2007/11/23 - 2007/11/23
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motogenさん
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朝です。
飯の炊ける臭いが漂ってきました。
タイでは台所らしき台所はなく、炊飯は外で行っています。
家の中で火を使っては、暑くてたまらない・・ということでしょうか。
そういえば私の田舎では、昔は外同然の土間で煮炊きをしていたのです。
懐かしい臭い。
当時のことが蘇るようです。
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お母さんは庭の野菜や、草の中に産んである卵を集めてきて、ガチャガチャとかき回し、
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中学生になったルンちゃんは、炊きあがったご飯や炒め物をお椀に盛って、
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祭壇にお供えし、両手を合わせます。
これが毎朝の日課のようです。 -
その近くには、製作途中の灯篭が並べられています。
土台は太いバナナの茎で、その上に花やろうそくが飾られ、今夜川に流されます。 -
朝食の後、妹のニムちゃんはお母さんに髪の毛をまとめてもらい、
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小学校に出かけます。
ロイカトンの日なのに、学校はあるのです。 -
稲刈りの手伝いに、イェンお母さんの生まれ育った実家に出かけました。
病気がちで60歳を越えているお父さんと、近くの作業所で働いているお母さん、出戻りの長女(40歳)と、その娘さん(14歳)の4人暮らしの家です。
バンコクで働いている三女のトゥックさん(30歳)が、ロイカトンで帰省しています。 -
身支度して、稲刈りです。
ああ、なんと広いこと。
この稲を全部、釜で刈るの? -
働き手は、お母さんとトゥックさん、イェンさん、そして私。
こんな広い田んぼに4人で取り組むのです。
女性ものの長袖シャツや長靴を身につけさせられ、麦わら帽子をかぶらされ、こんな姿で稲刈りです。 -
現在の日本の稲は、台風や強風に備えて背が低くなっています。
しかしタイの稲は背が高い。
洪水で水に浸かっても、穂が水没しないことが大切なんでしょう。 -
刈るところも根元ではなく、腰の高さです。
刈った稲は、そのまま近くに重ねて置くだけ。
腰を深く曲げなくてよく、思ったよりもずいぶん楽です。 -
しかし慣れない仕事ははかどりません。
みんなの半分ほどの仕事ぶりで、少々情けない。 -
2時間ほど働くと、休憩となりました。
大きな水筒の中国茶で水分補給をし、 -
座り込んで空を眺める。
タイ北部は標高が高く、この時期は涼しくて助かります。
この画像をメールで女房に送ったところ、誰なのか理解に苦しんだと言われました。
自分でも笑えてしまう姿です。 -
再び黙々と作業を続けます。
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働けど、働けど、先は見えなく、しだいに意気消沈。
農耕民族の忍耐力、根気強さがありません。 -
それでも一人ではないので、続けられます。
気がつけば、作業はかなり進んでいて、 -
昼食となりました。
田んぼの中にポツンと建っている高床式の小屋は、このための小屋だったんだと知りました。 -
バナナの皮に包まれたもち米ご飯、干し肉のように固い豚肉の塊、野菜の(といっても草のような)煮込み、どっ辛い漬物・・・
昼食はこんなものでした。
口には合わないけど、腹が減れば何でも食べます。
戦争中に南方諸島で餓死した兵隊さんを思えば、ごちそうです。 -
昼食後も歯をくいしばって頑張りました。
途中で投げ出すわけにはかず、もう意地です。
こうして延々3日間も、農作業は続くことになったのですが、次の日からは、ザックさんがポリスの仕事を休み、ルンちゃんも学校を休んで稲刈りに参加。
どうにかこうにか、稲刈りのめどがついたのでした。
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家に戻るとニムちゃんはお洗濯をしていました。
子どもだって一人前に働いているのです。 -
お母さんのイェンさんは、市場で買ってきた魚のうろこを削り、
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今夜のロイカトンのご馳走を作ります。
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ザックお父さんは、パトロールに出かけるようで、腰には実弾入りの拳銃を装備。
こうなると顔つきも変わります。 -
ルンちゃんはお母さんに助けられて、舞踊衣装を身に付け、濃厚なお化粧をして・・
はれがましい笑顔で、友だちの待つ会場に出かけていきます。 -
夜の闇の中を祭屋台が集ってきました。
いよいよロイカトン本番です。 -
屋台はトラックを改造したものから、荷車を改造したものまで様々ですが、
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中央トップには美しいお姫様が乗っています。
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大勢の従者を率いてのパレードで、
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その美しさにうっとりしてしまいます。
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このたくさんの屋台は、どこからやってくるのでしょう。
住民の熱気と興奮とエネルギーに満ち満ちていて、 -
別世界にワープしたような気分。
足元に力が入らず、フワフワとした歩きになってしまいます。 -
この艶やかな美女たちは、地域から選ばれた娘さんのようで、みんなどこの誰なのか知っています。
狭い地域なのです。 -
会場の片隅では大勢の人が熱気球を上げていました。
この地域ではコンファイと呼ばれ、各種のイベントではなたれます。
しかし、こんな間近で発射状況を見るのは初めてで、 -
どんな大きさで、どんな仕組みで、どのように発射するのか・・
近づいて、じっくり観察ができました。 -
点火も難しければ、上昇力を得るまで空気を暖めるのも難しのです。
失敗も多く、何度もやり直している人もいます。
落ちて火事になることもあるそうです。
日本では危険だと、警察の許可がおりないででしょう。 -
ステージではルンちゃんたちの出番で、
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家族みんなで応援して、
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最後は会場横の小川に出かけて、灯篭を流し、
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ゆっくりゆっくり流れていく灯篭を見送ったのでした。
まさかこんなことができようとは、出発の時には思いもしませんでした。
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この旅行記へのコメント (1)
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- trat baldさん 2017/08/24 07:18:02
- 台所が外に有るのは火災予防と聞いた事があるけど、、、、、
- 電化製品を見ても裕福と判るけど流石にコンバインまではね、大変でしたが貴重な思い出ですよね、他人の手を借りない稲刈りは収入に直結するから家族で頑張っているのね!
お父さんは交通警官だったのね、上級職だし収入も多いけど銃を使う状況も有りますね。
日本では廃れつつある盆踊りに相当するかしら、タイの田舎は年に数回のお祭りに老若男女はエネルギーを燃やしますね、歴史を感じる昔ながらのお祭りは幻想的で日々の疲れを癒してくれそう。
写真を見るとコン・ファイ=コム・ファイ=コム・ロォーイですね、世界遺産に登録されているチェンマイ他二ヶ所が観光客用のイベント化してますがロイ・ガトーンと同じくお盆の行事でご先祖の霊を忘れない大切な行事ですね。
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