2016/11/03 - 2016/11/05
42位(同エリア142件中)
naoさん
旅の行程
11月 3日 宇津ノ谷、東海道 岡部宿、花沢の里
11月 4日 蓬莱橋、東海道 島田宿 大井川川越遺跡、東海道 日坂宿、遠州森町
11月 5日 遠州横須賀、東海道 白須賀宿
静岡県藤枝市岡部町は宇津ノ谷峠を控えた交通の要衝として、鎌倉時代にはすでに宿場町が存在しており、慶長20年(1615年)に東海道五十三次の日本橋から数えて21番目の岡部宿として正式に認められます。
寛永12年(1635年)に参勤交代制が布かれると、増加した交通量を賄うため南側の内谷村新町が加宿に指定され、これに伴い、岡部宿本町と内谷村新町の2ヶ所に問屋場が置かれることになりました。
天保14年(1843年)の「東海道宿村大概帳」によれば、加宿を含んで南北13町50間余りの岡部宿は、本陣2軒、脇本陣2軒、旅籠屋27軒、家数が487軒、人口が2322人と、中規模の宿場町だったようで、大大名など大規模な宿泊の場合は夜具などが不足して、燐宿や近在の村々から借りたこともあったようです。
岡部宿の二つ先に島田宿がありますが、大井川の増水により川越えが困難になると、客引きがこの事を知らせて旅人の袖を引き、ここ岡部宿も大いにその恩恵にあずかったといいます。
明治22年(1889年)に現在のJR東海道線が開通すると、岡部宿は宿場としての役目を終え、農業を中心とした町に変貌しますが、車社会の到来とともに、旧東海道は国道1号線としての整備が始まり、かつての街道筋が拡幅されると、北の外れに建つ旅籠1軒だけを残して、本陣、脇本陣、大型の旅籠などが次々に取り壊されてしまいます。
しかし、岡部宿の加宿の内谷村新町は、幸いにも国道1号線のルートから外れたため風情ある町並みが残ることとなり、現在、多くの町家は新しく建て替えられているものの、点在する古い町家は景観整備に併せて修復保存され、宿場町当時の面影を今に伝えています。
- 同行者
- 一人旅
- 交通手段
- 自家用車 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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岡部宿へやって来ました。
岡部宿公園にある駐車場に車を停めて町歩きに向かいます。 -
先ず訪れたのは岡部宿を代表する旅籠として名高い「大旅籠柏屋」です。
「大旅籠柏屋」は2度の大火に見舞われたようで、現在の建物は天保7年(1836年)に建てられた3代目の建物になります。 -
築後180年を経た今日でも、随所に建築当時の佇まいを見ることができます。
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正面玄関を入った右手には帳場があり、旅姿の人形が出迎えてくれます。
内部は資料館になっているので、私も見させていただきます。 -
道中合羽に三度笠をかぶり、肩に振り分け荷物を担いだ、江戸時代の旅姿の代名詞ともいえる旅装束が展示されています。
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無事宿に着いて、みせの間で一息つく旅人達。
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みせおくでは、長押に掛けてある藍染の法被を着た御主人が、長火鉢の前で煙管を燻らせて御満悦だったんでしょうね・・・。
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台所に展示してある什器類。
昔は、藁を編んだ菰の中に飯櫃を入れて、ご飯が冷めないように工夫していたもんです・・・。 -
本座敷から見た中庭の佇まい。
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二方を開け放った大きな窓からは、和風庭園が望めます。
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庭に出て、本座敷を見たところです。
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庭園にしつらえた池では、錦鯉が悠々と泳いでいます。
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中庭を挟んだ主屋の向かいには、その名もずばり「なまこ壁」と名付けられた土蔵ギャラリーが建っています。
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「大旅籠柏屋」の南側にあったのが、岡部宿内野本陣跡です。
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内野家が務めていた本陣の建物はすでに解体されていますが、その遺構として間取りが表示されています。
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岡部宿内野本陣跡に残る水車。
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では、宿場町の町並みを歩きます。
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格子をあしらった2階の雨戸にかつての風情が残っています。
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こちらは寛永年間に駿府で創業した造り酒屋さん。
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明治初年(1868年)にこの地に移ってきたそうです。
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造り酒屋さんの先で県道208号線と別れて、旧東海道に入ります。
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こちらの町家も2階の窓廻りにかつての名残りを留めています。
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こちらの町家は、逆に1階の建具廻りが見所です。
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旧東海道を横断して流れる水路に、小さな石橋が架かっています。
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「小野小町の姿見の橋」と名付けられたこの小さな橋は、京都から東国への旅の途中に岡部宿で宿をとった小野小町が・・・
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橋の下の川面に映る老いた自分の姿に嘆き悲しみ、岡部宿を後にしたとの逸話が伝えられています。
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鰻の寝床のような町家。
深い奥行きのある屋根がそれを物語っています。 -
緩やかに弧を描く町並み。
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軒の出の深い下屋の奥にあるのは・・・
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デザイン的に工夫された建具です。
この町家は、どうやら空家のようなですね。 -
伝統様式を身にまとった町家。
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太い丸太の格子が良い味を出しています。
ここまで太い格子はいかつい感じがするんですが、丸太がそれを和らげています。 -
2階の窓廻りにかつての名残りを留める町家。
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大屋根の高さに変化を付けた町家。
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こちらは弘法大師堂です。
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弘法大師堂の横には岡部宿の高札場があったようです。
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街道が桝形状に折り曲げられています。
右側に上っている道を進むと県道208号線に合流します。 -
「サッカーロードおかべ」の看板を掲げる町家がありました。
「サッカーロードおかべ」は、古布や古着を利用した「サッカー手まり」の製作を通じて「サッカーの町藤枝」の活性化に繋がればと活動されている集まりです。 -
一目瞭然と言っても過言ではない、素晴らしいデザインの消火栓の蓋。
これ以上ふさわしい図案はありませんよね~! -
消火栓のある町家に「サッカー手まり」が飾られています。
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こちらの町家は、木製の窓にアルミの網戸を後付けされています。
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岡部宿北側の町並みです。
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こちらは、サッカー日本代表やジュビロ磐田で活躍した、中山雅史(ゴン中山)さんの実家だそうです。
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「ゴンちゃん」は地元の皆さんから町の誉として愛されているそうです。
あの人柄や活躍ぶりを見ると当然ですよね・・・。 -
ここにも「サッカーロードおかべ」の看板を掲げた町家がありました。
カラフルな「サッカー手まり」が軒先を飾っています。 -
今風の屋根に改修された町家です。
随分すっきりした感じを受けます。 -
伝統的な町家をベースに、ちょっぴり「洋風」のスパイスを効かせて改修された町家です。
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町家の植え込みの中で見つけた問屋場跡の案内板。
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こちらは空家のようですね・・・。
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さて、宿場町の名残りを留める町並みもこの辺りまでのようなので・・・
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ここで引き返します。
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町家の植え込みで佇む・・・
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かわいい石像たち。
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左手にあるのが、先ほどの「サッカーロードおかべ」の看板を掲げた町家です。
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判りにくいですが、道路に纏いの消火栓が見えてきました。
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桝形状の旧東海道の先に、県道208号線の歩道橋が見えています。
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日向ぼっこを楽しむ猫ちゃん。
日向ぼっこと言うより、ほとんど眠っています。 -
左手が弘法大師堂です。
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太い丸太の格子を組んだ町家の角を曲がると・・・
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造り酒屋さんの工場が見えてきました。
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造り酒屋さんの杉玉。
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では、岡部宿公園の駐車場へ車を取りに行って、次の目的地へ向かいます。
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