和歌山市から南紀白浜への途中下車旅(四日目・完)~南紀白浜は和歌山市からでさえ遥かに遠いのに、やっぱりどこか関西の匂い。輝く白さの白良浜に黒潮洗う三段壁、歴史ある白浜温泉もエクセレントな一級品です~
2017/01/10 - 2017/01/10
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たびたびさん
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和歌山市から海沿いに南下する四日間の旅も、今日の白浜が最終日。和歌山市からするとずいぶん遠くに来たように思いますが、ここからはJALで羽田空港に戻ればいいので、遠くなったような。近くなったような。結局、関西からすると関西の端の端なんですが、東京からすると意外に便利。それが白浜の不思議な位置づけなのかもしれません。
ところで、白浜温泉ですが、これまでは、アドベンチャーワールドや美しい砂浜に巨大なホテル群などのイメージから、温泉の効能がどうとか泉質については二の次と言った先入観がありました。しかし、地元の人に聞くと、温泉の種類は12種類。町営の3つの公衆浴場もそれぞれ泉質が違うのだとか。それから、ちょっと離れますが、椿湯のように湯治場もある。今回は泉質でもちゃんと楽しめる温泉地だということを知り、これも収穫の一つ。
そして、一方の白良浜海水浴場は、白い輝くようなサラサラの砂浜。遠浅だし、このビーチは一級品。そのほか、白浜の市街地からもほど近いし、浜の周囲は遊歩道と海岸に出る緩やかな階段が立派に整備されていて、アクセスの便利さや安心感でも申し分なし。海水浴が終われば、白良湯もあるし、とにかく最高の条件がそろっていると思います。
そして、テンションマックスは千畳敷と三段壁。これを見ると、白浜って観光の魅力がどれだけ豊富なんだと驚かざるを得ない。瀬戸内なら尾道。紀伊半島なら白浜っていう感じかなと思います。
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早朝に白浜温泉の宿を出て、まずは三段壁方面に向かいます。
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これは、朝の白良浜海水浴場。
まだ日が上がっていないので、白く輝く姿は確認できません。 -
白良浜の海岸端の遊歩道を歩いてきて、その遊歩道がちょうど切れたところにあるのが、つくもと足湯。多分浜辺で遊んだ人が、ここで砂を落としたりするのにはちょうどいい場所なのかなと思います。湯はちょっとぬるめですが、広さがしっかりあって、ゆったり感もあると思います。
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少し歩くと。
これが白浜の名物、崎の湯露天風呂です。
海岸端の岩場にあって、ざぶざぶ波しぶきを受けるような場所にあるんですよね。 -
ただ、人は多いのに脱衣場は狭いし湯もぬるめなので、前回のイメージはあまりよくありませんでした。
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しかし、今回訪れたのは平日の朝。天気も良くて、目の前の青い太平洋がまぶしいくらいの美しさ。
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イチオシ
それに透明な湯がこんなにきれいだったかなあと目を見張りました。ぬるめはぬるめですがちゃんと入れば体はしっかり暖まります。やっぱり時間に余裕をもっていくのがいいと思います。
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ということで、今日も気分よくスタートできたようです。
さて、しばらく歩きましたが、この先が千畳敷ですね。 -
千畳敷の広い駐車場の海側に建つしっかりした建物は、茜千畳茶屋。この駐車場はどん詰まりの場所だし、辺りは殺風景で何もないので誰でもこれには気づいてちょっと寄ってみたくなるでしょう。いい場所に立っています。
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さて、千畳敷は日本各地にそれなりにあるのですが、
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イチオシ
白浜の千畳敷は、まっ平らではなくて、
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太平洋に向かってゆるやかに下っていく傾斜した地形。
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そして、岩場はごつごつしているだけじゃなくて、
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広く滑らかな部分もある。
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滑らかな部分は、はだしで歩いてもペタペタ気持ちいい。千畳敷という名前はこのあたりからも来ているように思います。
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広さとしてもそれなりのものはありますが、
全体としては、月の表面みたいに、ごつごつ感があるのに、 -
イチオシ
一方では滑らかな岩肌も持つ。その両面があるのが面白いところでしょう。
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ところが、その滑らかな部分を彫って落書きをしている心ない観光客がいて、これにはちょっと心が痛みました。そういうことは絶対にやめてほしいと思います。
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千畳敷の入口手前にあるちょっとおしゃれな喫茶店は、タントクワント。来る時に気が付いていたので、朝飯はここにしましょう。
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モーニングも人気のお店のようで、平日なのにほぼ満席ですね。
さて、出てきたワンプレートの盛り付けの華やかさにはちょっと脱帽。これは若い女性が喜びそうな感じですねえ。味とかは普通ですけど、フルーツをちりばめたこの盛り付けだけでも価値があるように思います。 -
千畳敷から、今度は三段壁です。
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海側に出ると、そこにはいきなり三段壁展望所。
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ここから見る、長く海に突き出た三段壁の全景が一番代表的な眺めかと思います。
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手前は断崖絶壁ですが、先に行くにしたがってだんだんと低くなって、最後は真っ青な太平洋に没する。
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イチオシ
その三段壁の形が遠近法の効果も生み出して、より雄大に見えるのではないかと思います。
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あっさり三段壁を見て、もうこれでほぼ十分という気分だったのですが、ついでに三段壁洞窟も見ておきますか。
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三段壁洞窟は、1300円。なんでこんなに高いのかなあと思いつつ、半信半疑でこのエレベータから下へと向かいます。
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エレベーターを降りると、例の源平の戦いで源氏についた水軍の話。
こんなところで、その話ですかあ。 -
まあ、それはそれとして、この洞窟中がゴーゴーとすごい波の音。どうしたんでしょうか。
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先に進むと、
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波の浸食でできた洞窟が深く切れ込んでいて、
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すごい地形が出来上がっています。
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そして、ここは、洞窟の入口。
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ここからは、三段壁の壁面がすぐに見えるし、
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その先の大海原を見通す眺めも美しい。
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イチオシ
海鳥が休んでいる岩場も、ここからならはっきりと見えました。
これは、展望台からの眺めなんかよりも、ずっと素晴らしい眺めです。 -
洞窟内部への順路をさらに進むとこんな具合。
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海の安全を祈ったであろう仏たちや
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その先には、
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水軍の暮らした家屋の再現なども。
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そして、最後に出てきたのは、これこそ洞窟の最深部。
ゴーゴー、ドバーン。 -
ドドドドドー。
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始めのところから、洞窟内に響いていた轟音は、まさにここでしたか。
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イチオシ
波が打ち寄せると海水がどっと押し寄せる。
そして、前の波の引き波ともぶつかり合って、もうなんか激しい姿。 -
一方で、周囲の岩場は長年の波に洗われて、堅い芯が表面に現れたような感じ。赤っぽい色艶ですが、そんな波も打ち返す力強さを示しています。
波と岩がぶつかり合って、洞窟内には絶えず轟音が鳴り響く。たとえば、船だとこれだけ危険な場所には近づけないし、この迫力は岩場から見るここでしか味わえないもの。なるほど、これなら料金は決して高くない。正真正銘、価値ありのスポットといえるでしょう。 -
三段壁洞窟の施設を出て遊歩道に向かうところにあるのが三段壁足湯。足湯自体は小さな施設ですが、そこに腰かけて眺める三段壁の先に広がる開放感のある太平洋の眺めがいいですね。ちょっと日当たりが良すぎるので、夏場はどうか分かりませんが、とにかく魅力はロケーションです。
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途中にあったアロエ。アロエの花なんか初めて見ましたね。
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そして、ここから先が三段壁遊歩道です。
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ごつごつした岩場を歩く道ですが、
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崖の方に近づかなければ危険性はほとんどなし。
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周囲の広さも十分あって、決まった遊歩道だけじゃなくてあちこち歩けるし、
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イチオシ
かなり気軽に楽しめる場所だと思います。う~ん。三段壁はいろんな楽しみ方ができるんですね。
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三段壁で気分がよくなったので、予定にはなかった紀州博物館まで足を延ばすことにしました。
その途中の南紀白浜オリーブ&ジェラート工房です。 -
かわいらしい看板があって、すぐにそれと分かりました。
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店内に入って、
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その奥は喫茶スペース。
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オリーブのジェラートをいただきましたが、オリーブの香りがいい感じ。自然そのままの味わいで、これなら体にもとってもいいような。自然の恵みをいただいているような気分になりました。
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少し休んで、元気回復。
目指すは山の上なので、とにかく我慢強く歩き続けます。 -
けっこう上ってきましたよ~
ということで、これは平草原展望台。自動車道路沿いです。 -
ここからは白浜の市街や周囲の海・半島の類が全部一望できて、その景観の良さはもしかしたら白浜でもピカイチでしょう。
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イチオシ
特に、白良浜の真っ白な砂浜の美しさは、そこだけちょっと輝きが違う感じ。そんなことが分かるのも、この展望台ならではかと思います。
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そして、紀州博物館に到着。予想はしていましたが、白浜市街からすると本当に山の上でした。
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ロビーでまた少し休憩してから、展示品を拝見します。
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ほ~
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いきなりの屏風絵は、
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丁寧に描いた花鳥画です。
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余白なんか関係なしで、ここまで精密に描きまくったというのは潔い感じがしなくもないですね。
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屏風絵の次は茶道具、
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陶磁器と続く。
この白薩摩もモミジの鮮やかな色合いをそれなりにうまく出しています。 -
小さな香合のコレクションも、この艶々が悪くない。
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これは、萩焼のひねりもの。
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緊張感ある造形と言いたいところですが、ちょっと微妙かな。
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江戸期の有田焼から、
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九谷焼もありますが、たぶん、写しも混じります。
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この大皿はやっぱり有田焼。有田焼が日本中を席巻し、海外にも積極的に進出していた頃の勢いが感じられます。
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そして、最後は浮世絵のコレクション。
これは個人のコレクションですが、とにかく、この人は、本当にこうしたものが好きだったんだなあという感じが確かにこちらにも伝わってくる。展示品は本物ばかりではないように思いますが、むしろそんなことにはこだわる必要はない。ちゃんと眼鏡にかなったものを収集していることで、全体の統一ある格調といったものが維持されているように思いました。個人コレクションはこうでなくてはいけません。今後も、後の人が余計な手を加えないようにお願いしたいと思います。 -
紀州博物館の隣りは平草原公園。中心市街から2キロちょっとなんですが、ここまで来ると別世界と言う感じですね。
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白浜民俗温泉資料館は、平草原公園の奥に建つ大きな施設。
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白浜温泉の歴史や温泉のあれこれについて、
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ビデオや資料に基づく説明があったり、
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二階の展示室では、地元の農家や漁師が使っていた生活道具類も置いてありました。
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建物が大きいので、ゆっくり見学できる。ちょっと休憩がてら寄ってみるのも悪くないと思います。
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さて、ここから再び白浜の市街に帰ります。
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だらだらと遊歩道を下ってきましたが、市街はもうすぐです。
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これは、フィッシャーマンズワーフ白浜。立派な建物ですね。
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で、入ってすぐにあるのはフィッシュマーケット。
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白浜ではとれとれ市場が最も有名ですが、ここもとても魅力的。
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鮮魚を買って、刺身や焼き魚、煮魚など注文するとそれをここで即調理してくれる。ご飯とみそ汁もあるので、それを場内のスペースでいただきます。施設も新しいし、とても気持ちがいい。けっこうな人気で、賑わっていました。これは白浜の新名所と言ってもいいと思います。
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その向かいにあるのが牟婁の湯。町営の共同浴場の一つなんですが、ルーツとしてはその昔、有馬皇子が白浜に当時に訪れた際に浸かったとされる湯だそうで、これは歴史の湯と言ってもいいでしょう。国道沿いのトンネル脇に立派な建物が建っていて、外観もなかなかです。
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ちょうど定休日だったので入れませんでしたが、建物の中は見せてもらえて、そのレトロ感にもちょっとしびれました。
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今朝の白良浜に戻ってきました。
白い砂浜なんてどこにでもありそうではあるんですが、ここの砂浜はやっぱり透き通るような白さがちょっと抜きんでています。 -
それも、サラサラの砂で遠浅の浜なので、海の色のグラデーションも素晴らしい。
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天気のいい日だったので、余計にその美しさを感じました。
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ここからは、白良浜の東側に移ります。
熊野三所神社は、白浜の市街地からすぐ。ホテルの裏手を回って行きました。 -
三所というのは、猿田彦命の地主神社、須佐之男命の八坂神社、恵比須大神の恵比須神社。
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ちょうど10日戎のお祭り。一角ではお正月飾りを焼いたりもしていて、
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境内は華やかな雰囲気。
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氏子の皆さんで賑わっていました。
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その境内にあるのですが、これは火雨塚古墳。石の柵で覆われた一角にあって、古墳の入口が生々しく口を開けているので、すぐにそれと分かります。
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古墳時代後期のものと言うことですが、規模としてはかなり小さなもの。ただ、本物の石棺の様子がこれほど手軽に見れるというのは珍しいかもしれません。
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熊野三所神社から、これも白浜のシンボル、円月島まで歩きます。
円月島が遠くに見えてきましたが、 -
イチオシ
左右に張り出した島の真ん中にまあるい穴が空いていて、一度見ると忘れられないインパクトがある形ですよね。
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どんどん近づいていきます。
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そして、その間、道路沿いから何度もベストショットのポンとを探しましたが、どこも少し斜め気味。というか近づくにしたがって、斜めがきつくなる。
結局、真正面から見えるのはかなり手前の集落から見た最初のポイントだったようですね。 -
ただ、もう一つのお目当てが、この珊瑚礁。円月島を間近に見る小洒落たレストランで、伊勢海老料理が有名なんです。
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私もお得な伊勢海老ランチをいただきました。3,750円は安いと言えば安いですが、この大きさならまあ普通かも。
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ただ、そういう伊勢海老のお得感云々だけではなくて、ちょこっとついた小鉢の料理とかも含めて、丁寧な手の入れ方が人気の理由の一つかなと思います。
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それと、女将さんがとてもしっかりしている。バスの時刻とか、円月島の観光について聞くと、近くの漁師さんがやっているという遊覧船の情報を教えてくれたり。とても役に立ちました。ありがとうございます。
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白浜水族館もすぐそば。バスの待ち時間があったので、こちらもついでに寄ってみます。
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棘皮動物、節足動物などと
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さすが大学の施設と思わせる分類で水槽が並んでいますが、
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それぞれの水槽は奥が深くて魚たちもゆったり暮らしているような感じで美しい。
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ガンガゼや
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これも動物の仲間ですね。
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アカマツカサに
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親びっちゃ、
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ミノカサゴに
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イチオシ
フエダイみたいな感じですが、フエダイ科のセンネンダイ。なかなか美しい姿で、悠々としたもの。
いずれにしても、見ているこちらもゆったりした気分になりました。 -
で、最後は、バスでとれとれ市場に向かいます。
白浜の主な観光スポットは白浜の中心部から離れている場所も多いので、この明光バスを使うことになります。例えば円月島の最寄バス停は臨海ですが一時間に一本。ただ、付近の観光をするにはちょうどいい時間間隔とも言えるので、思うほどの不便さではないように思います。 -
とれとれ市場は、今や白浜では必ず寄りたいスポットの一つでしょう。広大な駐車場の奥に建つ巨大な建物が見えると、それだけでテンションが上がってしまいます。
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で、やっぱり目玉は鮮魚コーナー。
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なお、ここには高速バスの停留所もあるし、ギリギリまで楽しめる。アクセスも最高です。
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とれとれ市場 鮮魚コーナーでは、奥にお寿司のコーナーがあって、ブリとマグロの握りを買いました。夕方近くだったので、全品2割引き。しかし、私が買ってしばらくするとまた3割引きになっていました。とにかく全部売り切ってしまうという戦略ですね。
お味の方は、新鮮だし、とっても美味。魚だけではなく、寿司としての質もとてもいいように感じました。 -
とれとれの湯は、とれとれ市場に隣接はしているんですが、
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けっこうな階段をしばらく登っていかないといけません。
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ちょっと辟易しましたが、
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露天風呂からは遠くに海が見えてなかなかの眺め。高い場所にあるのはちゃんと意味があったんですね。施設は大きいし、休憩室などでもゆっくりと休めます。
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とれとれ市場から、いよいよ白浜空港に向かいます。もう夕方。バスの車窓から円月島の姿が見ました。なるほど、いろんな情報にもありますが、確かに夕暮れの円月島の雰囲気はやっぱりいいですね。
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南紀白浜空港に到着。バスは、本当に楽勝でした。
しかし、ちょっと不思議に思ったのは、JALの東京行最終便にこれほどちょうどいい時間のバスなのに、私一人しか乗っていなかったこと。白浜の観光スポットなどを一通り回って空港に至る循環線なので、どんな観光客にとってもとても便利なはずなんですが、何で利用する人がいないんでしょうか。聞くと皆さん空港が近いのでタクシーを利用する人が多いのだとか。一方で、バスは空港行きと表示していないし、時刻表を見てもそうは書いてない。バス会社の方からの周知も少し足りていないのではないかとも思います。
さて、これで四日間の旅は無事終了。お疲れ様でした。
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