2016/08/24 - 2016/08/24
169位(同エリア2537件中)
かっちんさん
北海道開拓の玄関口として発展してきた小樽港。
当時は沖に泊めた大きな船からはしけで荷揚げしていましたが、次第に取り扱う量が多くなり、はしけが直接倉庫の近くまで入って行ける小樽運河を作りました。
大正12年に完成した小樽運河は、内陸を掘り込んだ運河ではなく、海岸の沖合いを埋め立てて造られたため、直線ではなく緩やかに湾曲しています。
運河沿いの石造倉庫群は当時の姿のまま残され、カフェなどにも再利用されています。
小樽にはその繁栄ぶりを伝える建造物や街並み、道内で最初の鉄道である旧国鉄手宮線の廃線跡などがあります。
今日は小樽駅の北東部に位置する北運河と色内(いろない)周辺を歩き、数多く残るレトロな建物を訪ねます。
なお、写真の説明は小樽市のHP、旧日本郵船小樽支店見学パンフレットを参考にしています。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- 同行者
- カップル・夫婦(シニア)
- 交通手段
- 高速・路線バス JRローカル 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
PR
-
北運河と色内界隈の街歩きコース
小樽駅前から正面の中央通りを進み、小樽運河を左に曲がり北運河あたりで、旧手宮線に入ります。
手宮の小樽市総合博物館に寄った後、旧日本郵船小樽支店内部を見学し、歴史的建造物の街並みを見ながら小樽駅へ戻って来ます。 -
小樽駅
小樽駅から街歩きを始めます。 -
町なかを走る旧手宮線跡
明治13年(1880)に石炭輸送のために開通した幌内鉄道が、旧国鉄手宮線になりました。 -
旧安田銀行小樽支店
ギリシャの建築様式をもった昭和5年の典型的な銀行建築です。
重量感あふれる円柱が特徴です。 -
小樽市観光運河プラザ
明治23年(1890)~27年(1894)に建てられた石造りの旧小樽倉庫です。
色内地区の埋め立て直後に建てられた営業用倉庫のひとつです。 -
小樽運河
大正12年(1923)に海岸の沖合いを埋め立てて造られた小樽運河です。
人力車の若い俥夫(しゃふ)が朝の散策路を綺麗に清掃しています。
では、ここから運河の散策路を歩きます。 -
瓦屋根に鯱をのせた建物(運河の散策路から)
運河に沿って旧小樽倉庫の長い建物が続きます。
二つの倉庫の間にある煉瓦造りの建物は、旧小樽倉庫の事務所です。
現在、倉庫の北側を市博物館、南側を運河プラザが活用しています。 -
二つのドームが特徴的な建物(運河の散策路から)
かつて、小樽でガラス製作体験ができる人気のガラス工房「小樽運河工芸館」でした。
煉瓦造りの建物に二つのドーム展望台を持ち、小樽運河の景観に配慮した現代的なデザインが、第1回小樽市都市景観賞作品(昭和63)を受賞しました。
平成24年(2012)より革製品・ガラス製作体験スタジオの「小樽イルポンテ」の経営に変わっています。 -
小樽の歴史を題材にしたレリーフ(運河の散策路から)
北海道で最初に開通した鉄道は、手宮と札幌の間でした。
当時はアメリカ製の古典SLが活躍していたのです。 -
旧大家倉庫(運河の散策路から)
明治24年(1891)建築の木骨石造1階建です。
石川県出身の海産商大家七平によって建てられ、妻壁に「やましち」の印があります。
外壁に札幌軟石を使用し、入口の二重アーチが特徴です。 -
龍宮橋に来ました
右岸に大きな北海製罐小樽工場第3倉庫が見えます。
運河と同時期に建設された第3倉庫は、大正13年(1924)建築の鉄筋コンクリート造です。 -
イチオシ
北海製罐第3倉庫の見どころ
らせん階段のように見えるところは、荷物を上から下へ降ろす「スパイラルシュート」です。
荷物を揚げ降ろしするエレベータは、建築当初から設置されています。 -
大きな集魚灯を吊るす漁船
第3倉庫を過ぎてさらに進むと、北運河と呼ばれているところに着きます。
運河の幅が20mから40mと広くなり、昔のままの運河が残されています。 -
石造倉庫
北運河から離れ、色内(いろない)の街並みに入るとレトロな建物がいくつも現れます。 -
田中酒造
昭和2年(1927)建築の木造2階建の田中酒造店で、現在も営業を続けています。
正面の軒下は、腕木を手前に迫り出す「せがい造り」です。 -
青空が似合う石造倉庫
バンドーVベルトの看板がある商店です。 -
旧手宮線
線路の脇が散策路になっているので、この道を歩きます。 -
線路脇にはキノコ
-
もじゃハウス(旧手宮線散策路)
石造倉庫が緑に覆われています。 -
旧手宮駅跡
明治20年代になり、空知地区の炭鉱開発が進むと手宮駅構内が手狭になり、明治39年(1906)に旅客扱いが停止してしまいました。
しかし、住民の反対も多く、大正元年(1912)この場所に旅客専用の手宮駅が作られました。
もとの手宮駅は貨物専用駅として、現在の小樽市総合博物館の場所に並置されました。
その後、第二次世界大戦が激しくなった昭和18年(1943)旅客扱いが中止、手宮駅が廃止されます。 -
石造の営業所(旧手宮線散策路)
石油製品を販売している樽石(たるせき)の営業所があります。 -
石造の商店(旧手宮線散策路)
魚問屋の板倉商店です。 -
彩りのある石造倉庫(旧手宮線散策路)
屋号の「一寸家」は何と読むのでしょうか??
読み方を調べてみると、「ちょっとや」または「ちょっけ」のようです。 -
旧手宮線跡
以前複線だった時代もあり、幅広い敷地の旧手宮線跡です。 -
煉瓦煙突(旧手宮線散策路)
では、旧手宮線から北運河公園・旧日本郵船小樽支店へ向かいます。 -
大正または昭和の建物
緑色の屋根にドーマ窓(屋根窓)、上げ下げ窓など、大正または昭和の建物と思われます。
両脇の柱の上部を見ると、何とライオンらしき像が飾られています。
現在、喫茶「北運河」が営業しています。 -
旧日本石油倉庫
大正9年(1920)建築の木骨石造1階建で、平成10年の運河公園オープンに先立ち、新しい石を用いて建て直されています。 -
旧日本郵船残荷倉庫
明治39年(1906)建築の石造1階建の倉庫です。
日本郵船小樽支店と同時にこの残荷倉庫も建設されました。
現在、建築資材販売の「小樽ナトリ」が使用しています。 -
イチオシ
三角帽子をかぶせてもらったドラム缶
電機関係の会社の廃材置き場です。 -
イチオシ
気品のある「旧日本郵船小樽支店」
明治39年(1906)建築の近世ヨーロッパ復興様式の石造2階建で、国の重要文化財になっています。
設計者は工部大学校(現東大工学部)第1期卒業生の佐立七次郎です。
表玄関を中心に左右対称、北面に貴賓用横玄関を配しています。
外壁は厚さ約75cmの小樽天狗山産軟石、腰・胴蛇腹・軒部分は登別産中硬石を使用し、淡色系の優雅な色調ながら堅実で重厚なデザインの外観です。
入館料は300円、総合博物館または運河館との共通券が500円です。
休館日は毎週火曜日です。 -
1階営業室
1階は客溜りと営業室が高いカウンターで仕切られており、力強い格天井と色鮮やかな天井紙等が海運業の隆盛を象徴しています。 -
豪華な飾り天井
照明器具は各机の位置にあわせて天井からコードが配線されています。 -
イチオシ
温かみを感じる竹フィラメント電球
日本でタングステン電球「マツダランプ」が発売された時期は明治44年(1911)。
明治39年建築当初の竹フィラメント電球(エジソン発明)が残されているとは凄いと感心していたら、ガイドさんから「最近、ある電気会社が作ってます」との返事。
調べてみると、東京の浅田電球製作所が竹フィラメント電球の復元に成功したとのこと。 -
貴重品を保管する金庫室
堅牢で重厚な入口の扉は、金庫の扉と同一構造で、防火、防犯の効果があります。 -
金庫室奥にある小さな扉
万一火災などの場合、入口の大扉を締め、外からこの小さな扉を開いて中へ入り、貴重品、重要書類などを持ち出せるようになっています。
小さな扉は金庫扉と同じつくりになっています。 -
金庫の「イロハ」ダイヤル
ダイヤルは数字ではなく、イロハを使ったダイヤルなんです。
メーカは東京の「ANOMOTO」と刻印されています。 -
大階段
繊細な木彫りの手すりです。
では、2階に上がります。 -
華麗な貴賓室
寄木造りの床、空色漆喰の天井、菊紋内摺セードシャンデリア、菊模様の金唐革紙の壁、絨毯、鏡付大理石暖炉等、華麗な空間が完全復元されています。 -
広い立派な会議室
会議室は約198平方メートルもあり、広さを強調する吊り天井の大胆な弧を描く装飾彫刻を中心に飾り、シャンデリアの光を反射するアカンサス模様の金唐革紙の壁、床を覆う大絨毯、大テーブルと36個の椅子が悠然として迫力ある時代を感じさせます。 -
お洒落な廊下の照明
-
照明スイッチ
廊下の壁にある木の扉を開けると、2階各部屋の照明入/切スイッチが埋め込まれています。
では、旧日本郵船小樽支店を後にし、色内の街歩きをしながら小樽駅に戻ります。 -
旧前堀商店
昭和初期建築の木骨鉄骨コンクリート造・一部木骨石造3階建の店舗です。
正面は赤褐色の煉瓦風タイル仕上げで、縦長の鋼製の窓を配し重厚な印象を与えています。 -
旧早川支店
早川支店は、新潟出身の川又健一郎が茶、紙、文房具を商う早川商店から暖簾分けを受けたのが始まりです。
現在の建物は、明治37年(1904)の稲穂町大火で全焼し、翌年再建したものです。
厚い土塗りの防火戸や隣との境界に設けられた袖壁など、防火に対する配慮がされた木骨石造2階建です。 -
イチオシ
彫刻のある袖壁
袖壁には朝日や鶴の彫刻が施され、繊細な和風意匠でまとめられています。 -
木造の建物
川又商店(旧早川支店)の奥に並ぶ木造建築です。
玄関があり、旅館、料亭のような風情なのですが、詳細がわかりません。 -
「越」マークの石造倉庫
川又商店の一番奥にある倉庫です。
本家がある新潟=越後の「越」と関係があるのでしょうか?? -
煉瓦造の旧磯野支店倉庫
明治39年(1906)建築の煉瓦造2階建ての倉庫です。
訪れた時は人気レストラン「海猫屋」だったのですが、残念ながら2016年10月末に閉店しました。 -
イチオシ
石造倉庫街を走る人力車
旧小樽倉庫の裏道を歩いていると、人力車が駆け抜けていきました。 -
黄色帽子の消火栓
小樽駅に戻り、小樽市潮見台の「龍徳寺前バス停」から木造五百羅漢のある宗圓寺へ行く途中です。
五百羅漢は撮影禁止なのでお見せできませんが、室町・桃山時代の作と思われるものが11体、江戸中期のものが236体、江戸末期のものが268体あります。 -
青帽子の消火栓
坂道をさらに上がり宗圓寺周辺の消火栓は青帽子です。
小樽の消火栓は、平地では赤一色、坂道を登っていくと本体や帽子の色が変わり、どこの配水系統なのか見分けられます。
坂の多い小樽では、安定した水を供給するため、配水池36、配水系統42もあります。消火作業時にひとつの水系に集中して水の出が悪くなることを避けるため、色分けしています。
小樽の隠れた見どころは「消火栓」です。 -
かま栄のパンロール
小樽駅に戻り、駅前第一ビル店で小樽名物「パンロール」を購入し昼食にします。
すり身をパンで包み揚げたもので、防腐剤を使っていないので小樽・札幌周辺でしか食べられない逸品です。
午後は観光船に乗り祝津を訪れます。
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