2016/12/30 - 2017/01/01
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ぱんスキュさん
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2016年12月23日~2017年1月8日
年越しイラン&UAE・カタール旅行
前々から行きたかったイラン。ここ数年は女性1人でのビザ許可も緩和され、それどころかアライバルで簡単に取れるようになったという…行くなら今でしょ!
ついでにトランジットでUAEとカタールにも寄っちゃおう!という、イスラーム満喫旅行の2週間。
★
2016年12月30日
シラーズから夜行バスでヤズドに到着。
ここは古代ペルシャの国教・ゾロアスター教の聖地であり、ゾロアスター教のシンボルである鳥葬用の『沈黙の塔』や、ヤズド郊外にある聖地チャク・チャクには現代では数少なくなったイラン国内外のゾロアスター教徒も、祭りのある6月に集合するとのこと。
今までアゼルバイジャン、アメリカでゾロアスター教ゆかりの地を巡ってきましたが、いよいよ本家に足を踏み入れることができて感無量。
到着の日が金曜だったため、町は眠ったかのように静か。ヤズドは小さなサイズの都市なので、迷路のような旧市街を散歩してお茶してノンビリと過ごす。
あくる12月31日はヤズド郊外の見所4箇所(カラナック、チャク・チャク、キャラバンサライ&郵便博物館、メイホド城)と、市内にあるゾロアスター教寺院と沈黙の塔のサンセットへ。そして宿では同宿の方のご厚意に預かり、赤いきつねと緑のたぬきでささやかな年越しパーティー★(笑)。
サンセットが微妙に間に合わなかったため、翌朝1月1日は再度沈黙の塔に登り初日の出を拝みます。奇しくも2017年はヤズドは世界遺産に登録されたため、いろいろな意味で絶妙のタイミングの初日の出鑑賞となりました。
2017年もアフラ=マズダ神とご来光の御利益がありますように!
塔の上でそんな祈りの気持ちに打たれた、2017年の始まりでした。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- ホテル
- 4.0
- グルメ
- 4.5
- ショッピング
- 4.0
- 交通
- 4.0
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 20万円 - 25万円
- 交通手段
- 高速・路線バス レンタカー タクシー 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
-
2016年12月30日(金)
朝5:30、シラーズから深夜バスでヤズド到着。
7時間くらいかかると聞いていたシラーズ-ヤズド間ですが、今は5時間半くらいで着くみたい。思ったより早く着きすぎて、市内までのタクシーがおらずバスターミナルの待合室で時間を潰す。 -
ヤズドのバスターミナル外観。夜中だけどそこそこ明るく、不安はそれほど感じないけど油断は禁物な雰囲気。
1時間ほどボーッとしてると、いくつかの客引きがやってきた。いろいろ話を聞いていくうちに、地球の歩き方の17年度最新版に載っていた"フレンドリーホステル"の客引きに着いて行くことに。 -
フレンドリーホステル内部。
塀の中に囲まれたドーム状の空間にはペルシャテイストな水場があしらわれた素敵な空間。新しくできただけあり設備も綺麗だし、フリーチャイ&朝食付きだしここに決めた! -
部屋は個室とドミがあり。地下ドミ8ドルは穴蔵みたいに暗くて布団が床に直置きだったので、個室をチョイス。トリプルしか空いてなかったけど、宿オーナーの好意でシングルの値段で使わせて貰いました。朝食付き1泊25ドル。
2泊目は日本人旅行者とシェアしたため1泊17.5ドルになり、2泊料金の合計42.5ドルでした。
ヤズドは旧市街地に安いホステルが何軒もあって競争原理が働いているため、サービスも質も他都市に比べて良かったです。老舗の有名どころだとシルクロードホテル、オアシス、など…。色々比べてみるのも良いと思う。
詳細はこちらより。
http://yazdfriendlyhotel.com
https://www.tripadvisor.jp/Hotel_Review-g303962-d12298962-Reviews-Yazd_Friendly_Hotel-Yazd_Yazd_Province.html -
早朝に着いたので、宿オーナーを待ってる間に朝食を食べる。到着の日から朝食OKなのはなかなか太っ腹^_^★
8時過ぎにオーナーが到着後、ヤズド近郊にある土の廃墟町カラナック、ゾロアスター教の聖地チャック・チャック、土の城メイホドに行くツアーの相談をする。
すると『今日のツアーはもう出ちゃったよ!今日は金曜でヤズド市内の店は閉まってるから、ツアーに行く人も他にもいたのに。もっとはやく言ってよー』だって!残念…。 -
仕方ないので今日はノンビリ町歩きすることに。
ホテル前のサイン。ヤズド旧市街の奥の住宅街にありますが、夜でも看板のネオンが光っていて目印になります。 -
ヤズド旧市街。土の壁に囲まれた、迷路のような作りの道がクネクネと続いている。
人通りが少なく死角も多く、昼間はそれほど危険を感じませんが、夜は要注意!!!
★危険情報★
わたしはヤズド旧市街の宿~マスジドまでの道を夜に歩いていたところ、後ろからバイクで来た男にお尻を触られ、そのまま逃げられました…!でも荷物は取られず、不幸中の幸い。(しかし人生初のチカンがイランとはなあ…)
これを防ぐポイントをいくつか挙げます。
-夜間に1人で旧市街地を歩かない。
-複数人、できれば男性と歩く。
-止むを得ず1人で歩く時は、女性はスカーフではなくヒジャーブを、コートではなくチャドルなど丈長めの服を着用して極力ローカルと同じ格好をする。(痴漢にあったときは、この旅唯一スカーフ&コートで出歩いてた時だったため。気の緩みに反省)
-道を通るバイクや男性に注意。特に後ろから来るバイク!そして荷物は道路側に持たないこと。
-旧市街の奥地に行かない。人通りの多い主要ルートを通行人がいるときに通る。
こういうつまらない悪党のおかげでイランの評判が落ちてしまうのは、本当にもったい無い限りです。大半の人はとても親切で良い人ばかりなのに…。特に女性は自己防衛を怠らないようにしましょう。 -
旧市街には小さな博物館、観光スポット、レストランが点在しており、偶然の出会いを楽しむのもまた良い。早速修理中のモスクが見えたので行ってみた。
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SEYYED RukAd-dinと呼ばれる人物の廟やマドラサ(神学校)などが揃った複合施設。
https://archnet.org/sites/1693 -
中の廟は神聖な雰囲気だったけど、おっちゃんが俺を撮れ!と言ってきたのでパシャリ。マシュハドやシラーズの廟と比べてカジュアルすぎる扱われ方に、ちょっとびっくり。可笑しかったー!
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こういったマイナースポットでもタイルワークなどが美しいのがイランクオリティ!
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続いて旧市街の中心部、マスジェデ・ジャーメ。元々はゾロアスター教寺院のあったところに15世紀ほどに建てられたモスク。
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中にはブックストアが併設されていました。すべてペルシャ語の本など。
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イランは本の装飾がとてもロマンチックで美しく、文化レベルや美的センスの高さを感じさせられます。さすがペルシャ文化。
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ヤズド旧市街。雰囲気ある道が続く。
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旧市街にあった土壁と扉。こういう一般邸宅と思われるドアにも文様が施されていて、大変趣きがあります。
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ここで同宿のマレーシア人&オーストラリア人と出会い、一緒に昼食を食べることに。レストランの看板に沿って歩く。
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Termeh&Toranjというレストランへ。
https://www.tripadvisor.com/Restaurant_Review-g303962-d10902673-Reviews-Termeh_Toranj-Yazd_Yazd_Province.html -
ここも古い邸宅を改装した中庭が気持ちいいお店。のんびりくつろげる。
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ここでイランの伝統料理、アブグーシュトをチョイス。アツアツの石鍋に入ったスープの具をガシガシ潰し、ちぎったナンと混ぜて食べる、ユニークな食べ物。潰す工程がなんかの儀式みたいでおもしろかったー!
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/アブグーシュト -
ご飯を食べたあとは、2人と別れて旧市街散策を続ける。
迷路のような道を抜けたところに広がる公園、ファハダーン広場。ここにはアレクサンダーの牢獄や十二イマームの霊廟などがある。 -
十二イマームの霊廟。しかし現在は閉鎖中。
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ここでイタズラっ子登場!ペン貸してーだのなんだの言ってる間に、ついにカメラ貸してーになりカメラ取られるの図笑。
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そのうちイタズラがエスカレート!カメラ持って逃げ出すので、追いかけてカメラは取り返すもペンは取られてしまったー!かえせー!(結局取り返せず)
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旧市街を抜けて、街中にあるアミール・チャグマーグのタキイェ(複合施設)へ。
15世紀に建築、モスクやバザールなどがある。 -
入口。複合施設のため、モスクなども併設されているらしい。
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が、ここも金曜のため人通りもなく商店もクローズ…残念( ; ; )
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そのまま街中心にあるバザールに行くも、ここもまたクローズ…やはりヤズドは金曜日の訪問は避けた方がいいですね…。
ヤズドの気温は冬でも20度近くとシラーズに劣らず温暖な気候で過ごしやすい。ちなみに真夏は50度近くになるらしい…無理だorz。特に被り物必須の女性にはキツイ。イラン訪問を冬にした理由の1つがこの気候問題のためでもあります。 -
とりあえずバザール内にある、ハマムを改装したカフェへと向かう。中を覗くと営業中でホッ。
ハンマーメ・ハーン
https://www.tripadvisor.com/Restaurant_Review-g303962-d1497600-Reviews-Hamame_Kan-Yazd_Yazd_Province.html -
チャイ70000リアル。ややお高めなのはこのハマムは博物館のように入場料を取っているためか。確かに昔の写真や歴史的経緯が展示されていた。
このカフェ、奥には団体専用と思しき広いスペースがあったけど、この時のお客さんはわたし1人。ポツンとした空間でのお茶だった。 -
このまま街の北東へ歩き続け、有名な庭園まで行くことにした。庭園を囲む土壁が見えてきました。
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途中の公園では子供がサッカーをしていて、つくづく平和だ。
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町の北西にあるドウラト・アーバード庭園。中心部から歩いて20~30分ほどで着きました。ヤズド随一の観光スポット。
https://www.tripadvisor.com/Attraction_Review-g303962-d3823345-Reviews-Dolat_Abad_Garden-Yazd_Yazd_Province.html -
ここの特徴はバードギールと呼ばれる風取り塔。
地下水路(ガナート)の涼しい空気を屋内に取りこんで各部屋に送り、屋内の熱気をこの塔から外に出すという役割を果たしている。砂漠地帯で夏は暑さの厳しいヤズドならではの建築様式です。 -
バードギール内部の天井。左右対称の幾何学的な建築が美しくて見とれてしまう…18世紀の建築だそうです。
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中のステンドグラスもまた綺麗!ここは昼間に来た方がくっきり見えると思う。
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でも庭園全体としては夕暮れ時の方がロマンチックなムードがあります。だんだんと日が沈んできた…
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橙の昼と紫の夜とが混ざり合い、なんとも言えない色へと変化。ムード満点。
街の中心からは外れていますが、ここはとてもオススメ。 -
すっかり日も暮れたので、帰りはさすがにタクシー利用。ジャーメ・マスジェドまで70000リアル≒1.75ドル。やはりイランのタクシーは安い。
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夜のマスジェデ・ジャーメ。ライトアップされててとても綺麗。そして昼間はシーンとしてた通りに活気が。
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さすがに歩き疲れたのでお茶休憩。マスジェデ近くにあるIranian Old Caffeという観光客向けの店でハーブティーを。
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マスジェデ・ジャーメの前の門前町では、観光客向けの店とローカル向けの店とが入り混じっていた。
これはローカル向けの食料品店で見かけた、ローズウォーターの販売風景。2lペットボトル売り!というのがかなり衝撃的。しかも安い。日本で買うと恐ろしく高いんだよな…。
イランはバラの一大生産地で質の良いバラ水が安く手に入るため、料理などにもたくさん使われている。 -
そして昼間に見かけて気になっていたこのローカル向けスイーツ屋に突撃!これが先ほどのローズウォーターをたっぷり使ったお菓子の数々でした。
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店内。さすがローカル向けのお店らしく、商売っ気があまりなく店員がおらず笑。呼んでも人気がなく、しばらくすると外から入ってきた。無人状態笑。
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何にする?と聞かれたので、とりあえず100000リアル分おまかせで詰め合わせてもらう。オマケしとくよ!と言われて充実の内容です(*^_^*)
右上がねっとり系のハルヴァ。
右下は『貴婦人の窓』という意味のハトゥンパンジェレという揚げ菓子。
左はバクラヴァ、ロウズというナッツと砂糖で出来た菓子、コルーチェというクッキーなどなど。これで2.5ドルとか太っ腹やー!
宿に帰って食べると、ものの見事にすべてバラ味笑。そして大味だったー。繊細なスイーツはアラブの方に軍配が上がると個人的には思いました。 -
宿で少し休憩のち夕飯を食べに外出。旧市街入口そばにあるオリエントホテルのレストラン、マルコ・ポーロへ。ここへ行く途中で痴漢にあったんだよなー、夜は油断禁物…。
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メインは珍しいらくだ肉の煮込み料理を選択。意外にも癖はなく本当に駱駝のお肉なの?!と思ったくらい。美味しく食べられました。
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〆には懲りずにスイーツ、イラン風バクラヴァ。
アラブのと異なりケーキみたいな食べ物。同じ名前の食べ物とは思えない。やはり大味でもっさり、チャイが恋しくなる味。
この後は宿に帰り、翌日の近郊ツアーに備えて早めの就寝。 -
2016年12月31日朝
おはようございます。
早朝からヤズド近郊ツアーに出かけようとしたところに、深夜バスでYさんと日本人旅行者が到着。部屋をシェア&一緒にツアーに参加してくれることに。プライベートツアーで車貸切のため、1人だと50ドルを全額負担しなくてはならなかったので、シェアできるのはありがたかったー!*^_^* -
9時に宿を出発。近郊ツアーの行き先は、
・土でできた家屋の廃墟カラナック
・ゾロアスター教の聖地チャク・チャク
・約2000年以上前の建築物、メイホドのナリン城
・約300年前のキャラバンサライと郵便博物館
その後は市内に戻って、
・ゾロアスター教寺院
・沈黙の塔で夕日見物
盛りだくさんの内容です。 -
各見学場所の位置関係。まずは一番遠くにあるカラナックへ行き、チャクチャク→メイホドのナリン城→キャラバンサライ&郵便博物館の順で回り、最後に市内へ戻るルート。多分他のツアーやタクシーでも同じ行程だと思われる。
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カラナックへの道の途中で記念撮影。ヤズドは砂漠の町で、ひとたび郊外に出るとひたすら荒野が広がっていた。
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10時
カラナック到着。1000年以上前に建てられた土のレンガ造りの建物が広がる。現在は廃墟となっており、住民は近くの集落に引っ越したそうだ。 -
眼前に広がるのは、不思議な土造りの廃墟と日本の農村のような畑。かなり異質な場所で物語の世界のようだ。
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中には立派なな建物もありますが、基本的には崩れかかった家屋も多いので足元要注意。廃墟スキにはたまらない空間だと思われます。
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立派なキャラバンサライもあった。これは300年ほどの歴史がありレストアされてるとのこと。
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ステンドグラスの入った建物はモスク。ここにはまだ物が置いてあり、現役で使ってるんじゃないかと思った。すぐ近くには人も住んでいるわけだし。
30分ほど散策して次の場所へ。 -
本日の車。セダンタイプで乗り心地はまあまあ。
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11時
カラナックから30分ほどでゾロアスター教の聖地チャク・チャクへ到着。切り立った山に沿って建物があり、軽いハイキング状態。
pir-e Sabz Chak Chak
https://www.tripadvisor.com/Attraction_Review-g2317189-d9865173-Reviews-Pir_e_Sabz_Chak_Chak-Chak_Chak_Yazd_Province.html -
階段に沿って登ると、山に沿って建物があった。これは宿坊の役割を果たしており、6月下旬の祭りの際には世界各地からゾロアスター教徒がここに泊まるんだとか。結構オープンエアーな作りだったので驚いたけど、夏のヤズドは雨降らないから問題なさそう。
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10分ほど登り一番上までたどり着くと聖なる場所への扉が見えた。
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入口の扉。ゾロアスターなアフラ・マズダのレリーフが!靴を脱いで中に入ります。
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内部にある洞窟内の不思議な岩清水。この水の落ちる音がチャク・チャクという名前の由来にもなっているそうだ。
砂漠の中でここだけ、周りは潤されて緑も育っている。湧き水のおかげだ。 -
この不思議な現象には伝説があり、その起源についての説明があった。以下ざっと英訳。
ササン朝ペルシアがイスラム・アラブ軍によって滅ぼされた637年、最後の皇帝ヤズデギルド三世の娘ハヤト・バヌーがこの地に逃れたが追っ手がやってきた。娘が祈りを捧げると、岩に崖ができて彼女は消えてしまった。驚いたアラブ軍はその地を去ったが、それ以来彼女の涙のように水が滴るようになったとのこと。 -
周囲にはザラスシュトラやシンボルの有翼生物プラヴァシの絵が飾られており、参拝のための祭壇らしきものが。
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洞窟内にはその他ゾロアスター教を想起させるものがたくさんありました。さすが聖地だけある。
現在、ヤズドにも少数のゾロアスター教徒が住んでいますが、一番多く居住しているのはやはりインド・ムンバイ。
パルーシー=ペルシア人と呼ばれる彼らは今も現役かつ最大のゾロアスター教コミュニティを保っています。 -
12時半
チャク・チャクから40分ほどドライブのち、メイホドという土壁でできた街にあるナリン城へ。城自体も土でできている、物語に出てきそうな建物。
https://www.tripadvisor.com/Attraction_Review-g1642853-d2221449-Reviews-Narein_Castle-Meybod_Yazd_Province.html -
公称によれば約BC4000年に建てられた…というのとで、なんと6000年前の遺跡!誰が何のために建てたのかはよく分かってないようだ。イランの遺跡はスケールがすごすぎる。
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ナリン城の地図。わりと広い敷地内だが、残されているのは建物の外観や外壁が中心。
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入り口入って左手側の東屋のようなところで入場料金150000リアルを払う。ここでは城の保守や復旧に携わる方や土壁などがおかれていた。
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城についての説明。Narin Qalehと言い5000平方メートルもの敷地だそう。それぞれの建物の役割などが説明されていた立て看板が入り口付近にあった。
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城までの道は舗装され、復元や保存が進んでいることがわかる。と言っても部分的ですが。
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階段までもが土が固められて作られている。雨が降らない土地ならではの建築様式だ。
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正確には乾燥した干し草なども混ざった土を乾燥して固めている。強度は想像よりもあって固く、すぐ壊れるようなものではない。
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城の中はガランドウで、建物そのものを見学する感じ。城の中に入って窓から外を眺める。十字のような独特の採光窓に驚き。5000年以上も前にどうやって作ったんだろう。技術と失われた目的とに興味津々のスポットだった。
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ただし建造物は比較的残されており、城壁や塔などにも自由自在に登ったり歩いたりすることができる。アドベンチャー気分でたのしい!
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城壁からのメイホドの町の眺め。城と同じく土壁の町並みが続く光景に、某スターウォーズなどの映画のセットに来た気分になる。
この辺りは古代からそんなに変わらない建築様式が続いているんだろうな。そう思うと胸が熱い。 -
ナリン城のタワー。外装がとても美しく、土でできているとは思えない精巧な造りで本当に見事。古代人の美的センス、想像以上に洗練されてるんだなと感動。
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そのあとは同じくメイホド市内にある、郵便博物館とキャラバンサライへ。この2つは隣り合って建っているが、まずは郵便博物館の方へ。入場料50000リアルを入口のおじちゃんに払う。
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ぐるりと四方を建物に囲まれた構造。中庭には馬車の展示があった。約2500年前のアケメネス朝の時代から、このように手紙を運んでいたそうだ。
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建物内は郵便や通信の歴史に関する展示物。
アケメネス朝ペルシアはダレイオス1世の治世に『王の道』と呼ばれた幹線道路が整備され、それにより郵便も早く届けられるようになったのだ。
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/王の道 -
その他昔の切手や紙幣、郵便事業に関わる人々や職業の紹介、写真等の紹介あり。ペルシアや昔のお金などに興味のある人は行って楽しめるとおもいます。
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続いてお隣のシャー・アッバスィー・キャラバンサライへ。イランの他のキャラバンサライと同じく、現在では土産物屋とレストランになっています。
https://www.tripadvisor.com/Attraction_Review-g1642853-d7914829-Reviews-Shah_Abbasi_Caravanserai-Meybod_Yazd_Province.html -
入口の天井ドームが素晴らしい出来栄え!シャー・アッバスィーというだけあり、1500年代のサファヴィー朝時代に出来たものだそう。こちらは入場無料です。
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建物内は土産物屋が入っている。レストランやカフェもあり、小休止ができます。
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中央からは地下水が流れる冷却システムを見ることができた。砂漠の中で冷を取るための知恵だ。
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14時
いい時間になったので昼食タイム。連れてかれたのは車で10分ほどのこちらのレストラン。お店の名前は不明。 -
団体客もOKなこちらのレストラン、ケバブ類が豊富!名前と写真だけではよく分からずテキトーに頼んだけど、羊のモツ(内臓系)ケバブも入っててなかなか美味しかった。サラダ類がバイキングなのも◎。
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メニュー表をいろいろのっけてみる。ブルガリアケバブとか名称だけではよくわからないメニューもあり興味津々。
ケバブ2品ずつ頼んで1人300000リアル(=7.5ドル)。なんか高いなーと思ったら、ドライバーのおっちゃんの分もちゃっかり払わされてたよ…あとで抗議したんだけどな。
★
フレンドリーハウスで頼んだプライベートツアーの運転手や料金はすべて宿のオーナーが取り仕切っているため、クレームがある場合はオーナーに言うのが良いです。運転手がチョロまかしてないかとか強く言ってくれます。 -
郊外の見どころを回り、約1時間ほどのドライブのちヤズド市内へと戻ってきました。ここからはゾロアスター教関連のスポットを回ります。
まずはゾロアスター教の寺院・アーテシュキャデ=『火の家』へ。キチッと整備された観光客に公開前提の仕様。通常はゾロアスター教寺院は信者以外は立ち入り禁止のところが多いです。
https://www.tripadvisor.com/Attraction_Review-g303962-d324082-Reviews-Zoroastrian_Fire_Temple-Yazd_Yazd_Province.html -
入口すぐには池があり、正面の寺院は左右対称の造り。そしてゾロアスター教のシンボルが掲げられていた。寺院の左側の建物は博物館です。
-
寺院内部。聖なる炎に、壁にかかったゾロアスター教の聖典アヴェスターの一節と絵画があるのみ。シンプルな堂内です。
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ゾロアスター教の創始者ザラスシュトラ様の全身像。ここで注目すべきは左下のサイン。作者と制作年・制作場所が書かれてたけど、制作場所がボンベイ=ムンバイと記されていた。
つまりイランのゾロアスター教徒ではなく、ゾロアスター教徒最大コミュニティのあるムンバイのゾロアスター教徒=パルーシーによって描かれ、ここに寄贈されたものだということがわかる。
現在もパルーシーの人々はインドに住み続けている。奇しくもこの日、わたしのインド料理の先生がムンバイでパルーシー料理を食べててその写真をFBにあげていました。えー、ビックリ!シンクロだー。
料理の見た目はイラン料理そっくりで笑えました( ̄∇ ̄) -
正面の祭壇では、古代より燃え続けている聖なる火が祀られていた。火=神聖なものだと崇めるゾロアスター教寺院には必ずこの火があり、拝火教という異名の由来でもある。
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博物館の方に移動します。
ここではゾロアスター教の教義や聖典アヴェスター、祭りや風習、現代に生きるゾロアスター教徒の紹介など。かなり見応えあり必見。 -
ゾロアスター教の祭壇、ノウルーズという新年を祝う3月21日=春分の日の祭りについて、お祭りの料理、聖なる色である緑色を神具に使う、など。英語での解説と、現物の展示などもありわかりやすかったです。
-
ゾロアスター教の祭りについて。現代のイランにも残っている風習もあり、ゾロアスター教がペルシア文化に与えている影響はかなりあるようだ。
現代のイラン文化を知る上でも、ゾロアスター教は重要なファクターだと思いました。 -
ゾロアスター教寺院を出ると、すでに夕暮れ前のいい時間。日没を見るべく慌てて最後のスポット、沈黙の塔へ。
ここはゾロアスター教の鳥葬施設で、現在は使われておらず観光スポットとなっている。写真の盛り上がっているのが塔だ。 -
沈黙の塔一帯の敷地内への入口。今年から入場料80000リアルが徴収されるようになり、自由に出入りできなくなくなったようで残念…。でも囲いは完全ではなく、バイクに乗った地元の人は囲いのない部分から入場していた。
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沈黙の塔の正面。入口を背に左と右に塔があり、左の方がより高く上がれて右の塔を見下ろせる。もちろん左の塔へ登る。
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約10分ほど歩いて塔の上まで登ると、サンセットを見ようとする観光客がたくさん。夕焼けは綺麗だったけれど、残念ながら日没には間に合わなかった…。うっうっ。
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左の塔から右の塔を見下ろす。右の塔にも登ってる観光客がチラホラ。
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本当に夕焼けは綺麗だったんだけどなぁ…諦めきれない同行のYさんの提案で、明日の初日の出にもう一度トライすることにして、今日のところは一旦宿に帰ることにした。
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宿に戻ってすぐ、マスジェド・ジャーメ前の道にあるIranian Tour & Travel Agencyという旅行会社へ。ここはシルクロードホテルがやっている旅行社のようです。ここでヤズド→イスファハンのバスチケットの手配をお願いした。
その他にもヤズド郊外へのプライベートツアーも申し込めるそう。残念ながら前日に頼みに行った時は誰も希望者がいないとのことで宿にお願いしたけど、ここで頼むのも良いかも。 -
バスチケット。バス会社オフィスで取るのより立派な紙が来てオドロキ!丁寧に西暦表示も書いてくれました。明後日(元旦)の朝9:45発。これより早いのは8時台にありましたが、初日の出を見たかったので余裕をもった時間設定にする。
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チケットも無事にゲットして宿に戻ると18時といい感じの時間。運ちゃんに2人合わせて50ドル払うもしつこくチップを要求され、ヘロヘロの10万リアル札を渡し終了。
そのあとはYさんが日本から持参した、赤いきつねと緑のたぬきを食べる。イランで年越し蕎麦だ! -
こんな感じで蕎麦&うどんmgmg。ゾロアスター教de年越し蕎麦!イラン太陽暦的には今は10月なので大晦日でも新年でもなく、至ってフツーの夜。だけど我々日本人にとっては大事な夜なんだい!
満足したのち、明日早朝の初日の出を拝みに行く車を宿にて手配。明日に備えて早めに寝る。 -
2017年1月1日 朝5時半
あけましておめでとうございます、そしておはようございます!今年も新しい1年が始まりましたー!
目が覚めて一瞬自分がどこにいるか忘れてたけど、ここはイラン・ヤズド。まだユメを見ているかのよう眠気の残る頭をなんとか起こし、そして車を飛ばしやってきたのは昨日に続き沈黙の塔。
敷地を囲う塀は建設途中で、その間を縫って敷地内へと入る。塀が完成してしまうと、将来的にはもう塔の上から日の出を拝むことはできなくなるのかもな…今が最後のチャンスかもしれない。またまた旅の神様に恵まれた、とおもった。
前を歩くのはドライバーとYさん。男性陣の足に遅れまいと必死に歩く。 -
6時20分
さてそろそろ日が昇り始める。今年も新しい1日がはじまる。急いで塔の上へ。 -
日が昇る直前のヤズドの街。人々がまだ眠りの中にいる中、ゆっくりと日は上昇していく。
-
6時53分
ヤズドの大地に、初日の出が現れた。
ハロー2017年!今年もよろしくお願いします★
火を崇めるゾロアスター教の聖地にふさわしい新年の迎え方だ。アフラ=マズダ神のパワーを頂いたような、そんな清々しい気分。最高! -
眼下にはゾロアスター教徒が葬られているという墓地がある。
火を神聖と扱うため火葬NGなゾロアスター教徒。近代化するにつれ、鳥葬にした遺体の屍肉が鳥によって住宅街に運ばれるという被害が出てきたため、現代では鳥葬は廃れているらしい。インドのパルーシーなどはレーザーで遺体を焼き切るのだそうだ。
ここヤズドの沈黙の塔も、鳥葬は60年代には中止されたそうだ。 -
沈黙の塔で初日の出記念の写真を。ヤズドという聖地のパワーを存分に身に浴びた瞬間だった。この後は宿に戻り朝食と取り、バスターミナルからイスファハンに移動。ウェイティングと早朝料金含め2人で20ドルほどのタクシー代でした。
★
2017年、ヤズドは世界遺産に登録されました。これにより知名度が上がり旅行者の増加が見込まれますが、反面観光地化が進むことが予想されます。混み合う前に是非この魅力的な地域へ!
古代ペルシャ人の見ていた風景が、少しだけ見えたような気がしたヤズド探訪でした。
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