藤枝・岡部旅行記(ブログ) 一覧に戻る
旅の行程<br />11月 3日 宇津ノ谷、東海道 岡部宿、花沢の里<br />11月 4日 蓬莱橋、東海道 島田宿 大井川川越遺跡、東海道 日坂宿、遠州森町<br />11月 5日 遠州横須賀、東海道 白須賀宿<br /><br />静岡県藤枝市岡部町は宇津ノ谷峠を控えた交通の要衝として、鎌倉時代にはすでに宿場町が存在しており、慶長20年(1615年)に東海道五十三次の日本橋から数えて21番目の岡部宿として正式に認められます。<br /><br />寛永12年(1635年)に参勤交代制が布かれると、増加した交通量を賄うため南側の内谷村新町が加宿に指定され、これに伴い、岡部宿本町と内谷村新町の2ヶ所に問屋場が置かれることになりました。<br /><br />天保14年(1843年)の「東海道宿村大概帳」によれば、加宿を含んで南北13町50間余りの岡部宿は、本陣2軒、脇本陣2軒、旅籠屋27軒、家数が487軒、人口が2322人と、中規模の宿場町だったようで、大大名など大規模な宿泊の場合は夜具などが不足して、燐宿や近在の村々から借りたこともあったようです。<br /><br />岡部宿の二つ先に島田宿がありますが、大井川の増水により川越えが困難になると、客引きがこの事を知らせて旅人の袖を引き、ここ岡部宿も大いにその恩恵にあずかったといいます。<br /><br />明治22年(1889年)に現在のJR東海道線が開通すると、岡部宿は宿場としての役目を終え、農業を中心とした町に変貌しますが、車社会の到来とともに、旧東海道は国道1号線としての整備が始まり、かつての街道筋が拡幅されると、北の外れに建つ旅籠1軒だけを残して、本陣、脇本陣、大型の旅籠などが次々に取り壊されてしまいます。<br /><br />しかし、岡部宿の加宿の内谷村新町は、幸いにも国道1号線のルートから外れたため風情ある町並みが残ることとなり、現在、多くの町家は新しく建て替えられているものの、点在する古い町家は景観整備に併せて修復保存され、宿場町当時の面影を今に伝えています。

2016 静岡の旅 2/9 東海道 岡部宿 (1日目)

24いいね!

2016/11/03 - 2016/11/05

42位(同エリア142件中)

0

62

nao

naoさん

旅の行程
11月 3日 宇津ノ谷、東海道 岡部宿、花沢の里
11月 4日 蓬莱橋、東海道 島田宿 大井川川越遺跡、東海道 日坂宿、遠州森町
11月 5日 遠州横須賀、東海道 白須賀宿

静岡県藤枝市岡部町は宇津ノ谷峠を控えた交通の要衝として、鎌倉時代にはすでに宿場町が存在しており、慶長20年(1615年)に東海道五十三次の日本橋から数えて21番目の岡部宿として正式に認められます。

寛永12年(1635年)に参勤交代制が布かれると、増加した交通量を賄うため南側の内谷村新町が加宿に指定され、これに伴い、岡部宿本町と内谷村新町の2ヶ所に問屋場が置かれることになりました。

天保14年(1843年)の「東海道宿村大概帳」によれば、加宿を含んで南北13町50間余りの岡部宿は、本陣2軒、脇本陣2軒、旅籠屋27軒、家数が487軒、人口が2322人と、中規模の宿場町だったようで、大大名など大規模な宿泊の場合は夜具などが不足して、燐宿や近在の村々から借りたこともあったようです。

岡部宿の二つ先に島田宿がありますが、大井川の増水により川越えが困難になると、客引きがこの事を知らせて旅人の袖を引き、ここ岡部宿も大いにその恩恵にあずかったといいます。

明治22年(1889年)に現在のJR東海道線が開通すると、岡部宿は宿場としての役目を終え、農業を中心とした町に変貌しますが、車社会の到来とともに、旧東海道は国道1号線としての整備が始まり、かつての街道筋が拡幅されると、北の外れに建つ旅籠1軒だけを残して、本陣、脇本陣、大型の旅籠などが次々に取り壊されてしまいます。

しかし、岡部宿の加宿の内谷村新町は、幸いにも国道1号線のルートから外れたため風情ある町並みが残ることとなり、現在、多くの町家は新しく建て替えられているものの、点在する古い町家は景観整備に併せて修復保存され、宿場町当時の面影を今に伝えています。

同行者
一人旅
交通手段
自家用車 徒歩
旅行の手配内容
個別手配
  • 岡部宿へやって来ました。<br /><br />岡部宿公園にある駐車場に車を停めて町歩きに向かいます。

    岡部宿へやって来ました。

    岡部宿公園にある駐車場に車を停めて町歩きに向かいます。

  • 先ず訪れたのは岡部宿を代表する旅籠として名高い「大旅籠柏屋」です。<br /><br />「大旅籠柏屋」は2度の大火に見舞われたようで、現在の建物は天保7年(1836年)に建てられた3代目の建物になります。

    先ず訪れたのは岡部宿を代表する旅籠として名高い「大旅籠柏屋」です。

    「大旅籠柏屋」は2度の大火に見舞われたようで、現在の建物は天保7年(1836年)に建てられた3代目の建物になります。

  • 築後180年を経た今日でも、随所に建築当時の佇まいを見ることができます。

    築後180年を経た今日でも、随所に建築当時の佇まいを見ることができます。

  • 正面玄関を入った右手には帳場があり、旅姿の人形が出迎えてくれます。<br /><br />内部は資料館になっているので、私も見させていただきます。

    正面玄関を入った右手には帳場があり、旅姿の人形が出迎えてくれます。

    内部は資料館になっているので、私も見させていただきます。

  • 道中合羽に三度笠をかぶり、肩に振り分け荷物を担いだ、江戸時代の旅姿の代名詞ともいえる旅装束が展示されています。

    道中合羽に三度笠をかぶり、肩に振り分け荷物を担いだ、江戸時代の旅姿の代名詞ともいえる旅装束が展示されています。

  • 無事宿に着いて、みせの間で一息つく旅人達。

    無事宿に着いて、みせの間で一息つく旅人達。

  • みせおくでは、長押に掛けてある藍染の法被を着た御主人が、長火鉢の前で煙管を燻らせて御満悦だったんでしょうね・・・。

    みせおくでは、長押に掛けてある藍染の法被を着た御主人が、長火鉢の前で煙管を燻らせて御満悦だったんでしょうね・・・。

  • 台所に展示してある什器類。<br /><br />昔は、藁を編んだ菰の中に飯櫃を入れて、ご飯が冷めないように工夫していたもんです・・・。

    台所に展示してある什器類。

    昔は、藁を編んだ菰の中に飯櫃を入れて、ご飯が冷めないように工夫していたもんです・・・。

  • 本座敷から見た中庭の佇まい。

    本座敷から見た中庭の佇まい。

  • 二方を開け放った大きな窓からは、和風庭園が望めます。

    二方を開け放った大きな窓からは、和風庭園が望めます。

  • 庭に出て、本座敷を見たところです。

    庭に出て、本座敷を見たところです。

  • 庭園にしつらえた池では、錦鯉が悠々と泳いでいます。

    庭園にしつらえた池では、錦鯉が悠々と泳いでいます。

  • 中庭を挟んだ主屋の向かいには、その名もずばり「なまこ壁」と名付けられた土蔵ギャラリーが建っています。

    中庭を挟んだ主屋の向かいには、その名もずばり「なまこ壁」と名付けられた土蔵ギャラリーが建っています。

  • 「大旅籠柏屋」の南側にあったのが、岡部宿内野本陣跡です。

    「大旅籠柏屋」の南側にあったのが、岡部宿内野本陣跡です。

  • 内野家が務めていた本陣の建物はすでに解体されていますが、その遺構として間取りが表示されています。

    内野家が務めていた本陣の建物はすでに解体されていますが、その遺構として間取りが表示されています。

  • 岡部宿内野本陣跡に残る水車。

    岡部宿内野本陣跡に残る水車。

  • では、宿場町の町並みを歩きます。

    では、宿場町の町並みを歩きます。

  • 格子をあしらった2階の雨戸にかつての風情が残っています。

    格子をあしらった2階の雨戸にかつての風情が残っています。

  • こちらは寛永年間に駿府で創業した造り酒屋さん。

    こちらは寛永年間に駿府で創業した造り酒屋さん。

  • 明治初年(1868年)にこの地に移ってきたそうです。

    明治初年(1868年)にこの地に移ってきたそうです。

  • 造り酒屋さんの先で県道208号線と別れて、旧東海道に入ります。

    造り酒屋さんの先で県道208号線と別れて、旧東海道に入ります。

  • こちらの町家も2階の窓廻りにかつての名残りを留めています。

    こちらの町家も2階の窓廻りにかつての名残りを留めています。

  • こちらの町家は、逆に1階の建具廻りが見所です。

    こちらの町家は、逆に1階の建具廻りが見所です。

  • 旧東海道を横断して流れる水路に、小さな石橋が架かっています。

    旧東海道を横断して流れる水路に、小さな石橋が架かっています。

  • 「小野小町の姿見の橋」と名付けられたこの小さな橋は、京都から東国への旅の途中に岡部宿で宿をとった小野小町が・・・

    「小野小町の姿見の橋」と名付けられたこの小さな橋は、京都から東国への旅の途中に岡部宿で宿をとった小野小町が・・・

  • 橋の下の川面に映る老いた自分の姿に嘆き悲しみ、岡部宿を後にしたとの逸話が伝えられています。

    橋の下の川面に映る老いた自分の姿に嘆き悲しみ、岡部宿を後にしたとの逸話が伝えられています。

  • 鰻の寝床のような町家。<br /><br />深い奥行きのある屋根がそれを物語っています。

    鰻の寝床のような町家。

    深い奥行きのある屋根がそれを物語っています。

  • 緩やかに弧を描く町並み。

    緩やかに弧を描く町並み。

  • 軒の出の深い下屋の奥にあるのは・・・

    軒の出の深い下屋の奥にあるのは・・・

  • デザイン的に工夫された建具です。<br /><br />この町家は、どうやら空家のようなですね。

    デザイン的に工夫された建具です。

    この町家は、どうやら空家のようなですね。

  • 伝統様式を身にまとった町家。

    伝統様式を身にまとった町家。

  • 太い丸太の格子が良い味を出しています。<br /><br />ここまで太い格子はいかつい感じがするんですが、丸太がそれを和らげています。

    太い丸太の格子が良い味を出しています。

    ここまで太い格子はいかつい感じがするんですが、丸太がそれを和らげています。

  • 2階の窓廻りにかつての名残りを留める町家。

    2階の窓廻りにかつての名残りを留める町家。

  • 大屋根の高さに変化を付けた町家。

    大屋根の高さに変化を付けた町家。

  • こちらは弘法大師堂です。

    こちらは弘法大師堂です。

  • 弘法大師堂の横には岡部宿の高札場があったようです。

    弘法大師堂の横には岡部宿の高札場があったようです。

  • 街道が桝形状に折り曲げられています。<br /><br />右側に上っている道を進むと県道208号線に合流します。

    街道が桝形状に折り曲げられています。

    右側に上っている道を進むと県道208号線に合流します。

  • 「サッカーロードおかべ」の看板を掲げる町家がありました。<br /><br />「サッカーロードおかべ」は、古布や古着を利用した「サッカー手まり」の製作を通じて「サッカーの町藤枝」の活性化に繋がればと活動されている集まりです。

    「サッカーロードおかべ」の看板を掲げる町家がありました。

    「サッカーロードおかべ」は、古布や古着を利用した「サッカー手まり」の製作を通じて「サッカーの町藤枝」の活性化に繋がればと活動されている集まりです。

  • 一目瞭然と言っても過言ではない、素晴らしいデザインの消火栓の蓋。<br /><br />これ以上ふさわしい図案はありませんよね~!

    一目瞭然と言っても過言ではない、素晴らしいデザインの消火栓の蓋。

    これ以上ふさわしい図案はありませんよね~!

  • 消火栓のある町家に「サッカー手まり」が飾られています。

    消火栓のある町家に「サッカー手まり」が飾られています。

  • こちらの町家は、木製の窓にアルミの網戸を後付けされています。

    こちらの町家は、木製の窓にアルミの網戸を後付けされています。

  • 岡部宿北側の町並みです。

    岡部宿北側の町並みです。

  • こちらは、サッカー日本代表やジュビロ磐田で活躍した、中山雅史(ゴン中山)さんの実家だそうです。

    こちらは、サッカー日本代表やジュビロ磐田で活躍した、中山雅史(ゴン中山)さんの実家だそうです。

  • 「ゴンちゃん」は地元の皆さんから町の誉として愛されているそうです。<br /><br />あの人柄や活躍ぶりを見ると当然ですよね・・・。

    「ゴンちゃん」は地元の皆さんから町の誉として愛されているそうです。

    あの人柄や活躍ぶりを見ると当然ですよね・・・。

  • ここにも「サッカーロードおかべ」の看板を掲げた町家がありました。<br /><br />カラフルな「サッカー手まり」が軒先を飾っています。

    ここにも「サッカーロードおかべ」の看板を掲げた町家がありました。

    カラフルな「サッカー手まり」が軒先を飾っています。

  • 今風の屋根に改修された町家です。<br /><br />随分すっきりした感じを受けます。

    今風の屋根に改修された町家です。

    随分すっきりした感じを受けます。

  • 伝統的な町家をベースに、ちょっぴり「洋風」のスパイスを効かせて改修された町家です。

    伝統的な町家をベースに、ちょっぴり「洋風」のスパイスを効かせて改修された町家です。

  • 町家の植え込みの中で見つけた問屋場跡の案内板。

    町家の植え込みの中で見つけた問屋場跡の案内板。

  • こちらは空家のようですね・・・。

    こちらは空家のようですね・・・。

  • さて、宿場町の名残りを留める町並みもこの辺りまでのようなので・・・

    さて、宿場町の名残りを留める町並みもこの辺りまでのようなので・・・

  • ここで引き返します。

    ここで引き返します。

  • 町家の植え込みで佇む・・・

    町家の植え込みで佇む・・・

  • かわいい石像たち。

    かわいい石像たち。

  • 左手にあるのが、先ほどの「サッカーロードおかべ」の看板を掲げた町家です。

    左手にあるのが、先ほどの「サッカーロードおかべ」の看板を掲げた町家です。

  • 判りにくいですが、道路に纏いの消火栓が見えてきました。

    判りにくいですが、道路に纏いの消火栓が見えてきました。

  • 桝形状の旧東海道の先に、県道208号線の歩道橋が見えています。

    桝形状の旧東海道の先に、県道208号線の歩道橋が見えています。

  • 日向ぼっこを楽しむ猫ちゃん。<br /><br />日向ぼっこと言うより、ほとんど眠っています。

    日向ぼっこを楽しむ猫ちゃん。

    日向ぼっこと言うより、ほとんど眠っています。

  • 左手が弘法大師堂です。

    左手が弘法大師堂です。

  • 太い丸太の格子を組んだ町家の角を曲がると・・・

    太い丸太の格子を組んだ町家の角を曲がると・・・

  • 造り酒屋さんの工場が見えてきました。

    造り酒屋さんの工場が見えてきました。

  • 造り酒屋さんの杉玉。

    造り酒屋さんの杉玉。

  • では、岡部宿公園の駐車場へ車を取りに行って、次の目的地へ向かいます。

    では、岡部宿公園の駐車場へ車を取りに行って、次の目的地へ向かいます。

24いいね!

利用規約に違反している投稿は、報告する事ができます。 問題のある投稿を連絡する

コメントを投稿する前に

十分に確認の上、ご投稿ください。 コメントの内容は攻撃的ではなく、相手の気持ちに寄り添ったものになっていますか?

サイト共通ガイドライン(利用上のお願い)

報道機関・マスメディアの方へ 画像提供などに関するお問い合わせは、専用のお問い合わせフォームからお願いいたします。

旅の計画・記録

マイルに交換できるフォートラベルポイントが貯まる
フォートラベルポイントって?

フォートラベル公式LINE@

おすすめの旅行記や旬な旅行情報、お得なキャンペーン情報をお届けします!
QRコードが読み取れない場合はID「@4travel」で検索してください。

\その他の公式SNSはこちら/

この旅行記の地図

拡大する

PAGE TOP