2007/05/04 - 2007/05/10
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motogenさん
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2007年春、元気なうちに海外に旅しなくてはと早期退職してしまいました。
日本人の旅行シーズンをはずせば航空券も安く手に入りますし、日程も自由になります。
退職記念として、インドネシアに挑戦したくなりました。
それもジャカルタのような都会ではなく、日本人がめったなことには行かないド田舎の町が目標です。
安全なチェンマイを楽しみ、その帰路に立ち寄ってみよう。
そんな思いで田舎町を探していると、シンガポールから船で渡れる小さな島々を見つけました。
たくさんの島があるリアウ諸島です。
有名なバタム島やビンタン島ではなく、カリムン島はどうだろうか?
日本人は一人もいないでしょう。
情報もほとんどありません。
これは面白そうだ・・・
この時、アジア旅行を始めて7年となっていましたが、タイとマレーシアの比較的楽な町しか行ったことがありませんでした。
まだまだ初心者中の初心者だったのです。
そのことを思い知らされた辛い旅行となりましたが、こんな時期もあったのだと記録にとどめておきたいと思います。
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チェンライ、チェンセン、チェンマイと一回りし、チェンマイからタイガーエアを利用してシンガポールにやってきました。
タイガーエアが一番安かったため、初めてタイガーエアに乗りました。 -
シンガポールのチャンギ空港に着きました。
LCC専用のパジェット・ターミナルです。
時刻は13:00です。
ターミナル2にあるMRT駅に急ぎます。
12日前、チェンマイに行く時に利用したターミナルなので、事情は分かっています。
来た時機逆をたどります。 -
タイガーエア機にお別れのあいさつをします。
シンガポール チャンギ国際空港 (SIN) 空港
-
広いロビーを抜けて、シャトルバスに乗り、ターミナル2に向かいます。
途中でシンガポールドルに両替しました。
カリムン島では円は使えず、シンガポールドルが一番利用しやすいと聞いています。 -
使い方が分からない電車の切符販売機で、なんとかハーバーフロントまでの切符を手に入れ・・・
-
停車していた電車に乗りました。
ハーバーフロントに行くには、タナメラ駅で東西線に乗り換えるのだそうです。
緊張します。 -
タナメラ駅での乗り換えは成功し、オドオドしながら乗っていると、日本人の男性が話しかけてくれました。
ハーバーフロントまで行きたいと言うと、ブオナビスタ駅で乗り換えればいいとアドバイスしてくれます。
ホームを間違えないようにと、細かな説明もしてくれました。
アウトラムパーク駅で乗り換えれば良いと思っていたのですが、予定変更です。 -
街の中心部に近づいてきました。
シンガポールはどこもかも町で、田畑や山が見えません。
この国は農産物などの食料はどうしているんでしょう? -
線路の下には素晴らしい道路が走っています。
高層ビル群も見えてきました。
みんなピカピカに見えます。
乗客を見渡すと、みんなお洒落で都会的です。
しだいに怖気づいてきました。 -
ブオナビスタ駅で乗り換えてハーバーフロントまでやってきましたが、アウトラムパーク駅で乗り換えた方がはるかに近かったような気がします。
親切な日本人でしたので、文句は言いませんが、ありがた迷惑でした。ハーバーフロント駅 駅
-
これがハーバーフロントの駅?
近未来の国に迷い出てきてしまったようで、びっくりします。 -
そのまま外に出ることなく、案内板に従って地下街を歩いていきました。
アーケードを進むとガイドブックにはありましたが、アーケードなどとは思えない立派な地下街でした。
宙を飛んでいるような気分になって、何も覚えていません。
都会の雰囲気に飲まれ、すっかり自分を忘れています。 -
自然とレストランのような中に紛れ込んでしまいました。
船着場はどこ?
道を間違えたか? -
焦りましたが、その先にチケット売り場が見えてきました。
やれやれ・・・ -
時間は14:50。
14:20発の船には間に合いませんでした。
次の船の出航は18:20です。
仕方なく、そのチケットを買うことにします。
「ワンウェイ? ラントリッ?」
えっ、何のこと?
片道か往復かを聞いていることに気がつき、往復のチケットを買いました。 -
窓の外にはボート。
しかし私を不安にさせ、まごつかせたのはこの後でした。
船のチケットはどうにか買えましたが、受け取ったものは3枚あって、それが何なのかわかりません。
1枚は入出国用カードで、1枚は乗船用のチケットらしい。
残りの1枚は何だろう。
この破れかかった1枚が帰りのチケットなのだろうか。
でもそんな記載はどこにもありません。
購入時に乗船の方法についての説明はありましたが、英語がはっきり聞き取れず、よく分からないまま受け取ってしまったことを後悔します。 -
バライ行きのフェリー乗り場はどこだろう?
どの船がバライ行きなんだろう?
肝心なことがわかりません。
途方にくれて辺りをぶらぶらするだけです。
出発時刻までには時間はたっぷりあるとはいえ、この後どうすべきかが全く理解できていません。
どこに行っても、さまざまな服装や皮膚の色をした人々で混み合っていて、聞き慣れない言葉が入り乱れています。
落ち着ける場所もありません。
気がつけばこの日食べたものは朝のパンのみで、空腹に間違いないのですが、レストランの前に立つと、その臭いが鼻について食べる気力もわいてきません。
建物の片隅に座り込み、ナップからパンの残りを取り出して、そっとかじってみます。
売店で買った飲み物と一緒にのどに流そうとしますが、のどがつまりそうです。 -
チケット売り場に戻り、空いている椅子に座って目の前のTVを眺めると、何とそれは乗船方法を説明しているものでした。
少しずつ理解できてきました。
シンガポールはハイテクの国だと感心します。
読書をしていると、人の良さそうな中国系の兄ちゃんが隣に座りました。
勇気を出して聞いてみます。
「このチケットはバライからの帰りのチケットなの?」
「そうだ、帰りはそれを見せればいいんだ。」
英語が通じた嬉しさと、この破れかけた1枚が帰りのチケットであることがわかり気持が軽くなっていきます。
「バライに行くのかい。バライはいいところだ・・・」
私が日本から一人でやってきたことにも興味があるようで、色々と話しかけてくれます。
話してくれる半分も理解できませんが、この兄ちゃんはこれから行くバタムのことを楽しそうに説明します。
ネシア人は見かけによらずいい人のようです。 -
やっとのことで手荷物検査が始まりました。
そうか港は空港と同じなんだ・・・
少し利口になった気がしました。 -
次に出国手続きでした。
ここを出ればシンガポールではなく、国外なのか・・・
もう一つ利口になりました。
英語で聞かれたらとドキドキしましたが、何もなく簡単に通過できました。 -
空港で言えばここが出国ロビーです。
カリムン島へ行く人と、バタム島に行く人と、ビンタン島に行く人が混ざっています。
うん?
どの船に乗ればいいんだ? -
「バライ?」
バライ行きのチケットを見せながら、ゲートにいるガードマン(?)に聞いてみます。
「ウェイト」
そう言うだけでそっけないガードマンです。 -
待っているおばさんに声をかけてみます。
「バライ? OK・・OK!! ヒアー・・」
おばさんは近くの椅子をぽんぽんとたたき、ここに座っていなとばかりにニコニコしてくれます。
このおばさんもバライに行くようです。
少し安心しました。 -
ビンタンやバタム行きの船は出港していくのに、バライ行きはなかなか案内されません。
-
ゲートが開き、やっと案内がありました。
ロビーで待っていた人たちが動き出しました。
おばさんも立ったので、私もその後をつけていきます。 -
船の中はみんな地元の人たちです。
観光客らしき者は誰もいません。 -
桟橋から船が離れました。
上空に巨大なロープウェイが見えました。
本土からすぐ近くの島へとつながっていて、空中散歩を楽しむ未来の世界のようで、驚きました。
シンガポールはアジアではありません。 -
南に向かっていた船がここしばらく船先を南東に向けています。
何度もコンパス見ますが、やはり南東です。
まさか・・・この船はバタム行きでは・・・??
そんなはずがないことは分かっているのに、ドキドキします。
出発した時の空はまだ明るさがあったのに、しだいにその光が弱くなっていきます。 -
1時間半でタンジュンバライの港に着く予定です。
波は穏やかで、小さな船ですがそれほど揺れません。
しかし気持ちは揺れに揺れています。 -
水平線に日が沈んでいきます。
海に太陽が沈む瞬間、太陽は四角形になることを発見しました。
一人で見る夕日は、とてもさみしいものです。 -
明るかった空も暗くなり、海と空の区別がつかなくなっていきます。
行く先に点々と小さな灯が近づいてきます。
あれが目指す島かと思っていると、船はその脇を通り過ぎて行きます。
がっかりします。
島に着いて待っている関門は入国審査・・・
うまくできるかな・・?
こんな時間になっても両替所はまだ開いているんだろうか?
次から次へと心配事が浮かび、胸が重苦しくなってきます。
いたたまれなくなります。
自分の弱さに呆れてしまいますが、どうすることもできません。 -
夕闇はますます気弱な気持を引き出します。
どうにも落ち着きません。
このままでは発狂してしまいそうです。
壁のTVを見ると、先ほどからビデオ映画が上映されています。
『ミスター・ビーン』のパントマイムの喜劇です。
見ているうちに気がまぎれてきました。
本当に救われました。 -
ボー!と汽笛が鳴り、ガツン!とショック。
ついにカリムン島に到着しました。
乗客はどっと出口に押し寄せていきます。 -
硬い地面に上陸しました。
奥にあるのが両替所ですが、既に終了しています。
一緒に乗ってきたネシア人たちはさっさと外に出て行ってしまいました。
複雑な入国手続きは必要ないようです。
取り残されたのは3人だけ。
さてこれから何をすればいいだろう? -
別室に呼ばれました。
パスポートに入国カード、それに用意してきた10米ドルを渡すと、よく分からない言葉で質問を受けました。
何日滞在するのか・・・
どこに泊まるのか・・・
そんなことを聞いているようなので、慣れない英語で答えます。
「先にあっちに行って荷物検査を受けて来い・・・」
「こっちでおとなしく待っていろ・・・」
そんなことを指示されて、うろつき回りました。
まるで捕らえられた犯人のような気分です。
パスポートを戻されて釈放されたのは、長い時間の末でした。
外で騷いでいたオジェの兄ちゃんたちの人数もめっきり減り、あたりは静かになっていました。 -
宿泊は『ホリデー・カリムン・ホテル』に目星をつけてありました。
港のすぐ近くです。
宿泊代は高くはないはずです。 -
やっと開放されて外に出ると、既に8時過ぎ。
どちらに進めば良いのか迷うほど道路は暗く、そこらじゅうから「へい!」「へい!」と声がかかりました。
オジェ(バイタク)の兄さんたちです。
「ホリデー・ホテル、近い、一人で歩ける・・」
そう連呼するが、乗れ、乗れとつきまとって離れません。
馬鹿じゃないだろうか・・
ホテルはすぐ目の前だと無視して歩くが、その誘いは半端ではなく、遠慮会釈もないしつこさに私は相当頭にきています。
調子よくペラペラと話しかけながら、一人はホテルの中にまで付いてきたのです。 -
『ホリデー・カリムン』です。
オジェにつきまとわれ、泣きそうな気持ちで飛び込ました。
空き室があって泊まれそうです。
1泊13シンガドル(1000円)
情報より高いけど、文句は言いません。 -
部屋に通されるとその広さに驚きました。
リビングルームと寝室、それにバスルームの3部屋もあります。
ありまきれいではないがバスルームにはバスタブがあって、冷蔵がないのは残念ですが、この料金なら大満足です。
ボーイへのチップはシンガドルで渡しました。
ルピアがありません。 -
喜び勇んでお湯を溜めようとすると、お湯の出が悪く、なかなか溜まりません。
辛抱が必要です。
料金を考えれば、しかたなし。 -
どこかで両替をする必要があります。
両替所の場所をフロントで聞いてみると、先程のボーイが「両替、OK」と案内に立ち、道路向かい側の店を指さしました。
酒屋が両替店を兼ねているようです。 -
親切なボーイだと感謝しましたが、その後が非常識でした。
一人で行けるから大丈夫と言うのに、ボーイはしっかり店の中にまで付いて来て、隣でじっと見つめているのです。
何だろうか・・
言いようのない不気味さを感じます。
「帰っていいよ。」と言うのですが、私から離れません。
結局はチップ欲しさなのか・・・
両替した中からチップを渡すはめとなってしまいました。
油断ならない島です。 -
食料を調達しようと外に出ました。
ホテルを出ると、とたんに「へい!」「へい!」との大声がかかります。
人を威圧するようなするどい声です。
危害を加えられるわけではありませんが、不愉快になります。
通りは暗くほとんどの店は閉まっていて、食堂らしきものは見つかりません。
ささやかな露店が営業しているだけです。 -
ろくなものはありませんが、何とか口に入りそうなものを見つけて、テイクアウトします。
-
街の通りはひっきりなしに爆音を立てたバイクが行き交い始めました。
まるで暴走族が集まってくるようです。 -
先程のフェリー乗り場方面に足を向けると、ものすごい数のバイクが並んでいました。
いつの間に?
その向こうから怪しげなざわめきが起こり始めます。 -
広場では1000人を超えると思われる老若男女が集会を開いていました。
イスラム音楽をバックにお説教をしている指導者が見えます。
その指導者を中心に、それを取り巻く人々がお祈りをしています。
胸を圧する迫力があります。
異教徒の私がこんなところに居て良いのか・・?
すごい島に来てしまった・・・・ -
罰当たりだと糾弾されないうちに、こそこそと逃げ戻ります。
ここはタイやマレーシアとは全く違った町だと、はっきり分かりました。
自信損失、自己崩壊、思考停止 -
露店で買ってきた食料をついばみます。
気持は落ち着いてきましたが、長い一日の疲れのためか、味わうというより栄養補給。
食事が終わりバスタブで汗を流すと、急に眠気が襲ってきました。
遠くからイスラムのお経が聞こえて来る中、それを子守歌にして眠りにつきました。
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旅行記グループ
ネシアに挑戦・カリマン島
この旅行記へのコメント (1)
-
- trat baldさん 2016/01/31 21:32:59
- 段々とリキが入ってきましたね!
- 写真は有るけどUPするには時間が必要、編集や思い出しての記事分の作成を思うと中々進まない(^o^)
僕もボツにした写真の方が遥かに多いです、そして今度は僕が嵌まってしまった。
28日の出発に遅れて航空券がパーになりました、セントレアが23:30〜05:00まで閉鎖される事はご存知ですよね、実はTGがJALのサポートの元に00:30にフライトします。
'08年に休止した深夜便が去年の夏から復活です、ネットで格安航空券を購入しているので注意喚起が有りません、思い込み&勘違いで挫折(ioi)
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