蟹江・津島・長島から熱田・笠寺・有松の尾張あちこちと浜松の旅(一日目)~尾張温泉と蟹江城合戦の蟹江から津島神社の津島へ。名古屋の近郊でも、ここは伊勢湾を控える低湿地帯。少し取り残された感もなくはない地域です~
2016/12/23 - 2016/12/23
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たびたびさん
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名古屋の街歩きってなんか意外に面白くない。名古屋は江戸時代になってからできた街だし、太平洋戦争の空襲も受けていて、そうでなくても古いものがかなり失われている。そこから復興したのはいいんですが、巨大なビルや巨大な道路を優先して、歩道が必要以上に広いので歩きにくい。人間のサイズに合っていないんですよね。
かなりネガティブなことばかりになりましたが、大阪と比べるとそんなことになる。むしろ、札幌のような感覚かなあという印象です。
しかし、尾張国は信長も生んでいるし、秀吉だって尾張出身。ということで、名古屋の街ではなくて近郊の街の方が何か面白いものがあるのではないかと思って、考えてみたのが今回の旅。一日目は、蟹江市と津島市です。
名古屋からこんなに近くても、私にとっては全く何の知識もない。歩き終わった今になっても、こうこうこれという明確なものはないような。敢えて言えば、津島天王祭や須成祭は水に関係しているし、伊勢湾の文化ということでしょうか。まあ、そういう意味だと桑名とか長島との共通点もあるような気もしますが、桑名から熱田は七里の渡しで結ばれていて、津島や蟹江はスルーされている地域。やっぱり、微妙。理解するにはもう少し勉強が必要なようですね。
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名古屋駅に到着。
名古屋はカフェの文化もあるので、まずはそっちの方。駅地下のコンパルの海老サンドを食べてみます。 -
立派な海老のフライがパンパンに挟んであって、さらには玉子焼きまで。それをほのかなマヨネーズ味でまとめてはいるんですが、やっぱりちょっと味のダブり感がなくもない。海老の味をもっと素直に出すやり方は他にもあると思うんですが、まあそれが名古屋流なのかもしれません。
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名古屋駅から蟹江駅に到着。本当にあっという間です。
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龍照院に向かうんですが、その途中にあるのが信長街道。住宅地の中をくねくねと通る細い通りです。
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織田信長が軍用道路として整備したと言うことで、こうした努力も桶狭間の戦いの勝利に結びついたと考えるとちょっとその価値が分かるような気もします。ところどころ、地面に信長街道と書かれていて、それが目印です。
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イチオシ
しばらく歩いて、これが龍照院。木曾義仲が建立し、本尊十一面観音菩薩を安置したという寺。
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1182年。鎌倉幕府が開かれるちょうど10年前のことです。義仲は倶利伽羅峠の戦いで10万ともいわれる平家の大軍を破り、その勢いで平家を都から追い払った大功があるのですが、歴史的にはまったく評価されていない。義経に敗れて早々と歴史の舞台から消えてしまいました。
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その十一面観音菩薩像は、ここ。拝見させてもらいましたが、どうでしょう。すっきりした姿といえばそうなのですが、凝った感じのするところはないし、ちょっと急ごしらえの様な印象もなくはない。長い間秘仏だったこともあって、保存状態は良好なのですが、どこをどう感じればいいのか。目線がなかなか合わなかったのは正直なところです。
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詳しい説明はこちらです。
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八剱社は、龍照院と同じ境内にある神社。ここの祭りの須成祭は、今般、「山・鉾・屋台行事」としてユネスコの無形文化遺産に登録された祭りの一つ。それを祝う幟りがあちこちにありました。
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イチオシ
なお、神社の建物は拝殿から奥の本殿までがかなりの長さ。正面から見ると小さな神社だったのですが、この奥行きを見て勿体のある神社であることが分かりました。
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すぐ脇を流れる蟹江川。伊勢湾に注ぐ木曽川の派川の一つです。
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川沿いにはお寺がいくつもあって。
地蔵寺は、堤防側の門から下って境内に入りました。 -
「南無不動明王」の赤い幟りや「水子子育 地蔵菩薩」の青い幟りがいくつも立っていて賑やか。それぞれにお堂があって、仏が鎮座しています。一方、本尊の地蔵菩薩は聖徳太子の作だとか。これは一番奥の本堂になります。
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ところで、蟹江はパンの街として売出し中。
このポンレヴェックは間違いなくその代表格でしょう。 -
お店に入った途端、高級感のある美しいパンが目に入って、この感じはパンの王者、那須パンのお店を彷彿とさせてくれます。
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イチオシ
店内には喫茶スペースもあって、朝のお客さんは皆さんポタージュスープのようなのも頼んでいました。優雅な時間が流れています。
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一方で、蟹江には不思議と和菓子屋さんがあんまりなくて、この司雀が気を吐いている感じです。
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尾張温泉の近くの国道沿いのお店で
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いただいたのは、黒砂糖餡のきんとん。黒糖の香りがとってもいいですね。この重量感のある仕上がりは老舗の和菓子屋さんならではかと思います。
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これが尾張温泉。蟹江町は、歴史と水郷と温泉の町というのがキャッチフレーズで、その温泉というのは、この尾張温泉のことなんです。
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日帰り温泉を利用したかったのですが、営業時間はお昼からだそうで、仕方なく諦めましたが、近くの足湯を紹介されてそちらに回ることにしました。
ちなみに、この施設はかつては、宿泊もやっていたようですが今はやっていない。しかし、宿泊をやっていた時代の名残りで、大きな建物。外観からして立派です。 -
さて、足湯はこちら。近くの病院の前です。
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どばどば温泉が注ぎ込んできて、木造りの建物の気持ち良さもある。期待以上の快適さですね。私の他にも三人の常連さんらしき人がいて、なかなか人気があるようです。
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こちらは、パリジャン。ダンプとかがガンガン走る国道沿いの大きな店構えの目立つ洋菓子店です。
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見ると店名と同じパリジャンと言う商品があって、それにしました。ただ、これって、豊橋のボンとらやのピオーネみたい。もしかしてパクリかなとも思ったのですが、ふわふわのカステラ生地がなかなかうまい。ちゃんとお店を代表するだけのレベルはあるように感じました。
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続いては蟹江町歴史民俗資料館。蟹江町産業文化会館の中にある無料の施設です。
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蟹江は歴史の町と言っていますが、その歴史と言うのは蟹江城合戦のこと。小牧長久手の戦いと同じく1584年(天正12年)。小牧長久手の戦いで家康に事実上敗れた秀吉が再び巻き返しを狙って仕掛けた戦い。しかし、家康はこの戦いでも秀吉を撃退して、家康は武力によって従わせることはできない。政治的な調略によって懐柔するしかないと秀吉に最終的に思いしらせたというのです。
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資料館にはその戦いの発端から終結まで。戦いの意義など詳しい内容が説明されていました。これなら蟹江の誇りとして語り継ぐに十分な出来事であったことがよく理解できると思います。
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秀吉は四国や九州の征伐もまだこれから。変に手こずれば、毛利など従いつつあった有力大名だってどうなるかわからない。天下統一のためには家康に必要以上にかまっていられないというのも実情だったのですが、その結果、異父妹の朝日姫を家康に嫁がせ、母である大政所を人質に出して家康を抱き込む。四国平定は家康と対峙しながらも終わらせていますが、後方の憂いをなくしたところで、嬉々として九州平定に向かうという流れです。
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この写真は、龍照院の十一面観音菩薩像。
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地元の郷土料理「いな饅頭」。イナは若いボラの名称で、ボラの中に味噌や銀杏などを詰めて焼いた料理。うーん。ディープです。
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資料館を出て、近くの蟹江城址公園。蟹江城合戦を偲ぶ遺構のはずなんですが、実態は住宅地の中にあるとても小さな一角。容易に城を感じれるようなものではありません。
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イチオシ
石碑が建っていて、ここでも蟹江城合戦の簡単な説明板がありましたが、とにかく、想像力を働かせて感じるしかない。たぶん、波に洗われるような低地のために、浸食が進んだのだと思いますが、むしろ、これだけでもあることに感謝しないといけないのかもしれません。
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もう少し、お寺のチェック。
盛泉寺は、住宅地の中にあって規模的にはさほどでもないのですが、 -
現在の名古屋別院の代役として宗門改めなどを果たした歴史もあり、名古屋別院の元は盛泉寺にありとも言われたほど。
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山門や特に三手組みの鐘楼の豪快さなどはちょっと目を見張るもの。浄土真宗大谷派の威厳ある雰囲気がしっかり感じられると思います。
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このお店は、いな饅頭を食べさせてくれるお店。ただ、予約が必要なので、急に訪ねてもどうにもなりません。今回はお店を確認しただけで終わりです。
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蟹江神明社は、これも川沿いの神社。しかし、社殿は奥が深いし、境内も奥が深いです。
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始まりは、蟹江城を築いた北条時任が、城の守護神として清洲から御薗神明社を迎えて祀ったこと。そういう意味では、蟹江の歴史ともにあった神社と言えるでしょう。
秋の大祭があるようです。 -
安楽寺は、蟹江神明社の入口脇。
暗い内部にろうそくがともって、ちょっと異様な感じのお堂。ただ、場所的には神明社の付属建物のような風にも思えましたが、これはれっきとした真言宗智山派の寺。
弘法大師が熱田神宮参詣の際、蟹江の浜辺に打ち寄せられた茶ノ木を御加持御彫刻し、本尊にされたのが始まりだそうです。 -
西光寺は、寺が集まるエリアでも、境内の広さはここが一番広いかも。
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真宗大谷派の寺であり、有名な長島の一向一揆にも関係していたよう。たぶん地元の豪族だと思いますが、真宗に帰依し、長島に立てこもって織田信長とも戦った鈴木重行が建立。山門の重々しさとか、本堂の雄渾さとかが見どころです。
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法応寺は川沿いから山門が見えて、そこが入口。浄土宗の寺で、ちょっと背の高い山門の構えがまずは目を引くと思います。
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山門をくぐると、
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静かでおとなしい感じの境内です。
ちなみに、蟹江城が築城されたのに伴い、こちらに移転してきたとありますから、歴史は古い。蟹江城の戦いでは一旦焼失もしています。
以上で、お寺はおしまいです。 -
市街中心部では、パン屋さんの続き。
パンドリーノは、市街の中心部。 -
イチオシ
いくつか回ったパン屋さんの中では特別な感じがほとんどないし、私は一番普通かなと思ったのですが、人の出入りが一番あったのはこの店かも。女性二人がレジに立って応対していて、その飾らない対応がいいのかもしれません。私はこれをいただきました。
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Boulangerie Coucouは、職人気質風の大将が一人でやっている小さなパン屋さん。
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イチオシ
しかし、陳列されたパンの美しさは洋菓子屋さんみたいにハッと息をのむほどです。一方で大型のショッピングセンターの敷地内みたいな場所にあるので、ちょっと目立ちにくいような。それがちょっとハンディになっているような。少し残念に思いました。
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咲良は、蟹江駅からほど近くの小さなパン屋さん。
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若夫婦でやっているような感じです。
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店内には、大事に大事に焼き上げられたというようなパンがまるで宝飾店のように並んでいます。
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で、私はイチオシと言うコロネをいただきました。コロネはパリパリの皮がウリのよう。私はしっとり系も好きなんですが、このパリパリに合わせた芳醇なクリームとの組み合わせがミソなのだと思います。
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蟹江で昼飯を食べてから津島に向かおうと思いまして、昼飯にしたのは、この味彩 もへの。蟹江駅からすぐの老舗のお寿司屋さんです。店内に入ると小上りも含めて奥が深い。外観のイメージより、ずっとゆったりしています。
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いただいたのは、刺身定食。包丁を丁寧に入れましたねといった繊細さが伝わってくるよう。一方で、大将も女将さんもなんか気さく。蟹江のこともいろいろ教えてもらいました。
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蟹江駅から弥富駅へは近鉄線。弥富駅で名鉄に乗り換えて、そこから津島駅までは津島線です。近鉄弥富駅から津島線の弥富駅に向かったのですが、その道は標識とか全然なくて、けっこう分かりにくい。それに弥富駅はJR駅との共用。道を尋ねる時に名鉄の弥富駅と言っても、地元の人はあまりピンとこないよう。変なところでちょっとてこずりました。
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津島駅に到着して。
津島市観光交流センターは、津島駅から津島神社に向かう途中。ちょうど、中間くらいの場所です。 -
昭和初期に建てられた銀行を利用した施設で、中に入ると天井の高い悠々とした空間が現れます。
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津島神社の天王祭の屋台の展示などもありました。
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ポスターでは提灯をいくつも備えたまきわら船の美しさが印象的ですが、大きさもかなりある。展示物は限られますが、祭りがちょこっと実感できると思います。
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津島市観光交流センターから、再び、津島神社に向かいます。
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津島神社に到着。
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ところで、この神社は、東海地方を中心に全国約3千社ある津島神社、天王社の総本社。
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イチオシ
楼門から本殿はすべて檜皮葺で、優雅な曲線を描いています。
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主祭神は、スサノオノミコト。天王祭車楽舟行事は、津島の一大イベントですが、今回ユネスコの無形文化遺産に登録されたこともあってか、ポスターがあちこちに。お祝いムードに包まれていました。
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津島神社の裏手の方にあるのは宝寿院。山門の代わりに、綱を張った阿吽の像がお出迎え。真言宗智山派の寺ですが、ちょっと変わった構えです。
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始まりは、弘法大師が津島神社を訪れ、薬師如来を奉安したこと。明治の神仏分離で津島神社と別れたようです。いずれにしても、奥まった場所になるので、気が付きにくいかもしれません。
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そして、津島神社にほど近い、この天王川公園は、尾張津島天王祭の会場。
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水面に映る提灯のまきわら船はポスターとかで見ても一度見ると目に焼き付くような美しさでしたよね。
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川をせき止めた池はちょっと窪地のような場所なんですが、広々と奥も深いのでせせこましさのようなものが全くない。確かに、雰囲気のある公園です。
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ところで、津島名物には「くつわ」と「あかだ」というお菓子があります。いくつかの店で扱っているのですが、一番目立っているのは、津島神社の真ん前にあるこちらの角政。
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当然おみやげに買って帰りました。
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試食したので分かってはいましたが、改めてめちゃめちゃ固い。結局、息子夫婦に全部食べてもらうことになりました。
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イチオシ
鮮やかな色の包みですが、それは大きさが違うから。間違えないようにするための工夫なのだそうです。
さて、ここから今夜のお楽しみは、なばなの里のイルミネーション。ここから長島駅に向かいます。
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