古市古墳群・当麻寺練供養から、御所まち・葛城山・葛城の道の旅(一日目後半)~西方浄土から中将姫を迎えにきた観音菩薩以下25菩薩の面々。夕陽を浴びてキラキラ輝くさまは、まさにこの世の極楽です~
2016/05/14 - 2016/05/14
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当麻寺の山号は二上山。この二上山というのは大和の国の西に位置し、夕陽が2つの峰の中間に沈むことから、西方極楽浄土の入口、死者の魂がおもむく先であると考えられた山。当麻寺は当麻氏の氏寺として7世紀後半に始まったのですが、もともとそうした特別な場所に開かれたわけですね。ですから、その後、中将姫伝説と大麻曼荼羅の寺として知られるようになったにしても、やっぱりこうした二上山への信仰が背景にあったからこそと考えるのが自然で理解しやすいかもしれません。
伽藍は、正門から東を正面とする本堂(曼荼羅堂)へと向かう参道の両側に金堂と講堂が向かい合い、山あいの南側には東西の三重塔が建つという本格的なもの。境内には中之坊、奥院などいくつかの子院も残ります。また、文化財も豊富。奈良時代末期から平安時代に造られた東西二つの塔、本堂にあたる曼荼羅堂は国宝であり、その他、中将姫が一夜にして織りあげたと伝わる綴織当麻曼荼羅図とそれを収める当麻曼荼羅厨子の国宝以下、重要文化財の仏像もあまたあって、古代の姿を今でも色濃く伝えています。
ちなみに、伝説の中将姫は、藤原南家を創設した藤原武智麻呂の娘。幼いころ母を亡くし、継子いじめに遭うのですが、17歳で仏門に入り曼荼羅を織ることを決意。百駄の蓮茎を集めて蓮糸を繰り、一夜にして一丈五尺(4m四方)の蓮糸曼荼羅を織り上げたといわれます。そして、大願成就の後、29歳の春に西方極楽浄土へと旅立っていくのです。
この中将姫の命日である5月14日に行われる練供養会式は、当麻寺でも最大のイベント。西方浄土から25菩薩が最期を迎えた中将姫の魂を迎えにやってくるという場面を再現するものです。特別に本堂から渡り廊下が架けられて、その上を菩薩たちが次々とやってくるのですが、面々の主役は、中将姫の魂を預かる観音菩薩とそれに続く勢至菩薩に普賢菩薩。このうち練りという大きな動きをするのは先頭から二人の観音菩薩と勢至菩薩です。西日を背負って登場し、今度は西日に向かって帰っていく。これがなんといっても最大の見せ場ですね。今年は晴天。夕陽の中で浄土の世界はキラッキラに輝いていました。
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古市古墳群巡りを終えて、当麻寺駅に到着しました。
駅前にはどっこいまんじゅう。相撲の元祖、タイマノケハヤにちなんだネーミングだと思いますが、近鉄当麻寺駅を出てすぐにある大判焼のお店です。 -
少し小ぶりですが、種類が何種類もあって、並んでいるのを見ると楽しくなりますね。さっそく熱々のをほおばって元気が出ました。
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これもすぐにあるのが中将餅。あんこの草餅のお店です。ただ、先を急ぐので今回はパスして。
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あれれ。当麻寺のお餅と言えば中将餅なんですが、こんなところにもあるんですね。春木春陽堂は、当麻寺駅から当麻寺に向かう道のちょうど中間あたり。これまで気が付かなかったのは、季節限定でしかやっていなかったからのようです。奥ではおばちゃんたちが忙しそうにお餅を作っていました。
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中将餅はスルーしましたが、やっぱりせっかくなので。。
ひめ餅と大福があって、ひめ餅の方を買ってみました。 -
いや、なかなかうまいというかすごくうまい。素人の人たちが作っているようにも思いますが、餡子もしっかりした甘さがいいし、ベースとなっている草餅の固さ、香りが本当にほどよくてバランスが取れています。中将餅もいいですが、これも全然負けてないですね。これは確かに名物です。
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もう少し進んで、これは當麻蹶速塚。相撲館けはや座の前に立つ五輪塔です。
當麻蹶速と野見宿禰とが力比べをしたのは、垂仁天皇の時代。これが日本で最初の天覧相撲とされています。ただ、當麻蹶速は野見宿禰に腰を踏み折られて亡くなり、その後、蹴速の土地は没収されて、野見宿禰の土地となったということです。
五輪塔は、まあこんなものかというくらい。あんまりこれに気付く人も多くないかもしれません。やっぱり、相撲館けはや座の方が本物の土俵があったりして迫力があるし、観光客のほとんどはそっちに気持ちが行っていると思います。 -
交差点の角に柿の葉ずしヤマトですね。ここは当麻寺に行くには必ずここを通るといった場所です。ちょっと買っていきますか。
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練供養の日だったので店内は満員。注文してから作ってくれるので、少し待ち時間がありましたが、店内では冷水のサービスもあって、暑い日だったのでとても助かりました。
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山門が見えてきました。
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山門の手前の食堂は確か五木寛之が食べたとかあったと思いましたが、もうあれからずいぶん経ったような。
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久しぶりの境内は露店がいっぱいです。
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これは娑婆堂。菩薩は曼荼羅堂から来迎橋を渡って、ここに中将姫を迎えにくるという設定です。今はまだ、そんな気配はまったくありません。
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来迎橋の周辺にはぽつぽつ人が集まり始めていますが、まだ二時間近くありますからね。どこに陣取ったらいいんでしょうか。ちょっと判断がつきかねましたが、小さな石段で上がったこの辺りにしてみました。
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後ろの金堂でも縁の座布団に座って陣取る人。いい場所なんですが、聞くと、お寺の関係者とか特別な人たちなんだそうです。どっちにしても、このイベントには有料席はありません。
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日が傾いてきて、だんだん雰囲気が出てきました。
昨年は雨だったようですが、今年は、これなら条件は申し分ありません。 -
おー、始まりましたか。
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これは、中将姫の魂を運ぶ輿ですね。
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僧侶の人たちが
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これに
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続きます。
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その後につづくのは、
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稚児行列ですね。
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そして、雅楽の集団。
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お地蔵様に、
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菩薩も現れました。
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もろに逆光なので写真はひどいんですが、これが限界です。
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反対向きだとちゃんと撮れるんですけどね。
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おー。練りがやってきました。これこれ。これが見たかったんですよ~
気が付くと来迎橋の両側はぎっしりと見物人で埋め尽くされていて、皆さん固唾をのんで練りを見つめています。 -
先頭の観音菩薩は小さな台座を掲げて、大きな動き。高く掲げたり、
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低く腰を落として前につき出したり。
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力強く腕を横に振った姿もかっこいいですね。
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イチオシ
うわあ。こんな近くにやってきました。この見上げる角度もいいですねえ。
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二人目の勢至菩薩は、拝み手ですね。
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これも体を大きく動かして、
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思いっきり練ってますよ~
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しっかり腰が入っていい感じです。
ただ、二人とも被り物をしているので前はよく見えないはず。そんなことを微塵も感じさせないのは練習のたまものでしょうか。 -
三人目は普賢菩薩。長い柄の先は灯篭でしょうか。こちらは補助者に助けられてゆっくりと進みます。
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ほー、こういうことですか。練り供養いいですね。
しかし、三人の菩薩はあっという間でした。二時間以上待ってこれでは割が合わないような気もしないではない。写真も逆行ばかりだし。。戻ってくる時どれだけできるかが大事ですね。 -
娑婆堂の様子はよく見えませんでしたが、準備が整ったんでしょう。こんどは、帰りのようです。
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西日を正面に受けて、これはさっきと全然違う。菩薩がみんなキラッキラに輝いてますよ~
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そして、練りながら、こっちにどんどん近づいてきます。
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ほー、
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ほー。
これなら、少しくらい遠くでも所作がよく見える。さっきとは全然違います。 -
観音菩薩を先頭に三人の菩薩が続いて、チームワークもぴったりです。
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ちょっと前のおじさんのカメラが邪魔なんですが、それでもなんとかギリギリ撮れてます。
この人、途中から割り込んできたくせに、少しは遠慮してほしいんですけど。。 -
しかし、それはそれとして。
どんどん近づいてきて、これは大興奮ですよ~ -
おー、もうすぐ目の前です。
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ところで、気が付きましたか。台座の上にはさっきはなかった小さな像が乗っていて、これが中将姫の魂なんです。菩薩の面々はこれを迎えに来たんですね。
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イチオシ
継母にいじめられたつらい体験も、曼荼羅を織り上げた苦労も、すべては西方浄土にいざなわれ報われることになるのです。がんばれー
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中将姫の成仏を願いながら、また、片方では自分のことに置き換えて。行列を見つめる人々の信仰心はいやがおうにも高まっていく。
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そうした最高の瞬間です。
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難しいことを言わなくても、
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この練り供養を見てもらうことで、
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イチオシ
多くの人の心には十分訴えることができる。すごい、すごい。
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まさに浄土の世界。
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極楽の世界です。
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そして、そうした観客の気持ちを知ってか知らずか。観音菩薩は表情を少しも変えず、ひたすら練る。
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イチオシ
その無表情なところが不思議とまたいいんですねえ。
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仏画には来迎図というのがありますが、これはいわばリアルな来迎図。
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不安な世の中に広まった末法思想の一縷の望みになった浄土信仰ですが、
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死んだら寂光浄土に参拝する。それは現世での幸せを思う気持ちと変わらない。昔も今も同じことでしょう。
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二人目の勢至菩薩。
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イチオシ
これもしっかりとした動きで続きます。背景の青空とキラッキラの容姿。
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すばらしい神々しさですよ~
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イチオシ
腰を落として、ポーズが決まってます。
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普賢菩薩は、動に対して静の姿。
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前が見えないので、ちょっとよろよろしてるような。
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はい、がんばってくださ~い。
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白い顔のお地蔵様が
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続いて。
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ここから、菩薩の面々。
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万葉の奈良時代のような服装ですけど、
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光背を伴う金色の顔。
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青空に映えて、
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本当に神々しい。
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補助者が傍らで扇子で風を送っています。
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密封された被り物の中は、前が見えないだけじゃなくて、とっても暑いんでしょうね。
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それでも、皆さん、
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イチオシ
今日は晴れの舞台。
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列を整えて、
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イチオシ
厳かに、
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厳かに。
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菩薩は、正確に25人いたかどうかわかりませんが、
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次々やってきて、
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想像以上の多さです。
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手荷物道具類も、仏具のようなものから、
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楽器のようなものまで。
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たぶん死者を迎えるのに必要なものを携えているんでしょうが、細かくはよくわかりません。
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死後の世界は誰にもわかりませんが、そこをどう考えるかは人の生き方にも関わること。普段は宗教なんかと思っている人でも、やっぱり関係のない人なんかいません。学問として始まった仏教が広く大衆の心に浸透するまでには長い苦難の歴史があります。こうした来迎の菩薩を初めて見た人でも、ちゃんと何かを感じれるというのは実はそうした歴史があってのもの。我々が祖先から受け継いだ日本の文化は思っている以上にすごいんです!
ただ、この辺の話は長くなるので、興味がある人は参考まで。
http://4travel.jp/travelogue/11008018 -
これは何でしょうか。菩薩ではないですよね。
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ここからは、
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また稚児行列。
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お母さんと子どもが手を取って進みます。
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もう寝てしまった子もいますけど、
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女の子は
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みんなおしゃまさん。
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晴れの衣装を
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イチオシ
楽しんでいるように思います。
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雅楽の集団から
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最後は
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僧侶たちで終了です。
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一行は曼荼羅堂に帰ってしまいました。
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では、せっかくなので。
ここから子院の方にも行ってみましょう。 -
この當麻寺西南院は、花の寺。
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シャクナゲがメインだそうですが、牡丹も豪華だということでしたが、もう花はほとんど終わっていました。
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ただ、お目当ては東西の三重塔です。ここから展望台に上ります。
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池に映った三重塔もチェックして。
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これは西南院の裏庭です。ここも拝観できたはずなんですが、今日は時間が遅いので、ここもここから確認しただけです。
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イチオシ
さて、これがここの見どころナンバーワン。東西の塔を並んでみる見晴らし台からの景色です。当麻寺もいろんな見どころがありますが、これも当麻寺を代表する眺めの一つでしょう。
山間に立って、ほかの建物との組み合わせはないんですが、東西二つの塔の並びだけで奥行きのある景色となっています。薬師寺の大池から見る塔も有名ですが、私の中ではそれと双璧かなあと思います。 -
西南院はこれくらいにして。
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もう一つ。奥院の方へ。
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さっきの三重塔が同じ目線の高さで見えています。ここも少し高台なんですよね。
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こちらは、浄土庭園が見どころ。古い庭ではありませんが、
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浄土を再現した眺めはなるほどとうならせるものがあると思います。
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ちなみに、ここは奥院といいますが、当麻寺の奥院ではなく、もともとは知恩院の奥院として建てられたものだそうで、浄土宗の寺。
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宝物館には曼荼羅や25菩薩像のほか、法然の関連資料とかも置いています。25菩薩像は江戸期のものでしょうね。立体的でリアルなしぐさや表情がとてもいいです。来迎図は多くても、こうした像は意外に少ない。平等院の雲中供養菩薩がもっとも有名ですが、ここに来たらこの25菩薩像はチェックしていいでしょう。当麻寺には重要文化財の仏像がたくさんあるので、どうしてもそれらが優先になってしまいますが、これもお勧めです。かくいう私もこれまでは金堂や講堂の仏たちを見てそれで終わりでした。金堂はもう閉まっていたので、こっちに回ったというのはあるんですが、これに気が付いたのは収穫だったと思います。なお、来迎する菩薩の数は特に決まっていません。たまたま、当麻寺が25としているだけなので、念のため。
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曼荼羅堂のあたりはもうすっかり片付いてしまっています。
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人もまばらで、祭りの後という感じですね。
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来迎橋もどんどん片づけられてます。
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駅に戻る途中から見た二上山です。大和言葉では「ふたかみやま」。北方の雄岳と南方の雌岳の2つの山頂がある双つ耳の形が特徴的です。
山は二上山駅が最寄りの駅なんですが、当麻寺から登る登山道があって、それを利用する人も少なくないとのことでした。 -
当麻寺から歩いて20分近くかかって、これはマガジーノ。この辺りでは圧倒的な人気を誇るピザ屋さんです。
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なので、待ち時間30分以上でやっと入店。しかし、この石窯もいいじゃないですか。
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それにこのうまさは抜群ですね。トマトとチーズのたっぷりに加えて、そのジューシーさに生地のパリッと感の組み合わせがすごい。小麦の香りからしても違うような。
爽やかで、かつ、芳醇なうまさがたまりませんでした。 -
そこから高田市駅に出て。今夜の宿は、いそかね旅館。便利な場所にある家族経営の旅館です。
女将さんに高田市内の古い町並みである本町・市町地区の情報を頂いたりして、参考になりました。
さて、明日は葛城山に向かいますが、泊り客には私と同じように葛城山に向かう人がいるとのこと。ちょっと安心感が増しました。
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この旅行記へのコメント (2)
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- ジバゴさん 2016/11/10 15:04:31
- 古市古墳群・当麻寺練供養から、御所まち・葛城山・葛城の道の旅(一日目後半)?西方浄土から中将姫を迎えにきた観音菩薩以下25菩薩の面々。夕陽を浴びてキラキラ輝くさまは、まさにこの世の極楽です?
- 素晴らしい!!!
臨場感を満喫しました。
- たびたびさん からの返信 2016/11/14 13:54:51
- RE: 古市古墳群・当麻寺練供養から、御所まち・葛城山・葛城の道の旅(一日目後半)?西方浄土から中将姫を迎えにきた観音菩薩以下25菩薩の面々。夕陽を浴びてキラキラ輝くさまは、まさにこの世の極楽です?
- 当麻寺練供養は奈良県を代表するイベントだと思いますが、4Tの投稿もあまりなくて、そこまで知られてもいないんでしょうか。そういう思いもあって行ってみたんですが、お天気にも恵まれてなんとかほぼ思い通りに撮れたかなという感じ。少しでも情景が伝わったなら、うれしいです。
たびたび
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