2016/11/03 - 2016/11/05
80位(同エリア150件中)
naoさん
旅の行程
11月 3日 宇津ノ谷、東海道 岡部宿、花沢の里
11月 4日 蓬莱橋、東海道 島田宿 大井川川越遺跡、東海道 日坂宿、遠州森町
11月 5日 遠州横須賀、東海道 白須賀宿
かつて遠州森町と呼ばれた静岡県周智郡森町は、「火伏せの神」として多くの信仰を集めた秋葉神社へ通じる街道筋に位置し、秋葉神社の参詣客でにぎわう宿場町として、また、遠州灘で作られた塩を信州へ運ぶ「塩の道」の中継地として栄えたところで、山紫水明の落ち着いた佇まいから、「遠州の小京都」と呼ばれています。
遠州森町と聞いて、私のような昭和世代がまず思い浮かぶのは、『あんた江戸っ子だってねえ、喰いねえ、喰いねえ、寿司喰いねえ。』のセリフで有名な「森の石松」です。
東海道一の大親分、清水次郎長一家の中でも一番の人気者の「森の石松」は、『腕と度胸じゃ負けないが~♪ 人情絡めばついほろり~♪ 見えぬ片目に出る涙~♪』の歌詞からも判るように、酒飲みの荒くれ者でありながら義理人情に厚く、どこか間抜けた振舞いから『馬鹿は死ななきゃ直らねえ』と周りの者からからかわれる、『お人好しのお馬鹿さん』といった愛すべきキャラクターで、小説、講談、浪曲、映画、芝居などに数多く描かれています。
また、遠州森町特産の上質な遠州茶は、『秋葉路や~♪ 花橘も茶の香り♪ 清き流れの太田川♪ 若鮎踊る頃となり♪ 松の緑も色さえて~♪ 遠州森町良い茶の出どこ♪ 娘やりたやお茶摘みに~♪』と、浪曲清水次郎長外伝「森の石松」にも歌われ、二代目広沢寅造氏の口演により、全国にその名が知れ渡っていきます。
江戸時代中期以降、全国の古着市場の相場をも左右するとまで言われ、古着の町として知られる森地区(旧名 森町村)は、葛飾北斎が描いた「日本繁盛百万都市」の西前頭25枚目にその名を見ることができ、遠州経済の7割を占めたといわれるほどの盛況ぶりでした。
江戸時代、『森の横町なぜ日が照らぬ 秋葉道者の笠のかげ』と俗謡にも謳われるほど秋葉街道の宿場町としてにぎわい、桝形、常夜灯、道標が当時の面影を伝える天宮(あめのみや)地区は、今も切妻屋根の中2階建てに、格子や袖壁をしつらえた伝統的な町家がかつての街道筋に点在し、ごく普通の商店街に姿を変えた中にも鄙びた町の風情が漂っています。
天宮地区から約1km北に位置し、秋葉街道に沿って展開する城下(しろした)地区は、戦国時代天方城の城下町だったところで、大きな特徴となっている、道路と建物がノコギリ状に配置された町並みは、天方城への敵の進入を防ぐための市街戦に備えた「武者隠し」と言われる戦略上のもので、城下地区が戦国時代の城下町だったことを示しています。
天保4年(1833年)に建てられた秋葉山の常夜燈が残る町並みには、切妻屋根平入りの大きな町家が比較的たくさん残されています。
- 同行者
- 一人旅
- 交通手段
- 自家用車 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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「遠州の小京都」と呼ばれる遠州森町にやって来ました。
この日は遠州地方の秋祭りを締めくくる、三島神社の御祭礼「森のまつり」の初日にあたっていて、遠州森町の中心部は一般車両が通行止めになっているので、少し離れたところに車を停めて、先ずは森地区から町歩きを始めます。 -
お祭りとあって、町並みに連なる大方の町家には祭りの飾りつけが施されています。
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いわゆる御神燈と、花を模した飾りが玄関先に飾られています。
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遠州森町の汚水枡の蓋。
町の鳥「カワセミ」、町の花「ユリ」、町の木「サザンカ」がモチーフになっています。 -
大きなガラスの格子戸が使われた町家。
下屋の屋根は板葺になっています。 -
年に一度のお祭りだと言うのに、町並みはガランとしています。
この日も祭りの屋台が曳き廻されてはいたんですが、見所は明日と明後日だそうで、けんか祭りとして名高い勇壮な曳き廻しや激しい練りが、この町並みを舞台に繰り広げられるそうです。 -
下屋の軒先に赤い布が下げられていますが・・・
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曳き廻された屋台が激しい練りでぶつからないように注意を促しているんでしょうね。
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2階のガラス窓の内側に紙障子が嵌められています。
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建物のほぼ全面に格子が嵌められた町家。
1階の下屋が鉄骨で補強されています。 -
町並みの所々に「森のまつり」のポスターが貼られています。
ポスターは、祭りの期間中三島神社にお仕えする舞児さんを前面にうちたてています。 -
2階の窓に少し粗めの格子が嵌められています。
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森地区の町並みです。
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きれいに磨き込まれた大きなガラスの格子戸を使った町家。
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町並みに中に、「森のまつり」の役員の方々が詰めておられる祭典本部のテントが設置されていました。
テントの上には、お祭りで曳き廻される全十四社の屋台の提灯も掲げられています。 -
この町家に貼られたポスターによると、11月末にはこの町並みを会場に「町並みと蔵展」というイベントが行われるようです。
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1階の外観が全面的に改装されていますが、それ以外はかつての風情ある姿を留めています。
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広い縁側のある町家です。
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奥の高台に見えるのが三島神社です。
参道に並んだお祭りの提灯が、境内へと導いています。 -
粋でいなせな法被を身に纏ったお兄さんとお姐さん。
大阪のだんじり祭りで育った私ですから、こんな姿を見るとついつい血が騒いできます。 -
こちらは老舗の糀屋さんです。
お米に糀菌を植え付けて作る糀は日本古来の伝統的な食文化で、味噌、醤油、日本酒の醸造には欠かせません。 -
こちらのお店は、残っている資料で確認できる創業時期が天保13年(1842年)とのことで、恐らくもっと古くからやっていたのではと言われています。
軒先で揺れる暖簾に老舗の伝統がしみ込んでいます。
森地区の次は天宮地区に続きます。 -
天宮地区の祭りの法被と同じ柄で染め上げた暖簾。
「森のまつり」は、この地に住む人々にとっては「ハレ」の日なんでしょうね・・・。 -
遠慮がちに祭りの飾り花を飾った町家。
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土塀に埋め込まれた瓦が、個性的な景色を作っています。
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橋の欄干が低いので、「祭りに夢中になって、川に落ちないようにね!」と、注意を促す意味で祭りの提灯が並べられています。
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大きなガラスの格子戸のある町家と一体となっているのは・・・
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虫籠窓やナマコ壁をしつらえた酒屋さんです。
お店の部分を改修しされたんですぅね。 -
天宮地区の町並みです。
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こちらは、天宮神社の例大祭の時に迷子になっていた7歳の森の石松を保護して、14歳まで育てた新屋旅館です。
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その後、この旅館に宿泊した清水次郎長に見出された石松は・・・
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清水一家の石松として、荒くれ者だが義理人情に厚いお人好しに成長していきます。
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こちらが新屋旅館の隣にある天宮神社の参道です。
ちなみに、天宮神社の例大祭は毎年4月の第1土曜・日曜に行われます。 -
天宮神社の先の町並みです。
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道路側全面がガラス戸の町家。
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先ほどのガラス戸にその姿を映していた町家。
格子戸と下見板張りが特徴です。 -
この町家は空家なのか、2階の窓を鉄板で打ちつけています。
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朱色の雨戸が艶やかです。
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風情ある町家が並んでいます。
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軒先に祭りの提灯を吊った町家は・・・
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持ち送りで支えられた木製の手すりがアクセントになっています。
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さて、そろそろ天宮地区の北端が見えてきました。
次は、少し先の城下地区へ向かいます。 -
城下地区の南端にやって来ました。
城下地区の北端にお祭り見物客用の駐車場が用意されていたので、そこに車を停めて歩いてきました。 -
先ず目についたのが納屋と思われるこの建物です。
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屋根の低い町家です。
これだけ大きな屋根面を見せているので、奥行きの深い建物かと思われます。 -
この辺りからノコギリ状の町並みがつづきます。
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戦国時代に天方城の城下町だった城下地区には、道路と建物がノコギリ状に配置された町並みが作られました。
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これは天方城への敵の進入を防ぐための市街戦に備えて、戦略的に設けられたもので・・・
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「武者隠し」と呼ばれています。
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「いざ!」という時にはノコギリの刃の影に武者が隠れて、敵を迎え撃ったんでしょうね。
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城下地区が戦国時代の城下町だったことを如実に物語る、貴重な町並みですね。
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町並みに、火災を監視する火の見櫓が残っていました。
火災を発見した時に打ち鳴らす半鐘が備えられています。 -
下屋を板で葺いたこの町家は空家のようです。
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軒下を飾る祭りの提灯たち。
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城下地区の町並み。
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建物の真ん中に大きな紙障子が「でーん」と構えた町家。
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ノコギリ状の建物配置に合わせて、下屋が道なりに切り取られています。
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2階のガラス窓が個性的な町家。
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城下地区の町並みを振り返った光景です。
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「森のまつり」に屋台を曳き出す十四社の内の一社、「谷本社」の提灯が掲げられています。
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左の町家の窓が、さしづめお祭りの掲示板のようになっています。
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こちらの町家の2階の内部に廊下が設けられています。
旅籠なんかで見かけることはありますが、普通の町家では珍しい作りです。 -
緩やかに弧を描きながら続く町並み。
正面に秋葉山の常夜燈が見えています。 -
出窓側面の格子が落とす影が、思いがけない景色を生んでいます。
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この町家の1階は、町並みの景観に配慮して伝統様式を踏襲した格子に改修されています。
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この町家の横の空き地は「谷本社」の詰所になっています。
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「谷本社」の詰所と秋葉山の常夜燈です。
ちなみに、この常夜燈は集落の防火と安全を祈願して、住民の皆さんの浄財で建立されました。 -
ここで「さるぼぼ」を三題。
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「森のまつり」との関係はよく判らないんですが・・・
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恐らくはお祭りの安全を祈願して飾られているんでしょうね・・・。
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こちらの町家も提灯に「さるぼぼ」が吊られています。
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「谷本社」の詰所のある方向を振り返って見た町並みです。
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茶どころ遠州森町特産のお茶を扱うお店。
ナマコ壁がこのお店の目印のようですね・・・。 -
町家の庭先で、ツワブキが黄色い花を咲かせていました。
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車を停めた駐車場の前のガードレールに取り付けられている案内板。
遠州森町が秋葉神社へ通じる街道筋に位置していること、また、遠州灘で作られた塩を信州へ運ぶ「塩の道」であることを教えています。
では、今宵の宿へ向かいます。
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