2016/11/03 - 2016/11/05
520位(同エリア1648件中)
naoさん
旅の行程
11月 3日 宇津ノ谷、東海道 岡部宿、花沢の里
11月 4日 蓬莱橋、東海道 島田宿 大井川川越遺跡、東海道 日坂宿、遠州森町
11月 5日 遠州横須賀、東海道 白須賀宿
静岡市駿河区宇津ノ谷は、天正18年(1590年)の豊臣秀吉による小田原攻めの際に大規模に道路整備されるほどの交通の要衝で、東海道五十三次の丸子宿と岡部宿の間に位置する、標高170mの宇津ノ谷峠の山腹にある静かな集落です。
律令時代にはすでに整備されていた東海道は、時代と共にその道筋が変更され、奈良時代から平安時代中期までは花沢から「焼津辺(やきつべ)の小径」を通って急峻な日本坂峠を越えていましたが、平安時代中期以降、戦国時代までは「葛の細道」と呼ばれる道筋になり、さらに、豊臣秀吉による小田原攻め以降、江戸時代に入ると現在の国道1号線と符合する宇津ノ谷峠を越える道筋が開かれ、これが東海道として一般に定着します。
かつて旅人たちが行き交った宇津ノ谷集落には、十団子や田楽などを提供する茶屋でしばしの休息を楽しむ旅人たちをもてなしていた頃の、温もりのある、ゆったりとした時間が流れています。
現在、殆どの民家は改築や建替えされていますが、峠への坂道に沿って、江戸時代の屋号を書いた看板を軒先に掲げた民家が連なる町並みは、三度笠に道中合羽を羽織った旅人が歩いていても全く違和感がなく、まるで江戸時代にタイムスリップしたかのような、不思議な感覚に陥ってしまいます。
そんな町並みの中の「御羽織屋」には、小田原攻めの豊臣秀吉の勝利を祈願して、新しい馬の沓を差し出した主人の行為に痛く感じ入った秀吉が、戦の帰路この茶屋に立ち寄り、褒美にと愛用の陣羽織を授け、茶を一杯飲みほしたとの逸話が残っています。
この話には後日談があって、後に「御羽織屋」に立ち寄った徳川家康が、この陣羽織を見て記念に茶碗を贈ったとのことで、豊臣秀吉からつかわされた陣羽織と、徳川家康から贈られた茶碗が、今も大切に所蔵されています。
- 同行者
- 一人旅
- 交通手段
- 自家用車 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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標高170mの宇津ノ谷峠の山腹にある、宇津ノ谷集落にやって来ました。
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宇津ノ谷集落は、東海道五十三次の丸子宿と岡部宿の間に位置しています。
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では、宇津ノ谷集落を歩きます。
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宇津ノ谷集落の民家には、それぞれかつての屋号を示す看板が掲げられています。
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町並みは峠に向かって緩やかにのぼっています。
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この民家に、面白い物が置いてあるのを見つけました。
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木の切り株で、かわいい恐竜の赤ちゃんを再現しています。
自然が作った木の「節」や「入り皮」を、的確に目、鼻、口に見立てて造形される手腕は見事のひと言で、これを作った方の審美眼の素晴らしさに感嘆しました。 -
かわいい恐竜の赤ちゃんが居たのはこちらの民家です。
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毎年8月に行われる地蔵盆で灯される竹燈籠がスタンバイしています。
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街道筋に面したもの以外は、軽快な庇を付けた窓のある民家です。
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右側の民家は、てっきり一軒の建物だと思っていたんですが・・・
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別々の屋号を書いた看板が掲げられているので、2軒のお宅に分かれているようです。
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ご覧のとおり、違う屋号を書いた看板が見えます。
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その民家の横に植えられた南天が・・・
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赤く色づいた実が鈴なりになっています。
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こちらの民家の玄関先には、魚釣りの魚籠が掛けられています。
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こちらの民家には・・・
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お手製のカラフルなトウガラシとミニチュアの背負子が飾られています。
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下から写した写真では、屋号の看板を日の丸が邪魔して見えませんでしたが、このアングルではよく判ります。
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良い路地があったので、ちょっと覗いてみます。
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路地の奥から見た町並みの様子。
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石垣に植えられたベゴニアが可憐な花を咲かせています。
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こちらが豊臣秀吉から愛用の陣羽織を授かった「御羽織屋」さんです。
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古徳利が整列しています。
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昔懐かしいガラス絵。
富士山が描かれています。 -
秀吉も軒先の床几に腰を掛けて茶を飲んだんでしょうね・・・。
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街道筋に面して、窓をたくさん開けた民家。
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坂の上から町並みを見下ろした光景です。
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坂道の先に階段が見えてきました。
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宇津ノ谷峠へは、この角を右に曲がって道なりに歩いて行くんですが、この階段を上るとショートカット出来るようです。
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2階の窓に細かい千本格子の戸が嵌められています。
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では、少し階段を上ってみます。
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この民家は、階段下の道路と敷地にかなりの高低差があるので、敷地の角に転落防止柵が設けられています。
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階段の中ほどから見下ろした町並みの様子。
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階段に妻面を見せた民家。
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この階段の上で、宇津ノ谷峠への道と合流しています。
ちなみに、この道は宇津ノ谷峠を貫通して掘られた明治のトンネルに通じています。 -
甍の波が続いています。
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階段を上った、宇津ノ谷峠への道のすぐ下にある民家です。
では、階段を下りて町並みに戻ります。 -
こちらは、階段下の、宇津ノ谷峠への道の角にある民家です。
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軒下に吊られたかつての屋号を書いた看板。
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緩やかに弧を描きながら続く、宇津ノ谷峠への道沿いにある町並みです。
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こちらはこの日昼食に立ち寄ったお蕎麦屋さんです。
腰のある十割蕎麦を戴きました。 -
こちらは甘味処。
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こちらは、町並みの外れにある釜飯のお店。
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戦国時代の陣屋にあるような、野趣あふれる門をくぐって入店します。
では、ここで引き返します。 -
弧を描く道路を右に上って行くと、先ほどの階段と合流します。
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こちらは階段下の角にあった民家です。
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赤く熟した鷹の爪をざるに広げて、天日干しにしています。
鷹の爪は天日乾燥させることで辛さが濃縮されると同時に、保存性も良くなります。 -
鈴なりに成った柿の木が・・・
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秋の風情を醸し出しています。
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「御羽織屋」さんまで戻って来ました。
横の路地を抜けて、県道208号線の方へ行ってみます。 -
見事に積み上げられた石垣。
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真っ赤な橋を渡って進みます。
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県道208号線沿いに立つ石碑群。
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県道208号線は宇津ノ谷集落より一段高いところを通っているので・・・
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集落の様子を俯瞰することができます。
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では、宇津ノ谷集落を後に、次の目的地へ向かいます。
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