2015/10/03 - 2015/10/10
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nitarikujiraさん
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カッパドキアと呼ばれる地域には、古代の地下都市が眠っている。
文字通り、地下に造られた都市だ。
都市というからには都市機能があり、住居だけでなく、教会や食堂、厨房などがあり、家畜の飼育やワインの醸造までなされていたらしい。
調査が進んでいるものだけでも50近くになり、推定で450くらいの地下都市が存在するといわれている。
このうち公開されているのは4か所だけで、その公開している地下都市さえも完全に全容が解明されていないらしい。
道に迷ってしまえば出て来られない恐れもある。
したがって、入場に際しては、入場者のカウントがなされている。
そんな地下都市のひとつ、カイマルクの地下都市を訪ねてみた。
この地下都市では約2万人が生活していたと推定されている。
- 旅行の満足度
- 4.5
- 同行者
- 友人
- 旅行の手配内容
- 個別手配
-
ゲートを入り、少し下ると広間があり、そこからから四方に通路が広がる。
もうこの時点で迷いそうだ。 -
地下4階までが公開されており、通路の高さは低い所で150cm程しかなく、相当な距離をかがんで歩くことを強いられる場所もある。
足腰が弱いと厳しい。
地下に暮らすということはいろいろなハンディキャップがあるだろうから、身長が伸びなかったのだろうか。 -
教会。正面が祭壇。
地下都市は、ローマ帝国の迫害を逃れてこの地に辿り着いた初期キリスト教徒たちが隠れ住み、何世紀もかかって掘り進められて拡張されてきたとされる。
キリスト教徒がローマ帝国から迫害されるようになったのはディオクレティアヌス帝が303年にキリスト教徒の強制改宗、逮捕、投獄などの勅令を出してからなので、それ以降ということになるけれども、もともとヒッタイト人が住んでいたという説もあるらしい。
ヒッタイト帝国というのは紀元前14世紀に最盛期を迎えた中部アナトリアを中心に栄えた帝国であり、世界史を習った人なら覚えていると思うけれど、歴史上初めて鉄器を作った民族であり、これから世界が青銅器文明から鉄器文明へ移行していくことになる。
そしてその武力でメソポタミアを征服することになるのだが、それは置いておくとして、鉄器を持った民族ならこのような洞窟を岩に穿つのは容易であったかもしれない。
しかし、そのような圧倒的な武力を持った民族が地下に住むことになった理由は何だろう・・・などとしばし古代史に思いを馳せる。 -
ワイナリー。
ブドウを奥に放り込み発酵させる。
前の穴からワインが出てくる。 -
ワインや水、穀物が入った壺を置く場所。
手前に倒せるように壺の形状に合わせ、丸く底を掘ってある。 -
香辛料や穀物用の臼。
地下都市を形成する岩に比べ圧倒的に固いので、外部から持ち込んだ岩と考えられている。 -
敵の進入時に通路を塞ぐための石。
内側からは容易に開けられるが、外からは開けられない構造だという。
これも非常に固い石なので、外から運ばれたと考えられている。 -
通気口。
最下層まで続き、井戸を兼ねるものもあるらしい。
アナトリアは古代から異文化、異教徒の交差する場所であり、いろいろなことがあったんでしょうね。
当時の人々は命懸けの生活だったのでしょうが、しばし地下に佇み、遠い昔に思いを馳せてみました。
カッパドキアにはそんな場所が溢れていました。
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