2011/06/30 - 2011/07/09
747位(同エリア2143件中)
Fuyuyamaさん
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5時前に目が覚める。ベッドを抜け出し、ベランダに出る扉をそっと開けて天気を確認する。大丈夫、快晴だ。マッターホルンも払暁の空にクッキリと浮かび上がっている。身支度を整え、カメラや三脚、レリーズを持って部屋を出る。妻はまだベッドの中だ。通りに出て、昨日中に下見しておいた撮影ポイントへ向かう。みんな考えることは同じなのか、同じ方向へ歩いていく人が結構いる。絶好の撮影ポイントは、マッターフィスパ川に架かる橋の上だが、近づいて見ると既に黒山の人だかりで、とても割り込む余地がない。それもここに集まっている人達は全て日本人観光客、それも中高年のグループだ。皆、デジカメを片手に今や遅しとその時を待っている。私は、この場所をあきらめこの橋より前方の川沿いの一画に三脚を据え、後方の人達の邪魔にならないようしゃがんで準備を整えた。そして、ついに午前5時42分、マッターホルン山頂の一点が紅に染まった。その紅は、時間の経過とともにゆっくりではあるが着実に頂から下っていく。これまでインターネットや旅行パンフレットなどで見ていた風景が、そのまま現実に目の前で展開している。もちろん、夢見た景色に出会えて興奮しているが、写真は絶対失敗しないよう努めて冷静に、事務的に撮っていく。マッターホルンを染め上げた紅の光は、ちょうど穂先の半分を染め上げたところまでで、それ以降3合目付近まではオレンジ色がかった光に。そして30分後、マッターホルンは早朝にしか見せない衣装を脱ぎすて、昼間の衣装へと衣替えした。
ホテルに戻ると6時30分、妻も起きており身支度をしている。本日は、ホテルの向かいにある地下ケーブルカーに乗って「スネガ」まで行き、そこからケーブルカーで「ブラウトヘルト」を経由し、最終的には「ロートホルンパラダイス」まで行って、そこから『三つの湖を巡るハイキングコース』を歩き「スネガ」まで戻ってくるつもりだ。
朝食後まず駅まで行き、駅に隣接する両替所で円をスイスフランに替えてからケーブルカーの駅へ向かう。長い地下通路を通ってケーブルカーへ乗り込む。やはり、日本人ツアーの団体さんが多い。スネガ展望台へは3分で着くが、それもそのはず、このケーブルカーはすごいスピードで走るのだ。スネガ展望台にはレストランもあるが、まだ時間が早いためお客は誰もいない。展望台という名に恥じず、ここから見るマッターホルンは一段と格好良い。しかし、我々にとってここは単なる通過点、6人乗りの小型のゴンドラに乗り換えて7分で「ブラウトヘルト」へ到着する。次は、ここから大型のロープウェイに乗り「ロートホルンパラダイス」へ向かうが、乗り換えに手間取り1本後のロープーウェイになってしまった。ロートホルンパラダイスは標高3,103メートル。ここからのパノラマも大変素晴らしく、雲が湧いてはいるものの、ツェルマットを取り囲む38峰の4,000メートル級の山々を見渡すことができる。また、目を下方に向ければフィンデルン氷河が横たわり、その上をパラグライダーが悠々と飛んでいる。
ハイキングコースは、最初、正面にこのフィンデルン氷河を見ながら冬場にはスキー場となる広い斜面を下っていく。この斜面が終わると、ゴツゴツとした岩に囲まれたガレ場の道を「フルーアルプ小屋」に向かって進む。足下が悪いので神経を遣う道だが、常に見えるマッターホルンや可憐な高山植物が慰めてくれる。1時間10分程かかって「フルーアルプ小屋」に到着。トイレ休憩も兼ね、ここで一休み。オープンテラスで食べたバニラアイスは『ベリー・ナイス』であった。ここから「ステリーゼー」までは30分程度。途中、モコモコの羊たちとすれ違うなど楽しい道であった。この 「ステリーゼー」も、逆さマッターホルンが映る湖の一つであるが、残念ながら風で湖面にさざ波が立っているため映っていない。それでも、湖とその畔に咲く黄色い花の後に聳えるマッターホルンは、やはり絵になる景色であった。
ステリーゼーから約1時間歩いて、2番目の湖「グリンジーゼー」に到着する。なお、ここに来る途中で「マーモット」を発見し、写真を撮るため大分時間を費やしてしまったので実際は40分位だと思う。さて、「グリンジーゼー」は木立に囲まれた静かな湖で雰囲気も良い。木立に囲まれているせいで幾分風も和らぎ、マッターホルンも完璧ではないが映り込んでいる。マッターホルンのモルゲンロートとともに、湖に映る逆さマッターホルンもツェルマットでの撮影目的の一つだが、何とかこれで目的も達成できた。
写真撮影に時間がかかり先に行ってしまった妻とも無事合流でき、3番目の湖「ライゼー」を目指す。「ライゼー」は、スネガ展望台のすぐ下に位置する湖で、アクセスの良さから地元の人達で賑わっている。結構水は冷たいにもかかわらず中には泳いでる人もいる。この湖も風さえなければマッターホルンが映るのに残念だ。
スネガの駅には午後1時30分に帰ってきた。出発してから約5時間のハイキングであったが、今日は妻の体調も良さそうだ。ツェルマットへ戻り、一度ホテルへ寄ってから街をぶらつく。今日はスイス最後の夜、明日はいよいよ最後の訪問地パリだ。買い忘れたお土産を探したり、今晩のレストランを探したりして過ごす。街中で日本人の新婚さんに「日本語観光案内所」の場所を訪ねられたが、こちらも昨日ツェルマットへ来たばかりで知る由もない。一度は、日本人のいるお土産屋を教え、そこで聞いてみたらと言ったものの気になり結局心当たりを探す。幸いにもすぐに見つかり、妻が走っていって新婚さんを呼び止める一幕もあった。
スイスでの最後の晩餐は、メインストリートに面したホテル「ダービー」のオープンテラスで、「白ワイン」・「トマトとモッツァレラチーズのサラダ」・「スパゲティーカルボナーラ」を食べる。
ホテルに戻って荷物を整理し、明日の出発の準備を整える。ジュネーブから乗るTGVの時間が決まっているため、明日は余裕を持ってツェルマット8時39分発の電車に乗る予定だ。部屋のベランダに出て、夕日に染まるマッターホルンを見ながらスイスでの旅をなぞってみる。世界遺産のベルンの街並み、アイガーを映すアントゼーヴェン、花が咲き乱れる緑のアルプ、白銀のユングフラウヨッホ、ミューレンやロートホルンでの絶景ハイキング、マッターホルンを紅に染め上げるモルゲンロートなど、毎日が充実していたせいか、過ぎてみればアッという間に終わってしまった気がする。また、いつか来ることができる日を夢見てベットに入る。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- ホテル
- 4.5
- グルメ
- 4.5
- 交通
- 5.0
- 同行者
- カップル・夫婦(シニア)
- 一人あたり費用
- 30万円 - 50万円
- 交通手段
- 徒歩
- 航空会社
- フィンランド航空
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午前5時42分、マッターホルン山頂の一点が紅に染まった。
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その紅は、時間の経過とともにゆっくりではあるが着実に頂から下っていく。
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これまでインターネットや旅行パンフレットなどで見ていた風景が、そのまま現実に目の前で展開している。
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マッターホルンを染め上げた紅の光は、ちょうど穂先の半分を染め上げたところまで。
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それ以降3合目付近まではオレンジ色がかった光に。
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そして30分後、マッターホルンは早朝にしか見せない衣装を脱ぎすて、昼間の衣装へと衣替えした。
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ネズミ返しの付いた伝統的な家屋。こんなちょっとした空間も花で飾られている。
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地下のケーブルカーに乗って「スネガ」に到着。
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スネガからは「ブラウトヘルト」を経由し、「ロートホルンパラダイス」へ向かう。
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雲間から顔を出した「ブライトホルン」。
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「ドム(左)」と「テーシュホルン(右)」。
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きれいな三角錐の「ヴァイスホルン」。
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ヨーロッパアルプス第2の高峰「モンテローザ」。
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「フィンデルン氷河」の上をパラグライダーが悠々と飛んでいる。
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「ブライトホルン」の巨大な山容。
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最初の湖「ステリーゼー」が眼下に見える。
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ステリーゼーへの道すがらに眺めるマッターホルンは、一段と尖って見える。
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ゴツゴツとした岩に囲まれたガレ場の道を「フルーアルプ小屋」に向かって進む。
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ステリーゼーへ向かう途中、モコモコの羊たちとすれ違う。
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ステリーゼーに到着。風があるため、逆さマッターホルンは拝めない。残念。
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それでも、湖とその畔に咲く黄色い花の後に聳えるマッターホルンは、やはり絵になる景色だ。
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2番目の湖「グリンジーゼー」に向かう途中にあった、天空から流れ落ちる小川。
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マーモットを発見!
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緑の森に囲まれた静かな湖「グリンジーゼー」。
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かろうじて逆さマッターホルンをゲット。
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3つめの湖「ライゼー」では、泳いでいる人も。
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夕方、ヤギたちが放牧地から帰ってきた。
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明日はパリへ移動。部屋のベランダで、夕日に染まるマッターホルンを見ながらスイスでの旅をなぞってみる。
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