2014/12/12 - 2014/12/13
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鯨の味噌汁さん
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スペイン最終日は14:05マラガ空港発で、 20:15にイスタンブールに着く。
成田行きの便は翌日の17:15であるから、ほぼ1日、イスタンブールを観光できる、
われながらナイスな日程である。
さらに(トルコ航空改め)ターキッシュ・エアラインには、トランジット・ホテル・サービスなるものがあり、アタチュルク空港で乗り継ぎが10時間以上ある場合には、航空会社が無料でホテルを用意してくれるとゆう。
最初このサービスを知った時にはトテモトテモ信じられず、「世の中にそんなにウマイ話があるわけない。これはドッキリに違いない」と疑心暗鬼に駆られたほどだ。
が、出発前にターキッシュ・エアラインの日本支社に電話で確認すると、対応してくれたお姉さんは
「お客様のケースであれば、ホテルを無料でご利用になれます」
と、めでたくお墨付きをいただくことができた。つまりは一泊分が浮いたのである。
イスタンブールでホテルステイ!(ホテルステイ!)
なんて素敵な料金無料!(料金無料!)
貧者の味方だタ−キッシュ・エアライン!(タ−キッシュ・エアライン!)
思わず卒業式並みに「ターキッシュ・エアラインを讃える呼びかけ」を作、配偶者とともに唱和する鯨である。
- 同行者
- カップル・夫婦(シニア)
- 交通手段
- 徒歩 飛行機
- 航空会社
- ターキッシュ エアラインズ
- 旅行の手配内容
- 個別手配
-
とゆうわけで、イスタンブールではさっさと入国カウンターを抜け、ホテルデスクにたどり着く。
トルコ美人のお姉さんに、微笑みつつチケットを提示。
ワシの隣りでは、お金持ちそうなアラブ系の夫婦が、やはりホテルの紹介を受けている。
うーん、なんだか気分はファーストクラスですね私ら。
が、お姉さんはチケットをじっと眺め、何やらパソコンをカタカタと叩き、
「ゆー、キャンノット」
ど、ど、ど、どひぇーーーーー。ドッキリだドッキリだ、ホントに来たよ!!
そのまま失神しかけるが、気力を振り絞って尋ねる。
「わい、ウィキャンノット、ステイホテル?」
「成田行きの次の便は3時間後にある。ユーはそのヒコーキにも乗れたはずだ」
そげなことは知っとるですたい星くん!
だからわざわざ出発前に確認したのニダ!
ターキッシュ・エアライン日本支社は、大丈夫ってゆってたニコフ!
それをいまさらダメだなんてひどすぎるビッチ!
あまりのショックに何語をしゃべったかすら分からないくらいのイキオイで抗議したが、
「あーお帰りはこちら、ハイ次の方」
さっさと追い出されてしまう。 -
無念である。ものすごぉぉぉぉーーーーく無念である。
ガイドブックもない。地図もない。ネットも接続してない。
いくばくかを両替し、街に出る。地下鉄とトラムを乗り継いでアヤソフィア近くに降り立つと、はや22時。
雨が次第に強くなり、足下が濡れてきた。
たまらず、一番最初に目に付いた路地裏のホテルに潜り込んだ。
狭くて暗いフロントには、栄養の悪そうな兄ちゃんと、派手な化粧をしたお姉さんがお喋りしていた。
お兄ちゃんに無表情に提示された料金は25ユーロ。
うーむ。安くはないが、高くもない、と判断。部屋を確認する前にオカネを払った。
カギを渡され、古ぼけたエレベーターに乗り、6階の部屋を開ける。
ドアを開け、二人とも泣きそうになった。
湿っぽいWベッドに、タバコで穴だらけになったシーツがかかっていた。
毛布は2枚で、お互いがくっついてペタペタしていた。
トイレとシャワーは、ドアが腐って閉まらず、シャワーはホースが破れ、お湯が全部床にこぼれた。
さらには洗面所にはどなたかのオケケが、ぺっとりとこびりついていた。
学生時代でも、こんなスーパー汚くてスーパーやる気のない宿には泊まったことはない。
が、新しい宿を探しに、雨の街に出て行くのはさらにリスクが高いように思われた。
配偶者は泊まることは首肯したが、シャワーは拒否。
彼女は不機嫌な時は喋らなくなる。そして悲しげに目をしばたたくだけである。
恨みごとを言われないことがかえって応えた。
眠れたような眠れないような、奇妙な一夜が明けると、醒めない悪夢から逃げるように、ホテルを後にし、ガラタ塔へと向かった。
外は強い雨だったが「ホテルで寝ているよりは雨に打たれて街を歩く方がマシ」とさえ思える、鯨家史上モースト最低・最悪な宿なのだった。
ちなみに、窓からの眺めだけは良かったので、泊まりたい方はワシまでメールください。
タ−キッシュ・エアラインおかれましては、次回のフライトでナッツくらいはサービスしていただきたいものである。 -
午前9時、金角湾の船着き場にやってくると、アジアからの通勤客がフェリーから吐き出されていた。
人の流れに合わせ、通りのあちこちにパンの屋台が出ていた。
買っていくのはその通勤客たちだ。店ごとに常連さんが決まっているらしい。
すべての小売りが、コンビニとゆう巨大なシステムに吸収されかけている日本とは、風景が違う。
屋台ごとに客がいるってことは、屋台ごとに味が違うってことなんだろうな。 -
雨は止まない。アヤソフィアまで戻り、雨宿りも兼ねて中に入ってみる。
アジアからの団体さんが多い。日本人もちらほら。
トルコ国内からは修学旅行らしい学生さん。
そのうちの何人かが、たどたどしい英語で話しかけてくる。
そうだった、と思い出す。
ワシも40年前、修学旅行で日光にいったとき、ガイジンさんに英語で話しかけたよな。
意味なくサインまでもらったっけ。あのころ、エチゴの田舎にガイジンなんていなかったものな。 -
アヤソフィアの壁は、ビザンチン・オスマン・共和国政権と、政治が変わるたびに引っぺがされたり塗りなおされたりした。
だから今でも、壁をはがすといろんな意匠が現れる、現代のびっくり箱だ。
しっくいの奥には、誰も知らないイコン画が、ひっそり眠っているんだろう。 -
雨の中空港まで戻り、17:15、成田に向けてフライト。翌11:30成田着。
配偶者とは成田で別れる。
この日、仲間うちの忘年会が、京都で行われるため、ワシだけ関空へ。18:00から四条の旅館ですき焼き大宴会がある。なんとしても間に合わせなくてはならぬ。ワリカン負けはイヤだ。
が、飛行中に機長から不吉なアナウンスが。
「強い向かい風のため遅れております」
関空のロビーに出たら、15:30を回っていた。
15:45の京都行バスに飛び乗る。
17:30、京都駅着。
17:35、地下鉄に乗る。
17:39、四条烏丸駅着。
旅館の宴会場にたどり着いたら、ちょうどすき焼きの鍋が煮えていた。18:00 の宴会に、ヘッドスライディングで間に合った。
宴会を終えて、カラオケ目指してみんなで街に出る。
祇園の繁華街、ものすごい人通りだった。
前を歩く少女が、マフラーを取り落とした。
ワシが拾い、前を歩く肩に、そのままポンと乗っけてやる。
振り返った少女はキンパツだった。
ふと気づく。
ここは極東アジアで一番の観光地なんだ。
でもって、きのうは西アジア一の観光都市にいたんだな。
まだ世界のどこかを旅してるような錯覚に陥る、鯨の味噌汁なのだった。
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この旅行記へのコメント (6)
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- カスピ海さん 2015/02/22 18:49:51
- 「地球の歩かされ方」(仮名)!
- 鯨の味噌汁さん
こんばんは
待望の、鯨節炸裂旅行記、楽しく拝見しております。今回アダルト指数高めでしょうか。
読んでいて、クロマニヨンの穴も白い洞窟も踊るスーチー女史も草津での話だったのかなと妖しく時空が交錯して・・・。うーむ、凡人のお作ではないな。
> 「ターキッシュ・エアラインを讃える呼びかけ」
から一変、ショックですが、
> 確認したのニダ!
> それをいまさらダメだなんてひどすぎるビッチ!
なんて言い返しがツボで、笑いまくりました。真似して使いたいです^ ^
> まだ世界のどこかを旅してるような錯覚に陥る、鯨の味噌汁なのだった。
ほんとうに、帰ってきているのに電車の窓から見て「あれ、ここ日本語表記多いな、日本人街があるのかな」とまだ思ったりする、そんな余韻を思い出しました。
ラスト、西村京太郎サスペンスの犯人の人みたいでスリリングです。
- 鯨の味噌汁さん からの返信 2015/02/23 13:15:51
- RE: 「地球の歩かされ方」(仮名)!
- カスピ海様
ご無沙汰しておりますー。ご訪問ありがとうございます。
>今回アダルト指数高めでしょうか。
はい、原点回帰ともゆうべきでしょうか(⇒えらそう)。
でもって今回のお下劣の目玉「外で待ってる二人組」。
元ネタは古川柳「門口で医者と親子が待っている」です。
意味は。。。google先生に聞いてください。
>読んでいて、クロマニヨンの穴も白い洞窟も踊るスーチー女史も草津での話だったのかなと妖しく時空が交錯して・・・。うーむ、凡人のお作ではないな。
ここだけの話、お店の外観も薄暗い店内も安っぽい照明も、場末のストリップをホーフツと。
>> 「ターキッシュ・エアラインを讃える呼びかけ」
>から一変、ショックですが、
>> 確認したのニダ!
>> それをいまさらダメだなんてひどすぎるビッチ!
>なんて言い返しがツボで、笑いまくりました。真似して使いたいです^ ^
おお、小ネタに反応ありがとうございます。
こうゆうお馬鹿ネタは考えるのが好きで、思いつくと一人で笑うので、われながら気持ち悪い。
>ほんとうに、帰ってきているのに電車の窓から見て「あれ、ここ日本語表記多いな、日本人街があるのかな」とまだ思ったりする、そんな余韻を思い出しました。
海外から戻ってくると、この感覚ってありますよねー。「おーみんな日本語しゃべってる」。ホッとしたり、ちょっとさびしかったり。
-
- captainfutureさん 2014/12/26 13:32:42
- ホテル・サービス、そんなことになってしまったとは!
- おお、今回は万全を期して直下に宿泊。
前回はせっかく行かれたのに、少し残念でしたものね。
>写真は配偶者に似たロマの少女ではなく、ロマにほんのり似てる日本人の配偶者です。
一人この文章に爆笑してしまいました。(奥様、ゴメンナサイ!)
「地球の歩かされ方」(←なるほど〜)に一回載ると、しばらくは少なくとも日本人はやってきて心配はないのかもしれませんね。
そのトランジット・ホテル・サービス、えええ〜〜、そんなことになってしまったのですか!
ヒドイ、ヒドスギマス。
>そうだった、と思い出す。
僕も10代の頃そうでした。外国で同じような年頃の子供たちに話しかけられるとその頃を思い出して、できるだけお相手するよう努めています。
大陸横断フライトの後、また別のフライトで宴会行きとはなんというタフぶり。
最後の話は、頭が地球をぐる〜〜〜〜〜と一周してしまうような不思議な感覚に陥ってしまいました。
- 鯨の味噌汁さん からの返信 2014/12/27 17:55:17
- RE: ホテル・サービス、そんなことになってしまったとは!
- captainfuture さん、
こんにちは! いつもありがとうございます。
> おお、今回は万全を期して直下に宿泊。
> 前回はせっかく行かれたのに、少し残念でしたものね。
まったくまったく。あのユーメイなライオンの噴水も見られなかったんです。行き当たりばったりもいい加減にしろと。反省の多い旅でしたが、事前に準備したつもりの今回もなぜか反省が多くて困ります。
> >写真は配偶者に似たロマの少女ではなく、ロマにほんのり似てる日本人の配偶者です。
> 一人この文章に爆笑してしまいました。(奥様、ゴメンナサイ!)
イヤイヤ、ここはカラダを張って笑いを取りに行ってるとこです、笑っていただいて彼女も本望かと。(知らんけど)
彼女は脂っこい顔つきで、どちらかといえばインドアーリア系です。ロマが昔話していたロマニー語は、源流はインドといわれてますから、遠い祖先は重なっているかもしれませんねー。日本人はそもそも雑種民族ですものね。
> 「地球の歩かされ方」(←なるほど〜)に一回載ると、しばらくは少なくとも日本人はやってきて心配はないのかも
サクラモンテをぶらぶら歩くだけで、ロマの洞窟住居の雰囲気は充分体感できると感じました。わざわざオカネを払ってペンキ塗りの内装を見ることはなかったかなと。
ワシらは歩き回るだけである程度満足してしまうタチなので。。。
> そのトランジット・ホテル・サービス、えええ〜〜、そんなことになってしまったのですか!
> ヒドイ、ヒドスギマス。
先にオカネを払ったのが失敗。まさか淫売宿にぶち当たるとは。
ワシは野良犬みたいなものなんで屋根があればどこでもええんですが、イスタンブールのホテルステイを楽しみにしてた彼女には気の毒でした。
> 僕も10代の頃そうでした。外国で同じような年頃の子供たちに話しかけられるとその頃を思い出して、できるだけお相手するよう努めています。
イスタンブールはその機会が多いですよね!
多分、地方都市からやってくる少年少女たちなんでしょう。トルコ人の10代の女の子はお人形さんみたいに可愛い子が多くて、ハゲオヤジは声を掛けられるだけでニタニタしてました。。。
> 大陸横断フライトの後、また別のフライトで宴会行きとはなんというタフぶり。
> 最後の話は、頭が地球をぐる〜〜〜〜〜と一周してしまうような不思議な感覚に陥ってしまいました。
しばらくぶりに京都に行ったんですが、今や祇園を歩くと3割くらい外国人なんですね〜。
聞こえてくるのは中国語と英語。まだ日本が遠くにある感覚でした。
-
- keiさん 2014/12/25 23:29:41
- お疲れ様です
- 相変わらず下ネタ連発で笑わせてくれますねぇ♪
楽しく読ませていただきました〜。
時にムフフ♪時にアハハ、時にアチャー、時にエーーッ!?
今回の旅行、お疲れ様ですという言葉しか見つかりません。
鯨さんには筋書き通りの旅を神様が面白がって
させてくれないのかも知れませんね。
せめてフラメンコの踊り子さんはムチムチの情熱的なおねえさん
だったら良かったのにね。
30ユーロだったら温泉地の秘宝館のほうが目が冴えるかもね。
私もスペインには1度行きたいと思ってます。
クロマニオン人の壁画、見てみたいなぁ。
- 鯨の味噌汁さん からの返信 2014/12/26 10:35:34
- RE: お疲れ様です
- keiさん、
お久しぶりです。1年半ぶりの更新です。
> 相変わらず下ネタ連発で笑わせてくれますねぇ♪
つまりは1年半ぶりの旅行ですので、たまりにたまったお下劣モードが全壊、いやいや全開しております。絶好調、ともいいます。(いわんがな)
> 鯨さんには筋書き通りの旅を神様が面白がって
> させてくれないのかも知れませんね。
いやほんと。今回は神罰がくだりました、参りました。
というより、危機察知のアンテナが錆びたなと痛感。加齢のせいかしら。
前はホテルに飛び込んでも、こんなスカはなかったんですけどねぇ。とほほ。
> 私もスペインには1度行きたいと思ってます。
> クロマニオン人の壁画、見てみたいなぁ。
うん。ここはいつか、きっと再訪する予感がします。
旅は、少しくらい見落としがあったほうがいいんです。「完」ではなく、「続く」のほうがおもしろいかと。(強がり)
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