2017/06/10 - 2017/06/11
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ノーーウォリーズさん
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チベット大横断 #7、長年の念願かなってチベット・エベレスト・カイラス巡礼に行ってきました。17日間のチベットの旅の最後は、チベット鉄道(青蔵鉄道)に乗りチベット自治区とお別れです。チベット鉄道はラサを出発し、鉄道世界最高地点のタングラ(海抜5067m)を超え、長江の源流に迫り、西寧まで1956kmの旅。チベット鉄道が完成したのは2006年、もう11年も前で今では特別な体験ではないかも知れませんが、私にとって初めてのチベット鉄道は最後の楽しみでした。
今回乗車したのは、ラサ発西寧行きZ6802で出発は朝一番の8:50です。できるだけ朝の便を選ぶことでチベットの景色を少しでも長く楽しめます(遅い便なら翌朝の青海湖が見えますが)。6月上旬は日没も遅く、雨季の前で雪も残っているのでベストシーズンです。変化に富むチベット鉄道のハイライトを紹介します。
- 旅行の満足度
- 4.0
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チベット16日目の早朝、ラサ Lhasaを出発です。ラサの鉄道駅にて、駅は大きく立派な建物です。駅の外からの撮影は禁止されていて兵士が見張っているので、写真はありません。中には兵士はいないので大丈夫でしょう。ここは切符売場、本日(6/10)の鉄道の行き先(シガチェ、西寧、上海、広州、北京北)と予約状況が右側に、上海行きZ166の時刻表と距離、値段が左側に表示されています。北京行きの寝台以外は当日でも空きがあります。私が乗る西寧行きZ6802の硬臥クラスの空きは184でガラガラの様です。
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他の中国の鉄道駅と変わらず、出発直前になると待合室からプラットホームへ移動します。ホームはこの様に巨大でそれに比べて人の少なさを感じます。
青蔵鉄道 鉄道系(地下鉄・モノレールなど)
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ラサ出発は8:50で西寧まで約22時間、1960kmの旅程です。鉄道は定刻になると静かに動き出し鉄道の旅が始まります。写真はラサ郊外でラサ川を渡ったところ。
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硬臥(インウオ)の車内の様子です。窓ガラスは透明で綺麗に掃除されていました。他の人の旅行記には緑色に着色された窓ガラスで、うまく撮影するにはトイレの開いた窓から撮影したという記事を見ましたが、少なくとも私の乗った車両はそんなことはありませんでした。トイレの窓も開いておらず気圧調整はされている様です。
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硬臥の部屋の中の様子。清潔なシーツと硬いベッドでもなく快適です。ベッドの壁についている四角い箱から酸素が供給されています。チベット行きなら重宝するでしょうが、帰りは必要ありません。3段ベットで上段はかなり高く狭く居心地は悪そうです。値段の差は30元程度なので、下段をお勧めします。この日は50%位の乗車率です。西寧行きは夏のピーク時でも切符は取りやすいそうです。
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硬座の様子、ほぼ満席の様です。いかにも中国の鉄道といった騒然とした雰囲気です。
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ラサを出発したZ6802は1時間ほど山間を縫うように進み、最初の町の羊八井(ラサから75km地点、標高4200m)辺りで開けた景色に変わります。
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西側には大きなニェンチェンタンラ山脈 (念青唐古拉)が続いています。山は雲に覆われており車窓からよく見えませんでしたが。この奥には有名なナムツォ湖があります。
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更に北上すると高い山は見えなくなり、チベットの平原が続きます。
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チベット鉄道沿線の第3の町ナクチュ(301km地点、標高約4600m)へ13:28に到着。遅れ気味のため停車時間は約5分、短い時間ですが車外に出れるチャンスです。しかし誰も外に出ていないことから観光客は殆ど乗っていない様です。駅舎は築10年ですが、ペンキが剥げ傷みがでています。
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車窓に見えるのは主にヤクですが、人の姿もちらほら見えます。鉄道が通るとご覧のように敬礼しているので鉄道関係者なのでしょうが、何もないこんな所で何をしているのでしょうか。
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チベット鉄道沿線でのハイライトのひとつツォナ湖(403km地点)です。
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アムド (427km地点、標高4702m)へ15:34に到着。チベット鉄道沿いの町はどこも中国人の町で、街並にはチベットの雰囲気はありません。チベット自治区最後の町で、もうすぐ青海省に入ります。ここから先はゴルムドまでまともな町はなく、完全な大自然に突入です。
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更に高度を上がって鉄道世界最高地点までもう少し。しかし向かう先の天気は悪そうです。この辺りは全線が高架上を走っています。永久凍土の為、地盤が良くないことが理由です。こんな所にも鉄道を通してしまうとは中国の土木技術も大したものです。
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チベットの天気はいつも急変します。天気が悪いと思っていても5分ほどすると晴れたりして予測不能です。少し前まで天気が悪く、5000m近い標高では6月でも雪が降っていた様です。しかしすぐに晴れ間に変わって見事な雪景色が見れました。
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鉄道世界最高地点タングラ駅はもうすぐですが、鉄道は時速100キロのスピードで走っているのでその瞬間は一瞬で過ぎてしまいます。車内は密封性が高くGPSも使えないので、窓に張り付いて鉄道世界最高地点タングラ駅を通過するのを待ちます。駅が見えて一瞬のシャッターチャンス、何とかタングラ(唐古拉)の標識は撮れた様ですが、標高が4951mと低い。。たしかタングラ駅は5000mを越えているはず。調べてみるとタングラ南駅というのがある様で、まだ最高地点ではありませんでした。
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タングラ周辺で見える絶景です。標高は5000m程で雪もまだ残っています。西側にはゴラタントン山(各拉丹冬峰)があるはずですが、見えているかは分かりません。チベット旅行の最後でカイラスにも行った後だったんで、もうチベットの景色に飽きがくるのではと思っていましたが、そんなことはない。十分見ごたえがある絶景です。
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鉄道世界最高地点タングラ周辺は、急な峠と言うより緩やかに高度を上げている平原という感じです。この辺りは並行する幹線道路とも離れるため、写真の様な細い道路が通るだけです。ちなみに幹線道路は標高5213mまで上がり鉄道より高度は高い場所を越えます。
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タングラ駅 (唐古拉 Tangu La、535km地点、標高5067m)は16:49に通過。時速100キロで通り過ぎる途中、絶妙のタイミングで標識を撮影。ここが世界最高地点の鉄道駅です。こんな僻地でも立派な駅舎があり工事中の様で作業員の姿も。周辺には何もなく、一体誰のための駅なのかは全くもって謎です。世界最高地点の駅の維持のためだけでしょうか。
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ここから高度は少しずつ下がりますが絶景は続きます。布強格駅 (576km地点、標高4823m)を通過します。駅は20-30km間隔でありますが、これらの駅に停まる鉄道があるのかは疑問です。ちなみに駅のホームは殆どの駅で右(東側)です。
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6300kmの長さを誇る長江の源流と言われるトト河(沱沱河)(717km地点、標高4600m)です。トト河は先ほどのゴラタントン山(各拉丹冬峰)を水源とします。ここでは久々に小さな村が見えました。北極圏にある様なカラフルな町並みです。
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チベット自治区の北部に進むにつれて、草原から荒涼とした景色に変化してきます。砂漠地帯の様です。
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日も暮れかけて気温が下がり天気も悪化すると、雪が降りそうな気配。
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天気は急激に悪化して、15分もすると吹雪に変わります。向こうに見えるのはトラックの列。こんな僻地で雪に見舞われるなんて普通なら鉄道ダイアは大混乱でしょうが、チベット鉄道ではそれは日常の様です。ただ予定より1時間ほど遅れている様です。車外は吹雪ですが、車内は快適に過ごせます。
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日没前21:05に最後に通過した駅、五道梁 (856km地点、標高4636m)です。チベット・青海省は北京時間の為、東に進むにつれて日没時間は早くなります。この辺りのハイライト、ココシリ草原や玉珠峰は残念ながら日没で見ることはできませんでした。ラサ発のすべての便は、この辺りは夜に通過です。
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チベット鉄道沿線の第2の町ゴルムド(1126km地点、標高2800m)には深夜0:17到着。ゴルムドを出発後、就寝です。
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朝起きると5:50に青海湖を丁度通過している所でした。後続の便ならもっと綺麗に見えるでしょう。ここもまだ標高3100mで、まだ高地に居る事になります。
青海湖 滝・河川・湖
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西寧(1956km地点、標高2200m)には定刻どおり朝7:00に到着。ゴルムド西寧間は深夜に高速で走って遅れを取り戻した様です。Z6802の終着駅です。ちなみに西寧駅は建て替えが完了していて、少し昔の様に西寧西駅はもう使われていません。
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ここからタクシーで30分ほど乗ってタール寺まで行きます。ここも6大ゲルグ派寺院のひとつです。しかし着いてみて何か違和感が。。チベットの寺というより中国の寺という雰囲気です。
クンブム チャンパーリン寺 寺院・教会
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確かにチベットっぽいものもあるのですが、何か周りの雰囲気とマッチしていません。青海省はチベット自治区ではないからかもしれませんが、かつてアムド地区と呼ばれゲルグ派創始者のツォンカパやダライラマ14世もこの辺りの出身で、チベット文化は元々濃い場所のはずですが。
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タール寺にもバター彫刻とか、ツォンカパ記念館など見事なものもありましたが、残念ながら内部は撮影禁止なので外からの写真しかありません。チベットの雰囲気は甘粛省夏河にあるラプラン寺の方が10倍趣きがあります。
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タール寺は多くの中国人観光客でごった返しており、中国に旅行していることを実感しました。5月下旬だったせいか、チベット自治区は思ったより中国人観光客は多くなく、中国人観光客に圧倒される思いをしたのはここが初めてでした。タール寺に滞在したのは2時間あまり、もっと居たかったけれど西寧から帰国のフライトが午後2時だったので仕方がありません。
17日間のチベット大横断の旅が終わりました。世界の屋根と呼ばれるチベットを陸路で4500kmを走破した旅は忘れられないものとなりました。
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