2015/06/07 - 2015/06/07
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たびたびさん
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ここしばらく滋賀を攻めているんですが、滋賀県南部には湖南三山という国宝の寺があるという情報をキャッチしました。湖東三山なら行ったことありますけど、湖南三山なんて聞いたこともなかったですねえ。とは言え、滋賀には疎いので、やっぱりこんなところも確認してみないと話は始まらない。京都からはそんなに遠くでもないようだし、これなら比較的楽に行けそうです。ということで、京都から東京への帰りにちょこっと寄ってみることにしました。
さて、三山というのは長寿寺・常楽寺・善水寺。ちょうど善水寺のご開帳の時期だったので、いつもは非公開の常楽寺も公開しているし、全山を無事回ることができました。よかった、よかった。
ただ、一方で、地元の人からは、ちょっと散々な話やトホホな話を聞かされて、本当のところはわかりませんが、なんだかとても気がかり。こんなこと公表して大丈夫なのかなあとかなり迷いましたが、今後の改善を期待しつつ、そのままレポートしてみたいと思います。
そして、実は、湖南という名前についても疑義あり。湖南市は、平成16年に旧石部町と旧甲西町が合併して誕生したのですが、そもそも、ここは旧甲賀郡といって、湖南ではないんです。湖南というのは、本来、草津市から大津市の瀬田辺りを指す地名であって、これなら琵琶湖に面しているので、確かに湖南でしょう。この辺りは湖南じゃなくて、甲賀郡でしょという思いは地元でも根強いのですが、甲賀市が既に存在すること、旧石部町と旧甲西町の力関係が微妙だったことが原因で、こんな錯誤的な名前になってしまったようです。ただ、地名はアイデンティティの基盤。それが崩れてしまっては取り返しがつかないと思いますけどね。湖南三山のネーミングも、湖南市が出来てから行政が積極的に関与したそうですが、こんな話を聞くと、ちょっと色あせた感じが否めません。う~ん。残念です。
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草津を経由して、湖南市の玄関、石部駅に到着しました。ここから三山を回ります。駅前に観光案内所があって、情報を収集します。ただ、この案内所は臨時の案内所のようでした。
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さて、湖南市を回るのであれば、コミュニティバスめぐるくんになります。
さっきの案内所にはレンタサイクルもあって、どっちにしようか迷ったのですが、こっちで正解。確かに時間は限られますが、善水寺とか無理したら行けそうな距離に思えても、けっこうな坂道なのでやっぱり無理だったと思います。 -
湖南市には、国宝の寺が三つあって、この長寿寺もその一つ。位置関係からすると常楽寺から回った方が効率が良かったのですが、常楽寺の開くのは10時から。こちらは9時なので、こちらを先にした次第です。
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山門から緑の濃い参道を奥に進んで行きますと。。
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これが国宝の本堂です。
なるほど。いいじゃないですかあ。 -
平安時代末期から鎌倉時代に造られたものだそうで、寄棟造桧皮葺、桁行五間という堂々たる構えです。
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イチオシ
そして、その最大の特徴はむくりと言われる屋根の曲線。
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いったんは膨らんだようになって、その後、反るという反転曲線です。木立の参道の先に本堂が建つというシチュエーションもちょっとドラマチックでしょう。
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よく見ると細部はけっこう傷んでいるんですが、
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豪快な印象はまだまだ健在です。
この後、本堂内部にも上がって見ましたが、がらんとした空間に仏様が数体。いわきの白水阿弥陀堂のような感じですね。 -
本堂の脇に建つのは弁天堂。これも国の重要文化財です。
なお、奥の収蔵庫には「丈六阿弥陀如来坐像」もありました。 -
長寿寺から常楽寺に戻りますが、早めにお昼にしておきましょう。
じゅらくの里は、長寿寺と常楽寺の中間にある施設というか、公園ですね。 -
昼食を食べるのに、ここら辺りではここしかないということで立ち寄りましたが、施設の前庭からそのまま公園全体を見下ろすことができて、片田舎なのに割とよく整備された様子がちょっと意外でした。
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もりの駅は、じゅらくの里に隣接して建つレストハウス。ログハウス風の建物です。
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いただいたのは、ざるそばでしたが、
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それはそれとして、待っている間にご主人が人形の楽団を動かしてくれまして、これがなかなか面白い。ピアノやサックス、ギターなど、奏者が細かく動きながら、ジャズ演奏してくれて、ちょっと疲れも和らぎました。
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さて、改めて常楽寺に戻ってきました。
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常楽寺は、聖武天皇の勅願により、良弁が紫香楽宮の鬼門を封じるために創建したと伝わる寺。
ちなみに、たびたび遷都を繰り返した聖武天皇の時代。紫香楽宮というのは、藤原広嗣の乱の後、恭仁京と合わせて甲賀郡紫香楽村に造営された離宮で、これが紫香楽宮と呼ばれます。
都は、その後、難波京に移ってから、再び平城京に帰ります。
滋賀は大化の改新を成し遂げた天智天皇が即位したことでも知られますが、これをもってしても、平安京ができる前から大和とのつながりが強かったことが分かるかと思います。 -
イチオシ
境内に入って。
南北朝時代に造られた本堂と室町時代に造られた三重塔が国宝です。 -
ちょっとびっくりするくらいのスケールの大きさには、圧倒されるようです。
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本堂の内陣には、ちょっと傷みも目立ちますが、
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風神雷神も含めた二十八部衆立像などが賑やかに鎮座していて、これももう一つの見どころでしょう。
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イチオシ
一方で、実は問題も多い寺のようなんです。
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ここは10時から開くんですが(それも、この時期は、たまたま善水寺の御開帳だったので開けていたようです)、これってちょっと怠慢じゃないのかなあと思いつつ、待っていると近所の人が声を掛けてきて、寺への不平不満を話し始めました。
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そして、その後も、あちこちからこの寺のことが聞こえてきます。まとめると、以下の通り。
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イチオシ
・かつて、現在の駐車場付近に古い山門があったが、駐車場を作るためと言って勝手に壊してしまった。風情のある山門で地元には愛されていたのに、残念。檀家からは総スカンである。
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・寺の周囲を高い塀で囲って、外から内部を見えなくしている。かつては、境内は自由だったのに、ここまですることはないだろう。
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・少し前から基本非公開となったが、なんでそうなるのか。予約をしても、実際は用事が多いとか。住職が勝手に出掛けたりして、なかなか拝観できない。
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・湖南市に補助金を願い出たが断られたので、市との関係が悪化しているのも原因ではないか。
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以上、けっこうひどい内容だったので、それでもと住職に話しかけてみると。。
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・この広境内の整備など、朝早くから自分がやっていて、大変な労力。朝10時に開けるのが精いっぱい。
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・もう一つの寺も管理していて、そのお世話もあって容易ではない。
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なるほど。
まじめな人なのかなあとも思ったのですが、結局は分かっていないのかなあ。 -
寺は地域の人に支えられて維持できるもの。その先頭に立つのが住職でしょう。そして、その役割は、こんな立派な寺の住職であることに誇りや喜びがなければ果たせません。
この後、善水寺では御開帳でたくさんの檀家の人がボランティアで集まっていましたが、その差をよく考えてもらいたいと思いました。 -
湖南三山の最後は、善水寺です。
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イチオシ
南北朝時代に建てられたという国宝の本堂は常楽寺より少し規模は小さいかと思いますが、
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イチオシ
躍動感のある優雅な印象はさすがですね。
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たまたまだったのですが、秘仏本尊薬師瑠璃光如来の御開帳をやっていました。
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平成13年以来の御開帳のようですが、
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穏やかな表情の仏像です。
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寺は、和銅年間(710年頃)、元明天皇の勅願で創建。
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当初は和銅寺と言っていたようですが、
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桓武天皇の病気が最澄が献上した霊水によって回復したことが現在の名前の由来です。その霊水は今でもあって、私もペットボトルをいただいて、それに詰めて帰りました。
たくさんの檀家の人たちがボランティアで集まっていまして、それにもちょっと心が癒されました。 -
善水寺を出て、一気に野洲駅まで移動します。
野洲駅を出てすぐ。こんなところにカリカリ博士がありました。 -
カリカリ博士は、京都の錦市場にもあるんですが、中がトロトロでおいしいんですよね。
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駅の周辺にめぼしい食堂もないし、ここでたこ焼きを買って、空腹を満たしました。うーん、うまい。いつもの味わいです。
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そして、今日最後の国宝建築は御上神社です。野洲駅からバスで15分くらい。
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「近江富士」と呼ばれる三上山を神体山として祀る神社です。
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楼門を
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くぐって進むと、
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正面に拝殿
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緩やかな傾斜の屋根の稜線が美しいですね。
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そして、その背後に建つ本殿が国宝です。
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イチオシ
鎌倉時代後期の作で、桁行三間、梁間三間の入母屋造は美しい佇まい。
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楼門、拝殿、本殿が一直線に並んで、本殿両脇にはこれも美しい末社の建物。全体として、整った清々しい印象なので、そこまでの古さを感じない。
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大切に管理されてきたのではないかと思います。
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野洲駅から米原駅へ。
米原駅で新幹線の待ち合わせ時間がそれなりにあったので、駅に看板が出ていたこちらの番野で晩飯をいただきました。実際に歩いて見ると案内に出ていたより遠いかなあ。 -
もしかしたら、失敗したかなあと思ったのですが、結果としては、正解。スッキリした仕上がりのお造りとか、内陸の米原とは思えない技の切れがあるように感じました。悪くないです。
最後にちゃんとしたご飯を頂いて、やっと気持ちが落ち着きました。
そして、ここから新幹線で東京に帰るのですが、 -
途中の名古屋で、ちょっと寄り道。実は、天むすが食べたくなったんです。
と、名古屋駅一階の通路にあるパン屋さんが目に入って。 -
名古屋アンパンというパンを見たら、ごまの入ったパン生地に、「名古屋」とくっきりとした焼き印が入って、これはインパクトあり。迷わずそれを買いましたが、ごまの粒々がいい感じ。餡子はどっしりとしたタイプです。
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名古屋の天むすをしばらく食べてなかったなあと思って、やってきたのは千寿です。
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味噌文化とかで有名な名古屋ですが、ここの天むすは薄味のほんわか系。ご飯と海苔の基本的なおいしさに、ちょこっとえび天が寄り添っているといった上品な味わい。とてもよろしいかと思います。
東京への帰り道のいいお供になりました。以上で本当におしまい。お疲れ様でした。
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