2017/07/23 - 2017/07/23
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ウェンディさん
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月明かりのない新月の夜。
波と波がぶつかり合いさざめく音だけが大海原に響きわたる。
時折、波間にきらりと輝くモノ。
あぁ、アレは海月。
海に漂う月の子供たちだ。
ただ浮かんでいるだけに見えるJelly。
だけれども、彼らにも意思があり、闇を舞う。
長い触手をしならせて、優雅に踊る。
それは、まるで音のない舞踏会。
虹色のドレスを纏うのは、宇宙船型のウリクラゲ。
幽玄的な長い触手がJapanese ホラーの貞子的なユウレイクラゲ。
キノコ模様のオシャレさんは、アカクラゲ。
新月の宵に海月を求めて、加茂水族館へと出かけてきました。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- 交通
- 2.0
- 同行者
- 家族旅行
- 一人あたり費用
- 1万円 - 3万円
- 交通手段
- 自家用車
- 旅行の手配内容
- 個別手配
-
山形県鶴岡市の加茂水族館を訪れたのは、7月の日曜日。
小学校も夏休みに入ったので、混んでいるのだろうな~と思っていたのだが、やはり予想通り。
水族館の中は、夏休みを待ちわびた子ども達で一杯だった。
加茂水族館は、山形県の田舎にある小さな水族館。
アクセスするための交通の便も良くはなく、最寄りのJR駅からもバスで30分。
そのバスだって、2時間か3時間に1本という本数の少なさ。
それなのに小さな水族館の館内は子供だけでなく、キラキラとした輝く目をした大人で溢れていた。 -
加茂水族館がこんなにも人気な理由。
それは、加茂水族館がくらげに特化した水族館だから。
2000年にはくらげの展示数が日本一となり、2012年にはクラゲの飼育数世界No.1の水族館としてギネスに認定され、現在では直径5mの水槽の中に泳ぐ2000匹のくらげを見ることのできるクラゲドリームシアター(写真)が、水族館の顔となっている。 -
青く輝く円盤型の水槽の中で、漂うミズクラゲたち。
水槽の中を覗き込むように眺めていると、水槽のアクリルガラスがとろける様に消え、自分自身が水槽の中に入り込み、くらげと共に浮遊している気分になってくる。 -
水槽の奥行きがどの位なのかは分からないが、くらげが湧き出てくる感じ。
コドモの居ぬ間にオトナの時間♪/幻想的なクラゲの世界は癒し空間 by ウェンディさん鶴岡市立加茂水族館 動物園・水族館
-
もし広い宇宙のどこかに海月(くらげ)の惑星があるならば、それはこんな感じなのかもしれない。
-
現在はくらげ水族館として名の知られている加茂水族館。
でも、どうしてクラゲの飼育に取り組もう…なんて思ったのだろうか?
加茂水族館がクラゲの飼育を始めたのは、ほんの偶然のきっかけから。
珊瑚に付着していたポリプからクラゲが増殖し、そのクラゲを展示したのがお客さんに受けたから…と言うのがその理由だ。
(写真:館内の階段より) -
実は加茂水族館には、落ちこぼれの水族館と呼ばれていた時代があった。
日本の水族館の多くは第二次世界大戦後の経済成長の時期に建築され、珍しい海洋性の生物が見ることのできる場所として子ども達に大人気の場所だった。
しかし、人気は必ず翳るもの。
シャチやイルカなどの大型の海洋ほ乳類を導入する水族館が続々と建築される中で、小さな地方の水族館の人気は瞬く間に落ち、加茂水族館は一度は倒産に追い込まれている。
倒産後に別会社が水族館を買い取ったのだがなかなかその運営はうまくはいかず、入場者数は減る一方。
そんな時に珊瑚に付着したクラゲたちを飼育し展示したところ、物珍しさもあり口コミでその人気は広がり、クラゲの飼育に特化した水族館を目指すことになったそうだ。
そして、現在では世界でも珍しいクラゲの繁殖をリードするトップ水族館として日本国内だけでなく、世界的にもその名を知られている。 -
加茂水族館のクラゲの展示数は50種類以上で、クラゲ以外にも庄内川流域水系の紹介や日本海の海の生き物の紹介もあったが、法事での帰省ついでにちょっと遠出してきた私に許された滞在時間は2時間だけ。
故に今回はクラゲ以外はチラ見だけで、殆ど2時間をクラゲだけに費やそうと思っていた。
だけれど、通りかかった水槽でエイのこんなスマイルを見せられたら、ついつい立ち止まっちゃう…けどね。 -
という訳で、今回の旅行記ではクラゲにターゲット絞り、独断と偏見の解説で、闇夜に浮かぶ海月を紹介♪
まずトップバッターは、日本の海でも見かけるミズクラゲから。 -
白い傘の中央にある4弁の模様が可愛らしいミズクラゲのその別名は、ヨツメクラゲ。
どうして4つ目かって…。
4つの花びらみたいに見える生殖腺(消化管)が、ニコリと笑った目が4つあるみたいに見えるからかな。 -
イチオシ
ミズクラゲの仲間は世界中に沢山生息していて、これはパラオに居るお仲間たち。
ふわりと開いたカサに触手が放射状にキレイに並んでいる。 -
ミズクラゲの餌(プランクトン)に発光性の物質が混ぜてあるのか、餌を食べた後のミズクラゲたちはその生殖腺(消化管)が暗い水の中に浮かび上がる。
-
ペチコートを履いているかのようなミズクラゲも。
工場や発電所の取水口に詰まったり、漁網を破ったりする厄介者のミズクラゲだけど、こうやって見ると、繊細な姿だよね。 -
オーレリア・ラビアータは北米や欧州に生息するミズクラゲで、口腕がまるでレース細工みたいで水クラゲの貴族格かな。
-
キタミズクラゲは日本でも東北以北に生息するクラゲで、その特徴は傘の縁と生殖腺の色が茶褐色のオシャレさん。
綺麗な色なのだけど、これだけの量がまとまっていると、ぐわっと襲わそうで怖いかも。 -
傘が美しいクラゲとは全く正反対なのが、宇宙船型のウリクラゲ。
ウリクラゲは海水浴場で目にするのはちょっと難しく、彼らが住むのは比較的深い海の底。
写真のシンカイウリクラゲは500m以上の深海域に生息している。
シンカイウリクラゲの特徴は、キラキラと虹色に光る発光現象。 -
シンカイウリクラゲが身にまとうのは、体の表面を放射状に巻く光る筋である8列の櫛板列。
櫛板列には繊毛のようなモノがあり、繊毛を波打つように動かすことで光が反射し、体が虹色に光って見える。
残念ながら、シンカイウリクラゲ自身が発光しているわけではないそうだ。 -
うりくらげは体の形も野生の瓜にそっくりなのだが、ウリクラゲの体の形はだてにこんな単純な形をしているわけではない。
彼らの餌の食べ方は、なんと丸呑み。
ミズクラゲなどの口腕や触手を持つクラゲたちはその手足を使ってプランクトンなどを自身の口へと運ぶが、ウリクラゲ達は自分より小さなクラゲを丸呑みする。 -
イチオシ
ウリクラゲをじっくり観察すると、パンパンに表面が張りつめてはちきれそうに膨張しているものと、スターフルーツの様に星形っぽい感じの個体がいるのが分かる。
躰がパンパンのウリクラゲは、今は満腹で、飲みこんだものをゆっくりと消化しているところ。
躰がスターフルーツ型のウリクラゲは、空腹で、自分よりも小さい獲物が寄ってこないか虎視眈々と狙っている最中なのだろう。 -
ウリクラゲの発光現象は自家発光ではなく光のマジックだったが、こちらのオワンクラゲの発光現象は本物の生物発光。
2008年のノーベル化学賞を受賞した下村修教授の研究は、オワンクラゲの発光現象がその研究のきっかけとなったそうだ。
オワンクラゲの場合は、通常の状態ではその発光現象を見ることはできなく、傘の縁が光る様子を観察できるのは、UVライトを当てた時。
だから、水族館での展示でも紫外線ランプを用いていた。 -
オワンクラゲが光る仕組みは、海中のカルシウムとオワンクラゲの持つ特殊なたんぱく質に起因するらしいが、難しい説明はココでは無し!
生命体の不思議…というコトにしておこう。 -
カブトクラゲ(写真)もウリクラゲ同様に櫛板列が体の側面にあり、光が当たると躰全体が七色に輝く。
ウリクラゲとの違いはその形で、カブトクラゲは兜の様に片側が開いた形をしていて、櫛板列の繊毛が兜の上から下へと動くことで、泳ぐための推進力を得ている。
そして、カブトクラゲのいる海域にはウリクラゲがいることが多いそうだ。
それは、ウリクラゲの主食がカブトクラゲだから。
クラゲの世界では同族食いがけっこう多く、水族館ではミズクラゲを大型クラゲのメインディッシュとして給餌している…とのこと。
水族館の展示にやたらミズクラゲが多い理由も、なんとなく納得。
(動物園でも、ひよこなどを飼育して子供向けにふれあい動物イベントを開いているが、あれだって大型肉食哺乳類のお食事にするために育てている過程の一部分を利用しているのにすぎないのだよね) -
カブトクラゲは、水族館のある庄内浜にも夏から秋に現れるそうなので、海が荒れていない日には、カブトクラゲ探しも楽しそうだ。
(写真:キタカブトクラゲ) -
ビゼンクラゲは、その尖った付属器が宇宙船を連想させる。
美味しくなさそうに見えるが、実はこいつは最高級の食用クラゲとなる。 -
コチラは、貞子的な雰囲気を醸し出すユウレイクラゲ科のブルージェリー。
細くしなる触手がワサワサ揺れる感じが貞子的な感じ。 -
水族館では日本初の試みに挑戦しているクラゲもいる。
その一つがサムクラゲ。
現在、どこまで大きくなるのかサムクラゲ巨大化計画を絶賛実施中。
文献によると直径50cmで大型とのこと。
多分、加茂水族館のサムクラゲはもう少しで40cmにもなろうかという大きさ。
世界記録更新も夢ではないかもしれない。 -
サムクラゲの別名は目玉焼きクラゲ。
この角度で見ると、傘の中に黄色い卵の黄身みたいな部分があるのが分かる。
目玉焼き…とはまさにその通りだが、この黄色い部分はサムクラゲの生殖腺に当たるそうだ。 -
サムクラゲは触手が絡まりあう程長くてぱっと見は可愛らしさがないが、よく見るとその口腕はレース細工みたいだ。
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海岸でよく見るアカクラゲの姿。
太陽の光に干されたアカクラゲは萎びて見る影もないが、海の中では女王然とした気品を備えている。 -
イチオシ
しかし、美しいモノには刺があるのが世の常。
アカクラゲの毒は強毒ではないモノの、刺されると火傷のような痛みと水ぶくれを起こす。 -
アカクラゲに刺された時の対処方法は、海水で患部を洗い流すコト。
ポイントは海水を用いるという点で、真水を使うと、真水が刺激となり皮膚に残る触手から更に次なる攻撃の毒針の発射を誘発し、症状を悪化させることになる。 -
綺麗なアカクラゲには毒があるが、その点、水玉模様が可愛くって無毒で安心できるのがタコクラゲ。
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タコクラゲは、パラオのクラゲ湖でも有名だよね。
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イチオシ
コロコロとしたボールのようなクラゲはキャノンボールジェリーフィッシュ。
マッシュルームのようなフォルムが玩具みたいなクラゲだが、正式名にフィッシュが付くのに魚ではなくクラゲであるという点が、私的には若干、納得がいかない。 -
青いコロコロしたクラゲが浮かぶ世界は、ちょっと宇宙的でもある。
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コチラは同じジェリーフィッシュでも国内で初飼育に挑戦中のルテウムジェリー。
パープル色が大人の雰囲気。 -
黄色い傘が印象的なパシフィックシーネットルは北太平洋がその生息域で、大きくなると2mにもなる進撃型クラゲで、もちろんそのお食事対象は小さなクラゲたち。
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足が長いのは、アジアの海域に生息するインドネシアシーネットル。
長い口腕とその付属器が優雅な感じで、まるでダンスをするかのように水槽の中を漂っていた。 -
沢山のクラゲを見たので、中には名前をメモし忘れた奴らも沢山。
エノキみたいな外観の体をくねらすコヤツも名前を覚えていない。 -
たった2時間だけのクラゲ散歩の時間。
夏休みが始まり館内は子供たちで混んではいたけれど、何故か突然子供たちの姿が水槽前から消える時間帯もあった。
それは、アシカショーやウミネコの餌付けの時間帯で、夏場ならば30分ごとに何らかのイベントが行われていた。
だから、オトナな方たちはそんな時間を狙って、クラゲの観察会。
同行した母も子供たちのいない隙に5mの巨大水槽の前に座り込んで、じっくりとクラゲの涼に見入っていた。 -
ずっと行きたかったクラゲ水族館;加茂水族館へと行ってきました。
実家での法要のついでのお出かけで、ちょっとドライブのつもりが片道2.5時間のドライブ。 -
イチオシ
嫌な顔をせずに娘の我儘に付き合ってくれた父に感謝です。
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この旅行記へのコメント (4)
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- TKさん 2017/07/28 11:08:00
- 鶴岡、立ち寄ればよかった!
- ウェンディさん
こんにちは。昨年、酒田へいってきました。
その時、鶴岡へも寄って行こうかどうか、悩んだすえ、行けませんした。
この水族館へも行こうか検討したんです。
今回ウェンディさんの旅行記を見て、残念に思いました。
クラゲ、見ていても飽きませんよね。
(子供のころ、クラゲに刺されて、大変な目にあった経験がありますが。。)
ウェンディさんの旅行記の写真をたっぷり見させて頂き、行った気になりました。
ありがとうございます。
by TK
- ウェンディさん からの返信 2017/07/28 21:01:50
- RE: 鶴岡、立ち寄ればよかった!
- TKさん こんばんは。
山形は良い泉質の温泉も多く子供の頃は家族でよく行っていましたが、関東に居住するようになってからは、アクセスが悪く足が遠のいていました。
今回は約20年ぶりの山形で、鶴岡の中でも水族館と黒いマリア様に絞って見てきましたが、初めて食べた鶴岡の蕎麦(うどん?)の麦切りも美味しかったですし、短時間ながらも山形を堪能してきました。
加茂水族館はさすが世界一位のクラゲ水族館と云われるだけあり、クラゲの生態を知り尽くした水族館だから出来る展示内容もさすが!といった感でした。
幽玄で幻想的なクラゲの世界。
涼しさを味わいながらその脱力感に浸る世界は、ヒーリングにぴったり。
また、行きたい…と思っています。
ウェンディ
-
- cookieさん 2017/07/27 10:54:57
- くらげーーーーー
- ウェンディさん
こんちわ!
きゃ きゃ くらげ 見てると凄い綺麗ですよね
おっとりしちゃう。。
幻想的で 夢の世界にみえる♪
でもね
こちら タイでは ボックスジェリーフィッシュって いうてクラゲの一種で
それこそ真っ青な おおきなくらげ
過去 2年間で 3人ほど そのクラゲに さされて 死亡してるのよーー
だから みるだけに しとく。。
しかし きれいよねーー
クラゲって
それでは また 遊びにきまーーす
cookie
- ウェンディさん からの返信 2017/07/28 20:42:36
- RE: くらげーーーーー
- cookieさん こんばんは♪
クラゲは海岸で打ち上げられてしまうと哀れな姿ですが、水の中に居る時は何だか優雅!
今回は山形のクラゲ水族館で、そんなクラゲたちに癒されてきました。
ボックスジェリーフィッシュは初めて聞きましたが、和名だとハコクラゲですね。
確かにハコクラゲは強毒の刺胞があり、海外でも命を失われている方が多いようです。
日本近海では沖縄のハブクラゲがハコクラゲの仲間で、刺されたときに重症化するみたいです。
ハコクラゲに射された時の対処療法ですが、酢が効くとのこと。
(理由は分からないですが、毒のたんぱく質が酢の酸で変性して毒性が失われるのかしら)
タイで泳ぐときには、ボックスジェリーフィッシュに要注意ですね。
ウェンディ
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