2011/06/30 - 2011/07/09
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Fuyuyamaさん
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ふと目が覚めると午前3時、やはり体内時計が狂っているのか?完全に時差ボケである。トイレに行った後、眠れぬままベッドの中で過ごすが、窓の外で小鳥のさえずりが聞こえたのを機に起床。まずカーテンの隙間からバルコニーへ出て天気をチェック。まだ太陽は出ていないが、目の前に聳えるアイガーは、雲を所々に纏ってはいるものの頂上までハッキリ見える。三脚にカメラをセットし日の出を待つ。
午前5時40分、アイガーの頂が朱に染まり出した。モルゲンロートだ。今日は天気も良さそうだ。昨日、妻の携帯で天気予報をチェックしたが、今日は晴れ時々曇り、明日は晴れ一色の予報だった。したがって、より天気の良さそうな明日に、このベルナーオーバーランドでのハイライトである「ユングフラウヨッホ」へ上ることとし、本日は「グロッセ・シャイディック~フィルスト~バッハアルプゼー」のハイキングへ出かけることにした。
午前7時を待って、レストランで朝食。このホテルでも、妻お気に入りの「ゴマのクロワッサン」はあったが、出発の時間もあるのでゆっくりはできない。
グロッセ・シャイディックは標高1,961メートル、「大きな峠」という意味だそうで、ここへはグリンデルワルトの駅前からバスで行く。ちなみにスイスでバスと言えば、黄色の「ポストバス」が定番であるが、ここへ行くバスは同じ黄色はしているがポストバスではなく、村営の「グリンデルワルトバス」だ。8時4分発の始発バスに乗り込んだのは、私たち夫婦以外に年配の日本人4人グループのみ。バスはグリンデルワルトのメインストリートを抜けると、いよいよ車一台が通るのがやっとの峠道を結構なスピードで登ってゆく。特徴的なのは警笛で、見通しの悪いカーブでは独特な音色の警笛を鳴らしながら走る。所々にあるバス停で人を乗せながら、約35分でグロッセ・シャイディックに到着した。
バスを降りた途端、目の前に広がるあまりにも素晴らしい風景に目が釘付けになる。鋭いナイフの様なアイガーの左にはメンヒが顔を出し、シュレックホルン、そしてベッターホルンの大岩壁が聳えている。しばし時間を忘れてシャッターを押す。
バスで一緒だった日本人4人グループと立ち話。山口県岩国市から来たそうで、我々と同じ6月30日にスイス入りし、7月12日に帰国予定だそうだ。彼らはフィルストからバッハアルプゼーを抜けてブスアルプスまでハイキングをするとのこと。私たちも同じ方向に行くのだが、実は先に寄り道がある。彼らとの再会を約束して今バスで来た方へ下りていく。私たちが向かっている先は「アントゼーベン」という小さな湖。風の無い穏やかな日は、その鏡の様な水面に山々を映し出す。日本でいうなら「八方池」のような所だ。ただ、ハイキングコースからはずれていることもあり、殆どの人はその存在さえ知らない。私は、たまたまインターネットで知り、このスイスでのメインの被写体に据えている。上から見える池へ向けて山道を下っていく。15分ほどでそれらしい場所に出るが周りは湿地帯であり、入っていける道も無いため「ここだ」という確信が持てない。通り過ぎてもう少し下まで行ってみたがそれらしい場所が無かったため、また先ほどの場所まで戻る。よく見ると湿地帯の中に、かすかに踏み跡らしきものを発見。それを辿って池の畔まで辿り着く。やはりここであった。先ほどより少し雲は出てきてしまったが、水面にはアイガーをはじめとする山々が映っている。思い通りの写真が撮れ、満足して元来た道をスタート地点まで戻る。1時間弱の寄り道であった。
先ほどのバス停から再スタート。ガイドブックでは、フィルストまでは約1時間15分のコースとなっている。砂利道だが幅広いほぼ平坦な道を、山々の絶景を眺めながらのんびりと歩く。道の両側は緑の牧草地にお花畑が広がる素晴らしい景色の連続で、なかなか前へ進めない。このハイキングコースも人気コースと見えて、我々より後のバスで来た人達が次々と追い抜いてゆく。道はやがて二つに分かれる。一方は緩やかに山の斜面を登って行くコースだ。殆どの人達がそちらの道を行くが、我々は登るのは辛そうなのでそのまま現在の道で行くことにした。しばらく進むと道は大きな農場の中を通る。豚や牛が道路の脇におり、道路には彼らの落とし物もたくさんある。グリンデルワルドとを結ぶフィルストのゴンドラ乗り場も目の前だが、かなり上の方に見える。何てことはない、登るのは辛いと先程逃げたツケが最後に回ってきた。それも先程であればなだらかな登りで済んだものが、こちらは距離は短いとはいえかなりの急角度だ。次回来ることがあれば、今度は迷わずあちらの道を通ることを心に誓う。
フィルスト到着は丁度お昼頃。レストランのオープンテラスで先程別れた岩国市からきたグループと再会。彼らも、やはりあっちこっちと写真を撮るのでなかなか前に進めず、ここまで3時間かかったそうだ。私たちが寄り道してきたアントゼーヴェンの写真をお見せしたところ、是非メールで送ってくれないかと名刺を渡され、後日写真を送ることを約束する。彼らは、これから予定どおりバッハアルプゼーを抜けてブスアルプスまでハイキングをするとのことだが、我々は雲が多くなって来たことから、バッハアルプゼーへ行っても山々が湖に映らないこと、また、子ども達へのお土産が気になることから、当初の予定を変更しこのフィルストからグリンデルワルトへ戻ることにした。
なお、昼食はこのフィルストのレストランで食べることとしたが、メニューがドイツ語なのでさっぱり分からない。レストランの中に入り偵察したところ、手前は喫茶のコーナー、奥はビュッフェコーナーになっているらしいが、どういうシステムになっているのか皆目見当もつかない。海外に来て初めて壁にぶち当たる。喫茶コーナにいた女性が感じの良さそうな人だったので、取り敢えずそこにあったパンとケーキを指差しながら何とか食べ物にありつくことができた。それにしてもこのケーキ(トルテ)の大きさは半端無い。勿体ないので全部食べたが、少し気持ち悪くなった。
グリンデルワルトへ戻ってきたのは午後1時30分過ぎ。そのままグリンデルワルトのメインストリートをぶらつく。本日の夕食は街のレストランで食べなくてはならないため、日本語のメニューが置いてある店はないかを見て回る。その結果、「ジャスミン・ガーデン」という中華料理の店を発見。ここなら、メニューだけでなく日本語自体が通じるだろうと思い、夜の来店を決める。
一方、お土産の時計は「日本語観光案内所」のホームページにも紹介されていた「ユングフラウ」というお店で、自分の分も含め4つ購入。免税手続きの書類を書いてもらい説明を受けるが、何分、英語のため半分以上は分からない。後日の不安を残す。帰りに駅前にある「日本語観光案内所」へ寄り地図類を購入する。
ホテルへ戻って一休みした後、7時を機に再び夕食を食べに街中へ出かける。お店は、先程見つけておいた中華料理の「ジャスミン・ガーデン」だ。地下1階にあるお店のドアを開けると既に満員。少し待つことにする。どうもこのお店の経営者は韓国人らしい。かろうじて片言の日本語は通じる。10分も待たずに席へ通される。日本語のメニューで安心して頼めるのが嬉しい。客層を見ると日本人をはじめ、やはりアジア系の人達が多い。肝心のお味はと言うと、若干味付けは薄いが安心して食べられる味。しかし、一緒に頼んだ餃子は、肉まんの餡を皮に包んだ様な代物であった。まだ3日目なのに、早くも日本の味が恋しくなるとは、この先が思いやられる。
明日は、いよいよグリンデルワルトでのハイライト「ユングフラウヨッホ」の見学だ。朝一番の電車で行くため、朝食抜きで出発しなければならない。ホテルのベランダに出ると、夕焼けに染まるアイガーが素晴らしかった。明日は、最高の天気になる予感がする。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- ホテル
- 4.0
- グルメ
- 4.0
- 交通
- 5.0
- 同行者
- カップル・夫婦(シニア)
- 一人あたり費用
- 30万円 - 50万円
- 交通手段
- 高速・路線バス 徒歩
- 航空会社
- フィンランド航空
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アイガーのモルゲンロートは山頂部分だけ。北壁はまだ闇に沈んだままだ。
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狭い峠道を結構なスピードで登ってくるグリンデルワルトバス。カーブでのユニークな警笛は必聴。
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バスを降りるとこの絶景。思わず息をのむ。ここから望むアイガーは、鋭いナイフのよう。
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鏡のような水面に山々を映す「アントゼーベェン」。
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バス停に戻って、フィルストへ向け再スタート。
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緑のアルプ、青い空、アイガーに向かって模型飛行機のグライダーを飛ばす人たち。
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後ろを振り向けば「ベッターホルン」の大岩壁。
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黄色のお花畑の向こうに、先ほど行った「アントゼーベン」が見える。
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アイガーをバックに牛が草を食む雄大な景色。
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足下には「イブキトラノオ」の群落が、風に吹かれている。
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ハイキングコースは、農家の敷地を横切る。ここの牛たちは、毎日こんな絶景を眺めて暮らしているのか。うらやましい!
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雲たなびく「シュレックホルン」。
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こちらは「フィッシャーホルン」。
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当初、「バッファアルプゼー」までハイキングする予定だったが、ガスってきたためフィルストからグリンデルワルトへ戻る。
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グリンデルワルトの「フィルスト・バーン」乗り場。
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どの民家を見ても、美しい花々で飾られている。
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緑のアルプが広がるグリンデルワルトは、ため息が出るほど美しい。
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