2016/05/01 - 2016/05/01
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ミズ旅撮る人さん
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九州周遊SL探訪の旅で、大分県に来ています。久大本線に沿って久留米から大分に向かう東進の旅です。
大分自動車道で、日田の次の次、玖珠(くす)ICで下ります。JR豊後森駅がすぐ近くですが、まずはちょっと北上して角牟礼城址のそばにある三島公園に向かいます。ここにC11がいます。
その後は、大分のSLの最高傑作に会いに行きます。
豊後森駅の前にある扇形機関庫が整備され、綺麗な公園になっています。そこに君臨しているのが29612です。
機関庫から出て、転車台で方向転換をして、さあ出発しようかといった風情でそこにあります。なんといっても、新品のようにピカピカで、踊り出しそうなくらい嬉しいSLです。大分は見どころが多くて、なかなか先に進めません。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- 交通手段
- 自家用車
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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大分自動車道で、玖珠(くす)ICを目指します。赤鬼が出迎えてくれました。
北海道の登別温泉の入り口にこんな鬼がいたなあ。 -
玖珠ICから国道387号線を北上して、角牟礼(つのむれ)城跡を目指します。城跡のある山の麓に三島公園があります。
その駐車場脇にSLがいます。実はこの看板の後ろなんです。 -
横から見ると、これです。
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C11270。1942年日本車輛製造。1971年廃車。
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赤鬼が出迎えてくれた玖珠町。SLには子鬼が住んでいるようです。
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思いがけず、ピカピカのナンバープレートです。新しく作ったのでしょうか。
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お見事!
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おお、貴重な骨董品。
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小鬼たちは、元気いっぱい、SLの上を走り回ります。
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こんなプレートあったっけ?
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玖珠盆地の山々はメサ(卓状台地)とビュートと呼ばれるテーブル上の形をしたものが多く見れらます。
丘の高さと比べると頂上の長い場合をメサ、頂上の短い場合をビュートと分けています。
もっともよく知られているビュートは、アリゾナ州モニュメントバレーです。
伐株山、万年山、大岩扇山、青野山などがメサ、川上岳、角埋山がビュートです。
玖珠町のようにメサ地形やビュート地形の山々が集まったところは、大変めずらしく、日本でも稀有な場所です。 -
山から下って、JR豊後森駅の南側、扇形機関庫です。駅からも見え、線路の脇にあるので列車からも見えます。
旧豊後森機関庫 名所・史跡
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扇形機関庫は、昭和9年に完成し、第二次世界大戦の戦火の後、昭和46年まで使用され、放置されたままの姿で残っています。
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キハ07形気動車が、この中で眠っていましたが、2003年に九州鉄道記念館に引き取られました。
顔がまあるい可愛い汽車です。この後、九州鉄道記念館で会えることでしょう。 -
機関庫公園の駐車場にあった看板です。
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駐車場から久大本線の線路を挟んで、扇形機関庫を見ます。
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線路を渡る際に、西方向を見ると、豊後森駅が見えます。
単線なので、ここで列車のすれ違いを行います。 -
玖珠町の観光協会のHPには扇形機関庫をドローンで上空から撮影した動画が紹介されています。
「豊後森機関庫 空撮2014」という動画では、まだ29612がいません。
「記憶の断片~「豊後森ノスタルジア」という動画には、登場しています。
余談ですが、このHPには、「戦車道における戦車等通行予定」「日出生台演習場実弾射撃等実施予定」というページがあります。 -
「豊後森機関庫公園」です。
旧豊後森機関庫 名所・史跡
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「豊後森機関庫公園」です。ミニトレインの運行も行われています。毎週日曜日の13~16時ですが、12~2月は日曜の10~13時だけの運行のようです。
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9600型だというのに、こんなに綺麗な車体は初めて見ました。あまりに感激して、涙が出そうです。
大正8(1919)年1月27日汽車製造。走行距離2,667,675.5km。昭和49(1974)年12月廃車。 -
新しく作った看板。
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福岡県糟屋郡志免(しめ)町の中の坪公園に保存されていた29612は、製造から100年近くなって老朽化が激しくなりましたが、その修復のための予算が計上できず、解体が決定しました。
しかし、なんとか保存したいという熱意を持った人々の努力と、直方市の「汽車倶楽部」の協力で、修復が行われました。
2015年6月10日、志免町の無償譲渡という形で、ここ豊後森機関庫に静態保存されることになりました。 -
ここまでピカピカのSLなんて、信じられません。よくぞここまで直してくれました。
直方市の「汽車倶楽部」は、59647を保持しており、直方市石炭記念館のコッペル32や直方いこいの村のD51225、遠賀郡芦屋町のD6061などの保守を受け持っている、SLの技術集団です。その腕前は、見ての通りです。これらのSLには、この後、会えるはずです。
彼らは、毎月各地のSLの清掃・保守を行い、依頼されると、この29612のように修理もします。 -
あんまり綺麗で近づくのが憚られる気がします。徐々に、徐々に近づいて行きます。
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このツルツルの車体に触ったら、手垢がつくんじゃないかしら。そんな心配をしてしまいます。
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運転席には入れないので、下から覗き見ます。もし、入れたら靴を脱いで入りたくなりそう。
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運転席は白いカバーになっています。
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展示してあるだけの他のSLでは、べったりいろんな色に塗りたくってしまう計器類も、塗装は一切なく、磨き込まれています。
本当に静態保存のために、ここまでしたんでしょうか。
SL人吉が8600型だったんですから、この29612だって、動く日が来るかもしれません。
そんな期待を持たせてくれるだけの整備ぶりです。窓の上には、電灯の名前を書いた札がずらっと並んでいます。 -
こんなに導管がついた運転席を見ることはまずありません(現役の車体は別ですが)。
全部残っていたとは思えないので、新造したんでしょうか。「汽車倶楽部」の面々は、SLを再現できる技術があるのでしょうか。
栃木県那須烏山市にある「那珂川清流鉄道保存会」の会長は、2015年に協三工業に依頼して、おそらく日本で最後のSLを製造してもらったのだと話していました。もうSLを作る技術は失われてしまうのでしょう。
「那珂川清流鉄道保存会」のHP。保存車輛の数が半端ではないので、一見の価値があります。
http://www.ns-tetsudo.com/ -
窓ガラスだけじゃなく、車体にも顔が写りそう。
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さすがに、足回りは錆止めのために塗装されています。
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おっ!こんなところに個体番号が顔を覗かせています。
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仰ぎ見る顔が太陽を反射しています。う~ん美しい。
気になるのは前照灯の左側。もう一つ、照明が付いていたのではないでしょうか?
それは、再現しなかったのか、出来なかったのか。 -
ハッハッハ・・後ろのナンバープレートもピッカピカ。
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レプリカを作って売ったら、売れると思うなあ。
これから、これを保存、管理して行くうえで、ずっとお金がかかるんだから、少しは収益を考えなくちゃ。
この公園、無料なんですよ。売店もないから、収益ゼロ。大丈夫なのかなあ。 -
余計な塗装がないから、本当に気持ちいい。
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うふふ、これまできっちり直してくれたんだ。ちゃんと揃っているのって、見たことない。
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塗装があるからって、個体番号が見えない訳じゃない。さすがだなあ。
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いくら見てもため息ばかり。さあ、扇形機関庫を見ることにしましょう。
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1934年(昭和9年)の久大線全線開通とともに完成しました。SL21台が収容できます。
2012年に登録有形文化財に登録されました。転車台の直径は18.5mあります。 -
誰も行かれないから芝生が綺麗。
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これだけ老朽化していると、崩壊の危険性もあるので、転車台から向こうには立ち入り禁止です。
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おや?機関庫の向こうから「ゆふいんの森」がやって来ました。
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観光客たちが見守る中、速度を落として豊後森駅に入って行きます。
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「元気に!九州」の文字が良く見えます。
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豊後森駅に到着です。
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おっ!向こうからも「ゆふいんの森」がやって来ました。どうやら、ここですれ違いを行うようです。
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2台並びました。この光景は、この駅でしか見られないでしょう。
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同じ「ゆふいんの森」でも、若干デザインが違うんですね。
4輌編成の3・4号はキハ71系、5輌編成の1・2・5・6号はキハ72系で運行されています。 -
この「ゆふいんの森」は、大分まで行きます。大分自動車道が湯布院から先が通行止めなので、貴重な足です。
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これは、ミニトレインの車庫です。ずいぶんたくさんの線路がありますね。
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その向こうに、「豊後森機関庫ミュージアム」があります。
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水戸岡鋭治氏の制作品や、旧豊後森機関庫や鉄道の歴史に関する資料の展示を行なっています。
水戸岡鋭治氏については、日田の旅行記で言及しました。
午前10時~午後4時。月曜定休。入場料100円。 -
水戸岡鋭治氏デザインのY-DC125が来ました。
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機関庫の背後の山々が由布岳・鶴見岳などで、その懐に湯布院があります。次回は、湯布院のSLを訪ねます。
2016年冬のコースでは、毎週日曜日、豊後森機関庫公園に「クルーズトレインななつ星」の乗客が約1時間30分立ち寄り見学をしているそうです。
この29612と一緒の瞬間を撮ってみたいものです。
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