2015/06/07 - 2015/06/10
235位(同エリア600件中)
jokaさん
旅行三日目。
いよいよ今回の旅行のメインイベントがやってまいりました。
トレッキング天国、礼文島にあって最長のトレッキングコース“8時間コース”に挑戦です。
二日目の旅行記でも少し触れましたが、その昔ここ礼文島には“愛とロマンの8時間コース”というクレイジーな名物トレッキングコースがありました。
その内容はというと、島の北端スコトン岬を早朝に出発して、車道のほとんどない島の西側の山間部や海岸線をひたすら歩き、8〜10時間かけて島の南端近くの地蔵岩を目指すというものでした。特に宇遠内から先の4kmほどは、波しぶきのかかる海岸沿いの絶壁を時にしがみついて、時にロープにつかまって進むというまさに命がけの道のりだったそうです。
コース自体もこのようにクレイジーでしたが、さらにイカれてるのは、当時大人気だったこのコースに挑むのはその大半が都会のフツーの(これといって体を鍛えているわけでもない)若い男女で、しかも遠足感覚で普段着でやってくる人も多かったという点です。
当時の写真を見てみると危なっかしくてハラハラする場面の連続です。今なら即禁止でしょう。でも、そうした極限状態だからこそ、たまたま行きあった見知らぬ男女の間に“愛やロマン”が生まれた(のかな?)わけですよ。
そういう無茶が容認されてた時代でした。ほんの20年ちょっと前のこととは信じられません。
ところが、事故が頻発するようになったことをきっかけに1998年、ついに宇遠内から先のルートが通行禁止となり、現在の礼文林道経由へと変更されました。そしてそれに伴ってコースの名称も“愛とロマンの8時間コース”から“(花の)8時間コース”へと変わったのです。
計算してみると“愛とロマンの8時間コース”が大勢の若者で大盛況だったころ、わたしもちょうど大学生だったんですよね。学校もろくに行かず、だらだらとバイトやゲームに明け暮れていた当時、同年代の人間がこんな楽しそうなイベントに興じていたのかと思うとその存在すら知らなかったことが残念で仕方ありません。
というわけで気づくのに少々時間がかかってしまったうえ当時とはコースも若干異なりますが、25年遅れの“愛とロマン”を求める旅の始まりです(゚д゚)!
- 同行者
- 一人旅
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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5時起床。
今日も曇り空です。最低限雨さえ降らなければよしとしよう。 -
“うーにー号”でフェリーターミナル前のバス停まで。
今日もお世話になります。 -
6時20分発のスコトン岬行に乗って出発♪
乗客は、教授と助手風の3人連れ(“チーム学会”と命名)と年配のご夫婦とわたしの計6名でした。
もちろん全員トレッキング装備です。 -
朝食の代わりに作ってもらったお弁当をさっそく広げてみる。
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!!!
予想のはるか上をいくクオリティー。 -
おむすびにも一工夫。
美味しくいただきました。 -
安定の利尻富士。
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7時20分、礼文島の最北端スコトン岬に到着。
看板の表記に注目。
スコトン岬の緯度は北緯45度27分51秒で、北緯45度31分22秒の宗谷岬より距離にして約6541m南に位置します。以前はどちらも日本の最北端を名乗っていましたが、測量の結果上記の事実が判明して以来、スコトン岬は“最北限”を使うようになりました。
こんなところにも争いの歴史が…
愚かなり、人類……… -
しかも、実際には宗谷岬北西にある弁天島が日本国が実効支配する地域の最北端(この旅行記書いてる時に知りました)というオチがついてます。
わたしは、観光地化が進んでいる宗谷岬よりこちらの方が最果て感が強くて断然好みです。 -
離れて見るとこんな感じ。
画面右手に見えている屋根の下は… -
こちら!
まさに最北限の宿にふさわしいどえらいロケーション!
目の前の海を天然のアザラシが泳ぎ回るという素晴らしい環境です。
ここも宿泊地の候補の一つだったのですが、民宿という点に少し抵抗があって見送りました。ペンション生活も快適だったし民宿でも問題なかったかな…
この立地を目の当たりにしてしまうと、ちょっぴり自分の決断を後悔してしまいました。 -
宗谷岬より規模は劣るものの、こちらスコトン岬でも“最北限”祭り開催中。
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ご丁寧に場所の説明までしてある。
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そしてこの自販機が置いてあるのが
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『スコトン岬観光おみやげ店 』0120-777-164
7時〜18時 11月〜3月まで休業
2013年に改装され、内装などは日本の最果てにあるとは思えないほどオシャレな造りです。名称とのギャップがなかなか。
ずいぶん小ぎれいになって特に女性受けは格段に向上したはずですが、個人的には写真で見た旧店舗時代の“いかにも売店”風の外観の方がこのあたりの風景にはしっくりくるような気がします……
ちなみに路線バスはこの建物の目の前の駐車場に停まります。 -
店内はお土産物でいっぱい。
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証明書もらえばよかったかな?
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スコトン岬突端を見下ろすカフェまで完備。
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買うかどうか迷いました。
けっきょく購入せず。 -
この店のオリジナルキャラクター“レブちゃん”
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昆布好きの姪さん達にこちらを購入。
8月に行った高知旅行の際のおやつとなりました。 -
7時45分、出発です。
ゆっくりあれこれ見ていたため、バスに乗ってきた他の5名はとっくにいなくなっています。
時おり小雨が降る状態なので、念のためTシャツの上からレインウェアの上着を着用です。 -
来た道をそのまま戻れば27kmか。
実は、現在の公式の8時間コースはスコトン岬の数km手前の浜中からスタートすることになっていますが、“愛とロマンの8時間コース”時代の興奮を求めて(かどうかは知りませんが)、スコトン岬からスタートする人が多いようです。
つまり、スコトン岬から西上泊までは4時間コース(旧岬めぐりコース)を歩くことになります。
まあ、せっかくだったらなるべく長く歩きたいよね。 -
閉鎖された水族館?それとも漁協の倉庫かな?
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廃校になった小学校でした。
この環境で過ごす小学校生活、楽しそうだなあ♪ -
島ではタンポポをあちこちで見かけました。
花も -
綿毛も
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島の西岸、つまり右手に進みます。
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これから、あちらに見える海沿いの山の上を歩くわけです。
テンション上がるぜ♪ -
が、いきなり民家の庭先。
ちらっと見えた室内のテーブルの上には寿司桶や飲みかけのウーロン茶なんかが。
民宿だったりするのかな? -
漁業の島だけあって、道々の海を見下ろす小高い場所に神社を見かけます。
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まずはゴロタ岬を目指します。
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こんな道を歩いていきます。
相変わらずここ(礼文島)の風景は日本離れしてるよな(^^♪ -
海もきれいです。
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尾根沿いとはいえけっこうなアップダウンもあります。
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振り返ってみました。
スコトン岬がもうあんな遠くに。
歩き始めて40分です。 -
歩き始めてすぐに雨が止んだので今はTシャツ1枚です。
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視線を下げるとあちこちにお花畑が。
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8時30分、ゴロタ岬。
ここで先行する“チーム学会”に追いつきました。
お互い記念撮影です。 -
トレッキングや登山の途中、昼食時以外に休憩を入れるのが好きではないのでさっさと先を急ぎます。
このあたりの稜線歩きは最高でしたが、海からの風がものすごくて何度も態勢を崩しかけるほどでした。
被っていたキャップも脱がざるをえないほど。 -
足元には花がたくさん。
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次なる目的地は鉄府です。
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いつの間にやら海岸線に下りてきています。
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こんな場所にもごみ(漂着物)がたくさん。
地球はひとつながりだとよくわかります。 -
9時7分、鉄府通過。
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自宅警備員が3匹。
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1匹出動!
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すりすり♪
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行ってよし!
不審者ではないとわかってくれたみたいでした。 -
魚をめぐってカモメとカラスがマジバトル!
3対1でも一歩も引かないカラスのど根性!! -
ここでコースを外れてちょっと寄り道。
この階段を上ります。 -
コース上至る所で見かけたウニの殻。
カラスの仕業かな? -
道路に出たら上へ上へ。
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目指すは右。
スコトン岬方面に少し戻る形になります。 -
階段のところから10分ちょっとで到着。
レブンアツモリソウ群生地です。
レブンアツモリソウは礼文島にのみ生育する野生のランで、盗掘などにより個体数が激減し、現在ではこの群生地以外の場所ではほとんど見かけられなくなったのだとか。
今年は例年より開花が早く、メインの丘陵コースはすでに閉鎖。
丘陵コースより開花の遅い道路脇の群生地のみ開放中でした。 -
ここが入口。
ほんとに幹線道路のすぐ脇。
盗掘等によって絶滅危惧種に指定されている花の保護地とは思えない立地です。 -
入ってすぐ横に発見!
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改良されたけばけばしいランは好きでないけれど、こうした素朴なものは趣があってよいですね♪
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基本的には、保護地や群生地に隔離されている植物にはあまり興味が湧きませんが、さすがに礼文島を訪れてこの花を見ないわけにはいかないですよね。
次来た時には見られなくなってるかもしれないし…… -
直線距離にして20mほどの小さな小さな群生地でした。
わたしはタイミングよく一人でじっくり見ることができましたが、直後に大型観光バスがやってきてあっという間に大混雑になっていました。 -
9時45分、階段の上まで戻ってきました。
階段を降りてコースに復帰です。 -
窓際に大漁旗!
かっくい〜(^^♪ -
鉄府には公衆トイレがあります。
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浮きフィギュアいろいろ。
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未来から来たこの方も!
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あつもん発見!
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港の中を直進して山際まで。
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ここからまた緑の中(^^♪
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階段のど真ん中に咲いていました。
踏まれずに寿命を全うできたのかな? -
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ここもきれいだったなあ♪
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美しい風景とは逆に道はワイルド。
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ここを直進するのが正式ルート。
知らなかったら道があるとは到底思えません。 -
けっきょく白い花が一番かも。
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ここだけ蜂が何十匹と飛んでいて怖かった…
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丘を下りて次なる目的地へ。
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ここを右です。
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売店にはあとで寄ります。今は素通り。
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この先。
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澄海岬
絶景ポイントとして観光パンフレットなどでもよく紹介される場所です。 -
よく見かけるこの角度!
快晴だと抜けるような碧色が見られるのですが…… -
透明度の高さは曇っていてもよくわかります。
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港を振り返ってみた。
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これからあの山の中を歩きます。
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はっきりしない雲行き。
なんとかもってくれよ。 -
ここで昼ごはん。
時刻は10時40分。早朝から動いているのでちょうどいい時間です。
なかなかバラエティー豊富なラインナップ。 -
『名もなき売店』 TEL:不明
営業時間:不明 定休日:不明
“8時間コース”が通る島の西側は道路があまり整備されておらず、特にここから先宇遠内までの約11kmはずっと山の中で、人家はもちろんトイレなども全くありません。
当然食事ができるような店や自販機もないわけで、昼食を持参していないわたしにとってはここ西上泊はまさに命綱、万が一にも閉まっていたら空腹のままあと15km山の中を歩かなくてはいけないところでした。
にもかかわらずネットでいくら調べてもここの売店の詳しい情報が捜し出せず、計画を立てるにあたってずいぶん困りました。けっきょく“うーにー”に予約を入れる際、メールで「今でも存在しているのか」「当日は営業してそうか」の2点だけを確認してやってきた次第です。 -
まさかこんなにちゃんとした売店(しかも3軒も!)だとは思ってもみませんでした。
うれしい誤算です。
どれも美味しそう♪ -
まずは北海道限定黒ラベルで乾杯(^^♪
お供はたこざんぎとバイ貝(だったっけ?)です。
貝とかタコ・イカなんていう歯ごたえのいい魚介類が大好きなもので。 -
きれいに取れました。
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山中でエネルギー切れを起こさないよう炭水化物もしっかり摂っておきましょう。
ざる中華です。
中華麺を蕎麦の出汁につけて食べるというもの。暑い時期ならさらに旨いはず! -
少し前に来た社員旅行らしき御一行の一人が撮ってくれました。
「どちらからですか?」と尋ねると「礼文です」と。
一瞬???となりましたが、そりゃそうだよね。礼文島にもいろいろな地区があるもの。しかも島外に出るとなればフェリーで2時間だし。海が荒れればすぐ欠航だし。 -
わたしにしては珍しく、おやつっぽいものも頼んでみた。
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ほんのり甘くてあっという間にペロリ。
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ネタとしてこいつを食うべきかどうか悩んだんだけど、どう見ても旨そうじゃない……
迷った末、お店の人に「どうですかね?」と聞いてみたら、「う〜ん…まあ、味を求めて食べるものじゃないから……」という正直すぎる答え。
今思えばチャレンジしとけばよかったかな。 -
今度はイカ焼き。
我ながら安上がりな胃袋です。 -
お店の人がお土産に飴をくれました。
飲食スペースもあるし。メニューも豊富。8時間コース歩くなら昼食はここで充分でしょ。 -
現在11時23分。
距離的にはやっと4分の一といったところなのでペースを上げてかないと!
颯爽と歩きだしたのはいいものの、宿でもらった地図とビミョーに方向が違う気がする。
けっきょく5分ほど歩いて売店まで戻ってきた。と、売店のすぐわきに8時間コースの看板を発見!
売店の角をすぐ曲がって港のど真ん中を直進すればよかった模様。
調子にのっちゃあいけませんね(´・ω・`) -
思いっきり港を横切る。
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ちょうどいい具合のヘタウマ加減。
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人家を縫って進む。
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人家の脇に唐突に現れる山への入り口。
ほんとにいきなりで面食らいました。
この町と自然の距離の近さがこのコースのいいところです。
唐突ですが後半に続く。
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