富山・高岡から氷見・砺波・南砺の五月の連休祭りだらけの旅(三日目)~高岡御車山祭は、華麗な山車が自慢。豊臣秀吉が聚楽第に後陽成天皇の行幸を仰いだ際に使用された御所車を前田利家が拝領したことが始まりです~
2017/05/01 - 2017/05/01
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今日は今回の旅のメインイベント、高岡御車山祭見物です。
少し紹介させてもらうと、高岡御車山祭は、昨年、ユネスコの無形文化遺産に登録された「山・鉾・屋台行事」の一つ。もともとは、豊臣秀吉が聚楽第に後陽成天皇の行幸を仰いだ際、使用された御所車を前田利家が拝領したことが始まりなんですね。
祭りの華である7基の御車山は、安土桃山文化を伝える豪華なもの。山の飾りも奮っていますが、祭りの始まりである黒い漆塗りの御所車が見どころで、それぞれの山車は互いにこれでもかといった豪華さを競っています。けっこう近くによって見れるし、行列について歩いたり。邪魔にならないように気を付けつつ、近い距離から楽しめる良さもあると思います。ほか、方向転換をする時は、四つある車の前二つは持ち上げるのですが、ここでかなり力が入る。沿道から応援の拍手が起こったりするのも高岡御車山祭ならではかと思います。
そして、御車山祭りのメイン会場の山町筋自体も見どころ。菅野家を始めとする重厚な土蔵造りの町家がいくつも残っていて、国の重要伝統的建造物群保存地区にも指定されています。明治期に発生した大火の後、火災に備えるために、このようなことになったようですが、埼玉の川越の街なども同じだったはず。この時期、日本全国でこのような事例はいくつもあったのかもしれませんが、それが地域の人に守られ当時の雰囲気をそのまま残していることには大きな価値があるのだと思います。
午前中の射水も含めて、またまた目いっぱいの一日ですが、よろしくお願いいたします。
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さて、御車山祭りは午後からなので、午前中は射水市の新湊地区を回ります。
万葉線は、高岡駅から新湊方面を結ぶ市街電車。高岡市街を抜けて郊外に出ると一旦は街並みが途切れますが、新湊に近づくとまた賑やかになってくる。北前船の寄港地として賑わった港は伏木や岩瀬が有名ですが、この辺りも放生津と呼ばれた港。北前船の寄港地としては少し規模が落ちますが、いずれにしても富山の一番豊かだったエリアの一つ。その香りが街並みにも色濃く残っていて、高岡のレトロな観光地として、なかなかのエリアなんですよね。 -
射水の新湊地区へ向かうには、途中、この庄川を越えて行くことになります。伏木や放生津は、この庄川とか小矢部川の河口にできた港町。そこが北前船の寄港地としても賑わったわけです。高岡の繁栄を支えた川だと思うとちょっと感慨深いものがあると思います。
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西新湊駅で下車して、ここから散策開始です。
新湊地区には運河のような川、内川にはいくつもの橋が架かっていて、独特の景色。この藤見橋は、一番西側。欄干には、よくある擬宝珠の代わりに、御車山祭りの山車のてっぺんについている飾り物のようなものが付いていて、それが見どころです。 -
海はすぐなんですが、海岸線に並行して、東西にこの内川が流れます。新湊地区は、この内川の両側に市街が市街が広がります。
さて、ここから東に進みながら、しばらくは橋巡りです。 -
内川の途中には一か所海につながる場所があって、湊橋はそこを越える橋。なので、他の橋は南北に架かるのですが、この橋は東西に架かります。かつて大火が起きた時、ここに橋がないことで大きな犠牲が出たというのです。
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それについては、放生津の湊橋ということで説明板。文政期に1500戸が焼失するという大火が発生。橋がなく逃げ場を失った48人が亡くなってしまいます。その事件から作られたのがこの橋。お助け橋と言われたのだそうです。
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射水市の新湊地区の沖合いに陸地と並行して架かる近代的な橋が見えていて、それが奈呉の浦大橋。現代になって作られた高架の橋で、車がビュンビュン通っています。他の新湊地区の橋と違って、渡って楽しむのではなく、景観として楽しむ橋ですね。
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少し進んで、これは新西橋。新湊の橋はけっこう個性的な橋が多いのですが、この橋はけっこう普通。車道と歩道を区分するコンクリートの境が意外にデザインのアクセントになっているくらい。橋は平坦なので、車で渡るには安定しているかなと思います。
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ところで、新湊地区は運河の一本南側の通りがメインストリート。野村屋餅店もその通りです。
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朝早くから活気があって、声をかけると奥から元気そうな女性が出てきました。いただいたのは、草餅。突き立てですっていう感じの草餅は餡子も、お店のイメージ通りの素直な甘さ。明るいお店に明るい味わいの草餅でした。
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そのメインストリートを進んで。専念寺は、ごちゃごちゃした新湊地区の中心部。
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ここは、この地を這うように枝を広げた傘松が見どころです。小山のような形をしているので、それが傘という名前の由来なんでしょうが、
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裏を覗くと力強い太い幹がのたうっていて、また違う迫力も楽しめます。
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これは、中の橋。車を通す橋としては道路との境があまり感じられないので、とても機能的な橋だと思います。ただ、それは渡る時の感じ。実際は、大きく高架のように川をまたいでいて、川沿いの遊歩道の邪魔にもならないような設計。街に優しい橋となっています。
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みなとや製パンは、これもメインストリート沿いにある小さなパン屋さん。
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朝まだ作業をしている最中でしたが、コーンとマヨネーズ味の総菜パンをいただきました。飾らない味わいが昔からの街のパン屋さんらしい。歴史を持った街のイメージとも重なるようなパン屋さんです。
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中川大福堂は、野村屋さんと同じお餅のお店なんですが、こちらは至って静かな店内です。
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ちょっと寂しげだなと思いつつ、こちらでも草餅をいただいてみましたが、なるほど。これも老舗の味わい。見た目ではヨモギの濃いのが特徴かと思ったのですが、どっこい餡子の艶がいけてます。
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神楽橋は、運河に架かった橋の中では、この橋が一番大きいかもしれません。橋のかなり手前から上りだして、大きく運河を越えていく形。
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一段高くなった歩道部分もゆったり取ってありますので、安心感も十分です。
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川の駅新湊は、新湊駅の中ほど。運河沿いにあって、観光客にとっては一息つくにはちょうどいい場所になるでしょう。
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人生の約束という映画を紹介していて、何だろうと思ったら、この辺りの見どころをいくつもロケ地に使った映画のよう。確かに、その後あちこちで、人生の約束のロケ地という案内を見かけて、新湊地区がちょっとした観光地であることに気が付かされました。
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中新橋は、木製の橋には微妙な反りがあるのですが、サイドにスカートのような裳階が付いているレトロなデザインです。入口には中央に杭が建てられているので、自転車か人しか通れない橋であることもはっきりしていますね。
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山王橋の橋の特徴は欄干に取り付けられた大きなオブジェです。
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指を指したり、げんこつのように握ったり、合掌したりする手の造形は、なんとも場違いな感じ。どういう発想なのかは分かりませんが、この場違いな感じが強烈なインパクトとなっていて、まあ、それが狙いであることは間違いありません。
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東橋は、新湊地区の橋の中では唯一の屋根付き橋。それに加えて両側に塔のような場所もあるので、橋というより、全体の構造としては建物に近いといった方がいいかもしれません。
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ここも映画「人生の約束」のロケ地。いろんな想像が膨らむような気がします。
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放生津橋は、入口橋柱に建つ越中公方の銅像が何と言っても見どころ。
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立派な飾りを付けた馬にまたがった身分ある風体の武将の姿。越中は京都にも近いし、身分の高い人の往来もあった土地のよう。この後回りますが、越中公方の関係を表現したものでしょう。
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二の丸橋は、二の丸とかいうとお城がイメージされます。橋柱や欄干にデザインされているのは櫓に見えなくもないでしょう。夜になったら灯りもつきそうな感じ。近くには放生津城跡というのがあるのですが、ただ、時代が違うので、関連性は低いかなとは思います。
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これは先ほど触れた越中公方の放生津城跡。小学校の敷地というか縁の方に看板が立っているだけのものなのですが、説明板に書かれた歴史はなかなかのもの。始まりは、鎌倉時代の末期、越中国守護名越氏が置いた越中国守護所。室町期には、守護代神保氏の居城となり、将軍足利義材を迎え、上洛のための諸準備を進めたということ。その足利義材が一時的に政権を構えたのが、越中公方です。
越国は京都と近い関係があるというのは言われているのですが、なるほどこういうのもありましたかっていう感じです。 -
放生津八幡宮は、新湊地区の海側。始まりは天平18年(746年)。越中守大伴家持が宇佐神宮から勧請したというものです。
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室町期には、放生津が石清水八幡宮領となり、この神社が港に出入りする船の課役を行ったともされていて、へーという感じ。境内は少し荒れた感じもしなくないですが、悠々とした広さで歴史の重さが漂います。
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新湊漁港は、放生津八幡から海側に出たところ。朝行ったのですが、もう辺りは閑散としていて、人影もなし。市場がやっていたのはもっと早い時間なんでしょうね。で、それを過ぎると、観光の要素はほとんどなくて、近くに小さな食堂が何軒か入ったバラックがあるくらいです。
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新湊漁港が空振りだったですが、近くで女性部食堂というのを見つけて、そこで朝飯を食べることにしました。
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愛想があるようなないような女性が一人で切り盛りしていて、それでも地元の魚がたらふく食べれるのではないかと思ったら、ここの朝定食はそんなに魚一辺倒でもないですね。しかし、ちょこっと付いた刺身はかなりうまいし、野菜の煮つけなんかもいい感じ。これなら誰でも満足でしょう。
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新湊きっときと市場は、新湊漁港に併設されているかと思ったら、少し離れた場所ですね。
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広い駐車場を持つ敷地の中に巨大な空間を持つ建物が一つ建つだけなのですが、
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鮮魚売り場やフードコートなど基本的な施設が整っていて、これなら十分。
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茹でた蟹をそのまま調理して食べさせるのとかけっこうな迫力。これなら少し贅沢をしたくなる気持ちにもなると思います。
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きっときと市場から海王丸に向かう途中にあるのは、海王バードパーク。入口が分かりにくくて、結局周囲を半周してしまうことに。その分、敷地の広さがよく分かりました。周囲は低木の林で覆われていて、外部からしっかり守られている感じ。鳥が安心して羽を休める環境が整っています。
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海王丸パークに到着して、遠くに見えているのは新湊大橋。内川に架かる他の小さな橋と違って、これは二つの鉄塔を持つ本格的な斜張橋です。
海王丸の向かい側に大きく伸びていて、ダンプとかの大型車も多く行き交っています。この辺りの海沿いは平野なので、どうしてここまでの橋が必要だったのかよく分かりませんが、湾岸の近代化に一役買っている橋なのだとは思います。 -
イチオシ
海王丸パークに停泊展示されている海王丸です。航海訓練所が保有する航海練習船で、平成元年に就航した船です。この日は雨の日でしたが、遠目から見ても本当に美しい帆船ですね。歴史的なものではないのですが、この美しさがあれば保存の価値は十分あるでしょう。
以上で、新湊地区の散策は終了です。 -
高岡市街に戻ってきて。
高岡市美術館は、高岡古城公園の少し先。高岡市の中心部からだと少し距離があります。 -
この日は、市民の作品発表会のような展示。高岡銅器のコレクションも保有しているのですが、常設展はないので、残念ながらそれは見ることはできませんでした。もう少し、何か工夫をしてもらえたらなと思います。
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ただ、見どころとしては、高岡市美術館の二階にある高岡市藤子 F 不二雄ふるさとギャラリーでしょう。氷見にも潮風ギャラリーという同じような施設がありましたが、こちらは藤子 F 不二雄の生い立ちというか、高岡市とのつながりを中心にした展示。
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本人の目線で語っているような展示なので、ふるさとへの郷愁といった思いがよく伝わってきて、それもちょっと心に残りました。
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高岡古城公園の方に戻ってきて、これは高岡市立博物館。
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高岡城の歴史のコーナーもありましたが、
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私が興味をひかれたのは、
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高岡銅器にかかる展示や解説。製作風景を捉えたビデオではいくつかの製造方法があり、それぞれの特徴などを説明していました。
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大きなものから小さなものまで方法を使い分けながら製造していることにもちょっと感心させられました。
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さて、今日のメインは御車山祭り。天気も回復してきたので、祭りの会場の方に向かいます。
この木田芳香園は、高岡大仏の真ん前のお茶屋さん。 -
抹茶のソフトクリームが名物なので、それをいただいてみました。クリームを盛った最後に抹茶を振りかけて、その景色がなかなかいいですね。ただ、お味の方はごく普通。大人しい味わいかと思います。
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少し進んで、これはとぎや。戸出のお菓子屋さんですが、高岡市内だとこの坂下町の電停すぐにもお店があります。
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お餅をいただこうとしたら、女将さんから「おやきもおいしいですよ」と声を掛けられてそれにしてみました。しんこのお餅なので、粘りとかはちょっと落ちるんじゃないかと思ったのですが、焼きの入ったすっきりした味わいはお餅にはないもの。富山のおやき。けっこうファンになりました。
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いよいよ山町筋に入ってきて。
土蔵造りのまち資料館は、山町筋の東端。山町筋には土蔵造りの町家はいくつか残っているのですが、見学ができるのは菅野家とここくらいだと思います。 -
こちらは室崎家という綿布の卸売業を行っていた商家の建物。ちょうど御車山祭りの期間中だったので、表の座敷は祭りの事務所としても使われていました。いずれにしても、大人数が使っても何の問題もなし。重厚な建物です。
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ほー。山車が見えてきました。てっぺんの飾りは鉾留。こちらは胡蝶の飾りが輝いていて、これは木舟町の山車ですね。このシンプルな造形はインパクトあり。蝶は平家の紋章。織田信長の織田家も平家の系統なのでこの紋章ですが、何か関係があるんでしょうか。それはよくわかりません。
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このひと際重厚な建物は菅野家。今日は祭りがメインなので、内部の見学はまた後日です。
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山車の周囲にはまだ観光客の姿はほとんどなし。
天気の関係で今日の祭りがどうなるか心配されていましたから、出足が遅いんでしょうね。 -
笠を被ったお役人風の人たちも出てきて、いよいよ始まりでしょうか。
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引手がゆっくりと山車を動かし始めます。
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と、
よっこらしょと前の車輪を持ちあげたと思ったら、 -
そうして方向転換をするんですね。
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車輪は四つあるので、こうしないと方向転換できないようです。
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イチオシ
青空も見え始めて、祭り日和じゃないですか。今朝はずっと雨が降っていましたが、これなら大丈夫でしょう。
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笠を被ったお役人が先導して、
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堂々たる引き回しです。
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イチオシ
これこれ、これが見たかったんですよね~
山町筋の背景もグッドです。 -
てっぺんの鉾留は、五鈷鈴(ゴコレイ)。守山町の山車です。
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五鈷鈴は、空海が法具として使ったもの。こちらも笠を被った役人が堂々と先導しています。
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雨を用心してシートがかけられていますが、まあ仕方ないでしょう。
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こちらは、胡簗(コロク)と弓矢の御馬出町。胡簗は、矢を指して背中に負う道具です。
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ここで守山町の山車と交差します。
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イチオシ
互いにしずしずと行き交って、まあ何事もありません。
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祭りの始まりにあたって、山車がここに集結しているんですね。
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なるほど、一列に並んでいますよ~
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始まりまでには時間があるようなので、ここでこの場を離れて、少し高岡市内の見物をしましょう。
高岡御車山会館は、山町筋の中ほどにある御車山祭りを紹介する施設。 -
御車山祭りの日は入場が無料だったので、入ってみましたが、結局、展示の目玉である山車が出て行って展示されてないので、無料だったわけですね。
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一方で、祭りの起源となった秀吉から拝領した車輪の話とかはなかなか興味深くて、
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係の人の説明も分かりやすかったです。
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山車の装飾品を間近で眺めて、
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なるほど
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なるほど。
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今日はお祭りですが、それ以外の日なら、ここでまあまあ祭り気分を味わえるでしょう。
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山町筋から金屋町通りに向かう途中の鳳鳴橋。橋の中央に向かい合わせで立っている金色の鳳凰のオブジェが目印です。高岡は銅器が有名ですが、これも銅器で作られたんでしょう。雄と雌の鳳凰だそうですが、ちゃんと対になっているのも面白いと思います。
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そして、これが金屋町通り。第一印象は繊細な格子作りの街並みですが、街のあちこちには高岡銅器に関連したメーカーや販売店、資料館などがあって、職人の街という顔も持っています。京都や金沢のような優雅な景色と職人の技を今に伝える施設が同居していて、なかなか味わい深いエリアだと思います。
金屋町の千本格子の家並みは、重厚な土蔵造りの町家が残る山町筋に対して、石畳の通りは少し蛇行しているし、細かな格子は繊細でちょっと女性的な雰囲気がありますね。ただ、内部を公開しているところはないようで、それはちょっと残念。なお、500mも続く街並みは国の重要伝統的建造物群保存地区にも選定されています。 -
金屋町の裏通りを入ったところに、旧南部鋳造所のキューポラと煙突というのがあります。アスファルトの駐車場のような広場にポツンと残された施設。赤いレンガの煙突は焼き物の窯元なんかで見かける煙突と似ていますね。高岡銅器の製造で使われていたものだと思います。なお、白いフェンスで囲まれていますが、小さな入口があって、自分で開けて中に入れます。
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金屋町にある高岡銅器のメーカーの一つ、織田幸銅器。事務所の向かいの作業場に仏像が何体か置いてありましたが、その後はショールームへ。
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お土産物のような作品から美術品のようなものまであるのですが、ただ、ちょっとどこに目線を置いていいのか分からないような。やっぱり高岡銅器は仏像の方がぴったりくるようにも思います。
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高岡市鋳物資料館は、金屋町の中心部。高岡銅器の作品を豊富に展示していて、写真撮影も可。
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高岡銅器の特徴はその多彩な色にもあるのですが、金の象眼も多用した黒色の美しさが私のお気に入り。
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なお、ここにも製作風景のビデオがありましたが、それは博物館の方で見ていたのでパスしました。
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大寺幸八郎商店は、高岡銅器の販売店。ただ、高岡銅器の小物もないことはないのですが、それに限らず、銅器外の金属製品や焼き物もあったりして、銅器に特化しているわけではありません。高岡銅器は仏像だとかの方がしっくりくるし、やっぱりそこは難しいかなと思います。
一方で、外観は細かな格子造りが美しい。街に溶け込んでいるお店です。 -
鋳物工房利三郎は、金屋町の中心部。小さな高岡銅器の販売店でそれはそれで楽しめるんですが、見るべきは製作現場でしょう。
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お願いすると奥の製作現場を見せてくれます。
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まさに鋳物を作る型の類はなかなか迫力。事前に高岡市博物館で少し知識を得ていたので、いっそう実感が持てました。
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そのほど近くにある有磯正八幡宮です。高岡城築城の際、それまでの「有磯宮」と「横田正八幡宮」の二社が合祀された神社で、金屋町の氏神、石凝姥命(いしこりのどめのみこと)を祀ります。
見どころは二つ。一つは社殿で千鳥破風を持つ銅板葺の屋根。八棟造り。 -
もう一つはご神木のケヤキ。二つを合わせた眺めはなかなか他ではお目にかかれない壮観だと思います。
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さて、これくらいで祭りの方に戻ります。
これは、鉾留が、鳥兜。通町です。 -
ただ、その注目は、でんと座った布袋和尚と
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イチオシ
その前で演じられるかわいらしい唐子のからくり人形。くるりと宙返りとかやってくれました。
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山車は列になって進みます。
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どこで見たらいいのか。ちょっと焦りましたが、
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木舟町の交差点のところでいったん陣取ります。
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さっきの守山町の山車も、こうして見上げるとまたいっそう美しい。やっぱりここがいいでしょう。
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この家では女将さんが山車を出迎えて、皆さんに挨拶しています。特別な関係のあるうちなんでしょうか。山車の方の人たちもとっても丁寧なあいさつです。
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続いては木舟町。
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やっぱり、この山車の魅力は鉾留。このシンプルさがたまりません。
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こちらの鉾留は、太鼓に鶏。小馬出町です。
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そして、こちらも丁寧なごあいさつ。ご苦労様です。天気になってよかったですね。という感じでしょうか。
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続いては、釣鐘の鉾留。
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イチオシ
一番街通です。てっぺんでキラキラ輝いて、どうしてもそっちに目が行ってしまうんですが、
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やっぱり御車祭りの起源は、この車輪。これこそが伝統であり、誇りです。
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桐の鉾留は、二番町。
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これが行列のしんがりです。そして、この山車の特徴は二輪であること。山車の原型はこの二輪の形なのですが、今ではこの二番町の山車だけが二輪なんですね。
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さて、ここでいったんは行列を見送って、今度は狭い路地の方に移動します。
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待ち構えているとやってきました。
これは先頭を務める坂下町。ただ、坂下町には山車がなくて、源太夫獅子(げんだいじし)と呼ばれる獅子頭を持って、行列の露払いをするのが役目です。 -
神輿に続いて、再び通町。
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狭い路地を電線に引っかからないように慎重に進みます。
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イチオシ
まあ、乗っている子供たちは気楽な感じですが、
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今度はさらに近くなので、豪華な車輪もチェックです。
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三番目の御馬出町。
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鉾留がキラキラ輝いています。
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四番目の守山町。
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これなら鉾留の五鈷鈴もしっかり確認できるでしょう。
ただ、狭い路地なのでちょっと邪魔になっているような。また場所を変わることにしましょうか。 -
最後の曲がり角にやってきて、ここで方向転換の様子を見物します。
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御馬出町の山車は方向転換を終えて、また進み始めます。
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続いての守山町の山車も、かけ声を合わせて、
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よっこらしょ。見ているこちらも力が入ります。
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無事に方向転換できて、皆さんも拍手です。お疲れ様~
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イチオシ
またまた木舟町。
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声を合わせて、
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よっこらしょ
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こちらも無事に方向転換できました。
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続いては、小馬出町。
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こちらも豪華な車輪です。
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よっこらしょ
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こうして、難所を次々クリアしていきます。
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ただ、方向転換してしまえば何事もなかったようにまた静かに進んでいく。その感じもまた面白いです。
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釣鐘の一番街通。
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赤い幕と車輪の組み合わせが美しいです。
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よっこらしょ~
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こちらも無事に難所を超えて
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またしずしずと進みます。
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イチオシ
最後の二番町ですが、
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これは二輪車なので方向転換なんか朝飯前。何のことはありません。
以上、8町全部をご紹介できました。祭りの王様は京都の祇園祭ですが、御車山祭りも祇園祭とはまた違った豪華さがありますね。ただ、こちらもその起源は京都にある。京都風を意識した美であることに違いはないでしょう。 -
祭りから離れて、高岡市街をもう少し。
赤レンガの銀行は、山町筋の中ほど。赤レンガがあまりにも美しいので、観光の施設かと思ったら、れっきとした現役で富山銀行の本店。内部の様子も確認しようと思って中に入ったら、いらっしゃいませという女性行員の挨拶をされてしまって、非常に恐縮しました。なお、夜のライトアップも色とりどりに変化するもの。よくできています。 -
高峰公園は、山町筋の少し北側。町の中心にある都市公園といった感じで、御車山祭りの期間中だったこともあるのかもしれませんが、子供たちが遊び回っていました。
公園の中央には高峰譲吉の功績碑。ジアスターゼで知られる高峰譲吉はここで生まれたそうです。その他、高岡市との関わりでは、高岡市がアルミニウムの製造に適した場所であることをいち早く指摘していたということも紹介されていました。 -
と、途中で獅子舞に会いました。これは坂下町ですね。さっきは歩いていただけだったんですが、舞も面白いじゃないですか。ゆっくりした動きから、急に飛び掛かるようなしぐさ。なかなか見入ってしまいます。
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これは高岡駅近くの高岡関野神社。
高岡御車山祭は、実はこの神社の例祭なんです。 -
参道にはずらりと出店が並んで賑やかなもの。ただ、7基の曳山は山町筋の方を巡行するので、どうかするとそれとは別の祭りが行われているような感じがしてしまいます。
ほか、神社というより、お寺のような大屋根の本殿もちょっと変わっているかなあと思います。 -
ここらで遅い昼飯にしましょうか。
日乃出寿しは、大和のすぐそばにあるお寿司屋さん。ネットの評価も高かったので訪ねてみました。
大将が気さくな感じで、これも人気の理由かもとか注文する時に思いましたが、さて、出てきたにぎりは。。 -
お団子みたいになるまで固く握って、こんなのお目にかかったことないですね。
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どうにも違和感があったのですが、これってもしかして鱒鮨の感覚ですね。鱒鮨もこんな風にギュッと固くなってますから。そう考えるとこのにぎりは富山風なのかもしれません。以上、ちょっと悩みながらいただきました。
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日乃出寿しから時間がたって、またお腹が空いたので。
素泊まりにした大仏旅館の主人に伺って、すぐ近くにある中国料理美好で晩飯をいただきました。 -
大仏旅館のご主人にも勧められていた通りで、なかなかうまいじゃないですか。セットものとかのお得感もあるし、これなら地元の人で賑わう理由もよく分かります。
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そして、本日二つ目のメインイベントは、「瑞龍寺 春のライトアップと門前市」。
瑞龍寺 春のライトアップと門前市は、これまで御車山祭りとは違う日だったようですが、昨年あたりから期間が5月1日までとなり、御車山祭りに来た人が一緒に見れるようになったんだそうです。 -
さて、総門を入るといきなりのこの山門が現れます。文政3年(1820年)に再建されたものですが、総欅造り、三間一戸の二重門は、夕暮れの空をバックにその整った建築美がただただ美しい。
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脇間には金剛力士像に上階の仏たちもライトアップされていて、これは目を見張る素晴らしさ。まったく、よくぞここまでやってくれましたという感じです。
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今度は、少し角度を変えて見てみましょう。これもまたいいですよね。
ところで、瑞龍寺は加賀藩2代藩主前田利長が、織田信長・信忠らの追善のため創建した寺が前身のようですが、ここまでの規模となったのは1605年、44歳の若さで家督を譲った異母弟、3代利常の意思によります。 -
イチオシ
利長は実子がなく異母弟の利常に家督を譲ったのですが、利常は利長への感謝の気持ちが強かったのでしょう。また、隠居後の利長は高岡に移っていたので、利長を弔う寺としてもここに建てるのが一番ふさわしかったのだとも思います。
ライトアップの光の色は刻々変化して、それも面白いですね。 -
時間になって、両側の白壁を利用したプロジェクトマッピングも始まりました。最後の展開は御車山祭り。これも華やかな演出です。
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その後は、さらに山門の奥に進んで
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仏殿の方から
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法堂へ。
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順路に従うと、仏殿を横から見ながら、
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最後はまた山門の脇に出る。この角度もまた違う美しさ。またまたたっぷりと瑞龍寺の美を堪能させてもらいました。
さて、今日はメインの御車山祭りも見物して大きな山は越えましたが、まだ旅は折り返し。明日は城端から砺波を回ります。
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この旅行記へのコメント (2)
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- ノスタルジアさん 2017/11/24 10:03:16
- 懐かしい風景
- 有難うございました。実は私は高岡市出身です。高岡大仏の背中近くで過ごしました。5月1日は小学校はお祭りで休みでした。親から小遣いを貰って関野神社の出店で駄菓子を買ったりしました。大仏旅館、日乃出寿し、中国料理美好、感動しています。
- たびたびさん からの返信 2017/11/24 15:23:05
- RE: 懐かしい風景
- そうですか。
富山県の観光というと黒部ダムとか室堂の立山黒部アルペンルートのイメージが強烈過ぎて、富山市や高岡市がちょっと霞んでしまいがち。その辺りをもう少し修正しようと思って計画したのが今回の旅でした。富山市は何度か行っていたのでそうでもなかったのですが、二度目の高岡市の方はこれで大きく印象が変わったかも。
高岡は高岡市街のほか、周辺にはそれぞれ違う文化を持つ多相な街を控えていて、それらを総合するとなんと豊かな地域だろうと感心してしまう。多くの祭りが残っているのも地域の底力があるからこそ。期待以上にいいものを見せてもらったという満足感がありました。その辺りが少しでも発信できていたらと思います。
たびたび
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