2016/08/24 - 2016/08/24
201位(同エリア2536件中)
かっちんさん
明治13年(1880)11月に開通した「幌内鉄道」の起点でもある旧手宮駅構内に、当時から国鉄時代にかけての機関車庫、転車台、国鉄車両等が保存されています。
保存されている鉄道車両は数多く、鉄道遺産といえる施設もあり、鉄道王国だったあの頃を振り返ることができます。
平成19年に旧小樽交通記念館が小樽市総合博物館(本館)となり、鉄道だけでなく、小樽の歴史・自然・科学など幅広い分野の展示が見学できます。
この旅行記では、鉄道を中心に手宮洞窟の壁面彫刻をあわせて紹介します。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 交通
- 5.0
- 同行者
- カップル・夫婦(シニア)
- 交通手段
- JRローカル 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
PR
-
ランプの灯る小樽駅
札幌から函館本線に乗り、小樽駅にやって来ます。 -
小樽周辺の地図
小樽駅から歴史的建造物の銀行・店舗・倉庫などを見ながら30分ほど歩くと、小樽市総合博物館(本館)があります。 -
旧手宮線
途中から北海道最初の鉄道「旧手宮線」の遊歩道に入り、博物館へ向かうことにします。 -
手宮口ゲート
小樽市総合博物館の手宮口ゲートに到着します。
入館料は400円(冬期300円)・運河館または旧日本郵船建物との共通入館券が500円。
休館日は毎週火曜日です。 -
総合博物館の案内図
屋外に国鉄車両、転車台、機関車庫が展示され、屋内に鉄道資料館があります。
博物館の外にある手宮洞窟保存館は、共通入館券の提示で見られます。
では、見学を始めます。 -
イチオシ
国鉄時代に活躍した車両たち
先頭にC12形SL、次にディーゼルカー、電気機関車などが続きます。 -
静かに佇むC12
昭和8年(1933)に製造された小型のSLです。
C12は閑散線区や入換用として使われてきました。
NHKの朝の連続ドラマ「すずらん」の撮影では、真岡鐡道のC1266を借用し平成10年(1998)12月に留萌本線を走ったことがあります。 -
キシ80
昭和40年(1965)に製造された特急用ディーゼルカーの食堂車です。
「キシ」とは、「キ」が気動車、「シ」が食堂車の略号です。 -
キハ22
昭和30~60年代に北海道で活躍していたディーゼルカーで、旅行に出るとよく乗った懐かしい車両です。
極寒地向け仕様で、乗降口が両端にあり、客室との仕切り扉と二重窓により保温性を高めています。 -
キハ22車内
クロスシートの座席に、板張りの床、扇風機などが装備されています。 -
ED75交流電気機関車
昭和43年(1968)北海道交流電化に伴い、走り始めた電気機関車です。
501号機は試作機として製造されました。 -
郵便荷物普通車
昭和33年(1958)に製造されたキハユニ25です。
手前に郵便室と荷物室、後方に客室があります。 -
急行「ちとせ」
札幌~室蘭間を走っていました。
昭和36年(1961)に製造されたキハ27です。
運転席側窓(がわまど)の下にある短い棒は、駅通過時に手前に起こし、走りながらタブレット(通票)を受け渡しするためのものです。 -
淡緑色帯をつけたグリーン車
昭和41年(1966)に製造されたキロ26です。
等級制があった時代に一等車を示した帯です。
等級制は昭和44年(1969)に廃止され、一等車からグリーン車に変わり、「四つ葉のクローバー」が表示されるようになりました。
帯のある貴重なグリーン車を見ることができ感激です! -
リクライニングシートのグリーン車
-
イチオシ
急行列車が停車中
先頭車両は昭和35年(1961)に製造された急行用キハ56です。
「ちとせ」のキハ27(1エンジン)と比べ、キハ56は2エンジン装備しているので、道内どこでも走れました。 -
機関助士席(キハ56)
信号機が自動化される以前は、運転席右側の座席に機関助士が乗っていてタブレットの受け渡しをしました。
かっちんが学生だった昭和40年代は、機関助士がやっていた仕事を覚えています。 -
特急「北海」
昭和61年(1986)まで、函館~札幌(初期は旭川)間を山線(倶知安)経由で走っていた特急「北海」です。
車両は特急用ディーゼルカーのキハ82です。
当時、同じ発着で室蘭本線・千歳線経由の特急「北斗」もありました。
現在は特急「北斗」しかなく、「北海」は幻の特急になってしまいました。 -
夜行急行「利尻」
札幌から旭川を経由し、宗谷本線の稚内まで走っていた夜行急行「利尻」です。
学生時代に宿泊代を浮かす目的でよく利用していました。
C55形SLはスポーク動輪が美しく、SLファンに人気でした。 -
黒覆面をしてお目々がパッチリ・・・
これは複線用ラッセル車(片寄せの除雪車)キ1567です。 -
機関車庫に停車するラッセル車
カラスのような顔立ちの単線用ラッセル車キ270です。 -
横から見ると(キ270)
先端の除雪板で線路内の雪を外にかき分け、後ろにある大きな翼を広げて雪をさらに跳ねのけていきます。
ラッセル車は単独では動けず、後ろから機関車に押してもらいます。
「釧」マークは国鉄釧路鉄道管理局の所属を意味しています。 -
イチオシ
レンガ造りの機関車庫
SLの向きを変える転車台を囲み、左側に機関車庫1号、右側に機関車庫3号があります。
機関車庫3号は明治18年(1885)竣工のレンガ造り建築で、国内最古の機関車庫です。
機関車庫1・3号は、危険品庫、貯水槽、擁壁、転車台とともに国の重要文化財に指定されています。 -
イチオシ
転車台とつながる機関車庫1号
-
レンガ造りの機関車庫3号
壁面レンガは美しいフランス積みです。
長い煙突は車庫に入ったSLの煙突の真上にあり、煙を外に逃がします。 -
古いラッセル車
ジョルダン車と呼ばれるラッセル車で、駅構内の除雪に使われました。 -
可愛らしいレールバス
昭和31年(1956)に製造されたキハ03です。
ディーゼルエンジンをはじめバスの部品を使っていることから、レールバスと呼ばれました。 -
車体はバスにそっくり(キハ03)
-
声問行(キハ03)
声問(こえとい)駅は旧天北線にあるので、この路線を走っていたのですね。
声問地区には稚内空港があります。 -
レールバスの車内(キハ03)
座席は小さめ、正面と側面の窓はバスそっくりです。 -
バスと同じような折りたたみ式扉(キハ03)
-
イチオシ
レールバスの運転席(キハ03)
バスのようにアクセル、クラッチ、シフトレバーがあります。
ブレーキは鉄道に使われているブレーキハンドルを回します。 -
次は蒸気機関車資料館
ここにはかつて鉄道の主役だったSLの部品や工具が集められ、展示されています。 -
SLの部品・測定ゲージ
いろいろな種類があります。 -
見送り給油器
何ともいえない姿です。 -
客貨車用発電機
車輪の回転を利用して発電し、蓄電池に電気を蓄えて車内の照明に使います。 -
自動焚口戸
焚口の片側を開くと、ギアが回転して別の片側も開きます。 -
ピストンリング
-
シルクハット
のような煙突です。 -
ロータリー除雪車
昭和51年(1976)に製造されたDD14ディーゼル機関車に、ロータリー除雪車がつながっています。 -
いかめしい姿のDD14
-
手宮洞窟保存館
博物館から歩いて2分のところに手宮洞窟があります。
洞窟内の壁面彫刻がこの案内板のように見えます。 -
手宮洞窟の壁面彫刻
慶応2年(1866)に発見され、大正10年(1921)に国の史跡に指定されました。
この彫刻は文字ではなく、人や動物の絵であることがわかってきました。
日本では2ヶ所しかない壁面彫刻で、もう1ヶ所は余市町にあるフゴッペ洞窟です。 -
しづか号
博物館本館に戻り、1階の展示室に来ています。
ラッパのような煙突のSLは、北海道近代化の初期に活躍した「しづか号」です。 -
列車愛称板
急行「ニセコ」「天北」「礼文」「利尻」などはお世話になった懐かしい列車です。 -
昭和42年の時刻表
昭和42年(1967)11月号の時刻表です。
このページにのんびりした鈍行列車があるのです。
函館23:32発の鈍行夜行列車が翌朝札幌7:42に到着。その後、根室本線を経由し釧路19:53に到着します。
当時は、郵便・荷物車を連結していたので、主要駅への輸送も兼ねて長距離鈍行列車が存在していました。 -
アイアンホース号
北海道で最初に輸入された「義経号」「弁慶号」「しづか号」と同じアメリカのH.K.ポーター社で、明治42年(1909)に製造されました。
博物館構内の中央ホームと手宮ホームをSL列車が往復し、無料で乗れます。 -
転車台に載るSL
手宮ホームに到着すると転車台に載り、SLの向きを反対方向に変えます。 -
尺取虫のように動く転車台
後日、動く原理を調べてみると、杉崎行恭著の「線路まわりの雑学宝箱」に記載がありました。
『小樽市総合博物館の転車台は「大友式転車台牽引装置」という機械で可動状態を見学することができる。
これはローカル駅の動力のない転車台を回転させるメカで、転車台に載せたSLから供給される圧縮空気でシリンダーが伸び縮みして、その先端が転車台の縁(レール)をつかんで回転させるいうものだ。』
実際にはSLから圧縮空気を転車台に接続するところは確認できませんでしたが、尺取虫のような動きを見ることができました。 -
バックしてくるSL
SLは方向を変えて一旦先まで行き、客車までバックして来ます。 -
準備が完了し、出発進行~
SLが蒸気を吐きながら発車します。
博物館には2時間しか滞在できなかったので、全体の半分程度しか見学していません。
機会をみて再訪したいと思います。
この旅行記のタグ
利用規約に違反している投稿は、報告する事ができます。
この旅行記へのコメント (2)
-
- 横浜臨海公園さん 2016/11/01 14:49:33
- 小樽市総合博物館
- かっちんさま、こんにちは。
旅行記を拝見させて頂きました。
その博物館は小樽港から至近地に存在する為に、車体の損耗が著しく、旅行記に掲載されていたキシ80型など、誰の目にも車体の傷みが判る程、劣化が酷い状態ですね。
小生にとっても懐かしい車輌ばかりなので、マニ30型現金輸送車を含め、このまま朽ちてしまわぬ事を願うばかりです。
横浜臨海公園
- かっちんさん からの返信 2016/11/01 15:48:24
- RE: 小樽市総合博物館
- 横浜臨海公園さま
こんにちは。
キシ80型の傷みは特にひどかったです。
他の屋外展示車両はそれほどでもなかったのですが。
車両の塗装、維持はボランティア活動でやっているようで、資金面を含め十分な対応が難しいように思えました。
夕張にある三菱大夕張鉄道の保存車両は台数が少ないせいか、ボランティアの方々が再塗装し綺麗な状態が維持されていました。以前、ボロボロになっていた頃の写真を見たことがあるので、やればできるのだなと感じました。
マニ30型現金輸送車は時間の関係で見れなかったのが残念です。
昭和40年代の話ですが、新潟行きの急行天の川に上野から乗車するとき、大勢の警察官が見守る中で、千両箱(中身は現金)を車両に積んでいました。
あの車両がマニ30だったのだと今頃気づきました。
懐かしい思いのある車両は、横浜臨海公園さんと同じように朽ちてしまわぬ事を願っています。
かっちん
コメントを投稿する前に
十分に確認の上、ご投稿ください。 コメントの内容は攻撃的ではなく、相手の気持ちに寄り添ったものになっていますか?
サイト共通ガイドライン(利用上のお願い)報道機関・マスメディアの方へ 画像提供などに関するお問い合わせは、専用のお問い合わせフォームからお願いいたします。
旅の計画・記録
マイルに交換できるフォートラベルポイントが貯まる
フォートラベルポイントって?
2
51