さて、スタッフの対応も、最後は全員で見送りまでしていただき、おもてなしと誠実さの心がひしひしと伝わってくる。これは何から何まで織田家の伝統に恥じない柏原のハイクラスな文化を象徴するようなお店。とりわけ洗練されたお料理は、柏原の歴史・文化に力強い新風を吹き込んでいると思います。 -
丹波グリーンホテル松風は、柏原町ではあるのですが、木の根橋とか観光エリアからすると離れています。私はレンタカーだったので問題はなかったのですが、そうでなければ柏原の観光との組み合わせはちょっと難点があるかもしれません。ただ、ホテル自体はフロントの対応もいいし、建物もしっかり。無料の朝飯も付いていましたが、翌日は立雲峡。朝5時前に出発したので、残念ながらそれは利用できませんでした。
利用規約に違反している投稿は、報告する事ができます。
この旅行記へのコメント (2)
-
- たらよろさん 2018/07/17 23:07:32
- ル・クロ 丹波邸
- こんばんは、たびたびさん
先日のお返事で、たびたびさんが、あまりにも絶賛されていた
ル・クロ 丹波邸。
そんなに、絶賛されるなら、ぜひ食してみたい!!と。
来月予約してしまいましたー
ランチですが、凄く楽しみ。
通常のランチコースに、どうしてもブイヤベースが頂きたくて、
お魚料理をブイヤベースに変更してもらいました。
お電話の感じもとてもよくって、今から楽しみですー♪
また、旅行記を書いたら遊びに来てくださいね。
それにしても、暑いですね。
お体ご自愛くださいね。
たらよろ
- たびたびさん からの返信 2018/07/18 13:45:18
- RE: ル・クロ 丹波邸
- それはそれは。
ちょっとびっくりですが、責任重大ですね。たらよろさんのグルメレポートは私も参考にさせていただいていますが、私はB級グルメが主体だし、たらよろさんのように高級ホテルやリゾートのグルメはほとんど知りません。そういう意味では、嬉しくもあり、半分心配でもありといったところでしょうか。
ただ、レポートは掛け値なしでOK。余計な気遣いをなさらずに、自由にご評価いただければと思います。
たびたび
コメントを投稿する前に
十分に確認の上、ご投稿ください。 コメントの内容は攻撃的ではなく、相手の気持ちに寄り添ったものになっていますか?
サイト共通ガイドライン(利用上のお願い)報道機関・マスメディアの方へ 画像提供などに関するお問い合わせは、専用のお問い合わせフォームからお願いいたします。
たびたびさんの関連旅行記
この旅行で行ったホテル
この旅行で行ったスポット
もっと見る
この旅行で行ったグルメ・レストラン
もっと見る
丹波(兵庫)(兵庫) の旅行記
旅の計画・記録
マイルに交換できるフォートラベルポイントが貯まる
フォートラベルポイントって?
2
122