ちょうど10年後のバングラデシュ再訪 18ノーベル平和賞受賞グラミン銀行、村の「返済集会」と村の様子。昼食では止瀉薬として種を食べるバナナ。そしてフェリーでガンジスを渡りいよいよダッカに戻る。
2014/11/02 - 2014/11/11
27位(同エリア146件中)
風神さん
私は2004年11月、バングラデシュを訪問しました。
ちょうど10年後の2014年11月、再びバングラデシュを訪問しました。既製のツアー参加です。
再訪の理由は、前回行かなかった世界自然遺産シュンドルボン国立公園に行きたかったこと、10年たったバングラデシュの変化を見たいと思ったこと、そして10年前ボグラのバザールで撮った現地の方々の写真をその人たちにプレゼントしたいと思ったことなどです。
今日はこの旅行8日目(2014.11.9)です。
ブログNo18は、ヒンドゥー教徒が多いウドイプール村におけるグラミン銀行の「定期ミーティング(返済集会)」のレポートです。
その後、移動して昼食、さらに移動してフェリーに乗りガンジス(ポッタ)河を渡ってダッカに戻ります。
クルナからバスで1時間ほど移動、ウドイプール村の近くにある「グラミン(Grameen)銀行」の「エリアオフィス」を訪ね、9箇所の「支店」を統括する「エリアマネジャー」と、5人の「センターマネジャー」を通じて42の「センター」を統括する「支店マネジャー」から、説明を受けました。(グラミン銀行は本社、エリア、支店、センター、の4階層構造で運営されているようです。)
またグラミン銀行はNGOやNPOではなく、異色であるとは言えまったくの民間銀行、私企業です。
この銀行は、「マイクロクレジット」と呼ばれる貧困層を対象にした比較的低金利の無担保融資を、主に農村部で行っていますが、「貧困層の経済的・社会的基盤の構築に対する貢献」という理由で、2006年にノーベル平和賞を受賞しています。
ノーベル賞を同時に受賞した、チッタゴン大学教授であった「ムハンマド・ユヌス(Muhammad Yunus、1940年〜 )が、1983年に創設しました。
融資を受けたい人は信頼できる者同士が原則5人(最近は10人まで認められる)でグループを組み、各自が毎月返済していきますが、お互いに助け合う義務はあっても連帯保証義務はなく、グラミン銀行は返済率98.9%と言っています。
融資を受ける為には昼間の集会参加などの条件があるので、メンバーは圧倒的に女性が多く、魚の養殖、乳牛の飼育などの元手を借り入れているそうです。散髪屋の開業なんてのもありました。
金利は年10%で、日本の住宅ローンなどと比較してずっと高利ですが、他の金融機関より低利であり、またインフレ率を考慮すれば有利と言えます。銀行の余剰資金は他の銀行へ貸し付けたり、住宅ローンなど新たな貸し出しも始め、利用者のニーズの変化に対応しているようです。
若い支店マネジャーは大学の修士課程を卒業していますが、公務員と同等の待遇で年金もあり安定しているので、この銀行を選んだそうです。
エリアオフィスでエリアマネジャーと支店マネジャーから説明を受けた後、ヒンドゥー教徒に多少イスラム教徒も混在しているウドイプール村の「センター」に移動して、定期的な返済日に実施される「定期ミーティング(返済集会)」の様子を見せて戴きました。
通帳と現金を持って集まっているメンバー達が、順番にセンターマネジャーに返済し、センターマネジャーは通帳と銀行の帳簿に記帳していきます。通帳には「16の決意」も印刷されていて、生活の質の向上を促す活動という面も持っています。
「16の決意」の一部
・ 私たちは家族のために豊かになる
・ 私たちは家族を増やしすぎないように計画する
・ 私たちは子供たちを教育し、教育費を払う
・ 私たちはつねに子供と周囲の環境を清潔に保つ
・ 私たちは息子の結婚式で持参金をもらわず、娘の結婚にも持参金を持たせない
・ 私たちは不正なことをせず、また他人に不正なこともさせない
・ 私たちはすべての社会活動に共同で参加する
支店で融資が実施される際には、借りる人は「16の決意」を暗唱し守ることを誓いますが、その結果借りる人は、良い社会習慣を身に付けていくと言われています。
5,000万人近い被融資者の半数以上が絶対的貧困から脱出し、学齢期の子供は全員学校に通い、全ての世帯が1日3回食事をし、清潔な水を飲み、衛生的なトイレと雨漏りしない家を持ち、ローンを週に300タカ返済出来るようになっていると、グラミン銀行は考えているそうです。
村の中を見せて戴くと、魚の養殖池や水田があり、乳を搾るための乳牛や、卵を採るための鶏、羊、家鴨が飼育されていました。
皆さんグラミン銀行の通帳を示しつつ写真に納まっていました。
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エリアオフィス。
ここが9箇所の支店と、
各支店が統括する合計300以上のセンターを受け持っています。 -
グラミン銀行のシンボルマーク。
バングラデシュの国旗も、緑色の地に赤い丸です。 -
バングラデシュの
現大統領とその夫人。 -
ウドイプール村のセンター。
グラミン銀行のシンボルマークが見えます。 -
大勢の女性が集まっています。
融資対象者に男性がほとんどいないのは、
男性が融資条件の一つである、
日中のこのような集会に参加できないこともあるようです。 -
若いセンターマネジャー。
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ここに集まっている女性の表情は、
生き生きとして自信が感じられます。 -
この女性とは、
後ほど村の中でも会います。 -
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1回300タカ(約300円)の現金をセンターマネジャーに渡すと・・・
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センターマネジャーは金額を確認し・・・
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銀行の帳簿と・・・
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各人の通帳に記帳します。
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この男性が、
先ほどエリアオフィスで色々説明してくれたエリアマネジャー。 -
300以上のセンターを受け持っていることになります。
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これが各人の通帳。
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今の日本では考えられない、
個人情報「大公開」。 -
よく工夫された内容です。
夫婦の顔写真が添付されています。
写真から女性はイスラム教徒とわかります。 -
裏表紙。
「16の決意」が記載されています。
「16の決意」の一部
・ 私たちは家族のために豊かになる
・ 私たちは家族を増やしすぎないように計画する
・ 私たちは子供たちを教育し、教育費を払う
・ 私たちはつねに子供と周囲の環境を清潔に保つ
・ 私たちは息子の結婚式で持参金をもらわず、娘の結婚にも持参金を持たせない
・ 私たちは不正なことをせず、また他人に不正なこともさせない
・ 私たちはすべての社会活動に共同で参加する -
センターの外にも人が集まっています。
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これから村の中を見せてもらいます。
ヒンドゥー寺院や祠と言うより、
手作りでヒンドゥーの神々を奉ったところ。
同じようなものがもう一箇所あり、
村の人の様子から察すると、村の自慢のよう。 -
指名手配書のようですが、
実は選挙ポスターです。
バングラデシュでは選挙が近づくと、荒れます。
ハルタル(ホッタール)です。 -
台所兼物置。
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養魚池。
汚れた印象で、現在は使われていないようです。 -
刈入れが終わった水田。
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バングラデシュの牛にしては珍しく臆病で、
私が近づいたら、血相変えて木の反対側に逃げました。 -
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この少年、外来者が好き。
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頼んだわけではないのですが、
グラミン銀行の通帳を手にしています。
銀行の指示ではなく、
こうすると見学者は喜ぶと学習したようです。
一種の「おもてなし」。
この後、ファリドプールに移動して昼食、そしてフェリーでガンジス(ポッタ)河を渡り、いよいよダッカに戻ります。 -
その中華料理の昼食に、現地ガイドが買ってきた種を食べるバナナを出しました。
止瀉薬として黒い種を噛み砕いて果肉と一緒に食べるのですが、
種はピーナッツより硬く、噛み砕くとばりっばりっと音がします。
止瀉薬として有効がどうかは、私はお腹をこわしていなかったのでわかりません笑。 -
フェリーに乗ります。
たとえ40分ほどの乗船とは言え、
出航と言うものは何か情感がこみ上げるものです。 -
似たようなフェリーが頻繁に往復しています。
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上から見るとぎゅうぎゅうです。
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正に「隙間産業」。
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モンキーバナナ?
短いのですが、良く熟しているようです。 -
スターフルーツ。
このような歩き売りも多いです。
聞いたところ、
フェリー(の会社)にお金を払って営業しているわけではないようです。l -
傷まない?
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少年の靴磨き。
相手かまわず、サンダルばきの乗客にも声をかけていました。
スポーツサンダルの私にも。
バングラデシュの小中学校では、教員や教室の不足から2部制授業が一般的に行われています。
したがって昼間働いているから不就学とは限りません。 -
こちらは人間のみ。
満員です。おそらく定員オーバー。
風景を楽しみ、お茶を飲んでいるいるうちに、到着です。
明日はこの旅行の実質的最終日、ダッカ周辺を観光します。
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