夏草や(ローマの）兵どもが夢の跡、の詩そのものの似合う世界遺産、チュニジアのドゥッガ

2014/03/06 - 2014/03/06

この美しい写真はどっこ？

イタリアのどっかのローマ遺跡みたいね。

違います。チュニジアのどっかです。

そりゃあ、どっかに決まっているでしょう。

すいません、チュニジアのドッカ、正確に発音するとドゥッガです。

（すいません、出だしに舌っ足らずの江戸弁が混ざってしまいました)

ローマ時代の北アフリカは、ローマの繁栄を支える一大穀倉地帯だったんですね。

この写真のように、美しい緑の麦畑があたり一面に広がっており、その小高い丘陵の上に、ここドゥッガのローマ遺跡が静かに、かつ饒舌に昔の栄華を色濃く残していました。

栄華の当時は、１万人の人々が暮らしていたそうです。

今ここで聞こえるのは、ローマ人の人声ではなく、風の音だけ。
なんと静寂なことか。

そして、２０００年の時の流れのなんと残酷なこと、すべてを荘厳な美しい遺跡に産まれ変えてしまいました。

エリア ドゥッガ(チュニジア)

• 旅行の満足度: 5.0
• 観光: 5.0
• 交通: 3.5

• 同行者: カップル・夫婦（シニア）
• 交通手段: タクシー
• 航空会社: ルフトハンザドイツ航空
• 旅行の手配内容: 個別手配

チュニジア首都、チュニスから南西約１００ＫＭのところに、ドゥッガがあります。バスで行くには、大変不便なので、車を雇っていくしかありません。

写真は、チュニジアの北部にあるローマ遺跡ドゥッガの世界遺産標識です。

入ってすぐ右が、ローマ劇場跡。

大変保存状態がよく、当時の面影が残っています。

周りは、まるでイタリアのトスカーナ地方のように肥沃な緑の大地になっていて、小高い丘に突如石材建築物のローマ遺跡が出現いたします。

舞台の向こう側は、ず〜〜と美しい緑の小麦畑。美しい穀倉地帯です。

ローマ時代のローマ人の食料供給地域ととして、大変重要でした。

誰もいなくてこのような美しい景色を独り占めでした。なんという贅沢！

今の状態で、こんなに美しいフォルムなんですから、完成当時は、もっともっと荘厳だったのでしょう。

夏には、ファスティバルが開催されるとのこと。

いいですなあ〜〜！

ローマ劇場を舞台の横からパチリ。

客席の上に登ったところです。

それにしても誰もいなくて、静かで、昔の栄華を想像するのには、ぴったりのところです。

ローマ劇場をさらに登っていくと、なんかあやしげな地下室の入り口がありました。

でもなんにもありませんでした。

更に、進んでいくと、あたり一面に、遺跡が壊れた石ころだらけのところへ出ました。

気が付くと、道もなくなってしまい、周り一面は羊のウンチだらけ。
靴の裏には、びっしりついてしまいました。まいったね。

つまり迷子になってしまいました。でも視界・眺望はいいので全然問題はありません。

迷ったところから見た景色。

美しい穀倉地帯が、３６０度広がっています。
こんな写真を撮るくらいなので、迷子になった自分を楽しんでいました。

家内と。「あっちだ！、こっちだ！」と言っていると、
遺跡の隣に住んでいる、農家の方が寄ってきて、

「こっちのほうへ行くと、道になっていて、遺跡に戻れるよ」
と、教えてくれました、しかも、途中まで案内してくれました。

助かりました。お礼にチップを渡しましたら、なんと「日本の飴を頂戴」と言ってます。日本の飴は、品質も良く人気があるのですね。

この後行ったケロアンでも「日本の飴を頂戴」と言われました。
チュニジアへ行くときは「日本の飴」をいっぱい持っていきましょう！

無事道に戻り、花の小道を行くと、キャピトルが見えてきました。

ほっと一安心。

６本の縦溝のついたコリント式の円柱が支える、堂々としたキャピトルです。

内部には、昔は６メートルもあったジュピターの像があったそうです。

キャピトルのある隣の風の広場(かっこいい名前ですね)から、キャピトルをパチリ。

風の広場の名前の由来は、ここ広場の敷石に１２種類の風の名前が彫られていたそうです。風流ではありませんか？

今度は、反対側にある、フォルムから撮ったキャピトルの写真。手前は、フォルム、市民のオープンスペースです。

もともと３５本の円柱に囲まれていて、豪華だったようですが、今は静かな広場です。

フォルムのあちこちには、当時のレベルの高い彫刻が、残されています。

いまは苔にて汚れていますが、ローマ人が追及していた格調高い美術品です。
素晴らしい文化ですね。

これもたくましい彫刻です。

なんかポセイドンに似ていますかねえ。。。

フォルムを下っていくと、ローマ人住居遺跡越えに、隣村が眺められます。

なんか、イタリアの田舎に似ています。
静かな風の音だけ聞こえて、この素晴らしい景色を我々だけで独り占めして、
贅沢なひと時です。ゆっくりできすね。

ローマ人住居跡の石畳をさらに進んでいきます。

着いたところは、薬草で大儲けした商人の住居跡です。

大きな家です。門も立派。

門の中から、遠くにキャピトルが見えます。

面白い写真が撮れそうなので、キャピトルを中に入れて、パチリ。

ダメ押しにもう一枚。

中々、いい構図ではないか！おもしろい。

ここに住んでいた人は毎日キャピタルを眺めながら出勤したのですね。
いい暮らししていましたね。

更に下ると、ローマ名物。ローマ風呂跡へ続きます。

ここはローマ風呂の跡です。

床のモザイク画像見えますか？

テルマエロマエのお風呂よりは少し小さめですが、ここにこんなお風呂を創るなんて、すごいねローマ文化！

さて、
ローマ風呂から、小道一つ隔ててある
この建物跡なんでしょうか？

お〜！　貴方　感がいいですね。

そうです。太古の昔から続く最古の職業、公営の売春宿です。

大変大きな建物です。繁盛していたんですね。

名前こそ、トリフォリウム(クローバー)の家といって、柱に三つ葉のクローバーのレリーフがあります。

でも、実際は、三つ葉のクローバーをちょっとデフォルメした形のレリーフが入口にあったのですね。（いま当局によって隠されているとのことです）

ローマ時代の、豊かな生活の様子を想像しながら楽しんだ、ドゥッガ遺跡。
ありがとう。

空を見ると、すでに夏の雲！

時間の流れを止めた時空間旅行体験でした。

遺跡をすぐ出たところは、２０００年も前と同じヒツジの放牧の景色が広がっています。

これから次の訪問地ケロアンへ向かいました。

途中の景色です。

チュニジアというと、砂漠というイメージを持っていました。
しかし、北部は実際は地中海気候の、緑豊かな構想地帯がず〜〜と続いています。

菜の花畑が続きます。豊なところなんですね。

途中の果物屋さん。おいしそう。

おしまいは、この一枚。

運転手さんが教えてくれました。「これが、チュニジアで一番大きな川です！」

え？！　これがチュニジアで一番大きい川？　
日本基準でものを観てはいけない、世界は広い。

凄い！感動しました！

この旅行記へのコメント （7）

• メビウスさん 2014/08/19 01:57:52

  ドゥッカ遺跡、再訪したくなりました。

  TKさん、こんばんは。
  
  旅行記を拝見し、二年前に訪れた時の感動が蘇ってきました。
  ローマ帝国の繁栄が伺える見事な遺跡ですよね。
  キャピトルや劇場は当然ながらこの遺跡の最大の見所なのでしょうが、
  居住区の石畳から、当時の生活が感じられる様でした。
  
  メビウス

  TKさん からの返信 2014/08/20 08:47:07

  RE: ドゥッカ遺跡、再訪したくなりました。

  メビウス さん
  
  おはようございます。
  
  そうですか、２年前にすでに行っていたのですか！
  ここ、穴場ですね。ひっそりとした静かな、本当の遺跡という感じです。
  季節も良く、周りは青々としていました。
  
  ２年前のチュニジアや、その周りの国々の治安は、今より良かったのではないでしょうか？
  
  実は、風の広場の近くに銃を持った警備のお巡りさん（兵隊さん？）が、
  ２人くらい待機していました。目つきが鋭く、緊張感がありましたよ。
  
  でも、話しかけると、人なっつこく親切に遺跡（お風呂跡の中とか）の中で迷子にならないようサポートしてくれました。
  
  これからもよろしくお願いします。
  
  ｂｙ　ＴＫ
  
  
  
  

  メビウスさん からの返信 2014/08/20 13:54:49

  RE: RE: ドゥッカ遺跡、再訪したくなりました。

  ＴＫさん、こんにちは。
  
  私のチュニジア旅行記もご覧下さった様で、有難うございます。
  ホント、状態も良く静かなイイ遺跡でしたね。
  
  2012年11月に渡航したのですが、その少し後に（うろ覚えなのですが）国内だったか近隣国だったかの国境付近で誘拐事件があり（確かニュースにもなった記憶）、直後チュニジア渡航制限がかかりました。
  あの時は次いつ行けるようになるのかが分からなかったので、
  不謹慎にも（先に行っておいて良かった〜）なんて思ってました。
  
  パッケージツアーで連れて行ってもらう旅だったので、治安が悪いなーと感じる事はありませんでしたが、アラブの春以降、国内は就職難だとかイロイロ問題はある、との事でしたよ。
  
  メビウス

• れいろんさん 2014/08/16 19:12:18

  ２人じめのローマ遺跡

  TKさん、こんばんは！
  
  「本日のおすすめ旅行記」になっていたのが、このチュニジア旅行記ですよ。
  うんうん、素晴らしいですね。
  
  この広大な遺跡を２人占めとは、うらやましい。
  好天の下、迷子も楽しいですよね。
  
  私も地中海沿岸諸国に点在するローマ遺跡が大好きなんです。
  ローマ帝国って、その土木工事技術ってすごいです。
  
  　　　　　　　　　　　　　　　　　れいろん
  
  ・・・チャーター車の価格が気になるなぁ・・・。
  
  
  

  TKさん からの返信 2014/08/17 13:14:39

  RE: ２人じめのローマ遺跡

  れいろんさん
  
  まいど！
  
  そうなんです！
  「本日のおすすめ旅行記」
  に写真が載っていました。びっくりしました。
  
  最初知りませんでしたし、ここに載るなんて思ってもいませんでした。
  大変光栄です。いいね！　が、バチバチ増えていました。
  凄い効果ですね。
  
  
  
  > この広大な遺跡を２人占めとは、うらやましい。
  > 好天の下、迷子も楽しいですよね。
  ＝＝＞今回は余裕の迷子でしたね。さわやかな景色で、楽しめました！
  >
  > 私も地中海沿岸諸国に点在するローマ遺跡が大好きなんです。
  > ローマ帝国って、その土木工事技術ってすごいです。
  ＝＝＞そうなんですか。本当ローマ帝国って、広大ですねえ。チュニジアには、ここ以外にも多くの、ローマ遺跡がたくさん残っています。楽しめますよ。
  >
  >
  > ・・・チャーター車の価格が気になるなぁ・・・。
  ＝＝＞実は、チュニジア全体（８日間）のチャーター車（運転手のみ）＋ホテルで、手配して、２人で３４２０ドルでした。ので、チュニスからドウッガまでの車代の正確な値段はわかりません。
  ペリカントラベルで予約しました。ここに問い合わせれば、詳細がわかると思います。大変丁寧にやってくれますよ。ＵＲＬここ↓。
  http://www.pelican-travel.net/tunisia/
  
  れいろんさんの次の旅行記楽しみにしています！
  
  ｂｙ　ＴＫ
  
  
  
  
  
  

• hot chocolateさん 2014/08/12 11:08:27

  本日の1枚♪

  TKさま、こんにちは。
  
  本日の1枚、おめでとうございます。
  
  チュニジアも行ってみたいと思っている国です。
  数年前のこと、チュニジアの旅を計画、しかし間もなく「アラブの春」が勃発。
  それではと、エジプトの特急列車(夜行寝台）とナイル川クルーズの旅もいいなと
  計画変更。
  しかしエジプトは1度行っているし、この特急列車が酷いらしい・・・。
  （オリエント急行のような列車をイメージしていたので・・・）
  それで、メキシコクルーズにもう1回と、旅先がコロコロと変わり、結局は
  メキシコクルーズに決定。
  そんなわけでチュニジアはまだ未踏の地なのです。(汗）
  旅をするには、もうすっかり安全になったようですね。
  
  ドゥッガの遺跡から見る景色は、緑が美しい草原なのですね。
  訪れる人も少なく、こんな素敵な遺跡を独り占め、優雅な旅ですね〜
  見渡す限りの小麦畑は、ローマ人の穀倉地帯として、ローマ時代から、そして現在も重要なのですね。
  
  お礼に「日本の飴」が喜ばれるのですか。
  確かに、日本の飴は品質もいいし、美味しい。
  そういえば、スリランカのホテルで、枕チップと一緒に飴を置きましたが、喜んでくれたかな・・・？
  今度から、海外旅行には日本の飴を数種、必携ですね。
  
  のどかな小川がチュニジア一の川・・・
  確かに海外では、日本の基準でものを観てはいけませんね。
  
  hot chocolate
  
  
  
  
  
  

  TKさん からの返信 2014/08/13 00:03:03

  RE: 本日の1枚♪

  hot chocolate さん
  
  本日の一枚のご連絡ありがとうございます。
  最初、なんのことかわかりませんでした。
  家内も、何のことかしら？と言っていましたレベルです。
  
  なんと、４Ｔのトップページに出ていたのですね！
  びっくりいたしました。しかも、いいね！がバチバチ押されていました。
  ものすごい効果ですね。
  
  hot chocolateさんから連絡がなかったら、多分気が付かなかったと思います。いい記念になりました。ありがとうございます。
  
  hot chocolateさんの涼・金魚の写真集観ました！こんなに美しいのですか、
  来年は是非観に行きたいと思います。素晴らしい情報ありがとうございます。
  
  以下　＝＞でコメントいたしました。
  
  > TKさま、こんにちは。
  >
  > 本日の1枚、おめでとうございます。
  >
  > チュニジアも行ってみたいと思っている国です。
  > それで、メキシコクルーズにもう1回と、旅先がコロコロと変わり、結局は
  > メキシコクルーズに決定。
  ＝＞メキシコクルーズの旅行記楽しみにしています。
  
  > そんなわけでチュニジアはまだ未踏の地なのです。(汗）
  > 旅をするには、もうすっかり安全になったようですね。
  ＝＞人々は純真で、やさしい人たちばかりでした。でも、周りの、アルジェリア・リビアも治安悪いので、まだ完全に安全ではないようです。が、普通に気を付ければ大丈夫と思います。外務省の海外安全情報を参考にしてください。
  >
  > ドゥッガの遺跡から見る景色は、緑が美しい草原なのですね。
  > 訪れる人も少なく、こんな素敵な遺跡を独り占め、優雅な旅ですね〜
  > 見渡す限りの小麦畑は、ローマ人の穀倉地帯として、ローマ時代から、そして現在も重要なのですね。
  ＝＞この時期、イタリアじゃないか思えるほど美しい農村風景が続きます。
  最初、砂漠を期待していたので、ちょっとびっくりしてしまいました。
  
  >
  > お礼に「日本の飴」が喜ばれるのですか。
  > 確かに、日本の飴は品質もいいし、美味しい。
  > そういえば、スリランカのホテルで、枕チップと一緒に飴を置きましたが、喜んでくれたかな・・・？
  > 今度から、海外旅行には日本の飴を数種、必携ですね。
  ＝＞日本の飴、優れものです。砂漠でのどが傷んだ時にも、役立ちます。
  少し多めに持っていくといいかもしれません。
  >
  > のどかな小川がチュニジア一の川・・・
  > 確かに海外では、日本の基準でものを観てはいけませんね。
  ＝＞こういうカルチャーショックが旅の感動と楽しみですね！
  >
  ＝> hot chocolate　さん、これからもよろしくお願いします。
  
  ｂｙＴＫ
  
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