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JR高崎線岡部駅より徒歩約30分国道17号に臨む玉鳳山・源勝院(げんしょういん、埼玉県深谷市岡部)は徳川家康が天正18年(1590)に関東入封後当地に所領を与えられた譜代武将安部弥一郎信勝(あんべ・やいちろう・のぶかつ、1552~1600)の嫡男信盛(のぶもり、1584~1674)から十三代信寶(のぶたか、1839~1863)までの歴代12名の藩主が眠る菩提寺となっています。<br /><br />境内説明板によれば安部氏は信州国諏訪の出身で駿河国安部川上流の安部谷に移り住み、安部氏の祖である安部大蔵元真(あんべ・おおくら・もとざね、1513~1587)は今川義元に属していましたがその後徳川家康に仕え、甲斐武田信玄・勝頼父子との戦いで数々の戦功をあげます。<br /><br />家康から知行を得て岡部に入部した信勝は慶長4年(1599)亡き父の元真を追善供養するため地元人見村(現深谷市)昌福寺八世賢達(けんたつ)和尚を招き源勝院の開山、自らを開基とします。<br /><br />豊臣秀吉死去後は徳川家康と石田三成との対立が激しくなり信勝は家康に従い大坂城に詰める事になりますが当地で亡くなり大坂の鳳林寺に葬られます。<br /><br />源勝院山門をくぐりますと左手に安部氏の祖である信勝の父元真の石碑が鎮座し、また境内一角に2代信盛から13代信寶までの歴代藩主12基の墓石が東側を向き南から北方向に整然と並んでいます。<br /><br /><br />2022年11月20日追記<br /><br />境内に建てられた説明板には下記の通り紹介されています。<br /><br />『 源 勝 院 (げんしょういん)<br /><br />源勝院(曹洞宗)は、岡部の地を領地とした安部家の菩提寺としてつくられた寺で、境内墓地の一角に2代信盛から13代信実まで12基の屋根付位牌形の墓碑が東向きに南から北へ世代順に並んでいる。<br /><br />天正18(1590)年、徳川家康の関東入国とともに、初代安部弥一郎信勝に岡部領が与えられた。信勝は亡父大蔵元実追福のため、人見村(現深谷市)昌福寺八世賢達和尚を招き、源勝院の開基とした。初代の信勝は、当時徳川家康と石田三成との対立が激しくなったので、家康に従い大坂城に詰めていた。慶長5(1600)年に、大坂城詰所で死亡し、大阪の鳳林寺に葬られた。安部家は、初代以降岡部の地を領し大字岡部の一角に陣屋を置いた。<br /><br />源勝院表門を入ってすぐ左手に安部家の祖、安部大蔵元実(信勝の父)の碑がある。安部氏は信州諏訪の出で、駿河国(静岡県)安部川の上流、安部谷に移り住み、元真の時はじめて安部氏を名乗った。元実は、はじめ今川義元に仕えたが、後に徳川家康に仕え、甲斐の武田信玄、勝頼父子と戦い、おおいに戦功をあげた。<br /><br />安部家歴代の墓及び、安部大蔵元真の碑は、町指定文化財となっている。<br /><br />     平成3年3月<br />                埼玉県 岡部町  』

武藏深谷 旧今川家臣で武田信玄・勝頼父子との戦いで高い評価を得て家康関東入府の際の知行地岡部に歴代藩主が眠る安部家の菩提寺『源勝院』散歩

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2014/08/13 - 2014/08/13

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滝山氏照

滝山氏照さん

JR高崎線岡部駅より徒歩約30分国道17号に臨む玉鳳山・源勝院(げんしょういん、埼玉県深谷市岡部)は徳川家康が天正18年(1590)に関東入封後当地に所領を与えられた譜代武将安部弥一郎信勝(あんべ・やいちろう・のぶかつ、1552~1600)の嫡男信盛(のぶもり、1584~1674)から十三代信寶(のぶたか、1839~1863)までの歴代12名の藩主が眠る菩提寺となっています。

境内説明板によれば安部氏は信州国諏訪の出身で駿河国安部川上流の安部谷に移り住み、安部氏の祖である安部大蔵元真(あんべ・おおくら・もとざね、1513~1587)は今川義元に属していましたがその後徳川家康に仕え、甲斐武田信玄・勝頼父子との戦いで数々の戦功をあげます。

家康から知行を得て岡部に入部した信勝は慶長4年(1599)亡き父の元真を追善供養するため地元人見村(現深谷市)昌福寺八世賢達(けんたつ)和尚を招き源勝院の開山、自らを開基とします。

豊臣秀吉死去後は徳川家康と石田三成との対立が激しくなり信勝は家康に従い大坂城に詰める事になりますが当地で亡くなり大坂の鳳林寺に葬られます。

源勝院山門をくぐりますと左手に安部氏の祖である信勝の父元真の石碑が鎮座し、また境内一角に2代信盛から13代信寶までの歴代藩主12基の墓石が東側を向き南から北方向に整然と並んでいます。


2022年11月20日追記

境内に建てられた説明板には下記の通り紹介されています。

『 源 勝 院 (げんしょういん)

源勝院(曹洞宗)は、岡部の地を領地とした安部家の菩提寺としてつくられた寺で、境内墓地の一角に2代信盛から13代信実まで12基の屋根付位牌形の墓碑が東向きに南から北へ世代順に並んでいる。

天正18(1590)年、徳川家康の関東入国とともに、初代安部弥一郎信勝に岡部領が与えられた。信勝は亡父大蔵元実追福のため、人見村(現深谷市)昌福寺八世賢達和尚を招き、源勝院の開基とした。初代の信勝は、当時徳川家康と石田三成との対立が激しくなったので、家康に従い大坂城に詰めていた。慶長5(1600)年に、大坂城詰所で死亡し、大阪の鳳林寺に葬られた。安部家は、初代以降岡部の地を領し大字岡部の一角に陣屋を置いた。

源勝院表門を入ってすぐ左手に安部家の祖、安部大蔵元実(信勝の父)の碑がある。安部氏は信州諏訪の出で、駿河国(静岡県)安部川の上流、安部谷に移り住み、元真の時はじめて安部氏を名乗った。元実は、はじめ今川義元に仕えたが、後に徳川家康に仕え、甲斐の武田信玄、勝頼父子と戦い、おおいに戦功をあげた。

安部家歴代の墓及び、安部大蔵元真の碑は、町指定文化財となっている。

     平成3年3月
                埼玉県 岡部町  』

旅行の満足度
3.5
交通手段
JRローカル 徒歩
  • 源勝院・入口<br /><br />玉鳳山という山号を持つ曹洞宗の寺院となっています。<br /><br /><br /><br />

    源勝院・入口

    玉鳳山という山号を持つ曹洞宗の寺院となっています。



  • 源勝院・参道<br /><br />左右を住宅に囲まれた参道を直進します。<br /><br />

    源勝院・参道

    左右を住宅に囲まれた参道を直進します。

  • 源勝院・山門

    源勝院・山門

  • 明治天皇美九留満乃安登(みくるまのあと)記念石碑<br /><br />明治11年(1878)明治天皇が北陸・東海巡行の折り源勝院で休憩されたことを記念して大正5年(1916)に碑石が建立され、この碑の書と文を地元出身実業家である渋沢栄一が書いたそうです。

    明治天皇美九留満乃安登(みくるまのあと)記念石碑

    明治11年(1878)明治天皇が北陸・東海巡行の折り源勝院で休憩されたことを記念して大正5年(1916)に碑石が建立され、この碑の書と文を地元出身実業家である渋沢栄一が書いたそうです。

  • 明治天皇巡行関係石碑<br /><br />

    明治天皇巡行関係石碑

  • 源勝院・山門扁額

    源勝院・山門扁額

  • 山門説明石碑

    山門説明石碑

  • 源勝院・説明板

    源勝院・説明板

  • 源勝院・鐘楼堂<br /><br />太平洋戦争のため梵鐘供出したた経緯がありました。平成元年に有志の浄財により新たな梵鐘の鋳造がなされ鐘楼堂が再建されています。

    源勝院・鐘楼堂

    太平洋戦争のため梵鐘供出したた経緯がありました。平成元年に有志の浄財により新たな梵鐘の鋳造がなされ鐘楼堂が再建されています。

  • 鐘楼堂・修築記念石碑

    鐘楼堂・修築記念石碑

  • 安部大蔵元真・墓所

    イチオシ

    安部大蔵元真・墓所

  • 安部大蔵元真・墓所

    安部大蔵元真・墓所

  • 安部大蔵元真墓

    安部大蔵元真墓

  • 源勝院・本堂<br /><br />正式には「王鳳山源勝院千手寺」と称し、ご本尊は千手観音菩薩となります。

    イチオシ

    源勝院・本堂

    正式には「王鳳山源勝院千手寺」と称し、ご本尊は千手観音菩薩となります。

  • 本堂扁額<br /><br />「源勝院」と刻された扁額が見られます。

    本堂扁額

    「源勝院」と刻された扁額が見られます。

  • 源勝院・境内<br />

    源勝院・境内

  • 岡部藩主安部氏歴代当主墓群<br /><br />安部氏当主二代目(信盛)から十三代目(宣寶)までの12名に亘り屋根付き位牌形の墓石碑が東向きに南側から北側に並んでいます。

    岡部藩主安部氏歴代当主墓群

    安部氏当主二代目(信盛)から十三代目(宣寶)までの12名に亘り屋根付き位牌形の墓石碑が東向きに南側から北側に並んでいます。

  • 岡部藩主安部氏歴代当主墓石群<br /><br />最も左側墓石には俗名無記載ですが右隣の墓石が信友であることから信盛の墓石と思われます。

    岡部藩主安部氏歴代当主墓石群

    最も左側墓石には俗名無記載ですが右隣の墓石が信友であることから信盛の墓石と思われます。

  • 安部摂津守信友(のぶとも)墓石<br /><br />

    安部摂津守信友(のぶとも)墓石

  • 安部丹波守信峯(のぶみね)墓石

    安部丹波守信峯(のぶみね)墓石

  • 安部摂津守信賢(のぶかた)墓石

    安部摂津守信賢(のぶかた)墓石

  • 安部摂津守信平(のぶひら)墓石

    安部摂津守信平(のぶひら)墓石

  • 安部摂津守信?(のぶちか)墓石

    安部摂津守信?(のぶちか)墓石

  • 安部摂津守信享(のぶみち)墓石

    安部摂津守信享(のぶみち)墓石

  • 安部摂津守信操(のぶもち)墓石

    安部摂津守信操(のぶもち)墓石

  • 安部丹波守信任(のぶより)墓石

    安部丹波守信任(のぶより)墓石

  • 安部摂津守信古(のぶひさ)墓石

    安部摂津守信古(のぶひさ)墓石

  • 安部摂津守信寶(のぶたか)墓石

    安部摂津守信寶(のぶたか)墓石

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