2015/09/19 - 2015/09/26
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elephanさん
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齢57。気力、体力のあるうちに行っとかねば一生後悔すると一大奮起!
2015年のシルバーウイークを利用し、初の海外旅行に出かけてきました。
出向いた先は、ロックとアート好きのワタクシにとって訪ねたい場所がいっぱいのニューヨーク。
英語力はサイテーレベル(特にヒアリング力はほとんどゼロ=ブロードウエイでミュージカル見て、ただの一言も理解できまへんでした! みんなに合わせて笑ってたけど・・・)の私ですが、勘と度胸とIphoneを頼りに、あこがれのグリニッジビレッジを拠点に、ニューヨーク中(はては州郊外のど田舎&フィラデルフィアまで)を歩き回ってきました。
大丈夫です。ワタシにできたんだから。
英語できないあなたも一人旅を楽しめます!
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- ホテル
- 4.0
- グルメ
- 2.0
- ショッピング
- 4.0
- 交通
- 4.0
- 同行者
- 一人旅
- 交通手段
- 鉄道 タクシー 徒歩
- 航空会社
- JAL
- 旅行の手配内容
- その他
- 利用旅行会社
- JTB
-
いよいよ旅も後半戦。
この日はニューヨークを離れ、アメリカ建国ゆかりの地、ファイラデルフィアへの日帰り旅行です。
朝は前夜に買ったバナナで済ませ、地下鉄で向かったのはここ。
ニューヨークの3大ターミナルの一つ、ペンシルバニア・ステーション、通称ペン・ステーションです。
で、写っている円形の建物が駅と思いきや、駅はこの建物の下、地下にあります。ペンシルバニア駅 駅
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ここが入り口。
では上の建物は何かと言いますと、実はマジソンスクエア・ガーデン。
有名なスポーツ&エンターティンメントのアリーナです。
マジソンスクエア・ガーデンと言いますと、我々の世代ではまずプロレスのメッカとして記憶されている方も多いのではないでしょうか。
そして、もちろんライブ会場としても世界的!
数々の名アーチストがここでの演奏をライブ盤として発表しています。
ワタクシの場合、69年のローリング・ストーンズ「ゲット・ヤー・ヤ・ヤズ・アウト」、71年の「バングラディシュ・コンサート」、73年のツェッペリン「永遠の詩」などが忘れることができません。
そしてもう一つ。
中学生から高校生の頃にかけて、「Madison Square Garden」とロゴの入った紺色のスポーツバック(通称マディソンバック)が大流行したのを思い出します(私は持っていませんでしたが、周りはみんな持っていました。あれはなんだったんでしょう)。ペンシルバニア駅 駅
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てなことを思いながら、地下を降りていきますと、そこは大ターミナル。
この日ワタクシが利用したアムトラック(主要都市を結ぶ鉄道)や地下鉄、近郊線のニュージャージートランジットなどの各線が乗り入れています。
写真は、アムトラックの待合所です。
フィラデルフィアまでの往復のチケットは日本で購入してあったので、ここで時間まで待つことにしました。ペンシルバニア駅 駅
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これが当日使ったeTicket(日本で印刷して持って行きました)。
NYPはニューヨークのペンステーションのこと(アメリカにはペンシルバニア駅が幾つかあるので注意しなければなりません)、PHLはフィラデルフィアですね。
Round Tripは往復切符の意味です。
ここで鉄道について、参考情報を。
事前のリサーチでアメリカの鉄道には原則、改札がないと聞いていましたが、その通りでした(地下鉄は出入り口にゲートあり)。
発車時間近くになると掲示板に乗車するホームの番号が表示され、各自そこに行って直接列車に乗り込みます。
動き出すと、車掌さんが来てチケットをチェック。
席の背もたれのところにチェック済みであることを示す紙を挟んでくれます(結構ルーズ)。
ただこのホームの表示がぎりぎりになるまで出されないのです。 -
こちら、中央奥が掲示板ですね。
ホームはこのフロアのさらに下。
みな自分の乗る列車のホームが早く表示されないか、待っています。
先ほどの待合所にもモニターがありましたので、ワタクシはその前に座って待っていたのですが、出発時間まで10分を切ってもまだ表示されません(列車そのものはオンタイムとなっていました)。
初めての利用ですので、不安な気持ちでいますと、隣に座っていた白人の青年も同じようにフィラデルフィア行きのチケットを持ってイライラしているのに気づきました。
彼の後をついて行けば迷わないですむなと思っていたら(こうした細かい道案内は、さすがのグーグルマップもお手上げです)、7分前になってやっとホームの番号が。
彼が立ち上がってダッシュを始めました。ペンシルバニア駅 駅
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慌てて背中を追ってたどり着いたのがこのホーム(結構わかりにくいところにありました)。
赤いバックの青年がワタクシの救世主となった彼です。
少し余裕ができたので、写真を撮ることができました。
それにしても利用するホームなどもっと早くから決まっているはずでしょうに、なぜぎりぎりまで教えてくれないんでしょうか。
お年寄りや体の不自由な人はもっとあせるに違いありません。ペンシルバニア駅 駅
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ただこのアムトラック。
車内は広く清潔で、乗り心地も快適でした。
この路線では、5月に脱線による死亡事故がありましたが、スピードが出すぎているような印象もありませんでした。ペンシルバニア駅 駅
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ニューヨークのペン駅を出た列車は、アムトラックにしろ、近郊線にしろ、マンハッタン島を出るまでは地下を通ります。
これはハドソン川を超えてニュージャージー州に入り、地上に出たところからマンハッタン方面を写した写真です。
遠くにワン・ワールドセンターのビルが見えています。 -
車窓から撮影した街並みです。
このように同じ形をした家が立ち並ぶ住宅地があちこちにありました。 -
ニューヨークを出て1時間20分あまり、定刻より若干遅れてフィラデルフィアに到着です。
天井が高いこの駅は30th Street 駅。
フィラデルフィアは人口が150万人を超える全米5位の大都市。
それにふさわしい立派な表玄関です。
そういえばフィラデルフィア行きの目的をまだ話していませんでした。
お目当はやはりデュシャン(わからない方は、この旅行記の1〜3日目を読んでから続きを見てください)。
実はこの町にあるフィラデルフィア美術館は、世界有数のデュシャン作品の収蔵を誇り、一生に一度は訪ねたいと思っていた憧れの場所なんです。
ところが、駅前の乗り場からタクシーに乗ったら、またアクシデントが。
黒人の年配のドライバーさんだったのですが、美術館の住所を書いた紙を見せるといきなりまくし立て始めました。
ワタクシがよくわからないでいると、タクシー乗り場にいた係員に向かってやはりまくしたてます。
「Today」「Close」といった単語が聞き取れましたので、どうやら「ここは今日は休みだ」「行っても仕方ない」などと言っているようです。
「え、まさか」と思い、一瞬目の前が暗くなりかけましたが、「いやいや今日付けの美術館のチケットは日本で手配済みだし、大丈夫なはずだ」などと考えていますと、係員に促され、「いいや、俺は知らんけんねー」的なノリでぶーたれたまま走り始めました。
「もしかして突発的なアクシデントで休館になった?」などドキドキしているうちに車は美術館の敷地に。
とじいさん、「OK OK ワシ勘違いしてたみたいねー」といきなり上機嫌に(と言ってるように聞こえました)。
「勘弁してくれー。こっちは隣町から来てんじゃないんだから」と言いたいところですが、そんな英語力はなく、普通に料金を払って降りました。30thストリート駅 駅
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で、着いたのがこちら(じいさん、裏口に車を着けたので、わざわざ建物の周りを回る必要がありました。最後までトホホ)。
憧れの地、フィラデルフィア美術館です。デュシャンフリークの聖地 by elephanさんフィラデルフィア美術館 博物館・美術館・ギャラリー
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フィラデルフィアは映画ロッキーの舞台としても知られています。
美術館の前の階段は、ロッキーがお馴染みのテーマ音楽に合わせて駆け上がるシーンから、ロッキーステップと名づけられています。
足形があって、みなさんここで記念撮影をしていました。デュシャンフリークの聖地 by elephanさんフィラデルフィア美術館 博物館・美術館・ギャラリー
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これが足形ですね。
階段の下の方にロッキーの銅像もあると聞きましたが、ワタクシは早く中に入ってデュシャン作品と出会いたいとばかり思っていたため、全く目に入りませんでした(ロッキー好きの方々、すみません。映画、ちゃんと見たことがないもので・・・)。デュシャンフリークの聖地 by elephanさんフィラデルフィア美術館 博物館・美術館・ギャラリー
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日本で印刷したバウチャー(予約)を見せ、いよいよ中へ。
ただここも、後述するメトロポリタン・ミュージアムばりに広い美術館。
幸いガイドマップにデュシャン作品が置かれている部屋が示してありましたので、真っ先に向かいました(ここは日本語のマップはなし)。 -
こちら1階の見取り図ですが、右下の黄色のフロアの一番奥(下)。
3室並んだ左端がデュシャンの部屋です(さすが世界一のデュシャン収蔵館。彼の作品だけで一部屋使っています)。
若干迷いながらも、はやる気持ちを抑えつつ向かいました。 -
そして目に飛び込んできたのがこの光景。
第一印象は「あれ、こんだけ?」。
冷静になれば、収蔵作品(しかもかなりな量)全てを展示しているはずはないのですが、ついそう思ってしまいました。
それでも展示作品は絵画も入れて20点あまり。
気を落ち着けて一つ一つの作品と向き合う時間は、至極のひと時でした。
しかもここ、たまに観覧者が来る程度で、ワタクシのようにじっくり見ている人はほとんどいません(一人だけ、ワタクシの前にメモを取りながら見ている黒人の若者がいましたが、彼も5分ほどでいなくなりました)。
結局、一時間近くこの部屋にいましたが、ほぼ独占状態。
係員もこの部屋にはいないので、じっくり作品と対話することができました。デュシャンフリークの聖地 by elephanさんフィラデルフィア美術館 博物館・美術館・ギャラリー
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それでは作品をご紹介しましょう(興味のない方は飛ばしてください)。
こちらは代表作の「大ガラス」。
正式な名称は「彼女の独身者によって裸にされた花嫁、さえも」です。
キュビズムなどの影響を受けた油絵などを制作していたデュシャンは、その後、レディメイド(既製品をそのまま使ったり、若干手を入れるなどしたアート)の作品を数多く発表しますが、この作品はそうした過程の中で1915年から制作を始め、23年に未完のまま作業を終えた作品です。デュシャンフリークの聖地 by elephanさんフィラデルフィア美術館 博物館・美術館・ギャラリー
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作品は、加工した金箔ならぬ鉛箔などを2枚のガラス板で挟んであります。
それぞれのパーツには、作者ならではの意味付けがなされています。
鑑賞者はそうした情報込みで作品と向き合うことで、推理小説を読むような楽しみ方ができます。
また作者自身による詳細な作り方が発表されていて、世界の何箇所かにレプリカが存在します(日本には駒場にある東大の総合博物館で東京バージョンのレプリカを見ることができます)。
もちろんフィラデルフィアの「大ガラス」はオリジナル。
ガラスには細かいヒビが無数に入っていますが、これは展示のための運搬中に破損したものです。
デュシャンは「ヒビのおかけで何倍も良い作品になった」と語ったそうです。デュシャンフリークの聖地 by elephanさんフィラデルフィア美術館 博物館・美術館・ギャラリー
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一方こちらはレディメイドを中心としたオブジェです。
MOMAの所(2日目の旅行記)でも描きましたが、デャシャンの作品は既製品といえどもなんとなくスタイリッシュで(彼自身は、見てくれの美しさなどを否定したことで美術史上に名を残しているのですが)、ワタクシは美しさを感じます。
きっと本人は高い美意識を持っていた人だと思います。
で、手前にあるのは「メートル原基」。
1メートルの紐を上から落として出来上がった偶然の曲線を形どっています。
3回やって3本のオリジナル1メートルが出来上がり、それが丁寧に箱に収められています。デュシャンフリークの聖地 by elephanさんフィラデルフィア美術館 博物館・美術館・ギャラリー
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イチオシ
デュシャンの名を知らなくても、これは知っているのではないでしょうか。
「泉」と題されたレディメイド。
1917年に制作され、展覧会に出展されましたが、展示を拒否されるという有名な事件を引き起こしました。
オリジナルは紛失したそうで、これはデュシャンが委託して制作されたレプリカの一つです。
先ほども書きましたが、ワタクシの解釈で言いますと、デュシャンの独自性は、美術作品に、見るだけではなくそれについて思索するという要素を大胆に加えたことだと思っています。
例えばこの「泉」。
これが美術館に展示されていれば、果たしてこれが美術作品なのか否か考えずにはいられません。
ひいては芸術とは何かといったところまで突き詰めることにつながります。
デュシャンはこうしたことまで含めて作品と考えているわけです。
彼がピカソなどと並び美術の世界にブレイクスルーを起こしたと評価されているゆえんです。デュシャンフリークの聖地 by elephanさんフィラデルフィア美術館 博物館・美術館・ギャラリー
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こちらは「瓶乾燥器」、やはりレディメイドです。
オリジナルは1914年の制作で、やはり紛失、これもレプリカです。デュシャンフリークの聖地 by elephanさんフィラデルフィア美術館 博物館・美術館・ギャラリー
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この旅行記ではおなじみ。
自転車の車輪です。
制作は1913年。
デュシャンの記念すべきレディメイド第1号です。デュシャンフリークの聖地 by elephanさんフィラデルフィア美術館 博物館・美術館・ギャラリー
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これはたしか大ガラス制作のための習作だったように記憶しています。
デュシャンフリークの聖地 by elephanさんフィラデルフィア美術館 博物館・美術館・ギャラリー
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そしてここからがハイライト。
部屋の奥に入り口が見えますね。
実はここにもう一つ小さな部屋があり、ここにデャシャンの「遺作」が展示されているのです。
ただ案内等いっさいありません。
なので知らないとスルーしてしまうかも。デュシャンフリークの聖地 by elephanさんフィラデルフィア美術館 博物館・美術館・ギャラリー
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イチオシ
これがその作品。
通称は「遺作」ですが、「1.水の落下、2.照明用ガス、が与えられたとせよ」というのが正式名称です。
部屋に入って右手に壁が作ってあり、そこにレンガの枠と木製の扉が付いています。
ドアには小窓がありますが、ふさがれていて、鑑賞者は2つの小さな穴からドアの奥を覗き込むようになっています。デュシャンフリークの聖地 by elephanさんフィラデルフィア美術館 博物館・美術館・ギャラリー
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これがその穴。
大人の男性だと、かなり屈まなくてはいけません。デュシャンフリークの聖地 by elephanさんフィラデルフィア美術館 博物館・美術館・ギャラリー
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穴から見えるのは、このような風景です。
手前にあるのはレンガの壁。
そこにも穴が空いていて、そこから顔の見えない裸の少女が横たわっているのが見えます。
少女の手にはガスランプ。
背景には山並みと湖、そして右のほうに滝が流れ落ちている様子が伺えます。
実はデュシャンは1923年以降、ほとんど作品を発表せず、チェス三昧の日々を送っていました(チェスはプロ並みとか)。
その一方、ニューヨークのアトリエ(彼はフランス生まれですが、のちにアメリカ国籍を取得)でひそかにこの作品を作り続け、死後、指示通りにフィラデルフィア美術館に移設するようにと記した遺書を残していました。
デュシャンは1968年に亡くなりますが、遺言通り、遺作はここフィラデルフィア美術館でこのように恒久展示されているのです。デュシャンフリークの聖地 by elephanさんフィラデルフィア美術館 博物館・美術館・ギャラリー
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ということで、この作品ばかりは移動させることができないため、現地に行くしか見ることができません。
作品を見せるだけではなく、いろいろな「仕掛け」を配したデュシャンのことですから、ワタクシのように作品を見るために手間暇をかけてやってくることも含め、?鑑賞?であり?作品?であると思ってたのかもしれません。
そうした意味では現代美術の巨匠の「仕掛け」にまんまと引っかかった今回の旅だったのかもしれません。 -
と、少し難しげな話になってしまいましたが、もう少しデュシャンワールドにお付き合いを。
こちらはアートに思索という要素を持ち込んだ実にデュシャンらしい作品、というかお仕事。
「グリーンボックス」というメモ類を集めた箱です。
「大ガラス」を制作するにあたって作ったスケッチやメモ、写真など94点が収められています(これはレプリカ制作の設計図ともなります)。
いわば作品鑑賞のための「意味」の塊です。デュシャンフリークの聖地 by elephanさんフィラデルフィア美術館 博物館・美術館・ギャラリー
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こちらは「遺作」を作る際に作った鋳型のようなものですね。
こうしたなんなのかわからないものがポツポツと発表されていましたが、その当時は「遺作」関連のオブジェとは誰もわからなかったわけです。デュシャンフリークの聖地 by elephanさんフィラデルフィア美術館 博物館・美術館・ギャラリー
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これも同じ「遺作」の鋳型(昔レプリカを作ったことがあります)。
デュシャンフリークの聖地 by elephanさんフィラデルフィア美術館 博物館・美術館・ギャラリー
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これも「遺作」関連。
少女の胸ですね。デュシャンフリークの聖地 by elephanさんフィラデルフィア美術館 博物館・美術館・ギャラリー
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どっぷりとデュシャンに浸かったワタクシはしばし放心状態。
ただこの美術館には他にも好きな作家の作品があります。
気を入れ直して近現代のコーナーを中心に見て回りました。
するといきなり!
ゴッホですね。
こうした世界的名画があちこちにあります。
ちなみに1日目の旅行記で、ひとり旅なので周りは英語だらけ、洋画の世界に放り込まれた感じだと書きましたが、人間慣れてくると不思議なもので、滞在4日目にもなるとその環境が当たり前。
むしろ頭の中で感じたことをなんとなく英語に翻訳しようとしている自分がいてビックリしました(あくまでブロークンな英語ですが)。
さらに驚いた時とか感動した時に、思わず「ワオ」とか口に出ているのです(この絵に出くわした時もそうでした。ワオ、ゴッホかよ、とか恥ずかしいですね)。
いわば英語に憑依されているような状態なのでしょうか(よくわからないのに)。
思わず苦笑してしまいました。デュシャンフリークの聖地 by elephanさんフィラデルフィア美術館 博物館・美術館・ギャラリー
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作品に戻りましょう。
これも好きな作家で世界的名画。
モディリアニですね(やっぱりワオって思ってしまいました)。
彼の死後、後追い自殺した妻のジャンヌの肖像です(ジャンヌは目力がとても印象的な美人です。興味のある方が写真をチェックしてみてください)。デュシャンフリークの聖地 by elephanさんフィラデルフィア美術館 博物館・美術館・ギャラリー
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ここにもクリムトがいました。
やや色が変ですね。
ごめんなさい。デュシャンフリークの聖地 by elephanさんフィラデルフィア美術館 博物館・美術館・ギャラリー
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抽象絵画の巨匠、マーク・ロスコ。
実物を見るまでは、「ただ色塗ってるだけやん」とか失礼なことを思っていましたが、大違い。
ものすごく微妙なグラディエーションがあって、吸い込まれるように奥深さが伝わってきました。
ポロックと並び、今回の旅で、一番印象が変わった人かもしれません。
このロスコも活動の拠点はニューヨーク。
グリニッジ・ビレッジにあった学校にも通っていたそうです。デュシャンフリークの聖地 by elephanさんフィラデルフィア美術館 博物館・美術館・ギャラリー
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またまたリキテンシュタイン。
印刷物を拡大したように見えますが、そのように描いた油絵です。デュシャンフリークの聖地 by elephanさんフィラデルフィア美術館 博物館・美術館・ギャラリー
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一点だけ、先ほどと違う部屋にデュシャンがありました。
キュビズム時代の油絵、「階段を降りる花嫁」です。
このモチーフが発展して「大ガラス」に至ります(大ガラスの鉛箔の感じがこの絵と似てますでしょ)。
ということで、充実したフィラデルフィア美術館訪問は終わり、少し時間があったので、遅い昼ごはんを食べに行くことにしました。デュシャンフリークの聖地 by elephanさんフィラデルフィア美術館 博物館・美術館・ギャラリー
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美術館前でタクシーをつかまえて向かったのはこちら。
フィラデルフィア名物、チーズステーキの老舗、パッツ・キング・オブ・ステーキです。
ここは以前にNHKBSの「世界ふれあい街歩き」で紹介されていて、せっかくならここに行こうと決めていたところです。 -
で、注文したのはもちろんチーズ・ステーキ。
慣れていないもので、一口かじってから写真を撮るのを忘れていることに気がつきました。すみません。
油で炒めた牛肉(切り落とし肉のような感じ)をパンで挟み、そこに溶かしたチーズがかけてあります。
この店は70年の歴史があるそうで、平日でしたがお客さんが途切れることはありませんでした(値段は税込で10ドル。高いことは高いですが、アメリカで食べたものの中ではかなり美味しい部類でした)。 -
近くにもう1店、チーズステーキのお店があるほか、こんなカラフルな看板も。
一応住宅地の一角でしたが、少し待つとタクシーが来たので、駅まで行って欲しいと伝えました。
朝のタクシーのドライバーさんの件があったので少し警戒していましたが、この車はいわゆるヒスパニック系のお兄さんが運転手。
仲間と情報交換でもしているのでしょうか、ずーっと携帯を使いスペイン語らしい言葉でしゃべり続けています(この車によらず、今回の旅では5回タクシーを使いましたが、ほとんどのドライバーさんが携帯で誰かとおしゃべりしていました)。
駅に着いてようやく話を止め、お金を渡すと「コリアンか」と聞いてきましたので、「ジャパニーズだ」と答えますと、「オー、ジャパニーズ、コニチハ、アリガト」と言って送り出してくれました。 -
で、駅に入ると、帰りの列車が40分遅れという表示が(なぜかは表示されていませんでした)。
中途半端に時間ができてしまったので、駅の周りを散策。
これはその時の写真で、黒人の青年がエレキギターでブルースを歌っていました。
一部しか見ていないのですが、フィラデルフィアはニューヨークに比べ、アジア系の人が少なく、黒人の方の比率が高いように感じました。30thストリート駅 駅
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これはニューヨークに戻った時ですね。
ペン駅です。ペンシルバニア駅 駅
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最後に地下鉄について一言。
前にも書きましたが、ニューヨークの地下鉄は、乗るホームさえ間違わなければとても簡単で便利(落ち着いてよく見ると、ホームのあちこちにやってくる列車の路線名画が書いてありますので大丈夫)。
この写真にはありませんが、どこからどこまで乗っても均一料金で、入り口はメトロカードを読み取り機にスライドさせ、回転式のバーを押して中に入ります。
この回転式のバー、出口方向にはなにもしなくても動きますので、出る際はカードを読み取らせるなどの必要は一切ありません。
均一料金だからこそできるシステムですが、なかなか合理的と感心してしまいました。
もう一つ地下鉄で感じたのは、タクシーの運転手ではありませんが、みなおしゃべりをしていることです。
日本だと連れがいても迷惑にならないように、あまり大きな声では話しませんが、みな列車の音に負けじとかなり大声で話しています。
これは現地の人だけではなく、他の国の人も同じで、中国人らしきグループも、インド人らしきグループも、やはりでかい声で話していました。
あまりにみんな話しているので、逆に日本人が特殊なのかなと思ってしまいました。
この傾向は路上でも同じで、連れがいる人は連れの人と、一人でいる人は携帯でなにやらずっとしゃべっています。
後ろから英語で話しかけられたので、ドキッとして振り返ると、ハンズフリーの携帯で大声でしゃべっている人がいた、という経験も何度かありました。
ということで、この日も夜は疲れ果て、ホテルでおとなしくしていることに」
残り2日となった旅に備えました。(5日目へ)。
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この旅行記へのコメント (6)
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- 旅人なおさまさん 2016/01/26 18:22:36
- アムトラック
- はじめまして。
4月にNYCに行くため参考に読ませていただいています。
Penn駅の説明や地下鉄の説明!とっても参考になりました。
何より文章が楽しいし、臨場感があります。
私も語学力が全くない一人旅なので親近感もあります。
フィラデルフィア美術館へは平日いらっしゃたのでしょうか?
(私は日程の都合で、土曜日になりそうなのですが)
私もeiephanさんのように楽しい旅ができるよう地図アプリを駆使したいと思います。
- elephanさん からの返信 2016/01/26 21:44:43
- RE: アムトラック
- 旅人なおさまさんへ
コメントありがとうございます。
参考にしていただいて、光栄です。
フィラデルフィアですが、私は火曜日に行きました。
このところのニューヨークは記録的な大雪だそうですが、自分の行ったタイムススクエアなどがすっかり冬景色になっているのをテレビで見ると、不思議な気になります。
春のニューヨークはどんな感じなんでしょうか。
ぜひ旅を楽しんできてください。
-
- Minty Pinkさん 2015/12/13 09:59:09
- はじめまして。
- 「ニューヨーク・美術館」というテーマでこちらにたどりつきました。
フィラデルフィア日帰り旅付き、というのが私の2014年のひとり旅と同じで、ついつい親近感。
私はたまたま旅行直前にデュシャンの『遺作』のことを知りました。
私が行ったときも、本当に人が少なくて独占状態。しばらくとどまっていましたけど、『遺作』の部屋に行った人も私の他に1人だったかな?
でも、彼はすぐ出てきてしまったので、「なにこの気味の悪いドアは?」と思ったのかも…。
フィラデルフィア美術館は2日間有効券なんですよね〜。半日いたけど、まだまだ見残したところがあり、残念でした。
では、また楽しみに続きを見せていただきます。
- elephanさん からの返信 2015/12/13 18:21:36
- RE: はじめまして。
- あの部屋に行かれた方からコメントをもらえるとは!
こちらこそ親近感いっぱいです。
そうですよね。
「遺作」には詳しい説明はないので、
予備知識がないとただの古ぼけたドアがあるだけ、という印象ですよね。
せっかくですので、質問をひとつ。
私が訪問した時の写真を見ていただいて、
Minty Pinkさんが訪問された時とデュシャン部屋の展示物に違いはありましたか?
展示物がどの程度入れ替えられているのか(あるいは入れ替えなしなのか)、
知りたいものですから。
もし覚えておいでなら、お教えください。
お願いします。
- Minty Pinkさん からの返信 2015/12/13 20:47:05
- RE: RE: はじめまして。
> せっかくですので、質問をひとつ。
> 私が訪問した時の写真を見ていただいて、
> Minty Pinkさんが訪問された時とデュシャン部屋の展示物に違いはありましたか?
違いはありました!!
まず、elephanさんの写真を見て、《メートル原器》がとても存在感を放っていて、「ええ?!こんなのもあるんだ!」と驚きましたから。
もし良かったら、私のフィラデルフィア美術館訪問記もご覧ください。
http://4travel.jp/travelogue/10970731
ボケ写真も多くて、お恥ずかしいですが、何かの参考になれば。
- elephanさん からの返信 2015/12/13 22:03:42
- RE: RE: RE: はじめまして。
- 旅行記、拝見しました。
デュシャンの作品、微妙に違います。
やはり入れ替えをしているんですね。
「パリの空気」は好きな作品ですが、私が行った時にはありませんでした。
他の作家の作品は、もっと大幅に入れ替えられているように感じました。
ということは、再度訪問する価値があるということ?
なかなかそこまでの余裕はありませんが、楽しみが増えました。
ありがとうございました。
なおメートル原器は、MOMAでも展示されていました。
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