深谷・寄居旅行記(ブログ) 一覧に戻る
庁鼻和城(こばなわじょう、埼玉県深谷市国済寺)はJR高崎線深谷駅から北東へ徒歩約30分、国道17号に面した国済寺を中心とする広大な地に、五代房憲(ふさのり)が康生2年(1456)深谷城に移転するまで深谷上杉氏の居城でした。<br /><br />鎌倉府首長である足利氏を補佐する関東管領の上杉憲顕(うえすぎ・のりあき、1306~1368)は往時の勢いが衰えたとはいえ、上野国に所領を持つ南朝方新田氏の動きを封じるため六男憲英(のりふさ、生誕不詳~1404)に命じ、上野国から鎌倉へ通じる街道に接する地に抑えの城を造らせます。<br /><br />国済寺は深谷上杉氏の菩提寺として城内に建立されたと伝えられ、境内に設置された説明板によれば庁鼻和館の内部に憲英の肝いりで国済寺が建立され、憲光(のりみつ)、憲信(のりのぶ)と三代続きます。また本堂の奥には憲英と一族の廟が設置されています。<br /><br /><br /><br />2023年10月1日追記<br /><br /><br />境内に建てられた「国済寺」と題する案内板には下記の通り説明があります。<br /><br />「関東管領上杉憲顕は13世紀末新田氏を抑える為、この地庁鼻和に六男上杉蔵人憲英(のりふさ)をつかわし館を築かせました。<br /><br />憲英はのち奥州管領を任じられ、以後憲光・憲長と三代この地に居住しました。館は一辺170mの正方形で外郭を含めると28ヘクタールあります。        <br />康応2年(1390)高僧俊翁令山(しゅんのうれいざん)禅師を招いて館内に国済寺を開きました。本堂裏に当時の築山と土塁が残っています。<br /><br />天正18年(1590)徳川家康から寺領30石の朱印状を下付されています。<br /><br />文化財には令山禅師と法灯国師(ほうとうこくし)の頂相(ちんそう)、黒門、山門、上杉氏歴代の墓が指定されています。<br /><br />          昭和57年3月     深谷上杉顕彰会 」

武蔵深谷 初代関東管領上杉憲顕六男の憲英が新田氏の鎌倉侵入阻止すべく築城し憲光並びに憲長が継承し房憲の深谷城移転までの本拠『庁鼻和城』訪問

9いいね!

2014/11/23 - 2014/11/23

227位(同エリア365件中)

0

44

滝山氏照

滝山氏照さん

庁鼻和城(こばなわじょう、埼玉県深谷市国済寺)はJR高崎線深谷駅から北東へ徒歩約30分、国道17号に面した国済寺を中心とする広大な地に、五代房憲(ふさのり)が康生2年(1456)深谷城に移転するまで深谷上杉氏の居城でした。

鎌倉府首長である足利氏を補佐する関東管領の上杉憲顕(うえすぎ・のりあき、1306~1368)は往時の勢いが衰えたとはいえ、上野国に所領を持つ南朝方新田氏の動きを封じるため六男憲英(のりふさ、生誕不詳~1404)に命じ、上野国から鎌倉へ通じる街道に接する地に抑えの城を造らせます。

国済寺は深谷上杉氏の菩提寺として城内に建立されたと伝えられ、境内に設置された説明板によれば庁鼻和館の内部に憲英の肝いりで国済寺が建立され、憲光(のりみつ)、憲信(のりのぶ)と三代続きます。また本堂の奥には憲英と一族の廟が設置されています。



2023年10月1日追記


境内に建てられた「国済寺」と題する案内板には下記の通り説明があります。

「関東管領上杉憲顕は13世紀末新田氏を抑える為、この地庁鼻和に六男上杉蔵人憲英(のりふさ)をつかわし館を築かせました。

憲英はのち奥州管領を任じられ、以後憲光・憲長と三代この地に居住しました。館は一辺170mの正方形で外郭を含めると28ヘクタールあります。        
康応2年(1390)高僧俊翁令山(しゅんのうれいざん)禅師を招いて館内に国済寺を開きました。本堂裏に当時の築山と土塁が残っています。

天正18年(1590)徳川家康から寺領30石の朱印状を下付されています。

文化財には令山禅師と法灯国師(ほうとうこくし)の頂相(ちんそう)、黒門、山門、上杉氏歴代の墓が指定されています。

          昭和57年3月     深谷上杉顕彰会 」

旅行の満足度
4.0
交通手段
JRローカル 徒歩

PR

  • 国済寺石門<br /><br />

    国済寺石門

  • 国済寺石柱<br /><br />「常興山国済禅寺」と刻された石柱が見えます。

    国済寺石柱

    「常興山国済禅寺」と刻された石柱が見えます。

  • 石柱<br /><br />左側には「史蹟 上杉憲英公墓」と刻されています。

    石柱

    左側には「史蹟 上杉憲英公墓」と刻されています。

  • 国済寺黒門(市指定文化財)<br /><br />当該寺院の総門が黒く塗られている事で敢えて「黒門」と呼称されています。<br /><br /><br />

    国済寺黒門(市指定文化財)

    当該寺院の総門が黒く塗られている事で敢えて「黒門」と呼称されています。


  • 「市指定文化財」標柱

    「市指定文化財」標柱

  • 黒門扁額<br /><br />黒門上部には「興禅窟」と書かれた扁額が認められます。

    黒門扁額

    黒門上部には「興禅窟」と書かれた扁額が認められます。

  • 由緒<br /><br />黒門の傍らには国済寺に関する記事が在りますが全体ににじみが出て読めません。<br />

    由緒

    黒門の傍らには国済寺に関する記事が在りますが全体ににじみが出て読めません。

  • 上杉氏顕彰碑

    上杉氏顕彰碑

  • 鎮守社<br /><br />境内左側に鎮守社が建立されています。

    鎮守社

    境内左側に鎮守社が建立されています。

  • 鎮守社祠石

    鎮守社祠石

  • 三門(市指定文化財)<br /><br />この「三門」は一般的には「山門」に当たります。<br /><br />

    イチオシ

    三門(市指定文化財)

    この「三門」は一般的には「山門」に当たります。

  • 三門近景<br /><br />いわゆる二階建の高層式山門でその格式と雄姿は見事です。

    三門近景

    いわゆる二階建の高層式山門でその格式と雄姿は見事です。

  • 三門(山門)<br /><br />境内側から振返って三門を捉えます。

    三門(山門)

    境内側から振返って三門を捉えます。

  • 「市指定文化財」標柱<br /><br />国済寺三門が市指定文化財となっています。

    「市指定文化財」標柱

    国済寺三門が市指定文化財となっています。

  • 国済寺・本堂

    イチオシ

    国済寺・本堂

  • 庁鼻和城址と国済寺

    庁鼻和城址と国済寺

  • 国済寺沿革説明板

    国済寺沿革説明板

  • 鐘楼堂

    鐘楼堂

  • 利生塔(仏塔)

    利生塔(仏塔)

  • 境内風景<br /><br />右に山門、左に鐘楼が並んでいます。

    境内風景

    右に山門、左に鐘楼が並んでいます。

  • 本堂扁額<br /><br />本堂正面に掲載の扁額には「禅林法窟」と描かれています。<br /><br />

    本堂扁額

    本堂正面に掲載の扁額には「禅林法窟」と描かれています。

  • 国済寺・本堂

    国済寺・本堂

  • 位牌堂

    位牌堂

  • 社務所

    社務所

  • 寺域の北側<br /><br />手が加えらておらず永年放置されたままの空地が広がっています。

    寺域の北側

    手が加えらておらず永年放置されたままの空地が広がっています。

  • 住宅地との境界付近<br /><br />境界を見ると盛土が走っているのが見えます。

    住宅地との境界付近

    境界を見ると盛土が走っているのが見えます。

  • 土塁・空堀<br /><br />近接すると土塁が西方向に走っており、その右側には空堀と思われる姿が在ります。

    土塁・空堀

    近接すると土塁が西方向に走っており、その右側には空堀と思われる姿が在ります。

  • 社域空地

    社域空地

  • 築山<br /><br />空地を西方に進むと竹林の中に大きく盛った築山が控えています。

    築山

    空地を西方に進むと竹林の中に大きく盛った築山が控えています。

  • 築山<br /><br />大きく長く盛り上がった形の築山が竹林の中に見えます。

    築山

    大きく長く盛り上がった形の築山が竹林の中に見えます。

  • 築山

    築山

  • 土塁<br /><br />さらに土塁が西方向に走りその角から左折して続きます

    土塁

    さらに土塁が西方向に走りその角から左折して続きます

  • 六地蔵<br /><br />旧本堂に組まれていた鬼瓦と共に手前には六地蔵が並んでいます。

    六地蔵

    旧本堂に組まれていた鬼瓦と共に手前には六地蔵が並んでいます。

  • 上杉氏歴代墓所全景

    上杉氏歴代墓所全景

  • 上杉氏歴代墓所(市指定文化財)

    イチオシ

    上杉氏歴代墓所(市指定文化財)

  • 「史蹟 上杉憲英公墓」石標

    「史蹟 上杉憲英公墓」石標

  • 上杉憲英霊廟<br /><br />中央部に在るのが上杉憲英の宝篋印塔です。

    イチオシ

    上杉憲英霊廟

    中央部に在るのが上杉憲英の宝篋印塔です。

  • 上杉氏一族供養塔

    上杉氏一族供養塔

  • 上杉氏一族供養塔

    上杉氏一族供養塔

  • 上杉氏家紋<br /><br />霊廟には上杉氏の家紋(竹に二羽飛び雀紋)が取り付けられています。

    上杉氏家紋

    霊廟には上杉氏の家紋(竹に二羽飛び雀紋)が取り付けられています。

  • 霊廟風景<br />

    霊廟風景

  • 菩提樹<br /><br />札には菩提樹として「釈尊成道ゆかりの木」と記されています。

    菩提樹

    札には菩提樹として「釈尊成道ゆかりの木」と記されています。

  • 「廰鼻和城北西隅外郭土塁」標柱

    「廰鼻和城北西隅外郭土塁」標柱

  • 北西隅外郭土塁説明

    北西隅外郭土塁説明

この旅行記のタグ

9いいね!

利用規約に違反している投稿は、報告する事ができます。 問題のある投稿を連絡する

コメントを投稿する前に

十分に確認の上、ご投稿ください。 コメントの内容は攻撃的ではなく、相手の気持ちに寄り添ったものになっていますか?

サイト共通ガイドライン(利用上のお願い)

報道機関・マスメディアの方へ 画像提供などに関するお問い合わせは、専用のお問い合わせフォームからお願いいたします。

滝山氏照さんの関連旅行記

滝山氏照さんの旅行記一覧

旅の計画・記録

マイルに交換できるフォートラベルポイントが貯まる
フォートラベルポイントって?

フォートラベル公式LINE@

おすすめの旅行記や旬な旅行情報、お得なキャンペーン情報をお届けします!
QRコードが読み取れない場合はID「@4travel」で検索してください。

\その他の公式SNSはこちら/

PAGE TOP