2017/06/08 - 2017/06/08
23120位(同エリア59292件中)
Masakatsu Yoshidaさん
- Masakatsu YoshidaさんTOP
- 旅行記165冊
- クチコミ418件
- Q&A回答35件
- 170,466アクセス
- フォロワー31人
宗谷本線は、旭川生まれの文豪、井上靖が「道北の王都」と形容した“旭川”と、「日本最北端の都市」“稚内”を結ぶ、日本最北の鉄道路線です。
旭川は、大雪山連邦を仰ぎ見る上川盆地の中心にあり、石狩川、牛朱別川、忠別川などの河川合流部に位置する標高160mの街です。
上川盆地は大雪山系の水資源に恵まれて稲作等の農業が盛んであり、旭川は農産物の集散地となっています。また、酒造りに適した良質な米と水を恵まれているので、市内には男山酒造、高砂酒造、合同酒精など、全国的に有名な酒造会社も存在しています。一方、豊富な木材資源を生かして、日本製紙㈱の製紙工場が立地されていますが、この他に家具や木材加工品に関係する企業もたくさんあります。
私は、このような旭川に18歳まで住んでいましたが、その後札幌、広島県などで暮らしたのち、40年前より横浜に住んでおります。子供の頃には旭川の人口は11万人でしたが、現在では35万人に増加し、北海道では札幌に次いで第2の都会となっています。
旭川と言えば、氷点下41度の日本最低気温を記録したことでも知られていますが、それは100年以上も前のことで、私が60年ほど前に住んでいた頃に実際に体験した最低気温は氷点下30度程度でした。でも、真冬に銭湯から出て湿った手拭いをぶら下げて歩いていると、自宅に着くころには持ち上げるとピンと真っすぐに立つほどに凍っていたことを思い出します。
ところで、母が85歳で他界して以来、今年の6月に13回忌を迎えますので、法要のために旭川に帰郷することにしました。この機会に、日本最北端の宗谷岬をまで足を延ばしたいとの思いから、“宗谷本線”に乗って稚内まで行くことにしました。
旭川と稚内間の距離は約260kmです。旭川・稚内間の列車本数は極めて少なく、1日に鈍行は1本、特急は3本です。特急でも3時間40分もかかるので、東京と大阪を結ぶ新幹線よりも多くの時間を要することになります。私にとっては、宗谷本線の全行程を走るのは初めてですので、道北地域の旅情を楽しもうと考えました。私は旭川発9:00稚内着12:40の特急“宗谷”の指定席券を購入して、この鉄路の旅に臨みました。
ホテルを8:15頃にチェックアウトしました、外に出ると小雨が降っていました。しかし、駅に着いた頃には雨が上がっていました。
- 旅行の満足度
- 4.0
- 観光
- 4.0
- 交通
- 4.5
- 同行者
- 一人旅
- 交通手段
- JR特急
- 旅行の手配内容
- 個別手配
-
出発地の旭川駅
北海道鉄道網の要衝 by Masakatsu Yoshidaさん旭川駅 駅
-
中央改札口。改札口からエスカレーターで2度も使って、プラットホームに上がりました。
-
宗谷本線のプラットホ-ム。
-
プラットホームに着いた頃、東の方向には少々霞んだ大雪山の雄姿を眺めることができました。しばらくすると、出発の5分ほど前に札幌発の列車が旭川駅に滑り込んで来ました。
-
列車は4両編成でした。私の座席は1号車両で、前方のグリーン車と仕切られた後ろ側でした。
-
発車すると間もなく、次のような車内アナウンスがありました。“途中で、エゾシカなどの野生動物が出没する場合があり、その時は急停車することがあるので、手摺り等につかまって掴まって下さい。”とのことでした。このアナウンスに私の好奇心が刺激され、旅情が盛り上げりました。
旭川駅を出発して市街地を抜けると田園風景が広がっていましたが、20分ほど経過した頃には、新緑が目に染みる自然林に囲まれた景観が現れました。そこは、塩狩峠でした。塩狩峠 自然・景勝地
-
9:30頃に、和寒駅に停車しましたが、その周辺には再び田園風景が広がっていました。9;40に士別駅に到着しましたが、この駅を発車して間もなく左手に天塩川が見えてきました。天塩川は、大雪山の北方に位置する天塩岳を源流とし、北海道で第2位ランクする大河です。
士別駅 駅
-
9:55に名寄駅に停車しました。名寄市は人口が3万人弱の都市で、和寒町から士別市、美深町、音威子府(オトイネップ)村などが南北に並んでいる名寄盆地の中心都市です。名寄盆地は、東は北見山地、西は天塩山地に挟まれた地形となっています。
名寄市に因んで思い出すのは、すぐ近くにある下川町が世界的に有名なスキー選手を輩出していることです。今でもレジェンドとして活躍して葛西紀明選手、女子では?・梨沙羅選手とワールドカップで優勝を競っている伊藤 有希選手も、この町の出身者です。
車外の景色を俯瞰的に見ると、この地域は広大な田園地帯となっており、点々と集落が現れる風景でした。美深駅 駅
-
10:15に美深駅に停車。この付近までは水田を見渡すことができましたが、10:30以降は水田がなくなり、畑作地とか牧草地の風景に変わりました。つまり、美深付近が“稲作の北限”と見受けました。
美深駅 駅
-
10:45頃、音威子府に停車したとき、 “線路内に野生生物が立ち入って一時停止したため、定刻より5分ほど遅れています。”とのアナウンスがありました。宗谷本線では、現実にこのような出来事が発生しることを知りました。
-
11:00頃のことですが、車窓の景色を眺めていると列車の周囲は自然林に囲まれており、左手には天塩川が見え隠れしている状態でした。この付近には人家も耕作地もなかったので、野生動物が現れてもおかしくないと思われました。
音威子府駅 駅
-
11:05に佐久駅を通過し、11:15に天塩中川駅に停車しましたが、この付近には広々とした牧草地と野生の蕗やイタドリが混じった草原が見られました。緑が豊富な景色が続いているので、くつろいだ気分の時間でした。
11:30頃、旭川駅の駅弁売り場で購入した“いくらめしのお弁当”を食べることにしました。ワインを飲みながら、イクラ、子エビ、カニの身、切り昆布など、北海道の海の幸に舌鼓を打ちました。天塩中川駅 駅
-
お弁当を食べている間に、いつのまにか天塩川の姿は消えてしましました。
11:45に幌延に到着しましたが、次から次と放牧地が続き、酪農が盛んな地域であることを知りました。後で知ったことですが、この近くには、日本でここにしかない“トナカイ観光牧場”があるそうです。トナカイは北欧などの寒冷地に適した動物であることを思い出しました。
次の豊臣町の駅に着いたのは丁度12:00でした。この駅に到着のアナウンスがあったときに、ふと気づいたことがありました。先ず、最初に日本語、次いで英語のアナウンスがあったのですが、最後に中国語の案内もあったことです。宗谷本線は、事実上観光客が少ないローカル線的な雰囲気の路線ですが、こんなところにやってくる中国人もいる様です。
この駅の近くには豊臣温泉の案合板がありましたが、その時に“日本で最北の温泉”がこの町にあることがテレビで報道されていたことを思い起こしました。
尚、この町は、サロベツ湿原センターの入口ともなっています。幌延駅 駅
-
豊臣駅を過ぎると、針葉樹の樹林が目立つようになりました。よく見ると、針葉樹の大部分は濃い緑に包まれていますが、葉の先端部分には鮮やかな新緑の若葉が顔を出していました。
サロベツ湿原センター 名所・史跡
-
暫くすると、樹林は少なくなり、一面に原野が広がっていました。畑作も出来ない様な自然条件の厳しい土地柄を物語っていると解釈しました。
-
定刻より5分遅れて、12:45に稚内駅に到着しました。
-
ホームには、“日本最北端の駅”と書かれた標識があり、多くの乗客がその前で記念写真を撮っていました。
-
今回初めて稚内を訪れた訳ですが、この町について次の様な印象を持ちました。
・駅舎には、観光案内所、お土産店、飲食店、待合ホール、バス会社の事務所などが整っており、賑わっていました。しかし駅舎を一歩出ると、極端に人通りが少なく、閑散としているに驚きました。駅の近くにはデパートとかショッピングセンター、レストラン街があるのは普通ですが、それらしい繁華街は見当たりませんでした。 -
・ここを訪れたのは6月上旬でしたが、初夏と言うよりも東京付近で言えば3月頃の季候で、地元の人も観光客も皆、上着の上にコートをまとっていました。
-
最後に、宗谷本線の旅を振り返って思い出に残ったことをまとめてみます。
・概ね北へ北へと向かう路線なので、風景の変化に大きな関心を持っていました。大きく区分すると、前半は田園地帯、その次は畑作と放牧地帯、後半は樹林と原野が混在する地帯となっていました。
・全般的に起伏が少ない丘陵地帯で、山を潜る長いトンネルは皆無でした。路線は士別駅付近から天塩中川駅付近まで約2時間は天塩川に沿って走っていたので、全行程の半分は天塩川が見え隠れしていました。
・“途中で、エゾシカなどの野生動物が出没する場合があり、・・・”のアナウンスがある列車に乗ったのは、初めての経験でした。そして、実際に野生動物が現れて、若干の遅れが出ました。旅の情緒としては楽しいですが、近代的な交通手段としては考えものと思います。
・出発点の旭川の人口は35万人ですが。終点の稚内の人口は3.5万人に過ぎません。途中で最大の名寄市でも人口は3万人弱です。宗谷本線は事実上ローカル線であり、赤字路線ですので、この路線がいつまで維持できるのか、分かりません。
利用規約に違反している投稿は、報告する事ができます。
コメントを投稿する前に
十分に確認の上、ご投稿ください。 コメントの内容は攻撃的ではなく、相手の気持ちに寄り添ったものになっていますか?
サイト共通ガイドライン(利用上のお願い)報道機関・マスメディアの方へ 画像提供などに関するお問い合わせは、専用のお問い合わせフォームからお願いいたします。
この旅行で行ったホテル
北海道 の旅行記
旅の計画・記録
マイルに交換できるフォートラベルポイントが貯まる
フォートラベルポイントって?
0
20