2014/01/17 - 2014/03/07
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スタリモストさん
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今回のインド旅行では、グジャラート州並びにラジャスターン州で、たくさんの階段井戸(Step well)をめぐった。“デリーの西、ムンバイの北”の番外編として、訪問した20の階段井戸を紹介する。
一般的に「井戸」は、円筒形に真下に掘られ、つるべで水をくみ上げるスタイルだが、「階段井戸」は貯水面まで階段が伸びているのが大きな特徴だ。近くに寺院を擁したり、寺院と一体のものもあるので、その用途は水の確保にとどまらず、宗教的儀礼の場でもあったようだ。そして水はいつもあがめられる対象でもある。
階段井戸の形状には擁壁を支える梁や柱が幾層にも重なったものや、シンプルな構造が現代アートのようにも見えるものまで様々なものがある。又、壁や柱にヒンドゥーの彫刻やイスラームの文様が美しく施されて、神殿のような装いのものもあり魅了される。何よりも地上でなく地下に築かれているためか、地底世界に誘われるような、異界に分け入るような不思議な感興にとらわれるのが大きな魅力だ。
残念なことに多くのそれが忘れ去られ、崩壊の危機にさらされている。インド政府は階段井戸の価値に着目し保全と修復に力を入れるべきだ。
※階段井戸の英訳は「Stepwell」・・インドでは「 バオリ (baoli)」「ヴァヴ(VAV)」と言われる。
2006年制作の映画『落下の王国』(TheFall/ターセム・シン監督)では、「チャンド・バオリ」が登場。
武澤秀一氏著「迷宮のインド旅行」(新潮選書)の中で「アダラジ・ヴァヴ」が詳しく紹介されている。同氏は「Newton」2006年5月号に、「インドの地下に眠る聖なる遺跡」と題した記事も書かれている。
ウェブ上には、 福田眞人氏「インドの水保存法としての階段井戸」という階段井戸に詳しいレポートがある。
※ダーダ・ハリ(アーメダバード)
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1GANDHK・KI・BAOLI (メラウリ考古学公園近く/デリー)
クトゥブ・ミーナール駅で下車し、「リホン・キ・バオリ」に行こうとしたが、現地の人たちに誘われてたどり着いたのがココ。ゴミが散乱し規模も小さかったかったものの、初めて対面した階段井戸だったので感激。 -
2リホン・キ・バオリ(メラウリ考古学公園内/デリー)
お目当てのこの井戸は、「クトゥブ・ミーナール」横のメラウリ考古学公園内にあった。
飾り窓やレリーフが全体に装飾性を加え見応えのある建造物となっていた。横には寺院も建ち、神聖な雰囲気も漂っていた。 -
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階段に人々が座り、手前正面で何かをすれば、これは立派なスタジアムだ。
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3アグレイセン・キ・バオリ(コンノートプレイス近く/デリー)
情報では「JANTAL MANTARの近く」とあったが、実際はそこから2kmも離れていた。
KASTURBA GANDHI MRG通りをインド門に向けて歩き、ヘイリー通りを左に少し入ったところにそれを見つけた。
デートスポットになっているようで数組のカップルが並んで座り談笑している。こうした所にいると何か特別な感情に包まれるのではないかなあ。「包まれる」の思いは下に降りていくにつれて増していく。 -
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4ウジャラ(UJALA)・バオリ (マンドゥ)
「ガダシャーズ・ショップ」の横にあった。 -
シンメトリーな階段の形状が美しい。この形状のものには、以後たくさん遭遇することになる。
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5ダーダ・ハリ(アーメダバード)
実に見事な地下建築であり、ちょうど良い天気に恵まれ陰影が一層その造形を際立たせた。当時の姿がしっかりと残されているし、螺旋階段の昇降も出来たので、横の広がりと縦の深まりをしっかり体感した。 -
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底は土で埋められているが階段を下がるごとに涼しくなっていく。井戸は避暑のためであったことを実感する。
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6アダラジ・ヴァヴ (アーメダバード郊外)
ヴァーゲラー朝のルダ・バイ王妃が1499年に造ったものだ。 3つの入口を持ち5層30mの深さ、長さは70m幅25mの堂々たる階段井戸だ。柱にうがたれたレリーフはとても精緻で、柱組の構造も見応えがあった。ただしかし、保全のために螺旋階段は閉鎖され、そこから下に降りることはかなわなかった。その点では、昨日訪問したダーダ・ハリのほうが全体構造をしっかり鑑賞出来るように思われる。 -
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ヒンズー様式とイスラム文様の混在
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伝説によると・・・ヒンズー教を信仰するヴァーゲラー朝は、イスラーム教のマホメット・ベグダ王によって倒されたが、建造中の井戸の完成を条件にルダ・バイ王妃はマホメットの妻になることを承諾する。具象と抽象、ヒンズー様式とイスラム文様のレリーフが混在するのはそのためだ。そしてルダ・バイ妃は完成の後、殺された夫ヴィア・シン王の跡を追うように、井戸に身を投げて死んだという・・・・・。・・・この伝説は、映画「落下の王国」のイメージと色濃くつながり、王妃がスローモーションで落ちていく姿が頭をよぎった。
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7アディ・チャディ (ウパルコート砦/ジュナーガル)
ウパルコート砦の中にある岩盤をそぎ取ったように作られた野性的な井戸で、インディージョーンズの世界のようだった。 -
15Cの建造で、162段の階段、41mの深さがある。鳩が群れ飛びそこかしこ糞だらけだけだったけれど、「旅行人」や「歩き方」に書かれていたように、最深部まで降りられないことはなく、全く平気で下まで行けた。この井戸の水は聖水扱いされているようで、汚れきった水だけど口に含む人たちが多くいた。
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8ナヴァハン・クーヴァ (ウパルコート砦/ジュナーガル)
アディ・チャディと同じく ウパルコート砦の中にある。垂直に掘られた井戸の周囲に階段がうがたれている。暗闇のむこうに、最深部に続く階段が見えたが引き返した。ここも鳩やインコが群れ飛んでいた。 -
9ラーニ・キ・ヴァヴ(パタン)
行き届いた庭園となっている敷地の中にそれはあった。期待に違わず素晴らしい姿を見せてくれた。今まで見た中では最大級の階段井戸で奥行きが65mもある。壁面にはヒンドゥーの神々を讃え、600余の彫刻がびっしり刻まれている。
カジュラホの寺院とエローラのカイラサナータ寺院をミックスして逆さにしたような、堂々たる建造物だ。又、地下に降りていくという階段井戸特有の構造は、異界に誘われるような非日常の味わいを加味してくれる。これを見るためにだけでもパタンに寄る価値はある。 -
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10 スーリア寺院(パタン)
寺院と階段井戸が一体となった景観はとても美しい。階段に光と陰のリズムが形成されて現代アートのようにも見える。 -
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壁面に刻まれた彫刻は、躍動的で生き生きしたフォルムをしていて見応えがあった。
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11カタン・バオリ (オシアン)
ジョドプールから65km、バスで1時間半の所にある「OSIANオシアン」。
サチヤ・マタ寺院を右に行けば到達する。9世紀建造のもので近くには小規模ながら寺院が複数点在していた。手入れがなされておらず、損傷が進み痛々しかった。 -
チャンド・バオリ(アヴァネリ村)と時代が同じなのだろうか・・とても類似している。
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12タラガール砦(ブーンディー)
砦内の階段井戸は、家屋、寺院、見張り台などともにあり、井戸が人々の生活の中で機能していた往事を偲ぶことができる。砦の主人は今や猿たち・・すごい頭数の猿が生息している。 -
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13ヒンドゥー教寺院横の階段井戸(ブーンディー)
池のほとりから街の反対側に伸びる道を少し行くと猿が集う寺院に行き着く。階段井戸はその横にあった。このような美しい水をたたえたものを見たことがない。 -
もしインド政府が本腰入れてすべてのバオリの保全と改修を行い、澄んだ水を注入すれば、一層素晴らしい観光資源になるだろうに・・。
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14 ダバイ・カ・クンド (ブーンディー)
今まで見た中ではもっとも大きいものだ。ここでも光と陰の演出で、瀬戸内海の直島にあるような「モダンアート」を鑑賞している気分になった。 -
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15ラーニ・ジ・キ・ バオリ (ブーンディー)
とてもエレガントな井戸だ。貴婦人が佇んでいるような趣があった。列柱の方杖の装飾が華麗さを加味している。 -
掃除人が「正面は人の上半身と下半身で両脇の通路が手だ。」と解説した。確かに抱かれる感じがあって、座っていると不思議な心地よさを感じる。
地下へ進むことは子宮への回帰であり、心地よさは母に抱かれることと同質のものなのかも知れない・・・・。 -
16 ナガル・サガル・クンド(ブーンディー)
道路を挟んで同じ構造のものが二つ並んでいる。昨日見た時はゴミにまみれていて、悲惨な状態だったが、今日は掃除をしている最中だったものでホッとした。 -
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17バヴァルディ・バオリ(ブーンディー)
住宅が密集した場所にあったのでわかりにくかったが、近所に住む若者が案内してくれた。鍵がかかっていたが、背後の建物に住む女性が鍵を開けてくれた。ピンク色が他のバオリとは異なり新鮮だ。 -
井戸は地元の富豪が寄進するケースも多いと言われているが、これもそうした物の1つなのだろうか。
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ゲートの上部の「魚のデザイン」がユニークだった。
全体にキュートな仕上がりだ。 -
18メルタニ・バオリ(シェカワティー地方 / ジュンジュヌ)
とてもとても苦労して到達した井戸なので思い出深い。1783年に造られたというが、いかほどの期間、貯水の用を果たしたのだろうか。全体の姿は残しているものの、割れた瓶やゴミが散乱し雑木や雑草が繁茂し損傷が進行中で、階段井戸オタクとしては痛ましく感じた。 -
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19チャンド・バオリ(ジャイプール近郊アヴァネリ村)
チャンド・バオリは、インドで最も深く大きな階段井戸の一つで、深さ30m、13階層ある堂々たるものだ。地上の矩形の一辺が35mと、深さに比べて短いせいかその深さが一層際立つ。構造的には他に類似のものがあるが、創建が9世紀であるので、三角形の連続した階段を持つ階段井戸の中では原初の姿を示すものだろう。 -
この井戸は映画「落下の王国」で、登場人物の「ダーウィン」が処刑されるシーンで使われたこともあり、「階段井戸」と言えばこの井戸を思い浮かべる人も多いとだろう。
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20トゥグラカバード要塞の井戸(デリー)
まさに保水のためのシンプルな形だ。壁際に階段を一本だけ這わせる構造のものは今まで見かけなかったので、そうした点で目には新鮮に映った。 -
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