2015/06/22 - 2015/07/09
4位(同エリア40件中)
Rolleiguyさん
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マイリンゲンからヴァリスに抜けるグリムゼル峠は、フルカ峠、スーステン峠と並び、いずれも近くに氷河があるため抜群の景観を誇る中で、なかなか足を延ばす人が少ないパノラマシュトラーセ・オーバーアール(Panoramastrasse Oberaar)という素晴らしい場所があります。この3つの峠は忙しい人は一日で周るツアーに参加したりしますが、それでは余りにも勿体なく、是非足を踏み入れたい所です。写真のコース案内板に記されているように、この道は徒歩で片道2時間くらいで氷河の先端につくられたダム湖に達しますが、車で行くことも可能で、片道15分とかかりません。私は、30年以上前に初めて訪れましたが、その切っ掛けはアルプスの写真集でした。彎曲した氷河の先に、堂々としたラウターアールホルンが聳え、氷河の両側は切り立った山に囲まれていました。この写真を見て、是非一度行ってみたいものだと思い続け、ようやく実現して以来、今回が4度目の訪問でした。ここの素晴らしさは、景観とともに、観光客が極めて少なく、雄大な自然のなかにゆったりと自分を委ねられるという気持ちにさせてくれることにあります。このコースの目玉は終点のダム湖、それ自体も大変素晴らしいものですが、ではなく、それ以上に感動するのは途中から眺める氷河とラウターアールホルンです。大変残念なことに、氷河は年々後退しており、いつかはこの景観が見られなくなってしまう可能性が高いことです。まだ、間に合います。
道路は、ダムの管理用に建設されたもので、幅員が狭いため、時差で交互通行するため、毎時0分から10分までがダム方向へ、同30分から40分がダムから峠方向となっています。途中に車を停められる場所は限られていますが、何故か車を停めて氷河の方へ歩く人は稀です。皆、道路からの景色に満足してしまうのでしょう。しかし、この景観を走りながら見るのでは落ち着きませんし、1時間ゆっくりして、次の交互通行の時間まで過ごせばいいのです。勿論、歩ける人はその方がずっと楽しいでしょう。日本人に会ったことはありません。観光客が増えすぎると残念ですが、自分自身もその一人なので、それは身勝手と言うもの。是非機会があれば訪問してみて下さい。きっと満足します。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 交通手段
- レンタカー
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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峠に着いた。グリムゼル峠はフルカ峠ほどは混雑していないが、結構な観光客の数である。
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峠からマイリンゲン方面を遠望したところ。谷のかなたは、左側にローゼンラウイ、右側にハスリベルクからゲンタール(谷)という素晴らしい山歩きが出来る地域です。近くにグリンデルワルトという大観光地があるため、こちらの方は人が大挙して押し寄せるということもなく、比較的静かな自然を楽しめるのが幸いです。
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峠の周囲にはまだ雪を残した山々が。ゲルステン・ヘルナー(Gaerstenhoerner)か。
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峠にあるトーテンゼー。まだ少し雪が残り、湖面に浮いていた。スイスの峠は大概こんな感じだが、極地の夏を思わせるようだ。
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ネーゲリス・グレートリ(Naegelisgraetli)
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峠から山歩きの案内板。白赤白の矢印は、殆ど危険のない黄色印のトレッキングコースよりは、道が険しいことを示している。しかし、クライミングの必要なコースではない。時々「高所恐怖症やめまいに注意」と言ったコース案内が記されていることもある。
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パノラマシュトラーセの入り口。左の円は、オーバーアール方面に車で進入出来る時間帯が、毎時0分から10分までの10分間であることを示している。右の円は、逆に戻って来るときには毎時30分から40分の間に、現地を出発しなければならないことを示している。ここで列を作って待つ。1回逃すと1時間待たねばならない。昔から変わっていない。
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この付近の案内図。
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終点のオーバーアール湖。氷河からの融水を貯めてダムを造った。
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温暖化で氷河が後退し、これだけでダムの必要量を満たせるのかと思う。
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もと来た道を1キロほど戻る。左の湖はグリムゼル湖。道は狭いが危険を感じるほどではない。
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ここに駐車して氷河を見に行くことにする。この先は工事車両だけが進入出来る。
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10分ほど下り、真下に氷河湖が見える場所まで来た。ブラントラムホルン(Brandlammhorn)などを背景に。
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つい数十年前まではここまで氷河が来ていた。
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湖まで続いていたのはウンターアール氷河で、一番奥のラウターアールホルン(4042m)の下から続いているラウターアール氷河が、この写真には写っていないが、途中で左側から来るフィンスターアール氷河と一緒になって、湖に注いでいる。しかし、氷河そのものは湖に達する前に消えてしまっている。尤も、表面からは消えても、土砂の下にはまだあるのかもしれない。
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今日は快晴で、氷河の先まで見渡すことが出来た。
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多分、氷河時代にはここまで氷河があったのであろう岩の上で休憩。静かで気持ち良い。
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澄んだ水が流れている。これは雪解け水。
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結構な水量でとても冷たい。この流れの上流にはトリープテンゼーリという小さな湖があるが、今回は時間の制約で行けなかった。
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写真の真ん中からやや右の辺りに見える建物はスイスアルペンクラブのラウターアールヒュッテ。あそこまで歩ける人は、クラブの会員でなくても宿泊出来ます。この写真はサイズを縮小してありますが、もとの写真をモニター上で拡大してみたら、スイスの旗、受信用のパラボラアンテナ、人影までも見えました。因みに、スイスの山小屋は食事が美味しく、日帰りで行っても楽しい施設です。
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氷河が後退してしまった状況。
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望遠レンズで見ると、氷河は随分やせ細ってしまったことが分かる。
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ラウターアールホルン。この特徴ある山容は、グリンデルワルトのフィルストあたりから見ると、シュレックホルンの陰になっているが、少しずれると見つけ易い。
ここからは見えないが、この左側の方にベルナーオーバーラントの最高峰であるフィンスターアールホルンがある。長年チューリッヒに住んでいましたが、今回の旅行で、チューリッヒの高台にあるホテルから、フィンスターアールホルンが見えたのにはびっくり。 -
この写真の山腹に見える氷河と、下を流れる氷河を見て欲しい。次の写真と比べると、この30年でどれほど溶けてしまったかが分かる。アルプスの氷河は20世紀になって毎年後退が続いており、スイスは周辺のオーストリア(1年で100メートル近く後退した例もある)やイタリアに比べると、まだましな方だが、それでもこのまま行くと、あと数十年で完全に消えてしまうかもしれない。氷河の後退程度は標高や氷河自体の大きさなどにより、それぞれだが、ラウターアール氷河は、供給元が4000メートル峰ではあるものの、かなり激しく後退しているように見える。
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この写真は1983年に行った時のもの。この頃は、山腹の氷河が下の氷河まで届いていたのが分かる。氷河の流れも絵画的で美しい。これがなくなるとは残念だ。
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今はこんなにみじめな氷河になってしまっている。
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時間が来たので道を戻る。とても気持ちが良く、もっとずっといたかったが、今日はツェルマットまで行かねばならないので先を急ぐ。
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近くの山からパラグライダーがいくつも舞い降りて来た。広い場所の少ないこのあたりで、一体どこに着地するのだろうか。
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帰り道。オートバイも気持ちよいだろうな。
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峠に近づいて来た。道路から見たグリムゼル湖。
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峠のトーテンゼー(Totensee)。眺めはいいが、ちょっと人が多い。先ほどの別世界に戻りたい気分になる。また来ようと。
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